2013年5月31日

脳卒中のあとは視覚障害に注意だよ

元
Symptoms of stroke-related visual impairment.
2013  6月  イギリス

脳卒中のあとの視覚障害の頻度と種類を調べてみたそうな。

平均年齢70の脳卒中患者915人について視覚障害について申告してもらい、続いて視覚機能検査を行ったところ、


次のようになった。

・16%は症状の申告がなかった。

・しかし検査の結果、そのうち85%に視覚異常が見つかった。(視野欠損、眼球運動異常、受容異常など)

・視覚障害の申告のあった者(残りの84%)のうち、6.5%の検査結果は正常だった。


脳卒中のあとの視覚障害は、症状に気づいているか否かに関わらず、ちゃんと検査してみないとわからない、


というおはなし。


写真:遠視




感想:

脳卒中を機に視力が1.5→0.4になった。

この問題は皆の関心が意外に低い。

2013年5月30日

睡眠が足りないと高血圧になる、しかも...

元
Linking Sleep to Hypertension: Greater Risk for Blacks.
2013  4月  アメリカ

睡眠時間と高血圧との関連を人種の違いも含めて調べてみたそうな。


18-85歳のアメリカ人25352人に面談調査した結果、


次のようになった。

・睡眠時間が6時間未満の場合、人種に依らず6-8時間睡眠を取る者に比べ高血圧が多かった。

・6時間未満または8時間以上睡眠を取る黒人は、同様の白人に比べ高血圧リスクが3割以上高かった。

・この関連は、年齢、性別、収入、肥満、飲酒、喫煙、ストレス、既往症を考慮に入れても変わらなかった。


十分な睡眠が取れないと高血圧になりやすくなる程度は、人種により異なることがわかった、


というおはなし。


写真:睡眠と高血圧




感想:

そういえば高校の頃からいつも眠くて、授業を最後まで聞いた経験が数えるほどしか無い。


2013年5月29日

運動イメージ訓練で脳の働きが変化した

元
Cortical reorganization after motor imagery training in chronic stroke patients with severe motor impairment: a longitudinal fMRI study.
2013  4月  中国


運動イメージ訓練が脳皮質の働きに及ぼす影響を調べたそうな。


18人の慢性期脳卒中患者について、運動イメージ訓練あり、なしの9人ずつのグループに分けた。

運動イメージ訓練は1回30分間×週5日×4週間行った。両グループには通常のリハビリも施した。

その後上肢機能の評価と、脳機能MRIによる脳皮質の活動状況を調べ関連を解析した。


次のようになった。

・非損傷側の感覚運動野の活動が大きくなった。(イメトレ:6人、なし:5人)

・非損傷側の感覚運動野への依存度が大きくなった。(イメトレ:3人、なし:1人)

・この感覚運動野の拡がりと、上肢機能の回復程度との間に有意な関連が見られた。



運動イメージ訓練や通常のリハビリによって脳皮質の活動に変化が生じた。

患者はこういった変化を意識的にコントロールできるようになるかも知れない、


というおはなし。




私の右手指動作時の脳皮質の活動



2013年5月28日

音楽サポート療法は可塑性を促す

元
Sensorimotor plasticity after music-supported therapy in chronic stroke patients revealed by transcranial magnetic stimulation.
2013  4月  スペイン

脳卒中リハビリへの音楽サポート療法の効果を検証してみたそうな。


20人の慢性期脳卒中患者について、

音楽ポート療法グループと比較グループに分けて4週間の訓練の後、上肢の動作改善度や皮質脊髄路の信号の伝わりやすさを評価、比較したところ


・音楽サポート療法グループで脳の可塑性を促すような改善が見られた、


というおはなし。


音楽サポート療法は、

電子ピアノと、電子ドラムパッドを使って簡単な曲を患者に合ったペースで演奏する訓練を1回30分間×20回行った。






2013年5月27日

脳梗塞発症時、頭痛があればラッキー!

元
Onset Headache Predicts Good Outcome in Patients With First-Ever Ischemic Stroke.
2013  5月  台湾

脳梗塞発症時の頭痛は悪い兆しなのかどうか、調べてみたそうな。


初回脳梗塞の患者11523人について、頭痛の有無、その後の脳卒中の進行、神経症状、自立度などを調査した結果、


次のようになった。

・脳梗塞発症時に頭痛があった患者は7.4%だった。

・アテローム性、心塞栓タイプの脳梗塞で頭痛が起きやすかった。

・頭痛は、若く、女性で、後頭部の梗塞患者で多かった。

・頭痛なしに比べ、頭痛があると脳卒中の進行が少なく、

・退院時の神経症状の回復度も大きく、

・自立度も高く、

・重症になるケースも少なかった。


脳梗塞発症時に頭痛があった患者は、予後がとても良いことがわかった、


というおはなし。

写真:頭痛




感想:

脳卒中には頭痛が付き物と思いこんでいただけに、

自分の発症時に頭痛がなかったことを ??と思っていた。


実は頭痛がある方が珍しいんだね。


2013年5月26日

【太陽フレア】磁気嵐で脳卒中が増える可能性について

元
The influence of meteorological and geomagnetic factors on acute myocardial infarction and brain stroke in Moscow, Russia.
2013  5月  ロシア

気象条件と地磁気活動度が脳卒中と心筋梗塞に与える影響を調べてみたそうな。


1992-2005のモスクワの病院2施設での脳卒中患者1096人、心筋梗塞患者2833人について、発症当時の気象条件、地磁気活動度との関連を解析した結果、


次のようになった。

・心筋梗塞件数は、気温が上がると減って、地磁気活動度が上がると増えた。

・脳卒中件数は、気温やその変動幅が広がると増えて、地磁気活動度が上がっても増えた。

・低気圧や気圧の急な低下で脳卒中が増えた。

・磁気嵐の間の心筋梗塞、脳卒中のリスクは2-3割増加した。

・気温の低い時期には脳卒中件数が倍増した。

・影響度は、気温>気圧>地磁気 の順で大きかった。


脳卒中の発生は気象条件に影響を受けやすく、

また地磁気活動とも関連があることがわかった、


というおはなし。

磁気変動と脳卒中リスク
 a daily measure of local geomagnetic activity (A-index)
BS:Brain Stroke

感想:

地磁気がそんなに変動しているとは知らなかった。

太陽フレアによって
磁気嵐が発生し、地磁気が乱れる。

そして脳卒中も増える。


ついに脳卒中が宇宙規模の壮大な問題になってきたな...


関連記事:




 

2013年5月25日

舌や唇が麻痺したときも脳卒中の可能性があるよ

元
Numbness in the Tip of the Tongue and Lower Lip Caused by Thalamic Hemorrhage.
2013  4月  日本


高血圧の62歳男性が左の舌先と下唇に麻痺が起きた。

他には神経症状は見られなかった。


CTを撮ったところ、右脳の視床に小さな出血を見つけた。


そこは後内側腹側核と呼ばれる部位で、舌神経からの信号の通り道でもある。

この部位での出血が麻痺の原因と考えられた。


脳卒中でのこの種の麻痺は、通常は味覚障害である。

今後は舌先や唇麻痺のケースでも脳内の異常を疑ってみるべきだろう、


というおはなし。





感想:

自分も左顔面の触覚が未だ鈍い状況なので関心を持った。

食事の時に左唇にご飯粒がついていても気づかない。

床屋で顔を剃られる時の左右の感覚差は驚くほどのものがある。



2013年5月24日

脳卒中で怒りっぽくなった患者を科学的に調べてみました

元
Factors associated with post-stroke anger proneness in ischaemic stroke patients.
2013  5月  韓国

脳卒中後に怒りっぽくなる患者の頻度と要因を調べてみたそうな。


脳梗塞で入院した508人の患者について、怒りっぽさを心理テストで判定した。並行して血液サンプルを取り、セロトニン輸送タンパク質やモノアミン酸化酵素に関連するDNAの特徴で分類できるか解析した。


次のようになった。

・15.1%の患者で怒り傾向が病的と判定された。

・脳卒中の既往歴、入院時の神経症状の重さ、モノアミン酸化酵素の量が関連していた。


脳卒中後に病的に怒りっぽくなるのはよくあることで、入院時の症状の大きさや、特定の遺伝子が関連しているのかも知れない、


というおはなし。


写真:激おこプンプン丸


感想:

人の怒りっぽさみたいな特徴を適当に選んだDNAと関連づけて説明するこころみには、焼肉屋で寿司を注文するような違和感を覚える。


[感情失禁]の関連記事

2013年5月23日

大酒飲みは脳梗塞にめっぽう弱い

元
Influence of Chronic Ethanol Consumption on the Neurological Severity in Patients With Acute Cerebral Ischemia.
2013  5月  フランス

大酒飲みは脳梗塞が重症になるに違いない、と思ったので検証してみたそうな。


発症48時間以内の脳梗塞患者436人について、日頃の飲酒量と神経症状の重さとの関連を解析したところ、


次のようになった。

・60人が大酒飲みだった。(週に300g以上のエタノール摂取)

・大酒飲みというだけで、神経症状が重症化する危険率が2倍以上になった。


日頃やたら酒を飲む人は脳梗塞になったとき重症化することがわかった、


というおはなし。



感想:

思ったほど大したことない、って感じ。

ちなみにエタノール300gはビール6リットル相当。

2013年5月22日

『妻が脳卒中に... orz』、医師『ただの偏頭痛でした』

元
Predictors of Acute Stroke Mimics in 8187 Patients Referred to a Stroke Service.
2013  5月  アメリカ

脳卒中の疑いで入院してきた患者が実は脳卒中ではなかった、ということがある。


その頻度をよーく調べてみたそうな。

10年間8187人ぶんの患者データを解析した結果、


次のようになった。

・30%が脳卒中類似症状の患者だった。

・彼らは、若く、女性が多い、脳卒中リスク要因がない、などの特徴があった。

・脳卒中類似症状患者は、白人よりも黒人で多かった。

・高血圧や心房細動、高脂血症がない場合、脳卒中類似症状の可能性が高かった。



脳卒中で入院してきた患者の3分の1は、実は脳卒中ではなかった、


というおはなし。



感想:

じゃいったい何の病気なの?

と思って見つけた記事↓
救急隊員と脳神経科医の連携でstroke mimicsを適正に鑑別

2013年5月21日

早期リハビリって効果があるのかな...

元
Early Mobilization after Acute Stroke.
2013  5月  ノルウェー

早期リハビリがほんとうに良いのか調べてみたそうな。


発症後24時間以内に入院した脳卒中患者について、

・入院から24時間以内に移動訓練を始めるグループ(27人)

・入院から24-48時間経ってから移動訓練を始めるグループ(25)

に分けて、3ヶ月後の回復程度を比較した。

また、年齢、性別、神経症状の程度、脳卒中リスク要因などとの関連も解析した。


次のようになった。

・早期グループでは中央値で7.5時間後、比較グループでは30時間後に訓練を始めた。

・55%の患者で回復が良かった。

・良好な回復と関連のある要因は見つからなかった。



移動訓練を始める時間と予後との関連は見られなかった、


というおはなし。

写真:早期リハビリ

追記:(2018)
【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険

nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない

Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2013年5月20日

玉子をたくさん食べると脳卒中になるのか?

元
Egg consumption in relation to risk of cardiovascular disease and diabetes: a systematic review and meta-analysis.
2013  5月  アメリカ

玉子を食べる量と脳卒中を含む心血管系疾患との関連を調べてみたそうな。


関係する過去の研究論文を抽出して、データを統合、再解析したところ、


次のようになった。

・玉子をもっともよく食べる人はほとんど食べない人に比べ、脳卒中の危険率が0.93だった。

・同様に、虚血性心疾患についても危険率は0.97だった。

・また、2型糖尿病の危険率は1.42だった。



玉子を食べる量と脳卒中など心血管系疾患のなりやすさとは関連がないことがわかった、


というおはなし。

写真:玉子


感想:

どうやら玉子はなんの問題もないようだ。
毎日1個の玉子が脳出血予防になる

タマゴは好きなだけ食べてよろし

玉子をたくさん食べても心筋梗塞や脳卒中で死ぬことはない


2013年5月19日

1年半以内に復職できる患者の特徴とは

元
Functional and occupational characteristics predictive of a return to work within 18 months after stroke in Japan: implications for rehabilitation.
2013  5月  日本

脳卒中患者が1年半以内に復職できる条件を調べてみたそうな。


351人の脳卒中患者について調査したところ、

次のようになった。

・51%が1年半以内に復職できていた。

・復職に有利な要因は以下のとおり

*ホワイトカラー職であること

*失語症でないこと

*注意欠陥がないこと

*歩けること


個人の状況に合った復職リハビリが必要ではないか、


というおはなし。




感想:

同じ研究者による日本語の資料があった。

脳卒中患者の復職に対するリハビリテーション科学の関わり
「13分野労災疾病等研究の知見より」

2013年5月18日

中国にも脳卒中地帯があった

元
Is There a Stroke Belt in China and Why?
2013  5月  中国

アメリカの南東部は脳卒中死亡率が高く、脳卒中地帯と呼ばれている。

中国にも脳卒中の多い地域があるのか調べてみたそうな。


過去30年間の信頼性の高い脳卒中研究を統合し、脳卒中の多い地域を分類して関連要因も含めて解析した。


次のようになった。

・中国全土を網羅する9つの研究が見つかった。

・脳卒中地帯と言える9つの地域がみつかった。(黒竜江省、チベット、吉林省、 遼寧省、 新疆ウイグル 、河北省 など)

・脳卒中地帯での発生率は10万人あたり236人で、それ以外の地域では110人だった。

・脳卒中地帯では、高血圧と肥満の割合が高く、脳卒中発生率とよく相関していた。



中国の北部、西部には、脳卒中発生率が高い地域があることがわかった。

これは住民の高血圧や肥満が原因かも知れない、


というおはなし。



これが中国の脳卒中地帯




感想:

チベット住人はキレやすいという科学的根拠

を思い出した。



2013年5月17日

カルシウムが少ないと脳内出血になったときたいへん

元
Low Serum Calcium Levels Contribute to Larger Hematoma Volume in Acute Intracerebral Hemorrhage.
2013  5月  日本

脳内出血患者の血中カルシウム濃度と血腫の大きさとの関連を調べたそうな。


273人の脳内出血患者について、発症後24時間以内の血中カルシウム濃度を測定し、濃度別に4つのレベルに分類し、

Q1 [≤9.0], Q2 [9.1-9.3], Q3 [9.4-9.7], Q4 [≥9.8] mg/dL

血腫の大きさ、神経症状の重さ、障害の程度との関連を解析したところ、


次のようになった。

・Q1-Q4の順で血腫の大きさが 18, 9, 10, 9 mL だった。

・同様に、NIHSSスコアが 16, 11, 11, 9 だった。

・カルシウム濃度の低いグループQ1には軽度障害の患者はいなかった。

・また、Q1には重度の障害患者や死亡した患者が多かった。



入院時血清カルシウム濃度の低い脳内出血患者は血腫が大きく、神経症状も重いことがわかった、

というおはなし。




感想:

よしっ カルシウムサプリメントを買うか! と思ったけど、

カルシウムサプリの危険記事を思い出した。


健康のためにカルシウムサプリメント始めます → 心筋梗塞で救急車

【いまや常識】 カルシウムサプリメントは脳梗塞の素

閉経だからカルシウムサプリメントを始めます → 脳卒中で入院



2013年5月16日

麻痺手を使うにはかなりの集中力が必要なことが判明...あたりまえだけど

元
Upper-limb motor control in patients after stroke: Attentional demands and the potential beneficial effects of arm support.
2013  4月  オランダ

軽中程度に上肢麻痺のある脳卒中患者の注意力にどのくらい負荷がかかっているのかを調べてみたそうな。


10人の脳卒中患者について、円を描きながらストロープ課題をこなす2重作業を行わせた。
このとき麻痺腕の重量を支えるアームサポートを使用する場合と使用しない場合での課題スコアを健常人の結果と比較した。

次のようになった。

・アームサポートが無いと、中程度麻痺手の患者での課題スコアが非常に低かった。

・アームサポートがあると、中程度麻痺手の患者での課題スコアに大きな差はなかった。


中程度の上肢麻痺があると2重作業によって腕の自動性が失われる。

そこにアームサポートがあると麻痺手への注意力の負荷が軽減されることがわかった、

というおはなし。



感想:

日頃、左手を使うときに
いちいち"使う気"を呼び起こす必要があることから
この報告に関心を持った。


ちなみにこれがストロープ課題 (観ればわかる)
名称を初めて知った。



2013年5月15日

脳卒中から1年半経ってウツで悩んでいること

元
Psychosocial problems associated with depression at 18 months poststroke.
2013  4月  ベルギー

脳卒中後1年半時点でのウツの状況を調べてみたそうな。


125人の脳卒中患者を追跡調査したところ、


次のようになった。

・28%がウツと診断された。

・ウツのある患者は日常生活動作の自立が遅れていて、身体的、認知的障害が多かった。

・ウツがある患者では対人関係で問題が生じるリスクがウツなしに比べ4.5倍高かった。



脳卒中後1年半時点でのウツは身体活動の低下と対人関係の問題が特徴的だった、


というおはなし。




感想:

とてもよくわかります。


2013年5月14日

全身振動トレーニングって結局どうなのよ?

元
Effects of Whole-Body Vibration on Muscle Architecture, Muscle Strength, and Balance in Stroke Patients: A Randomized Controlled Trial.
2013  4月  スペイン

脳卒中患者への全身振動トレーニング効果を検証してみたそうな。


発症後6ヶ月以上経った脳卒中患者20人を2グループに分けて、一方には全身振動トレーニングを施した。

下肢筋肉構造や膝を伸ばす力、バランス能力を評価、比較した。


次のようになった。

・両グループで下肢筋肉の構造、筋力、バランス能力に違いは生じなかった。



全身振動トレーニングには脳卒中患者の下肢運動機能を改善する効果はないことがわかった、


というおはなし。




感想:

これまでも何回か記事にしてきた。
・全身振動トレーニングで脳卒中患者の骨代謝が改善するのか?

・全身振動トレーニングを1回だけやってみたら…

・全身振動トレーニング療法の効果に結論

・全身振動トレーニングの脳卒中リハビリ効果について

いろんな見方があるようだけど、難しいこと考えないでレクリエーションのひとつと割り切ってはどうだろうか?



2013年5月13日

レーザー療法で脳梗塞が治るのか?

元
Transcranial Laser Therapy and Infarct Volume.
2013  5月  アメリカ

経頭蓋レーザー療法の脳梗塞治療効果を検証したそうな。

640人の脳梗塞患者について、発症24時間以内に経頭蓋レーザー療法を施した。比較のために偽レーザー照射グループも作った。

5日後に撮影した断層画像を元に梗塞体積を評価したところ、


次のようになった。

・レーザー療法によって梗塞の大きさには変化がなかった。


経頭蓋レーザー療法は脳梗塞治療にまったく効果がないことがわかった、

というおはなし。




感想:

今回の研究に使用した装置はPhotothera Inc.という企業が開発したNeuro Theraというもので、2004には膝関節治療目的の別装置でFDAの認可も得ている。


しかし企業ホームページにアクセスすると何も表示されない。
http://www.photothera.com/

ちょっと早すぎたのかもしれない。

2013年5月12日

普段から両手をよく使っている人は上肢麻痺になってもすぐに回復できる

元
Laterality affects spontaneous recovery of contralateral hand motor function following motor cortex injury in rhesus monkeys.
2013  5月  アメリカ

脳の利き手への偏りと上肢機能の回復との関係を調べてみたそうな。


アカゲザルの利き手と反対側の脳半球の運動皮質を人為的に損傷させて、その後の自発的な回復を測定した。

フードペレットを拾う作業を通じて、脳損傷前後での上肢機能と利き手依存度の評価を行った。


次のようになった。

・利き手依存度が大きいほど上肢運動機能の回復が悪かった。

・運動皮質の損傷が大きいほど、上肢の障害が大きく 回復も良くなかった。



利き手依存度が大きいほど、それを支配する運動皮質の損傷からの回復が良くないことがわかった。

このことから両手を均等に使える人ほど、脳卒中からの回復が早いと予想できる、


というおはなし。




感想:

一方の脳に偏っている人は、それがダメージを受けた時に他方からの支援を受けにくいんじゃないか...ってこと と理解。

2013年5月11日

若年脳梗塞患者の認知機能を長期的に調べてみた

元
Long-Term Cognitive Impairment After First-Ever Ischemic Stroke in Young Adults.
2013  5月  オランダ

50歳未満で発症する脳梗塞患者は全体の14%に達する。

彼らの脳梗塞後の認知機能について長期的に調べてみたそうな。


50歳未満で発症した277人の脳梗塞患者について認知機能を平均で11年間追跡調査した。

これを146人の健常人と比較した。


次のようになった。

・脳梗塞後の認知機能スコアは、ほとんどの項目で健常人の平均を下回り、認知障害とされる者もいた。

・反応速度の低下、作業記憶力低下、注意力低下がよく見られた。


若年脳梗塞患者は11年経ってなお、

かなりの者が認知機能の低下に悩んでいることがわかった、

というおはなし。




感想:

年齢的にこのケースに当てはまり、関心がある。

・運転しながら会話や音楽を楽しめない。

・人の名前がヤバイくらいでてこない。

・本を開いてもすぐに疲れて眠くなる。

2013年5月10日

ミツバチのおかげ、脳卒中のあとの中枢性疼痛が治った

元
Bee venom acupuncture point injection for central post stroke pain: A preliminary single-blind randomized controlled trial.
2013  5月  韓国

脳卒中後の中枢性疼痛治療に蜂毒療法を試してみたそうな。


ミツバチの毒を0.005%に希釈した溶液を麻痺した側の各ツボに0.5ml注射する。これを週に2回×3週間続けた。比較のために生理食塩水を注射するグループをつくった。

対象としたツボ:
肩髃、 肩井、 曲池、 風市、 足三里、 懸鍾


次のようになった。

・各グループ8人の脳卒中患者で実験した。

・3週間後、両グループ共に痛みレベルが低下したが、

・蜂毒グループの痛み低下は非常に著しかった。


蜂毒療法で脳卒中後の中枢性疼痛が大きく緩和された、


というおはなし。
図:ミツバチ毒と脳卒中後疼痛

2013年5月9日

脳卒中患者の10人に1人は起床時に気づく

元
Wake-Up Stroke: Incidence, Risk Factors and Outcome of Acute Stroke during Sleep in a Japanese Population. Takashima Stroke Registry 1988-2003.
2013  4月  日本

睡眠中に発症し起床時に気付く脳卒中の特徴について調べたそうな。


1988-2003に滋賀県高島郡の住人55000人を対象にした調査データを解析した結果、


次のようになった。

・897人の脳梗塞、335人の脳内出血があった。

・このうち睡眠中に発症したケースは、脳梗塞9.7%、脳内出血11.9%だった。

・高血圧と睡眠中の脳梗塞に関連があった。

・喫煙と睡眠中の脳内出血に関連があった。

・急性期の致死率は、睡眠中、覚醒中発症に関わらず違いはなかった。


睡眠中の脳卒中は10件に1件の割合で起き、高血圧、喫煙が影響する。

しかし急性期の致死率が高いわけではない、


というおはなし。




感想:

愛する人の命を救うために脳卒中症状を見つけたらすぐに119!
なんてよく聞くけど、

睡眠中に発症して、何時間も経ってから気づいても死亡割合が変わらないってことは、
実は病院に急がなくても命に別状はないんじゃない? と思った。

2013年5月8日

【尖足】装具 vs 電気刺激 ついに決着

元
Foot Drop Stimulation Versus Ankle Foot Orthosis After Stroke: 30-Week Outcomes.
2013  5月  アメリカ

脳卒中後の尖足対策としての短下肢装具と下垂足刺激装置の効果比較をしたそうな。


発症後3ヶ月以上、歩行速度0.8m/s以下の脳卒中患者197人について装具と刺激装置の2グループに分け、30週間続けさせた。
最初の6週間は理学療法も行った。


次のようになった。

・両グループとも歩行スピードが大きく改善した。

・しかしグループ間で歩行スピードの差はほとんどなかった。

・使用満足度は刺激装置の方がずっと高かった。


短下肢装具や下垂足刺激装置を使うと歩行スピードが大きく改善した。

利用満足度は下垂足刺激装置の方が高かった、


というおはなし。

2013年5月7日

【3.11】津波が脳卒中を引き起こす可能性について

元
Influence of the Great East Japan Earthquake and Tsunami 2011 on Occurrence of Cerebrovascular Diseases in Iwate, Japan.
2013  5月  日本

津波が脳血管疾患に与える影響を調べてみたそうな。


岩手県沿岸部の住人について東日本大震災前後の脳血管疾患の発生状況を、過去3年間の記録を含め調査した。

次のようになった。

・震災直後4週間の脳血管疾患の標準化罹患比は1.20でそれまでに比べ特に高いというわけではなかった。

・これを脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血ごとに見ても、それぞれ1.22、1,15、1.20だった。

・しかし、津波被害の大きかった地域の75歳以上男性の脳梗塞に限定すると、この値は2.34になった。


東日本大震災で大きな津波被害を出した地域に住んでいた高齢男性の脳梗塞の発生率が一時的に2倍以上になった、


というおはなし。




感想:

このピークは4週間後には元に戻ってしまったとのこと。

想像したほど大したことはなかった、という印象。





追記:

衆議院 2013年5月8日 震災復興特別委員会参考人
南相馬市立総合病院:副院長 及川友好(脳神経外科)


(1:28~)私自身は脳神経科医でありますので、
脳卒中の発症率をいま東京大学の国際衛生学教室と一緒になって今データを集めているところなんですが、
これはまだ暫定的なデータで確定的なものではないんですが、
ただし恐ろしいデータが出ています。


我々の地域での脳卒中発症率が65歳以上で約1.4倍。
それどころか35歳から64歳の壮年層で3.4倍にまで上がっています。
非常に恐ろしいデータが今上がってきていますね。


これらのデータをきちっと解析しながら発表していくことも我々の仕事だと思っているんです。

2013年5月6日

脳卒中のあと、障害が多いとウツになるのかな

元
A prospective study on the prevalence and risk factors of poststroke depression.
2013  1月  ベルギー

脳卒中後ウツの危険因子について調べてみたそうな。


135人の脳卒中患者について、発症3ヶ月時点での回復状況を調べた。


次のようになった。

・28.1%がウツと診断された。

・ウツがあると、自立度が低く、身体的、認知的障害が多く見られた。

・言語障害の比率もウツあり36.8%、ウツなし19.6%だった。



脳卒中後ウツは身体、認知、言語の障害を持つ自立度の低い患者により多く見られた、


というおはなし。



感想:

障害がウツを呼ぶみたいな物言いが気になる。

ちょとちがう、と思うョ。

2013年5月5日

脳梗塞は左脳がなりやすいことがわかった

元
Hemispheric differences in ischemic stroke: is left-hemisphere stroke more common?
2013  4月  アメリカ

脳梗塞が右脳と左脳のどちらで起きやすいか調べてみたそうな。


317人の脳梗塞患者(脳出血等は除く)を調べた結果、


次のようになった。

・左脳梗塞54%、右脳梗塞46%で、十分に有意な差だった。

・入院時の神経症状は左脳梗塞で重かった。

・また、死亡率も高かった。



脳梗塞は左脳が右脳よりも多く、予後も悪い、

というおはなし。

 
写真:脳

2013年5月4日

前庭リハビリで半側空間無視が治るのか

元
Effects of primary caregiver participation in vestibular rehabilitation for unilateral neglect patients with right hemispheric stroke: a randomized controlled trial.
2013  4月  台湾

前庭リハビリテーションの半側空間無視改善効果を検証してみたそうな。

右脳損傷で半側空間無視の脳卒中患者48人について、
前庭リハビリあり、なしのグループに分けてその改善度を比較した。

並行して両グループにはPT,OTを毎日1時間ずつ施した。


前庭リハビリは、

開眼、閉眼、目の前の目標物を凝視の各状況下で
頭を上下に20回/分、左右に20回/分で振る。
これの繰り返しで 30分間×毎日×2週間続ける。
また、指導役として家族も参加させた。


次のようになった。

・時間が経つに連れ、両グループともに半側空間無視、日常生活動作、バランスが著しく改善した。

・特に、前庭リハビリグループでは著しい交互効果が確認できた。

・転倒回数は両グループで違いはなかった。


前庭リハビリテーションで脳卒中による半側空間無視が改善することがわかった、


というおはなし。




これが前庭リハビリだ。



[半側空間無視 治療]の関連記事

2013年5月3日

【ようやく】脳卒中リハビリはやった方がいいことがわかった

元
Stroke rehabilitation in China: a systematic review and meta-analysis.
2013  4月  オーストラリア

脳卒中後のリハビリテーションはいまや何の疑問もなく行われているため、研究比較のためにリハビリ無しにすることは倫理的に許されない。

しかし中国では依然として脳卒中リハビリは標準的治療には含まれていないので、中国の研究データを用いればリハビリ無しの比較ができる、と考えたそうな。


中国の医学研究データベースから脳卒中リハビリ無しの研究データを抽出し、西洋の脳卒中研究と統合、再解析したところ、


次のようになった。

・リハビリ無しよりもリハビリした方が身体機能の回復がずっと良かった。



脳卒中後のリハビリテーションは、やらないよりやった方がずっとイイことがわかった、


というおはなし。




感想:

こんな状況ですから、どうか療法士さんを大目に見てやってください、おながいしまつ。

2013年5月2日

ボツリヌス療法とCI療法は上肢リハビリにほとんど役立たないことが判明

元
A meta-analysis evaluating the effectiveness of two different upper limb hemiparesis interventions on improving health-related quality of life following stroke.
2013  4月  イギリス

脳卒中患者の上肢麻痺治療法の効果を定量的に評価してみたそうな。


ボツリヌス療法とCI療法について信頼の置ける研究を厳選して、そのデータを統合、再解析した結果、

次のようになった。

・ボツリヌス療法2件の研究データからは健康関連QOLについて意味のある改善結果は得られなかった。

・CI療法4件の研究データからも日常生活、手の機能いずれについても明らかな改善が見られなかった。

・他の側面(可動性、やる気、社会参加など)についても同様に目立った効果はなかった。


ボツリヌス療法やCI療法をいくらやっても生活で実感できるレベルの改善は得られないことがわかった、

というおはなし。





感想:

業界の空気を読めない研究者がときどきこういうことを言い出す。

非常識だ、まったくけしからんと思う。

2013年5月1日

血圧のモーニングサージは不眠が原因だった

元
Morning Blood Pressure Surge and Nighttime Blood Pressure in Relation to Nocturnal Sleep Pattern and Arterial Stiffness.
2013  4月  アメリカ

血圧のモーニングサージは脳卒中のもと、と言われている。


これと夜間血圧、睡眠状況、動脈硬化との関連を調べてみたそうな。

25-60歳の健常人30人について、携帯血圧計で24時間測定した。
同時に、動脈硬化度を測定し、睡眠覚醒判定器を使用、モーニングサージは計算で求めた。


次のようになった。

・モーニングサージの高い上位4分の1の8人は他と較べて、朝の収縮期血圧が高く、夜の拡張期血圧が低かった。

・収縮期血圧のサージは不眠で就寝時間の長い人に見られた。

・モーニングサージは動脈硬化とはあまり関連が見られなかった。



血圧のモーニングサージは、夜間不眠と関連があるかも知れない、


というおはなし。



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