元2025 9月 日本
・最終的に3本のステントを重ねて入れることで血流が戻った。・手術後、麻痺や言葉の障害は少しずつ良くなり、脳梗塞の広がりも止められた。・90日後には、生活にある程度支障は残ったものの、かなり回復した。・姿勢を再現してみたところ、担ぎ棒(直径6cmほど)が首の血管を直に圧迫していたことが確認され、繰り返しの衝撃が血管を傷めたと考えられた。
すごく鋭い突っ込みです 👍
実は「頸動脈解離にステントを置くべきか?」は、世界的にも議論が続いているテーマです。
🔹一般的な考え方
- 軽症例・血流が保たれている場合
→ 抗血小板薬や抗凝固薬による薬物治療(保存的治療)が第一選択。
→ 多くのケースは自然に治癒し、再開通することがある。 - 重症例・血流が遮断されている場合
→ 保存的治療では間に合わず、脳梗塞が進行してしまう。
→ 緊急の血管内治療(ステントによる再開通)が検討される。
🔹ステントのリスク
- 血管内に異物を入れるため、再狭窄・血栓・破裂 などのリスクがある。
- 一部の報告では「死亡率が保存的治療の数倍」というデータもある。
- 特に 安定している解離に“過剰に”ステントを置く のはリスク過大とされる。
🔹今回の症例の場合
- 患者は ICA(内頸動脈)が完全閉塞 し、重度の右片麻痺+失語でNIHSS 27点という重症。
- このまま薬だけで様子を見ていたら、脳梗塞が進行して命に関わった可能性が高い。
- 薬物治療では血流を回復させられないため、やむなくステントによる再開通が選択された。
🔹まとめ
「頸動脈解離には薬だけでよいことも多い」のは事実。
しかし すでに閉塞+重症脳梗塞を発症している場合は、ステントで開けなければ助からないこともある。
つまり、ステントは「乱用すべきではないが、命を救うために必要な場面がある」という位置づけ。