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2021年2月28日

重症くも膜下出血なのに何年経っても元気な患者の割合

2021  2月  フィンランド


動脈瘤破裂によるくも膜下出血(aSAH)の重症患者は死亡率が高いと考えられていて、たとえば12ヶ月死亡率はハントヘスグレード(H&H)4では49%、H&H 5では92%という報告がある。

しかし生存者をさらに長期にフォローした研究は少ないので、重症のくも膜下出血で3年間生存した患者の特徴をくわしくしらべてみたそうな。



2005-2015年のaSAH患者769人のうち、H&H 4-5の患者269人(35%)のデータを解析した。



次のことがわかった。

・269例のうちわけは、入院時に145人 (54%) が H&H 4、124人 (46%) が H&H 5 だった。

・このうち、155人(58%)は14日後、125人(46%)は12ヵ月後、120人(45%)は3年後の時点で生存していた。

・3年後に生存していた120人のうち、73%が入院時にH&H 4、27%はH&H 5だった。

・さらに59%には血腫体積22cm3前後の脳内出血、26%は脳室内血栓がみられた。

・3年後の転帰は、良好(mRS 0-1)は45%、中等度(mRS 2-3)が30%、不良(mRS 4-5)が25%だった。

・46%が脳室腹膜シャントをしていた。

・脳内出血量が3年後のmRSの有意な予測因子だった。


重度のくも膜下出血患者のうち、45%は3年後も生存しており、さらにその45%はほとんど障害が認められないレベルにまで回復していた。
かくの如く回復する可能性があるので、重症患者といえどもあきらめずに集中治療室へ送るべきである。たとえ脳死に至ったとしても臓器提供率の向上につながるから、


というおはなし。
重症くも膜下出血の3年後


感想:

くも膜下出血は脳の外でのことなのでFAST(顔、腕、口)症状がでにくく、ほとんどは頭痛のみである。そのためおおくの患者は病院にゆかず我慢しているうちに自然治癒してしまう

意識がなくなるような重症患者のみが病院に担ぎ込まれてくるため 見かけ上まれな致命率の高い病気とされているが、実際はありふれた病気にすぎない





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