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2020年6月23日

バイノウラルビート 慢性疼痛緩和の二重盲検 RCT


2020  6月  ギリシャ


バイノウラルビート(BB:Binaural Beat)は左右の耳に提示された周波数のわずかにことなる音響刺激によって生じる。

それら周波数差に相当する周期的なうなり(ビート)が知覚され、このビート周波数に脳のはたらきが同調するエントレインメント効果が確認されている。

バイノウラルビートの疼痛緩和効果についての報告がいくつかある。しかし慢性疼痛についての報告は1件のみである。

そこで、慢性疼痛患者へのシータ・バイノウラルビートの急性および長期の効果について二重盲検のランダム化比較試験をやってみたそうな。





脳卒中経験者3人をふくむ慢性疼痛歴8年前後の患者21人について、

BB刺激(5Hzのビート)と

偽の音響刺激(左右同じ周波数のビートなし)のグループに分けた。

脳波記録しながら30分間聴かせた直後の疼痛スケール PI-NRS(Pain Intensity Numeric Rating Scale)、ストレス度(STAI:State-Trait Anxiety Inventory)を測定した。

さらに自宅にて、mp3ファイルで持ち帰った音響刺激を疼痛のタイミングで30分間聴くよう指導して1週間後に再びPI-NRS、STAI、一日あたりの鎮痛薬使用量を評価した。

そして1週間のwashout期間を設けたのち、グループを入れ替えて同様の実験を行った。



次のことがわかった。

・30分間で疼痛レベルは、BBグループ 5.6→3.4、偽刺激グループ 5.2→4.8 となり、

・自宅での1週間後では、それぞれ3.9、5.5 になった。

・BB刺激中の脳波はシータ強度が有意に増加していた。

・ストレス度は30分後いずれのグループも減少したが、1週間後も低下していたのはBBグループのみだった。

・1週間中の1日あたりの鎮痛薬使用量は 3.9 vs. 4.6 でBBグループが有意に少なかった。


慢性疼痛患者へのシータ・バイノウラルビート刺激は疼痛レベル、ストレス度、鎮痛薬使用量を減少させた、


というおはなし。
シータバイノウラルビートの慢性疼痛緩和効果



感想:

すばらしいエビデンスだ。

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