元2022 12月 ドイツ
外傷によらないくも膜下出血のうち85%には動脈瘤がみつかり、10-20%には動脈瘤が確認できない。
この非動脈瘤性くも膜下出血には中脳周囲にだけ出血しているタイプとそれ以外のタイプに分けられる。それぞれのタイプ別に合併症の発生率をくらべてみたそうな。
2010-2021年の非動脈瘤性くも膜下出血の患者記録を対象とし、
血管攣縮、遅発性脳虚血、出血後水頭症の発生との関連を解析した。
次のようになった。
・平均年齢55、女性62人を含む100人の記録が確認された。・入院時、73%はWFNSグレードⅠの軽症であり、グレードⅣまたはⅤは9%のみだった。・くも膜下出血の確認は86%がCTで、14%が腰椎穿刺によるものだった。・25%が短期の髄液排出を必要とし、8%は長期のシャントが必要だった。・10%が血管攣縮を発症し、遅発性脳虚血は2%に認められた。・院内死亡は3%、再出血は2%でいずれも非中脳周囲型のみだった。
動脈瘤がみつからないタイプのくも膜下出血後では、35%になんらかの合併症が認められたが、死亡や再出血は非中脳周囲型の患者のみだった、
というおはなし。
感想:
動脈瘤がみつからないのでクリップやコイルができない。それなのに8割以上の患者はほとんど後遺症もなく回復する↓。
[アンギオ陰性 OR 非動脈瘤性 OR 中脳周囲]の関連記事
くも膜下出血のアンギオ検査では瘤から出血しているシーンを確認しているわけではない。
あたりをつけた部位に動脈瘤がみつかれば自動的にそれを出血源とする慣習があるだけ。
だからたとえば、動脈瘤よりすこしはなれた位置の血管が裂けて出血したばあい、瘤にクリップやコイルをはめても再出血率はかわらないはず。
そして実際にクリップやコイルをはめても再出血率はまったく改善しないし、再出血しやすい早い時期に治療するほどなぜか生存率は下がる。