2019年10月31日

慢性期脳卒中の幹細胞治療 メタアナリシス

元
From the Lab to Patients- a Systematic Review and Meta-Analysis of Mesenchymal Stem Cell Therapy for Stroke
2019  10月  カナダ

脳卒中の回復いちじるしい期間はせいぜい6ヶ月である。再生医療はこの期間を延長することができるとして期待されている。

その一つに体性幹細胞でもある間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell:MSC)をつかった治療がある。

MSCは動物実験では感覚運動機能、シナプス形成や神経新生をうながしさらに脳損傷を抑えるとされている。

脳卒中急性期への臨床試験でも安全であると考えられている。

そこで慢性期の脳卒中へのMSC効果について これまでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月30日

nature.com:失語症患者が再発しにくい理由

元
In-hospital recurrence in a Chinese large cohort with acute ischemic stroke
2019  10月  中国

急性脳梗塞は再発リスクが高い。ドイツでは院内での再発率は0.8%だったという報告がある。

中国での調査はまだないので院内再発の頻度とリスク要因についてくわしくしらべてみたそうな。



急性脳梗塞の入院患者1027人の記録について、最初の発症から24時間以上のちにおきた脳卒中イベントを「再発」としたところ、



次のことがわかった。

・14日前後の入院期間中5.68%が再発した。

・再発はおもに入院後5日以内に起きていた。

・再発患者の入院日数と死亡率はあきらかにおおきかった。

・再発のリスク要因は、主幹動脈のアテローム性動脈硬化、感染症、高血糖、だった。

・なぜか失語症患者は再発リスクが非常に低かった。

中国では脳梗塞患者の院内再発率はかなり高かった。再発はおもに入院後5日以内におきていた、


というおはなし。

図:失語症の再発リスク



感想:

失語症患者の再発リスクが低い理由として、彼らは症状をうまく訴えることができないから再発していてもスルーされているのではないか、、とのこと。

2019年10月29日

カルシウムと脳卒中の関係に結論

元
The Evidence and Controversy Between Dietary Calcium Intake and Calcium Supplementation and the Risk of Cardiovascular Disease- A Systematic Review and Meta-Analysis of Cohort Studies and Randomized Controlled Trials
2019  10月  中国

カルシウムの摂取は骨と心血管系に重要で、高齢者には1日あたり1200-1500mgが推奨されている。

とくに心血管疾患へのカルシウムの良い効果が注目され、サプリメントも広く使用されている。

いっぽうその効果に疑問を呈する調査結果もおおく報告されるようになった。

これらの調査を統合するべくメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月28日

Neurology誌:脳梗塞になったら血圧を上げて治す

元
Therapeutic-induced hypertension in patients with noncardioembolic acute stroke
2019  10月  韓国

脳梗塞の治療には血栓溶解療法や血栓回収療法があるが時間制限があるため適用できる患者はすくない。

これまで脳梗塞患者の血圧を薬で昇圧して脳循環を改善する試みがいくつかなされてきたが いずれもサンプル数がすくなく結論も一致していない。

そこで脳梗塞の昇圧療法についてマルチセンターランダム化比較試験 SETIN-HYPERTENSION(Safety and Efficacy of Therapeutic Induced Hypertension in Acute Non-Cardioembolic Ischemic Stroke)トライアルをやってみたそうな。



非心原性の脳梗塞から24時間以内で通常の血行再建術ができない患者について、
76人を昇圧グループ
77人をコントロールとした。

昇圧グループは薬フェニレフリンでゆっくりと昇圧し、
収縮期血圧が200mmHgをしたまわる範囲でNIHSSスコアが2ポイント以上改善するまで昇圧し続けた。

その上限値を24時間以上維持したのち除々に昇圧を解いていった。

さらに90日後のmRSスコアも評価した。



次のようになった。

・年齢、重症度を考慮してなお昇圧グループのほうが神経症状(NIHSS)スコア、90日後の回復良好者(mRS0-2)割合 ともにあきらかにすぐれていた。

・とくに昇圧グループの88.2%はNIHSSスコアが2ポイント以上改善し、このときの平均収縮期血圧は179.7mmHgだった。

・安全性の面でグループ間にあきらかな違いはなかった。

脳梗塞患者への薬による昇圧療法は安全でかつすぐに神経症状が改善し、長期の回復度も向上した、



というおはなし。

図:脳梗塞への昇圧効果



感想:

「血圧が高い」には脳のすみずみにまで血液を巡らせるメリットがある。

それを降圧薬で無理やり下げてしまうとボケがすすむ原因になる、と考えるひとも少なくない。
降圧薬のうちきりが認知症をふせぐ?

2019年10月27日

Neurology誌:別病院への再入院はいろいろヤバい

元
Readmission to a different hospital following acute stroke is associated with worse outcomes
2019  10月  アメリカ

急性脳卒中のあと再入院すると最初の入院時よりも死亡率が2倍高いという報告がある。
さらに医療コストも20%増しになるという。

そこで、脳卒中で退院したあと30日以内に別の病院へ再入院したばあいの入院日数、医療コスト、死亡率について大規模にしらべてみたそうな。

2019年10月26日

Stroke誌:未破裂瘤を治療すると頭痛が治まる理由

元
Headache Outcomes After Treatment of Unruptured Intracranial Aneurysm
2019  10月  カナダ

未破裂脳動脈瘤患者のおよそ3分の1は頭痛が理由で病院にかかり瘤がみつかっている。このような場合 偶然に瘤がみつかったとされ頭痛と瘤との因果関係は無視されてきた。

最新の国際頭痛分類では未破裂脳動脈瘤による頭痛が認められるようになったものの、ほんとうに瘤が頭痛の原因で その瘤を治療すれば頭痛が治まるのかについてはいまだ議論がある。

そこで未破裂脳動脈瘤の治療(クリップやコイル)でどのていど頭痛が改善するものかについて これまでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月25日

麻痺上肢をうごかす運動準備低周波振動とは

元
Low-Frequency Brain Oscillations Track Motor Recovery in Human Stroke
2019  10月  アメリカ
脳卒中による上肢の麻痺はながく続き 効果的な治療法はまだない。

運動をおこすタイミングの直前から発生するデルタ波やシータ波は、脳波の運動準備低周波振動(Movement preparatory low-frequency oscillations:LFOs)と呼ばれ脳刺激療法のターゲットとして注目されている。

動物実験ではLFOsと上肢運動機能との関連や、脳への低周波数の電気刺激による運動精度との関連が示されているが人での関連はよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月24日

Stroke誌:若年者 PTSDからの脳卒中

元
Posttraumatic Stress Disorder and Risk for Stroke in Young and Middle-Aged Adults
2019  10月  アメリカ

脳梗塞の10-14%は18-45歳が占める。高齢者の脳梗塞発生率は低下傾向にあるもの若年者は上昇傾向にある。

そのリスク要因の1つとして精神的、心理的ストレスが考えられる。とくにPTSD(心的外傷後ストレス障害)は若年者の10-40%にみられるという。

そこで若年者について、PTSDと脳卒中との関連を大規模にしらべてみたそうな。



平均年齢30でイラクやアフガニスタンで働いた退役軍人約100万人を13年間フォローした記録を解析した結果、



次のことがわかった。

・28.6%がPTSDと診断された。

・TIA766人、脳梗塞1877人が発生した。

・PTSD患者のTIAリスクは2.02倍で、脳梗塞リスクは1.62倍だった。

・関連要因を調整してもこれらのリスクはあきらかに高かった。

・PTSDの脳梗塞への影響は女性よりも男性に強く、TIAでは性差はみられなかった。

PTSDは若年者のTIAや脳梗塞リスクをあきらかに高くする要因だった。とくに男性はPTSDで脳梗塞になりやすかった、


というおはなし。

図:



感想:

ストレス下にあると慢性的な炎症、自律神経系や生活の乱れがおおきくなって脳卒中になるんだって。

さいきん「PTSD」ってあまり聞かないな、、とおもって、似たようなところで「LGBT」と比べてみた。


規模も傾向も大差ないのね。

2019年10月23日

コイル塞栓術中にコブを破ってしまったケースの予後

元
Long-term Outcomes Following Intraprocedural Aneurysm Rupture During Coil Embolization of Unruptured Intracranial Aneurysms
2019  10月  日本

脳動脈瘤のコイル塞栓術はクリッピングの代わりに広く受け入れられるようになった。

最近のメタアナリシスではコイル塞栓術の合併症率は4.96%、致命率は0.30%とされている。

コイル塞栓術中に脳動脈瘤を破ってしまうIPR(intraprocedural aneurysm rupture)はもっとも深刻な合併症の1つである。

未破裂脳動脈瘤でのIPRの予後についての報告は限られ、長期にフォローしたものはさらに少ないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月22日

6分間で〇〇〇m歩けないと転ぶ

元
The six-minute walk test as a fall risk screening tool in community programs for persons with stroke- a cross-sectional analysis
2019  10月  アメリカ

脳卒中の再発を防ぐために有酸素運動をとりいれることが望ましいが、事前に転倒リスクが高い患者を見分ける必要がある。

そこで6分間歩行テストと転倒リスクとの関連をくわしくしらべてみたそうな。



発症後6ヶ月以上経つ脳卒中患者66人について、
日常生活のバランス能力を調査する Activities-specific Balance Confidence scale:ABCスケール を評価して

6分間歩行距離との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・6分間歩行距離が小さいほど転倒リスクは高かった。

・このときのROC曲線下面積は0.701で、

・カットオフ値331.65mを下回ると転倒リスクがあきらかに高く、

・この値でスクリーニングした場合、高転倒リスク者を含む確率は59.1%→74.3%に向上した。

6分間歩行テストと転倒リスクには関連があった。332mを下回る患者には注意が必要である、


というおはなし。

図:6分間歩行距離と転倒リスク


感想:

6分間は360秒だから、だいたい秒速1mがめやすだな。
Stroke誌:復職できる歩行スピード

2019年10月21日

薬を飲まないから認知障害になるのか?

元
Cognitive impairment and medication adherence post-stroke- A five-year follow-up of the ASPIRE-S cohort
2019  10月  アイルランド

脳卒中経験者の38%は認知障害、10%は認知症になるという。

認知機能に問題を抱えると再発予防のための服薬の順守率が下がるとする報告がある。

いっぽう服薬を順守しないことによる認知機能の低下についての調査はまだないので、これらをくわしくしらべてみたそうな。



脳卒中患者108人を5年間フォローした。

認知機能の評価には、
6ヶ月後 Montreal Cognitive Assessment:MoCA 、
5年後 National Institute of Neurological Disorder sand Stroke (NINDS) を用いた。

降圧薬と脂質低下薬、抗血栓薬の服薬順守評価については
アンケート Medication Adherence Rating Scale (MARS-5)と、
処方箋データベースを活用した。



次のことがわかった。

・5年後の認知障害率は35.6%だった。

・非服薬順守率は脂質低下薬15.1%、抗血栓薬30.2%だった。

・12ヶ月後の非服薬順守と5年後の認知障害にはあきらかな関連はなく、

・6ヶ月後の認知障害と5年後の非服薬順守にも関連はみられなかった。

・ただし認知障害を示した患者が服薬の介助を受けていることはすくなくなかった。

再発予防の服薬を守らないことで認知障害になるわけではないことを初めて示した、


というおはなし。

図:服薬遵守と認知障害



感想:

脳卒中イベントそのものが認知障害の原因として大きすぎて、薬の影響は比較にならないってことなんだな。
nature.com:降圧薬を飲まないのは認知機能が低いから

2019年10月20日

小さくても破れやすい脳動脈瘤の位置は

元
Differences in Size between Unruptured and Ruptured Saccular Intracranial Aneurysms by Location
2019  10月  アメリカ

未破裂脳動脈瘤をフォローしたおおくの研究から、瘤のサイズがおおきくなるほど破裂リスクも高くなることがわかっている。

しかし臨床シーンでは思いのほか小さい瘤の破裂も観察されていて、サイズのみが破裂の決定要因ではないことが示唆されている。

いっぱんに後方循環系の瘤のほうが前方循環系のそれよりも危険と考えられているがより詳細な位置での破裂リスクはあきらかになっていない。

そこで未破裂と破裂の脳動脈瘤の位置ごとの最大サイズがことなるものか くわしくしらべてみたそうな。

2019年10月19日

しゃっくりを起こす梗塞の位置

元
Supratentorial infarcts accompanying hiccup
2019  10月  日本

しゃっくり(hiccup)は横隔膜の発作的なけいれん収縮にともない声帯が急に閉じて "hic" という音がでることでしられている。

しゃっくりのもととなる神経解剖学的な中心位置はいまだあきらかでない。

しゃっくりは中枢神経系へのダメージによっても起き、延髄や橋をふくむ脳幹部の損傷で起きやすいとする報告がいくつもある。

いっぽう少数ながらテント上での損傷によっても起こりうるとする報告もある。

そこで、脳卒中でしゃっくり症状のあった患者のうちテント上病変の画像診断的特徴をくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月18日

水中運動エクササイズの効果 メタアナリシス

元
Water-Based Exercise on Functioning and Quality of Life in Poststroke Persons- A Systematic Review and Meta-Analysis
2019  9月  ブラジル

エクササイズをベースにしたリハビリ法はいくつもあるが、これが脳卒中リハビリにもっとも効果的である!というものはまだない。

水中運動エクササイズ(Water-Based Exercise)は水中療法(aquatic therpy)とも呼ばれ、水の浮力により少ないちからで効果的に動くことができ、身体を支えられない患者でもリハビリを始めることができる。

これまで水中運動エクササイズのシステマチックレビューはいくつかあったが、いずれも信頼性が低く評価項目も限定的だった。

メタアナリシスはないので、効果全般についてくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月17日

重度上肢麻痺の両手準備運動の効果

元
Bilateral motor priming for post stroke upper extremity hemiparesis- A randomized pilot study
2019  10月  アメリカ

脳卒中の上肢リハビリにはCI療法があるが ごく軽い麻痺患者にしか適用できない。中-重度麻痺患者への ロボットやミラー、VRなどのリハビリ方法が試みられているがいずれも成果は芳しくない。

両手準備運動(Bilateral motor priming)では麻痺していない手の動きにあわせて麻痺手が左右対称に連動する装置をもちいる。この動きにより左右脳半球の働きがバランスされリハビリがすすむという報告がいくつかある。

そこで、上肢の重度麻痺患者に対し両手準備運動の効果を検証してみたそうな。



脳卒中の発症から6ヶ月以上経つ重度の上肢麻痺の患者16人について上肢の課題訓練(45分間)をおこなった。

課題訓練の直前に、
両手準備運動15分間 または
パソコンゲーム15分間(コントロール)をおこなうグループにわけた。

「両手準備運動」は両手が連動して鏡像運動する装置の上で手首の曲げ伸ばしを1周期1秒のペースでおこなった。

これらを1日2時間 x  週に2-3回ペースで 計15セッション行った。

TMSをつかって半球間抑制の程度も測定した。

上肢機能を、Chedoke Arm and Hand Activity Index9:CAHAI-9 および Fugl Meyer Upper Extremity:FMUE で6週間後までフォローした。



次のようになった。
・CAHAIスコアの改善度にはグループ間であきらかな差はみられなかった。

・FMUEでは両手準備運動グループが有意にすぐれた改善を示し、介入前後で10ポイント向上していた。(コントロールは4.4ポイントの向上)

・半球間抑制の持続性も両手準備運動グループであきらかにおおきかった。

上肢リハビリのまえに15分間の両手準備運動を加えることで重度麻痺患者の運動機能スコアがおおきく向上した、


というおはなし。

図:両手準備運動


感想:

これって 両手のひらをあわせて指を絡めて離れないようにして、健常手でリードしながら両手首を左右にクキクキ動かすのと同じことと考える。特別な装置はいらないとおもうよ。

両手をパタパタ動かしてからリハビリすると左右の脳がシンクロしてどうのこうの…


両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!


ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まっっったく効果ない

2019年10月16日

BMJ誌:療法士に聞く 上肢リハビリの現場状況

元
Current therapy for the upper limb after stroke- a cross-sectional survey of UK therapists
2019  9月  イギリス

脳卒中患者の2/3は自立歩行ができるようになるいっぽう、上肢機能を取り戻すことができるのは半数に満たないという。

上肢機能のリハビリ方法はいまだ確立しておらず、2006→2016年に「脳卒中」AND「上肢」に関する論文の数は PubMed検索で354→943に急増している。

そこで、現場の療法士により行われている上肢リハビリの種類と頻度、時間について広くしらべてみたそうな。

2019年10月15日

重度の歯周病と脳卒中後のうつ

元
Severe Periodontitis Is Associated with Early-Onset Poststroke Depression Status
2019  9月  中国

脳卒中後のうつはもっともよくある合併症の1つである。そしてうつには歯周病が関連しているとも言われている。

そこで、重度の歯周病と脳卒中後うつとの関連についてしらべてみたそうな。

2019年10月14日

運動麻痺のあったTIA患者がじつは脳梗塞の可能性

元
Motor impairments in transient ischemic attack increase the odds of a positive diffusion-weighted imaging- A meta-analysis
2019  9月  アメリカ

一過性脳虚血発作(TIA)のほとんどは1時間以内に症状が消えてなんの障害ものこらない。

その診断はおもに患者の症状報告に頼ることになる。そしてMRIを撮り梗塞を見つけることができた場合、それは「軽い脳卒中」に昇格する。

MRIの拡散強調画像(Diffusion-weighted imaging:DWI)は発症後間もない梗塞がわかり、10日間は検出することができるという。
しかし必ずしもすべての患者でMRIを撮るわけにもゆかない。

経験的に、運動機能障害をともなう脳虚血症状には梗塞があることが少なくない。

そこでTIA患者のうち片半身に運動機能障害がでた場合のDWI陽性率をメタアナリシスでくわしくしらべてみたそうな。



TIA患者について片側の運動機能障害の有無とDWIのある研究を厳選して、
データを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・被験者6710人を含む24の研究がみつかった。

・運動機能障害のあったTIA患者がDWI陽性(梗塞あり)であるオッズ比は、運動機能障害がない場合の1.80倍だった。

・TIA発症から2日以内にDWIを撮る場合にくらべて、2日以降にDWIを撮った場合のDWI陽性オッズ比にあきらかな差はなかった。

TIA患者のうち片側に運動機能障害があったばあい、梗塞がある(DWI陽性)可能性が非常に高かった。運動機能障害のあったTIA患者はMRIを撮るべきだろう、


というおはなし。

図:TIAをMRI



感想:

たとえ運動機能障害がなかったとしても、、、↓
軽いしびれやめまいがガチ脳梗塞の率 JAMA Neurol.

2019年10月13日

認知機能の低下 3→6ヶ月後

元
Poststroke Cognitive Decline- A Longitudinal Study from a Tertiary Care Center
2019  7月  インド

インドはいまだ発展途上で脳卒中後の認知機能低下(Poststroke Cognitive Decline)をしらべたおおきな研究がない。これまでの研究ではその有病率は20-72%と幅がおおきい。

そこでおおくの患者についてしらべてみたそうな。



3次病院での2015-2017の脳卒中患者200人について、

3ヶ月後と6ヶ月後の認知機能検査を、
MMSE(Mini-Mental State Examination)
MoCA(Montreal Cognitive Assessment)の両方の基準でしらべたところ、



次のようになった。

・MMSE基準では認知機能低下は3、6ヶ月後それぞれ 67%、31.6%に見られた。

・MoCA基準では、それぞれ 46.3%、17.1%に見られた。

・認知機能低下の予測因子は糖尿病と高血圧だった。

脳卒中後の認知機能低下は3ヶ月時点で3分の1以上にみられた。しかし6ヶ月後には著しく減少していた、


というおはなし。

図:認知機能低下



感想:

認知機能は下がったままの印象が強かったので関心をもった。
軽い脳梗塞で認知障害の率とその後

「認知症というほどではない認知障害」の率

2年間の認知機能変化を追跡

2019年10月12日

Circulation誌:犬飼ってると脳卒中でも死なない

元
Dog Ownership and Survival After a Major Cardiovascular Event A Register-Based Prospective Study
2019  10月  スウェーデン

脳卒中など心血管疾患のあとの、うつや一人暮らし、社会的孤立で死亡リスクが高くなることが知られている。

犬などのペットを飼うと身体活動レベルが上がり、孤独やうつが癒やされ、血圧やストレスの低下につながると考えられる。

ペットを飼うことと心血管疾患による死亡リスクのこれまでの研究はサンプル数がすくなく結論も一致していない。

そこで、犬に限定して大規模にしらべてみたそうな。

2019年10月11日

わかめ こんぶ ひじき のりが脳卒中を防ぐ?

元
Seaweed intake and risk of cardiovascular disease- the Japan Public Health Center-based Prospective (JPHC) Study
2019  10月  日本

海藻(わかめ、こんぶ、ひじき、のり)を 欧米人はあまり食べない。

海藻にはカリウム、カルテノイド、食物繊維が多く含まれ、コレステロールや血糖、血圧をさげる効果が報告されている。

しかし海藻摂取と脳卒中など心血管疾患との関連についてはわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月10日

耳の迷走神経刺激で上肢の感覚がもどる

元
Transcutaneous Auricular Vagus Nerve Stimulation with Upper Limb Repetitive Task Practice May Improve Sensory Recovery in Chronic Stroke
2019  9月  イギリス

迷走神経刺激(Vagus Nerve Stimulation:VNS)は薬が効かないタイプのてんかんやうつの治療に用いられている。

片頭痛や慢性疼痛にも用いられるようになり、慢性期脳卒中での運動機能の改善効果も報告されている。

従来、VNSは頸を走行する神経を刺激するために胸部にバッテリーを含む刺激装置を埋め込む手術が必要だった。

さいきん経皮的VNS装置が開発され実験が簡単にできるようになった。

そこで耳介を走行する迷走神経を刺激する装置(Transcutaneous Auricular Vagus Nerve Stimulation:taVNS)をもちいて、慢性期脳卒中患者の上肢「感覚」の改善効果をたしかめてみたそうな。



発症から3ヶ月間以上経つ患者12人について、
taVNSをしながらの上肢繰り返し訓練300回/1時間を6週間にわたり計18セットおこなった。

taVNSはNEMOS社の(https://nemos.t-vns.com/en/)装置を使用した。

この前後での触覚、固有感覚をFugl-Meyerスコアをつかって評価した(0-12ポイント)ところ、



次のようになった。

・12人中11人に感覚障害があり、そのうち64%で感覚の回復が見られた。(固有感覚が6人、触覚が2人、両方が1人)

・運動機能がもっとも回復した患者で感覚も もっとも大きい3ポイントの回復が見られた。
耳の迷走神経への経皮的電気刺激にくわえた上肢繰り返し訓練で 慢性期脳卒中患者の感覚が回復できるのかも、、、



というおはなし。

図:経皮的耳迷走神経刺激



感想:

NEMOS社のページみると当該装置が4万円未満で買えそう。
手術のいらない迷走神経刺激リハビリの効き目

耳への電気刺激で脳が回復するという根拠について


[迷走神経刺激]の関連記事

2019年10月9日

赤肉 加工肉 と脳卒中の問題に決着

元
Red and Processed Meat Consumption and Risk for All-Cause Mortality and Cardiometabolic Outcomes: A Systematic Review and Meta-analysis of Cohort Studies
2019  10月  カナダ

一般に 赤肉(red meat)や 加工肉(processed meat)を多く摂ると心血管系の死亡や脳卒中のリスクが高くなると考えられているが、いくつかのシステマチックレビューでは関連がないとするものもあり、必ずしも一致した見解が得られていない。

そこで最新の研究も含めてメタアナリシスをやり直してみたそうな。

2019年10月8日

高齢者の脳動脈瘤治療が必要でない理由

元
Asymptomatic intracranial aneurysms in the elderly- long-term clinical and radiological follow up of 193 consecutive patients
2019  9月  オーストラリア

平均寿命と画像診断技術の向上により高齢者に未破裂脳動脈瘤がみつかることがおおくなった。

しかし高齢者は余命が短く手術の合併症を負いやすいことから未破裂脳動脈瘤を治療するメリットが小さいとも考えられる。

高齢の未破裂脳動脈瘤を治療するべきか否かについてはいまだ諸説あるので、実際に長期フォローをして破裂傾向をたしかめてみたそうな。

2019年10月7日

アスピリンの予防効果と安全性

元
The Efficacy And Safety Of Aspirin As The Primary Prevention Of Cardiovascular Disease- An Updated Meta-Analysis
2019  9月  中国

脳卒中など心血管疾患へのアスピリンの2次予防効果はあきらかである。

しかし1次予防効果については結論がでていない。低用量アスピリンはアメリカでは推奨されているが ヨーロッパでは推奨されていない。

そこで、さいきん公開された臨床試験 ASPREE, ARRIVE, ASCEND 等をふくめてメタアナリシスをやり直してみたそうな。

2019年10月6日

エアロバイク訓練の効果 メタアナリシス

元
Effects of aerobic exercise using cycle ergometry on balance and functional capacity in post-stroke patients- a systematic review and meta-analysis of randomised clinical trials
2019  10月  ブラジル

脳卒中患者の有酸素運動は心身の機能を維持するうえで効果的と考えられている。

とくに自転車エルゴメータを用いたそれ(エアロバイク)は筋力 体幹コントロール 歩行スピード バランス能力を改善するとされている。

これを確かめるべく、いままでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月5日

脳卒中を予見できる「握力」の評価方法とは

元
Effect of relative handgrip strength on cardiovascular disease among Korean adults aged 45 years and older- Results from the Korean Longitudinal Study of Aging (2006-2016)
2019  9月  韓国

高齢になると 筋力が衰える「フレイル」もしくは筋肉量が減少する「サルコペニア」な状態になりやすくなる。

これらの状態は筋力測定に反映されると考えられる。とくに「握力(hand grip strength:HGS)」はシンプルで信頼性の高い計測パラメータである。

いくつかの報告では握力と脳卒中など心血管疾患との関連が指摘されているいっぽう、それを否定する報告もある。

こういった矛盾を解決するために体重を考慮して握力をBMIで割った 「相対握力」の使用が提唱されている。

そこで心血管疾患を予測しうる相対握力のしきい値をもとめるべく大規模調査をおこなってみたそうな。

2019年10月4日

BMJ誌:血圧130-140を降圧治療する意義

元
Benefits and harms of lower blood pressure treatment targets- systematic review and meta-analysis of randomised placebo-controlled trials
2019  9月  スウェーデン

過去数十年間、高血圧の定義は「140/90mmHg以上」だった。

しかし2017にアメリカがガイドラインを改訂して「130/80mmHg以上」とした。
ヨーロッパもこれにならおうとしている。

さらにSPRINT研究では収縮期血圧を120mmHg以下を目標にしたほうがよいとする結論をだした。

これら研究のおおくはランダム化比較試験(RCT)ではあるがダブルブラインドになっていないものがおおくバイアスの懸念がある。

そこで もとの収縮期血圧が130-140mmHgの者への降圧薬治療の効果と安全性について、ダブルブラインドのRCTに限定して選びメタアナリシスをこころみたそうな。



2018までの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・被験者92567人をふくむ18のダブルブラインドのRCTがみつかった。

・総死亡リスク、主要心血管イベントリスクへの効果は確認できず、

・有害事象による服薬中断のリスクが1.23倍になった。

・心筋梗塞や脳卒中への効果も確認できず、

・低血圧関連の有害事象が増えた。

ダブルブラインドRCTのメタアナリシスの結果、もとの収縮期血圧が130-140mmHgの者への降圧薬治療の効果は確認できず、有害事象が増えるのみだった、



というおはなし。

図:血圧測定


感想:

再発予防には低めがいいみたいなんだよ↓。
日本人の再発予防に適した血圧 JAMA Neurol.

NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね

2019年10月3日

正中神経電気刺激と脳ネットワーク

元
Median Nerve Electrical Stimulation-Induced Changes in Effective Connectivity in Patients With Stroke as Assessed With Functional Near-Infrared Spectroscopy
2019  9月  中国

正中神経電気刺激(Median Nerve Electrical Stimulation:MNES)は手首をとおる正中神経を経皮的に電気刺激して感覚システムへの求心性のイップットをもたらす神経調節テクニックである。

MNESが脳卒中の皮質可塑性へもたらすメカニズムについてはわかっていないので、機能的近赤外分光(fNIRS)をつかって脳皮質の各部位が働きかける方向を考慮した 実効的結合(effective connectivity:EC)解析からしらべてみたそうな。



脳卒中で右片麻痺の患者20人について、

安静時と
右手首へのMNES時のfNIRS測定をおこなった。

MNESは右手首内側に電極を貼り50Hzのパルスを 筋肉が収縮しかつ我慢できる最大強度で数十秒おきに10分間しげきした。

fNIRSは左右の、前頭前野(PFC),運動野(MC)、後頭葉(OL)、にセンサーをおいた。



次のようになった。

・安静時にくらべMNES時では左右PFCから左OLへの実効的結合があきらかに増え、

・さらに左MCと左OLから右PFCへのカップリング強度も有意に高くなった。

・左PFCから左右の運動野 後頭野へのカップリングも観察され、MNESが病側の前頭前野からの調節を促していると考えられた。

・非損傷脳からの損傷脳MCへのカップリングが低下していた。

麻痺手へのMNESによる感覚運動刺激が脳皮質の機能再編のきっかけになりうると考えられた、


というおはなし。

図:MNES



感想:

いまいちよくわからないけど、単にビリビリするだけではないなにか特別なことが脳におこっていた、ということなんだな。

低周波治療器の電極をそれらしい位置(上図)に貼ればすぐに実験できる↓。
nature.com:上肢麻痺を改善する電気刺激のやりかた

2時間で指の動きがよくなる電気刺激方法とは

脳の可塑性を促す腕の電気刺激方法

2019年10月2日

オメガ3サプリメントの効果 最新メタアナリシス

元
Marine Omega-3 Supplementation and Cardiovascular Disease- An Updated Meta-Analysis of 13 Randomized Controlled Trials Involving 127 477 Participants
2019  10月  アメリカ

魚を多く摂ると心臓病リスクが低くなることがわかっているが、魚におおく含まれるオメガ3長鎖脂肪酸であるEPAやDHAのサプリメントと心血管疾患との関連は必ずしもあきらかではない。

これまでの10のランダム化比較試験のメタアナリシスでも効果は確認できなかった。

そこで、さいきん行われた3つの大規模臨床試験を加えて、あらためてメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月1日

安静時脳ネットワークにみるイメージ訓練の効果

元
The reorganization of resting-state brain networks associated with motor imagery training in chronic stroke patients
2019  9月  中国

運動イメージ訓練(motor imagery training:MIT)は脳卒中患者の上肢リハビリで高い成果をあげている。

その効果は脳皮質上の活動変化として いくつものタスクベースのfMRI研究で確認されている。

いっぽう安静時fMRIをつかった研究はまだ1件しかない。

そこでMITの脳卒中リハビリへの効果が安静時fMRIのネットワーク解析結果にどう反映されるものか、実験してみたそうな。



慢性期の脳卒中で片麻痺の34人を、
通常リハビリ
通常リハビリ+MIT
の2グループにわけた。

MITはリラックスした状態の1人称視点で手の動作を思い描く。これを1日30分間x4週間おこなった。

この前後での安静時fMRIを測定し、上肢の機能回復度(FM-UL)との関連を解析したところ、



次のようになった。
・MITグループでFM-ULスコアがよりおおきく改善した。

・両グループともに半球間結合が高まり、損傷脳半球内での一次運動野(M1)間の結合が低下した。

・しかしMITグループでは、損傷脳半球内のM1と中心前回および中心後回 中部帯状回 縁上回の結合がたかまった。いっぽう通常リハビリグループではこれらの結合は低下していた。

・脳ネットワークのクラスター係数はMITグループでのみあきらかに上昇していて、これはFM-ULスコアと正の相関があった。

運動イメージ訓練は脳内ネットワークの再編をとおして運動機能の回復にむすびついていると考えられる、


というおはなし。

図:MITの上肢機能とクラスタリング係数



感想:

安静時fMRIだから手をうごかせない患者でもMITリハビリの進展をモニターできるな。
運動イメージ中の脳ネットワーク結合を調べた結果、、

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