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2025年12月17日

日本のリハビリ神話に待った 「重症ほど効く」の裏側を検証する

2025  12月  日本


脳卒中の急性期では、「できるだけ早く、できるだけ多くリハビリをすることが大切」と言われている。

しかし現場では、
・たくさんリハビリをしても、あまり良くならない人
・かなり重い状態なのに、意外と回復する人
が混ざっている。

これまでの研究は、「リハビリを多くすると、全体として良くなるのか」という平均的な見方が中心だった。

そこで、「リハビリが本当に効く人と、そうでない人がいるのではないか」
「どんな人がたくさんリハビリをすると得をするのか」
をはっきりさせるべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月16日

オメガ3は心房細動の原因なのか―危険説をひっくり返した最新エビデンス

2025  12月  アメリカ


心房細動は、脳卒中の中でも特に重症になりやすい心原性脳塞栓症の大きな原因である。
そのため、心房細動を起こしやすくする要因、逆に起こしにくくする要因を知ることは、脳卒中予防にとって非常に重要である。

オメガ3脂肪酸については、
血液中のオメガ3が多い人ほど心房細動が少ないという話がある一方で、
魚油サプリを飲むと心房細動が増えるという報告もあり、意見が割れてきた。

特にUK Biobankという大規模データを使った研究で魚油サプリは危ないとされたことで、脳卒中に関心のある人の間でも混乱が生じていた。

そこで、血液中のオメガ3の量と、魚油サプリを飲んでいるかどうかの両方を調べて、心房細動との本当の関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月15日

機械的血栓回収、期待外れ? 回復も救命も変わらなかった理由

2025  12月  イタリア


遠位中等血管閉塞(DMVO)は、脳のやや細い血管が詰まるタイプの脳梗塞である。
血管が細いためカテーテルが入りにくく、治療が難しい一方、詰まる場所によっては失語や手足の麻痺など大きな後遺症を残すことがある。

そのため「機械的血栓回収MT)で取るべきか?」「薬だけの治療(BMT)で十分か?」という議論が続いてきた。
そこで、どちらが本当に良いのかを、過去の研究をまとめて検証してみたそうな。

2025年12月14日

権威なき医学誌が暴いた「コロナワクチン後の中枢神経異常」

2025  12月  アメリカ


近年、脳炎や髄膜炎、脱髄疾患などの中枢神経のトラブルが増えていると指摘されている。これらは脳の血管とも深い関係があり、脳卒中に関心のある人にとって重要な領域である。とくに脳を守る血液脳関門が傷むと、炎症や血管障害が起こりやすくなることが知られている。

COVID-19のmRNAワクチンは、体内でスパイク蛋白を作り続ける可能性があり、その影響が血液脳関門や免疫にどう作用するかは十分に研究されていない。

そこで、ワクチン接種後に中枢神経の病気がどの程度報告されているのか、他のワクチンと比較してくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月13日

サラサラ薬はほんとうに無罪か?「自然発症」脳内出血の裏にある“最後の一押し”

2025  12月  イギリス


脳内出血は長いあいだ「高血圧のせいで起こる病気」として説明されてきた。ところが実際には、生まれつきの体質や遺伝、生活習慣や他の持病、小さな血管の傷みやアミロイド血管症、さらには血液サラサラ薬(抗血栓薬)など、さまざまな要素が関わっていそうだという知見が積み重なっている。

それにもかかわらず、これらの要素がどのように重なり合い、どのような流れを経て脳内出血に至るのかを、一つの「筋道」として整理した解説は多くなかった。

そこで、脳内出血を「一つの原因で突然起こる病気」ではなく、いくつもの要因が積み重なって発症する病気として位置づけ直し、その全体像を分かりやすく整理してみたそうな。

2025年12月12日

血管内治療中の攣縮で予後悪化、その予防薬は日本だけ未承認

2025  12月  ドイツ


脳の太い血管がつまったときに行う血管内治療(カテーテルで血栓を取りにいく治療)は、いまや標準治療になっている。

ところが、その手技の途中でときどき起こる「血管攣縮」(血管がキュッと細く締まってしまう現象)が、どのくらい患者の予後を悪くしているのかは、はっきりしていなかった。

また、攣縮が起きたときにカテーテルから直接ニモジピンという薬を流すと本当に効果があるのかも、十分なデータがなかった。そこで、「どんな人に攣縮が起こりやすいのか」「攣縮が起こるとその後の生活の質や死亡にどれくらい影響するのか」「攣縮に対するニモジピン動注は役立つのか」をひとまとめにくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月11日

アスピリンも、代替薬も効かない?再発予防“サラサラ薬”治療の限界が露わに

2025  12月  アメリカ


アスピリンをきちんと飲んでいたのに脳梗塞を起こしてしまう人は少なくない。このような場合、医療現場では「アスピリンが効かなかったのなら、別の抗血栓薬に変えたほうがよいのではないか」という考え方が一般的である。

しかし、薬を変えることで本当に再発が減るのかについては、これまで十分に整理されていなかった。

そこで、この疑問に答えるため、アスピリン内服中に脳梗塞を発症した患者で薬剤変更がどれほど意味を持つのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月10日

脳内出血の手術、ほんとうに必要なのか? STICH 以降に揺れる“血腫除去”の真実

2025  11月  中国


脳内出血(ICH)に対して血腫を取り除く手術は、STICH や STICH II といった大規模試験で効果がはっきり示されず、長いあいだ積極的には行われてこなかった。

しかし近年、体への負担を減らした「低侵襲手術(MIS)」が登場し、条件をしぼれば効果があるのではないかという研究が増えてきている。

そこで、これまでの手術成績をまとめて比較し、「結局どの手術がどこまで役に立つのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月9日

異常率が高すぎる――コロナが脳に残す痕跡とその不可解な沈黙

2025  10月  中国


COVID-19 は当初、主に肺の病気として知られていたが、近年は脳や神経にも大きな影響を与えることがわかってきた。

とくに、脳卒中につながりうる血管障害や白質のダメージ、微小出血などの報告が増えている。しかし、それらがどの程度の頻度で起こるのか、全体像ははっきりしていなかった。

そこで、COVID-19 患者や回復者の脳画像データを幅広く集め、脳がどのように影響を受けているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月8日

未破裂脳動脈瘤の「予防手術」は本当に必要か──10人に1人が重い障害を負う現実

2025  12月  


未破裂の脳動脈瘤は、破裂するとクモ膜下出血を起こし、命に関わる非常に危険な状態になる。そのため、破裂する前に治療するべきかどうかを判断するときには、「自然に破れる確率」と「治療自体のリスク」の両方を比べる必要がある。

しかし、これまで一般に広まっていた手術リスクの数字は、一部の専門施設や優れた術者によるデータに偏りがちで、世界全体の実情を反映しているとは言いにくかった。特に開頭クリッピングは「昔より安全になった」と語られてきたが、その裏付けとなる大規模データは不足していた。

そこで、世界20施設・3705例という大規模な国際データを用いて、未破裂脳動脈瘤の予防的手術が現在どれほど安全なのかを実際の数値としてしらべてみたそうな。

2025年12月7日

パンデミック収束後の罠:日本人男性に起きたコロナ後のくも膜下出血

2025  9月  日本


COVID-19は、感染後に血管が弱くなる、炎症が続く、血が固まりやすくなるといった影響は依然として報告されている。

その中でも、脳の動脈が裂ける「動脈解離」がCOVID-19と関連して起きるケースは非常に少なく、特に前大脳動脈A1部での解離は極めてまれである。

そこで、COVID-19回復期の患者に重症のくも膜下出血が発生した例を通して、見落とされがちな“感染後の脳血管リスク”をくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月6日

脳動脈瘤の本当の恐怖は“説明”から始まる。最新研究が示した心理ダメージ

2025  12月  ハンガリー


未破裂の脳動脈瘤は、ほとんどが無症状のまま見つかる。一方で、破裂するとくも膜下出血になり重い後遺症を残すこともあるため、多くの人が「やがて破裂するのでは」と不安を抱きがちである。

しかし、破裂した人と、破裂していない人の心の状態や生活の質が実際にどう違うのかは、これまで十分に調べられてこなかった。

そこで、両者を同じ基準で比較し、心理面や認知面が生活の質にどのようにつながっているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月5日

心房細動の進行を止める薬はすでに存在したのか――糖尿病薬メトホルミンが見せた意外な“心臓保護力”

2025  12月  デンマーク


心房細動は脳梗塞の主要な原因であり、一度起こると心房の性質が変わり、発作が続きやすくなることが知られている。

この「心房リモデリング」が進むほど、脳梗塞の危険は高くなるため、リモデリングの進行を抑える方法が求められてきた。

最近、糖尿病薬メトホルミンが炎症や代謝の乱れを整える作用を持つことから、心房細動の起こりやすさに影響する可能性が指摘されている。
しかし、リモデリングそのものを長期間おさえられるかどうかは、まだはっきりしていなかった。

そこで、人間に近い特徴を持つ馬を使い、メトホルミンが心房細動の進行をどこまで抑えられるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月4日

2025年12月3日

ワクチン接種者を除外した理由──COVID後の脳梗塞リスクは本当か?

2025  11月  スウェーデン


COVID-19のあと、心臓や脳の病気になるリスクがどれくらい続くのか、特に入院を必要とした重症例と軽症例で差があるのかは、これまで十分に分かっていなかった。

そこで、スウェーデン全国のデータを用いて、COVIDのあとに心臓と脳血管の病気、そして死亡のリスクがどのように変化するかを長期にわたってくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月2日

再発は減る、でもボケる?──降圧薬が脳に与えるもう一つの代償

2025  11月  中国


急性期脳梗塞に対して降圧治療をいつ開始するべきかについては、いまだ明確な基準が定まっていない。

特に、治療の開始時期が発症後の認知機能に与える影響は十分に検証されていない。

そこで、降圧治療の早期開始と遅延開始による認知機能の違いをくわしくしらべてみたそうな。

2025年12月1日

脳卒中後に食べ物が「まずい」と感じる理由―嗅覚と味覚の異常が回復を遅らせる

2025  11月  スイス


脳卒中というと手足の麻痺や言語の問題ばかりが注目されるが、実は「嗅覚」と「味覚」の低下がよく起こる。これらの感覚の低下は、食べる楽しさを奪い、食欲低下や栄養状態の悪化につながる可能性が高い。

しかし、脳卒中が嗅覚・味覚にどれほど影響するのかについては、まだ十分に研究されていない。特に、食べ物を「おいしい」と感じる気持ち(食の好み)がどれほど変化するのかも不明であった。

そこで、脳卒中患者の嗅覚・味覚能力と食の好みを、健康な人と比較してみたそうな。

2025年11月30日

「スマホ長時間使用で、くも膜下出血リスク2倍?」その裏に潜む“ほんとうの危険”とは

2025  11月  中国


スマートフォンの長時間使用が体や脳にどんな影響を与えるのかは、世間でも関心が高まっている。とりわけ命に関わる「くも膜下出血」と関係しているのではないか、という指摘が出始めているが、その因果ははっきりしていない。

そこで、スマホを長く使う習慣と、脳動脈瘤が破れるリスクに関連があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月29日

日本人の達成率たった26.7%。それでも130/80を追い続けるのは誰のため?

2025  11月  日本


高血圧は脳卒中を含む心血管疾患の大きな危険因子であり、日本では数千万人が高血圧と推計されている。

新しい JSH2025 ガイドラインでは、年齢にかかわらず一律に「130/80mmHg 未満」が目標とされており、現場とのギャップがどの程度あるのかが問題となっている。

そこで、日本全国のデータを用いて
・降圧薬開始後、血圧がどの程度コントロールされているか
・都道府県間で目標達成率にどれくらい差があるか
・その差が脳卒中死亡率や医師の偏在と関係しているか
をくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月28日

脳卒中リハビリの成果が変わる―回復を加速させる腸内細菌の育て方

2025  11月  ナイジェリア


脳卒中の後遺症には、手足の麻痺や歩行障害といった身体機能の問題だけでなく、抑うつや不安などの気分の問題、さらには記憶力や判断力の低下といった認知面の障害も多くみられる。
運動リハビリは回復に役立つことが示されているが、それだけでは十分ではない場合がある。

近年、腸内細菌と脳の働きが互いに影響し合う「腸‐脳相関」が注目されている。脳卒中により腸内細菌のバランスが崩れ、炎症や回復の遅れにつながる可能性が指摘されており、腸内環境を整えるプロバイオティクスにより回復が促される可能性がある。

しかし、運動とプロバイオティクスを組み合わせた場合の効果はこれまで十分に調べられていなかった。そこで、両者を併用することでより大きな改善効果が得られるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月27日

仕事のストレスで脳卒中死のリスク1.5倍という現実

2025  11月  エジプト


「ストレスがたまると脳卒中になりやすい」ことは、多くの人が何となく知っていることである。しかし、これまでの研究には
・ストレスと「うつ病」がごちゃまぜになっている
・研究ごとの人数や期間がバラバラで、全体像がわかりにくい
という弱点があった。

そこで、
・うつ病の人をできるだけ除いて、「ストレスそのもの」の影響を確かめること
・たくさんの研究をまとめて、「どれくらい脳卒中リスクが上がるのか」をあらためて数字で示すべく、
メタアナリシスをこころみたそうな。

2025年11月26日

ロングコビッドの正体は「溶けない血栓」か――スパイクタンパクと脳卒中リスク

2025  10月  フランス


COVID-19が治ったあとも、だるさ、息切れ、頭がぼんやりするなどの症状が長く続く人が多く報告されている。これがいわゆるLong COVIDである。

しかし症状がなぜ長期化するのかは明確になっていない。

そこで、Long COVID患者の血液に、ごく小さな血栓(microclots)が大量に存在する可能性に注目し、それが症状の原因になっているかどうかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月25日

脳卒中後のうつは再発のガチリスク―甘えではなかった

2025  11月  トルコ


脳卒中のあとに起こるうつ症状(いわゆる脳卒中後うつ:PSD)は多くの患者にみられるものである。

うつが回復や日常生活の質を下げることは以前から知られていたが、うつそのものが脳卒中の再発を引き起こす要因になるのか、また認知機能の低下と直接的な関係を持つのかについては、十分に明らかではなかった。

さらに、脳のどの部位の損傷がうつの発生と関係するのかも不明な点が多かった。
そこで、脳卒中後のうつが再発リスクや認知機能障害にどの程度関わるのか、そして病変部位との関係についてくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月24日

こんなに多いとは──“手術しないくも膜下出血”の衝撃

2025  11月  スウェーデン


くも膜下出血は、長いあいだ「ほとんどが脳動脈瘤の破裂で起きる」と理解されてきた。

しかし実際には、検査をしても動脈瘤が見つからない症例が一定数存在し、
これは非動脈瘤性くも膜下出血(NASAH)と呼ばれる。

そこで、NASAHがどれほどの割合で起きているのか、
さらに動脈瘤破裂によるくも膜下出血(aSAH)とどのように異なるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月23日

脳卒中より怖い“心の損傷”:TIA後の持続性うつが命を奪う確率は5倍

2025  11月  イギリス


脳梗塞後に落ち込みや意欲低下が起こりやすく、それが回復に悪影響を及ぼすことはよく知られている。

しかし、脳に大きな傷を残さない一過性脳虚血発作(TIA)の後に起こる気分の落ち込みについては、実態が十分に調べられていない。TIAは「軽い脳卒中」と扱われることが多く、退院後の心の状態に注意が向けられない傾向がある。

そこで、TIA後に気分の落ち込みがどの程度起こり、生活や命にどのような影響を及ぼすのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月22日

脳梗塞の7割にスタチン処方、しかも効果なしの衝撃

2025  7月  アメリカ


頸動脈解離(Cervical Artery Dissection: CAD)は、比較的若い世代にも起こり得る脳梗塞の原因であり、再発予防がとても重要である。

一般的に、脳梗塞の後にはスタチン(コレステロールを下げる薬)が再発予防に役立つとされているが、CAD は動脈硬化とは異なる仕組みで起こるため、スタチンが本当に効果を発揮するのかははっきりしていなかった。その疑問を明らかにするため、STOP-CAD 研究のデータを使って検証してみたそうな。

2025年11月21日

高齢者のスタチンは害しかない?最新研究が突きつけた不都合な真実

2025  11月  ドイツ


スタチンは、心臓病や脳卒中の予防に役立つ薬として長年使われてきた。しかし、認知症をもつ高齢者でも同じように効果があるのかどうかについては、十分なデータがなかった。

実際の現場では「これまで飲んでいたから」「一般的に良い薬だから」という理由で続けられている場合が多く、本当に役立っているのかは分からないままであった。

そこで、スタチンが認知症の高齢者にとって心臓や脳の病気による入院を減らす効果があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月20日

血管内治療の勘違い 再開通率を競っても患者は救えない

2025  11月  中国


急性の頭蓋内動脈閉塞は、重い障害や死亡につながる可能性が高い病態である。発症後できるだけ早く血管を開通させることが、予後を良くするために重要と考えられてきた。

しかし、再開通の治療時間に間に合わなかった患者や、血栓溶解療法や血管内治療を受けない患者の中には、自然に血流が戻る例が少なくないことが知られている。

この自然再開通が、実際に患者の回復に役立つのかどうかは明確ではなかったので、その予測因子と結果をくわしくしらべてみたそうな。
 

2025年11月19日

日本の抗凝固薬神話が崩れる 試験では安全でも高齢者では危険が倍増

2025  11月  日本

高齢化が進む中、心房細動をはじめとする循環器疾患に対して抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)が広く処方されている。しかし抗凝固薬には、血栓予防と引き換えに出血が止まりにくくなるという重大な副作用が存在する。

特に75歳以上では複数の病気や多剤併用の影響が重なるため、臨床試験よりも実際の危険性が高まる可能性がある。それにもかかわらず、日本の高齢者全体を対象に、抗凝固薬と出血性脳卒中の関係を実データで検証した研究は非常に少ない。

そこで、抗凝固薬が高齢者においてどの程度出血性脳卒中の入院リスクを高めるのか、さらにワルファリンとDOACの間でリスク差が存在するのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月18日

心房細動の抗凝固薬、脳梗塞を防げず大出血だけ増やす――14万人研究の衝撃

2025  11月  アメリカ


心房細動(AF)は高齢者に多い不整脈であり、血栓による脳梗塞を起こす危険が高いと言われている。そのため、血を固まりにくくする薬(経口抗凝固薬)が一般的に処方されてきた。

しかし、現実の医療現場において、初めて抗凝固薬を処方した場合に本当に脳梗塞を減らす効果があるのか、そして出血の危険がどれほど増えるのかは、これまで十分に明らかではなかった。

そこで、高齢者の大規模データを用いて、その実際の影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月17日

脳梗塞は、血圧を上げると助かる—その理由に世界が驚愕!

2025  11月  韓国


急性期の脳梗塞では、発症後に神経症状がさらに悪くなる「早期神経学的悪化(END)」がしばしば起こり、患者の予後を大きく悪化させる重要な問題である。

しかし、END が起きたあとにどのような治療を行うべきかについて、統一された基準は確立しておらず、現場の医師によって対応が分かれているのが実情である。

そこで、END に対して実際にどのような治療が行われているのかを調査し、それぞれの方法が神経症状や回復にどのような影響を与えるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月16日

心房細動の脳内出血がヤバいのは日本の患者のせい?

2025  10月  日本


自発性脳内出血(sICH)は脳卒中の中でも死亡率が高く、後遺症も重くなりやすいタイプである。

心房細動(AF)は脳卒中のリスクを上げるため、多くの患者が抗凝固薬を服用している。
しかし、AFのある人が脳内出血を起こした場合に、回復や予後にどんな影響があるのかは、まだはっきりしていない。

また、SVD(小血管病)と呼ばれる脳の細かい血管のダメージも、脳内出血と関係すると言われている。

そこで、AFとSVDの両方を持つ患者では脳内出血の結果がどのように変化するのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月15日

時間依存が崩壊。血管内治療のヤバさは、もはや説明がつかないレベル

2025  11月  アメリカ


大血管が詰まるタイプの脳梗塞(LVO)では、血管内治療(EVT)がとても大事だと言われている。
最近では、発症から6〜24時間たっていてもEVTが役に立つという報告が増えてきた。

ただし、この時間帯に治療される患者の多くは「誰にも見られずに発症した(未目撃)」タイプで、実際の発症時刻がはっきりしない。

これまでは、
「未目撃の人は治療結果が悪いのか?それとも変わらないのか?」
という点がよく分かっていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月14日

くも膜下出血が狂犬病に化ける日:国際報告システムの盲点

2025  11月  インド


狂犬病といえば「脳が炎症を起こして死亡する病気」というイメージが強い。

しかし、ごくまれに血管が炎症を起こしたり、破れたりして「くも膜下出血」などの脳卒中の形で現れることがあると言われてきた。

じっさいに、そのような珍しいケースがあったそうな。

2025年11月13日

台風のあと「脳出血」が増えるという日本衝撃のデータ

2025  11月  日本
 

台風が来たあとに「体がだるい」「頭が痛い」と感じる人は多いが、
実は脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の発症が増えるのではないかという指摘がある。

海外ではハリケーンなどの後に脳卒中が増えたという報告もあるが、
結果はバラバラで、どのタイプの脳卒中が増えるのかまでははっきりしていなかった。

そこで、日本全国の入院データを使って、台風にさらされた地域で、どのように脳卒中の入院が変化するのかを詳しく調べてみたそうな。

2025年11月12日

コーヒーをやめた人ほど不整脈が増えた?禁カフェインの意外な落とし穴

2025  11月  アメリカ


心房細動(しんぼうさいどう)は、脳梗塞の原因としてとても重要な不整脈である。

これまで「コーヒーやカフェインは不整脈を悪化させる」と言われてきたが、実際にはそうとも限らないという報告もある。

そこで、コーヒーをやめたほうがいいのか、それとも飲み続けても大丈夫なのかを明らかにするべくコーヒーと心房細動の関係を実験でしらべてみたそうな。

2025年11月11日

「それでも人は不健康を選ぶ」──脳卒中リスクを“擁護”してみた

2025  11月  中国


脳卒中は今も世界中で多くの人が苦しむ重大な病気である。
とくに中国では、ここ数十年で脳卒中の発症が増え続けており、その背景には高齢化だけでなく、生活習慣の変化もあると考えられている。

食事、喫煙、飲酒、運動、体重管理などは、日々の心がけ次第で変えられる要素である。
しかし、これらを「まとめて」調べた地域データはまだ少なく、どの習慣の組み合わせが危険なのか、どの程度リスクが上がるのかははっきりしていなかった。

そこで、中国北部の地域住民を対象に、生活習慣全体と脳卒中リスクとの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月10日

アルテプラーゼ神話の崩壊:低用量でも止まらない“出血リスク”の現実

2025  10月  中国


アルテプラーゼ(rt-PA)は、脳梗塞の発作が起きた直後に血栓を溶かすための薬として使われている。
世界のガイドラインでは0.9 mg/kgの標準用量が推奨されているが、この量では脳出血を起こす危険があることが知られている。

特にアジア人は体格や血管の特徴が欧米人と異なるため、0.6 mg/kgという「低用量」での治療が安全ではないかという考えが広まってきた。
しかし、実際の医療現場で低用量がどのように使われているのか、また結果がどう違うのかについては、はっきりした答えがなかった。

そこで、病院での実際の治療データを使い、低用量と標準用量のどちらがどのような患者に使われ、結果がどう違うのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月9日

暑くても危険!? ―くも膜下出血と気温変化の怖い関係―

2025  11月  中国


これまで「気温の変化がくも膜下出血の発症に関係しているのでは」と言われてきたが、研究によって結果はまちまちであった。特に、短い期間のうちに気温が急に上がったり下がったりすることが、どのくらいリスクを高めるのかははっきりしていなかった。

そこで、中国全土のデータを使って、気温の急変や寒暖差とくも膜下出血の関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月8日

一日3杯以上で、脳の血管がボロボロになる

2025  11月  アメリカ


お酒の飲みすぎが脳卒中の危険因子であることはよく知られているが、
「どのくらい脳出血を重くするのか」や「脳の血管にどんな変化を起こすのか」は、はっきりしていなかった。

そこで、重い飲酒習慣(heavy alcohol use, HAU)が、脳出血の重症度や小血管病(cSVD)とどのように関係しているのかを調べることをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月7日

“動脈瘤を見つけ出せ”はもう古い──良性くも膜下出血の衝撃

2025  10月  ドイツ


くも膜下出血(SAH)の約8〜9割は動脈瘤の破裂によって起こるとされているが、残りの約1〜2割は、原因となる血管の異常が見つからない「非動脈瘤性くも膜下出血」である。

この中でも、脳幹のまわりに出血が限局するタイプ(PMSAH)は、症状が比較的軽く、経過が良いことが多い。

ただし、診断の際に「どこまで検査をすべきか」は、医師のあいだでも意見が分かれている。
CTで出血を確認した後にCTAやDSAという検査を行うのが一般的だが、最初のDSAで異常がない場合に、もう一度DSAをやる必要があるのかという点が議論になっている。
そこで、再びDSAを行うことにどれだけ意味があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月6日

くも膜下出血研究は虚構の上に立つ──“破裂動脈瘤神話”が生んだ科学の崩壊

2025  10月  オランダ


くも膜下出血は、いまでも命にかかわる危険な病気であり、助かっても後遺症が残ることが多い。

これまで多くの動物実験で治療法が探されてきたが、人で効果があると証明された治療はほとんどない。
それなのに、動物実験の論文では「この薬が効いた」「この方法で脳の障害が減った」という報告がやたらと多い。

この「臨床では治らないのに、論文の中ではうまくいっている」という不自然さを調べるために、研究者たちは、論文に使われている画像データがほんとうに信頼できるものかどうかをくわしく検証してみたそうな。

2025年11月5日

なぜこんなに褒められるのか──血管内治療という名の時代の寵児

2025  8月  パキスタン  


脳の血管がつまって起こる脳梗塞(急性虚血性脳卒中)のうち、およそ3割は太い血管が詰まる「大血管閉塞(LVO)」というタイプである。これは重い後遺症や死亡につながる危険が高い。

血管内で血栓を取り除く治療(EVT)は、発症から90日までの短期的な回復を助けることが知られているが、「その効果が長く続くのか」「安全なのか」についてはよく分かっていなかった。

そこで、発症から90日を過ぎたあとでもEVTの効果や安全性が続くのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月4日

「血栓を溶かせば救われる」は嘘だった──テネクテプラーゼ神話の崩壊

2025  10月  カナダ


軽い脳梗塞の患者に対して、血栓を溶かす薬を使うべきかどうかは、長く議論されてきたテーマである。

特に、言葉が出にくい、手足が少し動かしにくいといった、生活に支障のある症状(いわゆる「障害」)を持つ場合には、治療で回復が見込めるのではないかという期待があった。

そこで、軽症であっても障害のある人に、テネクテプラーゼ(tenecteplase)という血栓溶解薬を使う意味があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月3日

脳梗塞の1割はがんが関係? 治療中に起こる見えない血栓リスク

2025  11月  アメリカ


がんと脳梗塞は、どちらも高齢になるほど増える病気で、同時に起こることも少なくない。

がんのある人は血液が固まりやすく、血栓(けっせん)による脳梗塞を起こしやすいことが知られている。しかし、がんを持つ人の脳梗塞にどんな薬が一番合っているのかは、はっきりしていなかった。

そこで、「脳梗塞の人の中にどれくらいがんの人がいるのか」「どんな薬が使われているのか」「再発や出血はどのくらい起きているのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月2日

亜鉛不足が原因?脳出血を防ぐ毎日の食事メニュー

2025  10月  中国


脳出血は脳卒中の中でも死亡率が高く、重い後遺症を残すことが多い病気である。
主な原因として高血圧や抗凝固薬の使用などが知られているが、それだけでは発症のすべてを説明できない。

そこで、血管や血液脳関門を守る働きをもつ亜鉛に注目した。

亜鉛が不足すると血管がもろくなることが知られており、脳出血と関係している可能性があると考え、くわしくしらべてみたそうな。

2025年11月1日

ユーモアが痛い。リハビリ現場のもう一つの現実

2025  10月  カナダ


脳卒中リハビリの現場では、患者との信頼関係を築くうえでユーモアがしばしば用いられている。
しかし、リハビリ中の患者は情動の不安定さや認知機能の障害を抱えることが多く、冗談が誤解や不快感を生む可能性もある。

これまで「ユーモアは良い影響を与える」と経験的に語られてきたが、
どのようなユーモアが効果的で、どのようなユーモアが危険なのかを科学的に検証した研究は少なかった。

そこで、カナダの作業療法士を対象に、脳卒中リハビリにおけるユーモア使用の利点とリスクをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月31日

血栓は増えず、出血は黙殺──医学論文がつくる安心の幻想

2025  10月  カナダ


脳の血管が詰まって起こる急性虚血性脳卒中では、発症後90日以内に再び脳卒中を起こすリスクが最も高いことが知られている。

しかし、そのリスクが再灌流療法(血の流れを再開させる治療)によって変化するのかどうかは、これまで明確でなかった。

そこで、再灌流療法を受けた人と標準的な内科治療を受けた人を比較し、発症から90日以内に再発する脳卒中や、心筋梗塞や肺塞栓などの血栓性イベントがどのくらい起こるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月30日

「再発予防」のはずが致命傷に ダプトが突きつける脳出血の現実

2025  10月  デンマーク


抗血小板薬(PT)は、脳梗塞や心筋梗塞の再発を防ぐための薬である。
このうち、2種類を併用するDAPT(Dual Antiplatelet Therapy)は効果が高いとされ、心臓病や脳梗塞後に広く使われてきた。

しかし、PTは脳出血(ICH)を起こす危険性もある。
特にDAPTでは出血の重症化が指摘されており、発症後の死亡率を上げる可能性がある。

過去の研究は小規模にとどまり、全国規模での実態は十分に分かっていなかった。
そこで、DAPTの使用歴が脳出血後の死亡にどのような影響を与えるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月29日

太らないはずの甘味料が、血管を詰まらせる?―エリスリトール研究の衝撃

2025  10月  中国


砂糖のかわりに使われる人工甘味料は、「カロリーが少なくて体にやさしい」と思われがちである。
なかでもエリスリトールは、自然由来で安全とされ、健康志向の人にも人気が高い。

しかし近年、エリスリトールを多く摂取している人ほど脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いかもしれないという報告が出ており、専門家のあいだで議論が起きている。
従来の研究はアンケートや食事記録に基づくものが多く、ほかの生活習慣の影響を完全には取り除けなかった。

そこで、より確かな方法で「本当にエリスリトールが関係しているのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月28日

頭のいいやつほどな、脳卒中でこもるんや──そんなんで社会戻れるかい?

2025  10月  中国


脳卒中を経験した人は、体のまひや言葉の障害だけでなく、「人とのつながりを失ったような気持ち」や「恥ずかしさ(スティグマ)」にも悩むことが多い。

入院中の人ほど、自分で動けず家族や社会に頼ることになり、孤立感が強まりやすい。
これまで、年齢や収入などとスティグマの関係は調べられてきたが、「社会的疎外感(まわりから切り離された気持ち)」がどのように関係するかは、あまり明らかになっていなかった。

そこで、脳卒中で入院している人の社会的疎外感とスティグマの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月27日

4.5時間の壁を越えたテネクテプラーゼ でも、それは奇跡か、錯覚か

2025  9月  中国


脳梗塞(脳の血管が詰まるタイプの脳卒中)の治療では、発症から4.5時間以内に「血栓を溶かす薬」を使うのが一般的である。しかし、それを過ぎた患者には使えないとされてきた。

最近、「テネクテプラーゼ(TNK)」という新しい薬が注目されており、4.5時間を超えても効果があるのではないかと言われている。ただし、これまでの研究は、血管内治療(カテーテルで血栓を取り除く治療:EVT)ができる病院とできない病院が混ざっており、本当の効果がはっきりしていなかった。

そこで、EVTができる環境とできない環境を分けて、TNKの効果と安全性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月26日

ナインズ神話の崩壊――アルテプラーゼは0〜3時間でもダプトに敗れた

2025  10月  中国


脳梗塞のうち、軽症(NIHSSスコアが5以下)とされるタイプは全体の半分以上を占めるが、実際にはその後の経過で3人に1人が生活に支障を残すことが知られている。

この軽症群に対して、アルテプラーゼ(tPA)による血栓溶解療法が本当に有効なのかについては、いまも議論が多い。

一方で、アスピリンとクロピドグレルを併用する二重抗血小板療法(DAPT)は、CHANCE試験やPOINT試験で再発予防に効果があると報告されており、ARAMIS試験では軽症脳梗塞においてアルテプラーゼに劣らないとされた。

しかし、発症から治療までの時間(onset-to-treatment time:OTT)がこの治療効果にどのように関係するのかは明らかでなかった。
そこで、ARAMIS試験のデータを用い、DAPTとアルテプラーゼの効果がOTTによってどう変化するのか、特に早期神経悪化(END)との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月25日

なぜ“やばい薬”をほめるのか──クラゾセンタンに見る医療界のポジション心理

2025  10月  日本


くも膜下出血のあとに起こる「脳血管れん縮(SVS)」は、再出血や脳梗塞を引き起こして回復を悪くする原因になる。

クラゾセンタンという薬は、血管を強く縮める物質エンドセリン-1の働きを抑えるもので、海外の試験ではれん縮を防ぐ効果が確認されている。ただし、副作用としてむくみや低酸素などがあり、体の調子が変わりやすいことが知られている。

そこで、クラゾセンタンを使うと脳血管れん縮が減るだけでなく、歩き始めまでの回復も早まる可能性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月24日

女性に多いのに、回復は男女で同じ?――くも膜下出血の治療パラドックス

2025  9月  ドイツ


くも膜下出血(SAH)は、脳の中の血管(動脈瘤)が破れて起こる病気で、女性のほうが男性より2倍以上多いことが知られている。

これまでの研究では「女性の方が重症になりやすい」「脳の血流が悪くなるDCIを起こしやすい」と言われてきたが、結果はまちまちだった。

そこで、「本当に男女で違いがあるのか?」「もしあるとしたら、どの段階(発症・治療・回復)で差が出るのか?」を、650人の患者データをもとにくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月23日

脳卒中サバイバーの新たなリハビリ格差:デジタルを使える人、使えない人

2025  9月  ノルウェー


最近では、脳卒中の再発予防やリハビリにもスマホやパソコンが活用されている。しかし、実際に使いこなせている人ばかりではない。

特に高齢の人や、脳のダメージで認知機能が下がった人にとって、デジタル機器は大きなハードルになりやすい。

そこで、「脳卒中を経験した人たちは、どのくらいデジタル医療を使えるのか?」「どんな特徴の人が苦手なのか?」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月22日

治療は早いほど良い──その常識、くも膜下出血には通用しない

2025  9月  オーストラリア


くも膜下出血(aSAH)の原因となる脳動脈瘤は、再破裂すると致命的になりやすいため、できるだけ早く治療して瘤を閉じることが大切とされてきた。
しかし、「どのくらい早く行うのが最も良いのか」については、これまで十分な根拠がなかった。

アメリカ心臓協会(AHA)やヨーロッパ脳卒中学会(ESO)のガイドラインでは「24〜72時間以内の治療」が推奨されているが、これは専門家の合意によるものであり、科学的に裏づけられたものではない。

そこで、発症から6時間以内(超早期)、12時間以内(早期)、24時間以内(標準)の3つのタイミングで動脈瘤を治療した場合の結果を比較し、再出血、機能回復、死亡率にどのような違いがあるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月21日

「効くけど助けない薬」――クラゾセンタンが日本だけ高額で使われ続ける理由

2025  10月  パキスタン


脳動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH)は、今でも命に関わる危険な病気である。
手術で出血源を止めても、その後に起こる「脳血管れん縮」が原因で脳梗塞や神経障害が起きることが多い。

このれん縮を防ぐ目的で、現在はカルシウム拮抗薬ニモジピンが広く使われているが、実際には「血管れん縮そのもの」を完全に抑えられているわけではない。

そこで登場したのが、クラゾセンタン(clazosentan)という薬である。
この薬は「エンドセリン-1」という強力な血管収縮物質の働きを抑える新しいタイプの薬で、れん縮を防ぐ可能性があると期待されてきた。

しかし、これまでの大規模試験(CONSCIOUS-2, -3)では結果が一致せず、本当に使う意味があるのかがはっきりしていなかった。
さらに、日本での実際の使用データを含めた大規模な検証はこれまでなかった。

そこで、過去の臨床試験と実臨床のデータをすべて集め、クラゾセンタンの効果と安全性を改めて検証してみたそうな。

2025年10月20日

全身麻酔なしで脳にカテーテル? その“常識外れ”が命を奪う

2025  10月  アメリカ


急性期の脳梗塞に対して行われる血栓回収療法(EVT)は、詰まった血管を再び開けて脳への血流を取り戻す治療であり、重症の脳梗塞患者の回復に大きく貢献している。

しかし、この治療を行う際にどの麻酔方法を選ぶべきか、すなわち「全身麻酔でしっかり眠らせるのか」「鎮静で少し意識を残したまま行うのか」という点については、これまで結論が出ていなかった。

全身麻酔は患者が動かず手技が安定する一方で、導入に時間がかかり血圧低下の懸念がある。一方、鎮静ではすぐに治療を始められるが、患者が体を動かしたり呼吸が乱れたりして、繊細な血管内手技が不安定になることがある。

そこで、どちらの麻酔法がより良い回復につながるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月19日

深部脳出血、減圧開頭に光? それとも“都合のいい演出”?

2025  10月  スイス


深部の脳内出血(intracerebral hemorrhage:ICH)は、命に関わることが多く、たとえ助かっても重い後遺症が残ることが多い。

これまでのSTICH試験では、血のかたまり(血腫)を取り除く手術は、内科的治療と比べて明らかな効果がなかった。

しかし「減圧開頭術(decompressive craniectomy:DC)」は血腫を取らずに、頭の骨を外して脳の圧を下げる方法であり、別のメカニズムで助けられる可能性がある。
SWITCH試験では、この減圧開頭術によって「死亡または重度の障害(mRS 5–6)」が13%ほど減ったという結果が出ていた。

ただし、その効果が出血の場所(被殻だけなのか、内包や視床まで広がっているのか)によって違うのかは分かっていなかったので、出血の場所ごとに減圧開頭の効果をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月18日

軽症くも膜下出血の7.8%が悪化 その原因は“病気”ではなく“治療”か?

2025  10月  中国


くも膜下出血(aSAH)は「重い病気」という印象が強いが、実際には発症時に意識がはっきりしていて、頭痛だけで見つかるような軽症タイプ(good-grade:WFNS I〜III)が全体の約8割を占める。

このタイプの多くは回復が良いとされるものの、中には治療後に後遺症を残したり、思わぬ経過をたどる人もいる。

なぜ軽症のはずなのに悪くなるのか、その理由はこれまでよくわかっていなかった。
そこで、「軽症くも膜下の中で悪くなる人」にはどんな特徴があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月17日

小さい動脈瘤ほど破裂する?──定説をくつがえす最新研究

2025  10月  ドイツ


脳の動脈瘤は、血管の一部がふくらんでできる小さなこぶのような病変である。近年、MRIなどの画像診断の普及により、破裂していない小さな動脈瘤が見つかる機会が増えている。

これまで医療現場では「大きな瘤ほど危険で、小さい瘤は破裂しにくい」と考えられてきた。しかし、複数の動脈瘤をもつ患者では、実際には小さな瘤が破裂することがあるとの報告が相次いでいる。

過去の研究では、くも膜下出血を起こした患者の20~30パーセントで、最大の瘤ではなく小さいほうが破裂していたとされる。それにもかかわらず、小さな瘤がどのような条件で破裂するのかを系統的に調べた研究はこれまで存在しなかったので、
小さい瘤が破裂する要因を明らかにするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月16日

くも膜下出血の真相:歯周病が原因なら、瘤を塞ぐ意味はある?

2025  10月  中国


くも膜下出血は、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)が破れて起こる、命にかかわる病気である。
これまで、動脈瘤が破裂する理由としては「血圧が高い」「血管がもろい」などの物理的な原因が考えられてきた。
ところが近年、「慢性的な炎症」も血管を弱くするのではないか、と注目されている。

その中でも歯ぐきの病気――歯周病(ししゅうびょう)は、心筋梗塞や脳梗塞との関係が知られているが、脳動脈瘤の破裂にも関係しているのではないか?

それを確かめるべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月15日

絞め技の一週間後、脳が沈黙した──若者を襲った“見えない解離”

2025  9月  オーストラリア


若い世代の脳卒中の原因には、動脈硬化ではなく頸動脈や椎骨動脈の“解離”が関わっていることが多い。

この動脈解離は、交通事故のような大きな外傷だけでなく、スポーツ中のちょっとした首のねじれや圧迫からも起こることがある。
とくにブラジリアン柔術(BJJ)の絞め技(chokehold)は、頸動脈に強い力が加わる動作であり、解離のリスクがあると以前から言われてきた。
「絞め技がどのように頸動脈を傷つけうるのか」を明らかにした貴重な症例がみつかったそうな。

2025年10月14日

若い人ほど出血しない! 未破裂AVMは“静かに見守る”が正解

2025  10月  アメリカ


脳の動静脈奇形(AVM)は、生まれつき動脈と静脈が異常につながっている血管のかたまりである。
この異常な血管が破裂すると脳内出血を起こし、重い後遺症を残すことがあるため、
「破裂する前に治療すべきか」「そのまま経過をみるべきか」が長年の議論となってきた。

しかし、これまで「未破裂AVMがどのくらいの頻度で出血するのか」という正確な数字は得られていなかった。
多くの教科書や臨床現場では、年間出血率を2〜4%と説明していたが、
それが本当に妥当かどうかは不明であった。

この研究(MARS研究)では、「未破裂AVMを治療せずに経過観察した場合、実際にどのくらい出血するのか」
そして「どのような特徴を持つ人が出血しやすいのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月13日

日本発・クラゾセンタン論文、AIの判定は「要注意」。信じてはいけない理由。

2025  10月  日本


くも膜下出血(aSAH)は依然として重い後遺症を残す病気であり、とくに発症後に起こる遅発性脳虚血(DCI)が問題である。

世界的にはニモジピンがDCI予防に使われているが、日本では未承認であるため、これまでファスジルやシロスタゾール、スタチンが代わりに用いられてきた。

2022年に登場したクラゾセンタンは、脳血管攣縮を抑える新しい薬として期待されている。
そこで、クラゾセンタンの使用が実際に予後を改善するかどうかを、日本の複数施設データを用いてくわしく検証してみたそうな。

2025年10月12日

ロボットリハビリの“奇跡”は、患者の演技力だった?

2025  10月  イギリス


脳卒中のあと、どのくらい機能が回復するかには個人差があり、一般的には年齢や発症時の重症度、発症前の生活レベルなどが、その予測に使われている。

でも実は、「性格」も回復の具合に関係しているのではないか、という考え方がある。

性格というのは、ある人の考え方や感じ方、行動の傾向のことを指す。なかでも、ビッグファイブと呼ばれる有名な性格モデルでは、神経症傾向、外向性、開放性、協調性、誠実性の5つの特性がある。

これまでの研究では、たとえば神経症傾向が強い人は脳卒中後にうつや疲れを感じやすいことが分かっている。でも、こういった性格の違いが、日常生活の回復などに直接どれくらい影響するのかは、まだよくわかっていない。

そこで、「性格」と「脳卒中後の機能的な回復」との関係を調べた過去の論文を集めて、全体としてどんな傾向があるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月11日

脳卒中経験者が食べていい玉子の量がついに判明!――1日何個までならOK?

2025  10月  中国


脳卒中を経験した人は、再発や心臓の病気で命を落とすリスクが高い。
そのため、食事の内容、特に脂質やコレステロールの摂取量には注意が必要とされている。

一方で、卵は栄養価の高い食品でありながら、
「コレステロールが多い」として長年議論の的になってきた。
近年は「健康な人なら卵を制限する必要はない」との意見も広まったが、
脳卒中を経験した人にとってはどうなのかは、まだはっきりしていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月10日

コーヒーは脳を守る?――DNAが語る“意外な真実”

2025  9月  中国


コーヒーは世界中で最も多く消費される嗜好飲料の一つであり、その健康影響については長年議論が続いている。

とくに脳卒中との関係については、
「コーヒーが血管を守る」とする報告と、「高血圧を促す」とする報告が混在しており、
保護的か有害かが明確に定まっていなかった。

そこで、遺伝的にコーヒーを飲みやすい体質の人を対象とすることで、因果関係をよりくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月9日

コイルかクリップか──その論争こそが最大の病巣だ

2025  9月  ノルウェー


くも膜下出血の原因の多くは、脳の血管にできた動脈瘤が破れることによって起こる。
その治療には、大きく分けて二つの方法がある。ひとつは頭を開いて動脈瘤の根元をクリップで挟む「クリッピング手術」、もうひとつは血管の中からコイルを詰めて血流を止める「コイル治療(血管内治療)」である。

2000年代に行われたISATという大規模試験では、コイルのほうが短期的な回復が良いとされ、世界的にコイル治療が主流になった。
しかしこの試験は軽症の患者が中心で、重症例や長期的な生存率については十分に検証されていなかった。

そこで、ノルウェー・オスロ大学病院の研究チームは、自院で12年間にわたって治療した患者の記録をもとに、現代の医療現場で本当にどちらの治療が長生きにつながるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月8日

サラサラ薬ダブルで出血2倍、しかも日本人に効果なし

2025  10月  日本


脳梗塞の患者の中には、心房細動(しんぼうさいどう)と動脈硬化を両方もっている人が少なくない。

こうした人は、心臓の中にも血管の壁にも血のかたまり(血栓)ができやすく、再発の危険がとても高い。

心房細動には抗凝固薬(こうぎょうこやく)が必要であり、動脈硬化には抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)が使われる。
そのため、「両方の薬を使えば、もっとしっかり血栓を防げるのではないか」と考えられてきた。

一方で、「出血が増えて危ないのでは」という意見もあり、どちらが正しいのかははっきりしていなかった。
そこで、日本人を対象に、より安全な治療をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月7日

たった1回のジェットコースターが命取りに──健康な子どもにも起こる“見えない外傷”

2025  10月  日本


最近のジェットコースターは、スピードも高さもどんどん進化している。
その分、乗っているあいだに体には強い加速度(G)がかかり、一瞬で首や血管に大きな力が加わるようになっている。

これまでにも「乗ったあとに頭痛やしびれが出た」といった報告はあったが、
子どもにどんな影響があるのかは、はっきり分かっていなかった。

そこで、岡山大学の研究グループが、この“スリル”が子どもの脳や血管にどんなリスクをもたらすのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月6日

脳卒中後の筋トレ、安全性に“異議なし”!──コクランが示した決定的エビデンス

2025  9月  イギリス


脳卒中の後遺症としてもっとも一般的な問題の一つが、筋力低下である。
麻痺側の筋肉が弱くなることはもちろん、非麻痺側でも活動量の低下により筋肉が衰える。

この筋力低下は歩行速度の低下、転倒リスクの上昇、さらには再発リスクの増大とも関連している。

しかし、従来のリハビリテーションでは「筋トレは血圧を上げて危険ではないか」「痙縮が悪化するのではないか」という懸念から、積極的に取り入れられてこなかった。

そこで、脳卒中後の筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)が本当に安全で効果的かを、最新のエビデンスで検証してみたそうな。

2025年10月5日

くも膜下出血は“免疫と炎症”が原因だった──いま見えてきた本当の根本治療とは?

2025  10月  中国


くも膜下出血(aSAH)は、脳動脈瘤が破裂して起こる命にかかわる脳卒中である。
これまで「血圧が高い」「喫煙している」といった危険因子は知られていたが、
免疫や炎症の働きが“破裂そのもの”にどう関係しているのかはよくわかっていなかった。

そこで、「免疫細胞」と「炎症タンパク」がどのように影響しあい、さらに“因果関係”があるのかを明らかにするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月4日

医師は拍手、患者は墓場──血管内治療の不都合な真実

2025  10月  ドイツ


近年、機械的血栓回収療法(MT)は急性期の脳梗塞に対して標準的な治療になっている。

これまで多くの研究は「90日後に歩けるかどうか」や「入院中に亡くなるかどうか」に焦点を当ててきたが、**退院してからの死亡率**についてはほとんど分かっていなかった。

そこで、ドイツ全国の医療データを使い、退院後3か月以内にどのくらいの患者が亡くなるのか、またその原因となる要因は何かをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月3日

脳梗塞を防いだはずが…サラサラ薬が招く“出血地獄”

2025  10月  アメリカ


慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)は、高齢者に多くみられる病気である。頭の中にじわじわ血がたまって脳を圧迫し、物忘れや歩行のふらつき、認知症に似た症状を起こすことがある。

その大きな原因のひとつが、脳梗塞や心臓病の予防に使われる「血液サラサラ薬(抗血栓薬=AT)」である。こうした薬は必要な人には大切だが、本当に必要かどうか曖昧なまま処方され続けている場合もある。

そこで、慢性硬膜下血腫で治療を受けた人の中で「不要な抗血栓薬」がどれくらい使われていたのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月2日

ニモジピン排除の日本、クラゾセンタン依存は愚策か──国際レビューが突きつける現実

 元  

Evaluating clazosentan sodium for the treatment of aneurysmal subarachnoid hemorrhage

2025  9月  アメリカ


くも膜下出血は依然として高い死亡率と後遺症率を伴う疾患であり、その主要な原因の一つが遅発性脳虚血(DCI)である。

国際的にはニモジピンが唯一のFDA承認薬として標準治療に位置づけられているが、効果は限定的であり、新たな治療選択肢の開発が求められてきた。

エンドセリン受容体拮抗薬クラゾセンタンは、日本と韓国で承認されている薬剤であり、その有効性と安全性をくわしく整理してみたそうな。

2025年10月1日

脳卒中疑いは飛行機の緊急着陸率20倍──空の医療トラブルが動かす巨大リスク

2025  9月  アメリカ


飛行機の中では医療資源が限られ、体調不良が起きると対応が難しい。これまでいくつかの報告はあったが、世界規模で「どんな病気がどれくらい起きて、どう処置されているのか」を調べた大きな研究はなかった。

特に脳卒中のような重い病気がどれだけ飛行機を緊急着陸に追い込むのかはよくわかっていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月30日

治せば安心は幻想? 未破裂脳動脈瘤の予防手術が残す後遺症の重み

2025  9月  ドイツ


脳動脈瘤は破裂すると命に関わるくも膜下出血を起こすため、早い段階でどう対応するかが大きな課題になっている。

最近はMRIなどの画像検査の進歩で、症状がない段階で未破裂の動脈瘤が偶然見つかることが増えてきた。なかでも複数の瘤を持つ「多発例」はリスクや経過が複雑で、どのように治療するのがよいのかまだはっきりしていない。

そこで、多発の未破裂瘤を持つ患者について、その特徴や治療の結果を整理し、よりよい管理方法をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月29日

“あの注射”の後に残る不調──脳卒中との意外な関係

2025  9月  ルーマニア


COVID-19感染後に長く続く症状は「Long COVID」と呼ばれ、疲労や呼吸困難だけでなく、神経学的な不調も多く報告されている。

脳卒中は世界的に主要な死因・後遺症原因であり、COVID-19との関連性も指摘されてきた。しかし、Long COVIDを有する患者が脳卒中で救急外来を受診した場合、その症状や治療成績がどのように異なるのかについては十分に明らかにされていない。

そこで、Long COVIDの既往が脳卒中救急診療に与える影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月28日

血栓回収神話の崩壊──軽症脳卒中ではなぜ“害”が勝るのか?

2025  9月  中国


これまでの大規模研究では、前方循環の大血管閉塞(ELVO)に対して「血栓回収療法(MT)」を行うと、通常の内科的治療(MM)よりも良い結果になると報告されてきた。

ただし、それは主に中等症から重症の患者(NIHSSスコア6以上)を対象としており、軽症(NIHSS <6、以下mELVO)の患者は多く除外されていた。

しかし実際には、ELVO患者の約1割は軽症で発症する。その一部は薬だけでは回復が不十分なことがあり、静注の血栓溶解療法(IVT)で血流を回復できるのも限られている。

つまり軽症でも治療が必要な場合があるかもしれないが、MTが本当に役立つのかははっきりしていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月27日

コクランが暴いた真実──血圧140未満のワナ

2025  9月  カナダ


血圧が少しだけ高い「軽症高血圧」(上が140〜159、下が90〜99)は、将来の脳卒中や心臓病につながると心配されている。

しかし、この段階から薬を飲み始めるのが本当に良いのかどうかは、はっきりしていなかった。とくに脳卒中を防げるのか、副作用の方が大きいのか、結論が出ていない。そこでCochraneレビューが最新の研究をまとめて検証してみたそうな。

2025年9月26日

脳外科医が語らない“感染性くも膜下出血”──動脈瘤治療の意味が揺らぐとき

2025  9月  ドイツ


くも膜下出血(脳の血管が破れて起きる出血)の多くは、いわゆる「動脈瘤」が原因である。その中で、ごくまれに「感染」が関わって血管の壁が弱り、動脈瘤(感染性脳動脈瘤:MIA)ができることがある。

頻度は全体の1%ほどと非常に少ないが、治療方法や診断の基準がまだはっきりしていない。そこで、この感染性動脈瘤によるくも膜下出血について、患者の特徴や治療、経過をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月25日

もやもや病とAVM、そしてビタミンK不足──子どもを襲う意外な脳卒中の正体

2025  9月  中国


子どもにも脳卒中は起こる。まれではあるけれど、一度発症すると後遺症が強く残ることが多い。

ところが、中国本土では「どのくらいの子どもが脳卒中になっているのか」という全国的なデータがなかった。

そこで、小児脳卒中の実態をあきらかにするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月24日

祭りのノリが命を削る? 神輿と脳卒中の危険な関係

2025  9月  日本


頸動脈解離(けいどうみゃくかいり)は、首の血管が傷つくことで起きる病気で、若い人でも脳梗塞の原因になることがある。

多くは交通事故やスポーツのケガで見られるが、今回、日本の伝統行事である「神輿(みこし)担ぎ」によって起きた非常に珍しい症例がみつかったそうな。

2025年9月23日

24時間を超えても血栓回収!?──EVT信者にカモにされないために

2025  9月  アメリカ


脳梗塞に対する血栓回収療法(EVT)は、発症から6時間以内、あるいは条件を満たせば24時間以内まで効果があることが分かっている。

ところが24時間を過ぎた「超遅延」の場合でも、一部の人ではまだ血流が保たれていて、治療で助けられる脳の組織が残っている可能性がある。

ただ、これまでは小さな研究ばかりで、本当に効果があるかどうかははっきりしていなかった。そこで、24時間を超えた患者に対してEVTと薬による治療を比べた研究をまとめ検証してみたそうな。

2025年9月22日

脳卒中歩行リハにロボット導入、実は有効でない“張りぼて戦略”

2025  9月  インド


ロボット支援歩行訓練(Robot-Assisted Gait Training, RAGT)は、脳卒中後のリハビリで「最新のテクノロジー」として期待されてきた。

しかし、これまでの臨床試験や総合的な研究レビューの結果は一貫しておらず、本当に役立っているのかどうかには疑問が残っている。

特に、従来から行われてきた「課題指向型歩行訓練(Task-Oriented Gait Training, TOGT)」に比べてどれだけ追加の効果があるのかがはっきりしていない。そこで、RAGTのエビデンスをあらためて批判的に検討し、その臨床的な価値を見直してみたそうな。

2025年9月21日

磁気刺激は奇跡を起こすのか、それとも錯覚か──rTMS研究を読み解く

2025  7月  韓国


脳卒中のあと、多くの人が手や足の動きに障害や痙縮を抱える。リハビリである程度は回復するが、それだけでは不十分なことが多い。

補助的治療法として磁気を使って脳の神経を刺激する「反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)」が注目されてきた。しかし研究によって結果がまちまちで、本当に効果があるのかどうかはっきりしていなかった。

そこで、過去の臨床試験をまとめて分析し、rTMSの効果をくわしく検証してみたそうな。

2025年9月20日

たった2%の患者しか救えない――それでも脳外科医たちが低侵襲手術にこだわる理由

2025  9月  アメリカ


脳内出血(ICH)は命に関わることが多く、後遺症も残りやすい病気である。近年のENRICH試験では、頭を大きく開けずに血のかたまり(血腫)を取り除く「低侵襲手術(MIS)」が有効とされ注目を集めている。

しかし、この手術が実際の患者のどのくらいに使えるのかは、まだよく分かっていなかった。

そこで、現実の診療の中でMISの対象となる患者がどれくらいいるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月19日

「深部は減り、表層が増える」逆転現象:日本の脳内出血30年

2025  9月  日本


脳内出血は、命にかかわり後遺症をもたらす危険な病気である。そのため「どのくらい発症しているのか」を長い目で見て調べることは、とても大事である。

さらに、出血する場所によって原因や治療の仕方がちがうため、「どの部位でどれくらい起きているか」を知ることも予防や治療の手がかりになる。

これまで日本の研究では脳卒中全体の動向は報告されてきたが、脳内出血を出血部位ごとに細かく追った研究は少なかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月18日

脳卒中リハビリを変える? ビタミンDサプリの意外な力

2025  8月  インドネシア


脳卒中は世界で毎年1,200万件以上が新たに発症し、650万人が亡くなる深刻な病気である。
特に低所得の国では治療や介護の負担が重く、社会全体に大きな影響を与えている。

近年、ビタミンD不足が動脈硬化や血管の機能低下と関係し、脳卒中のリスクを高めることが分かってきた。
また、ビタミンDには神経を守ったり、脳の回復を助けたりする作用がある可能性が報告されている。

そこで、ビタミンDを補給することが脳卒中のリハビリに役立つかどうかを確かめてみたそうな。

2025年9月17日

めまいの半分は脳卒中──救急外来が突きつけた衝撃の数字

2025  9月  中国


「めまい」は救急外来でよくある症状である。多くは耳の異常による末梢性めまいで命に関わらないが、実は脳卒中が隠れていることも少なくない。

特に「めまいだけで、ほかの神経症状がない」場合は軽く見られやすく、診断が遅れるリスクがある。

従来のCTは小さな脳梗塞を検出する力が弱く、MRIが有効と考えられている。そこで、孤立性めまいの患者にどの程度脳卒中が隠れているか、そしてMRIとCTの診断性能をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月16日

麻痺手を“なんとなく”動かすだけでは回復しない──慢性期リハの冷徹な現実

2025  8月  アメリカ


脳卒中のあと、長い時間がたってからでも運動やリハビリが役に立つのかどうかは、よくわかっていなかった。

多くの研究は新しいリハビリ法を試すときに「実際の治療」と「普通のケア」を比べるが、普通のケアを受けた人たちがどれくらい良くなるかについては、はっきりとした数字が示されていなかった。

そこで、過去の試験で「コントロール群」と呼ばれる普通のケアを受けた人たちだけを集めて、腕の動きがどのくらい変化するかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月15日

変人の集い? それとも新しい支援の形? 脳卒中サバイバーがSNSで見せる素顔

2025  9月  スウェーデン


脳卒中は突然生活を変えてしまい、身体の動きだけでなく気持ちや人とのつながりにも大きな影響を与える。とくに働き盛りや子育て世代の人にとっては、役割を失ったり孤独を感じたりしやすい。

近年、同じ経験をした人どうしがSNSなどで支え合う場が広がっているが、そこでどのように体験が語られ、「自分らしさ」が作り直されているのかはあまり知られていないので、くわしくしらべてみたそうな。

2025年9月14日

脳梗塞の翌日に殺人念慮──右脳が壊す“理性の防波堤”

2025  7月  アメリカ


脳卒中の後に精神症状が出現することは珍しくないが、精神病の形で現れる場合、その特徴やリスク要因はまだ十分に理解されていない。

とりわけ、殺人念慮という極端な精神症状が脳梗塞直後に出現することはきわめて稀であり、臨床上の重要性が高い。

こんかい「既往歴のない患者における脳梗塞後急性精神病と殺人念慮」の症例があったそうな。

2025年9月13日

血栓溶解療法の事故急増、“インチキ治療”の“隠れた馬脚”とは?

2025  9月  スウェーデン


頸動脈(けいどうみゃく)の病気は脳梗塞の大きな原因であり、昔から手術や切らない処置が行われてきた。しかし近年は薬による治療が進歩し、症状のない病気に対しては手術を減らす方向に変わってきている。

また、手術を行う病院も大きな専門病院に集約されている。スウェーデンでは「患者保険制度」があり、医療で避けられたはずの事故に対しては経済的な補償を受けられる仕組みがある。

そこで、この制度を通じて過去20年間に頸動脈の治療後に『これは医療事故では?』として保険補償を申し立てたケースを分析し、治療の安全性や経時的な変化をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月12日

セラピストはいらない?自宅で進化する脳卒中遠隔リハの最前線

2025  8月  中国


脳卒中のあとには手や腕の動きに障害が残ることが多く、日常生活に大きな支障をきたす。入院中にしっかりリハビリできる人は限られており、費用や制度の問題から途中でやめざるを得ない場合も少なくない。

そのため、自宅で続けられて、なおかつ効果が確かなリハビリ方法が必要である。

そこで、オンラインで行うタスク指向型リハビリが、従来の病院でのリハビリや神経促通法と比べて遜色ないかどうかを確かめてみたそうな。

2025年9月11日

日本人医師が明かす──くも膜下出血死亡の本当の原因は“血”ではなく“手術”?

2025  9月  日本


脳血管攣縮は、ふつうは「くも膜下出血」がきっかけで起こる合併症として知られている。これが起こると脳の血流が悪くなり、後遺症につながりやすい。

破れていない動脈瘤(未破裂動脈瘤)を手術でクリップしたあとに血管攣縮が起こることは、ほとんどないと考えられてきた。だが実際には報告例が少なく、詳しい経過や治療の効果はあまり分かっていない。

今回、未破裂動脈瘤のクリップ治療後に血管攣縮が起きたそうな。

2025年9月10日

血栓溶解療法にYESと言えない家族たち──半数以上が信用しない医療の現実

2025  9月  中国


脳梗塞(急性虚血性脳卒中)に対して血栓溶解療法(t-PAなど)は効果的な治療である。
しかし実際には、患者本人が意識障害などで判断できないことが多く、家族など代理人の同意をとるのに時間がかかり、治療が遅れてしまうことが少なくない。

その背景には「代理人の迷い(決断の葛藤)」があると考えられるが、どんな要因が迷いを強めるのかはよくわかっていない。

そこで、患者家族など代理人がどのように迷いを感じるのか、影響する要因をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月9日

AIリハビリが療法士を超えた日──脳卒中リハの主役交代

2025  8月  韓国


脳卒中のあとには、もの忘れや注意力の低下、段取りがうまくいかないといった「認知の障害」がよく起こる。これは生活の自立や家族の負担に直結するため、大きな問題である。

これまでは病院でセラピストがついて行う認知リハビリが主流だったが、通院の負担や人手不足といった課題があった。コロナ禍をきっかけに遠隔(テレリハビリ)への期待が高まったが、従来のシステムは「一人ひとりに合わせた難易度調整ができない」「きちんと取り組めているか分かりにくい」といった弱点を抱えていた。

そこで、AIが患者の成績を見ながら自動で課題を調整する新しいテレリハビリが、従来のセラピストによるリハビリに劣らないかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月8日

偽物では守れない──脳卒中を遠ざけるオリーブオイルの見分けかた

2025  9月  スペイン


地中海食は心血管病を防ぐ食事として有名である。その中心的な食材がオリーブオイルである。

しかし、これまでの研究は「オリーブオイル全般」として扱うことが多く、エクストラバージンオリーブオイル(EVOO)と精製オリーブオイル(COO)を区別したうえでの長期的な影響は十分に検証されていなかった。

そこで、脳卒中や心房細動、末梢動脈疾患など、より幅広い心血管疾患への影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月7日

「130が限界」ランセットが示した厳格降圧の落とし穴

2025  8月  中国


高血圧は脳卒中の大きな原因のひとつである。近年は「できるだけ血圧を下げたほうがよい」と言われることが増えてきたが、その一方で腎臓の障害や失神といった副作用が心配されている。

そこで、「血圧を厳しく下げることは本当に利益になるのか、それとも害の方が大きいのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月6日

脳梗塞は防げても、出血で命を落とす──抗凝固薬が突きつける矛盾

2025  9月  アメリカ


脳梗塞(虚血性脳卒中)の場合、「Time is Brain(時間が脳を救う)」という言葉が知られている。tPA点滴や血栓回収といった治療は、分単位で早いほど効果が大きいことが広く認識されている。

一方で、脳内出血(ICH)の治療においては、降圧(血圧を下げること)や抗凝固薬のリバース治療(中和)が基本であるにもかかわらず、「どれだけ早く行うか」が転帰に与える影響については十分に調べられてこなかった。そこで、ICHの初期治療のスピードが死亡率や回復にどう影響するかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月5日

療法士なしでも効果あり?脳卒中後の歩行リハは週150分で十分

2025  8月  ブラジル


脳卒中を経験した人にとって、「自分の足で歩けること」は生活の質に直結する大きな目標である。これまでの研究では、病院で療法士に見守られながら、あるいはトレッドミルのような機械を使って歩く練習が効果的とされてきた。


だが、日常生活の中でそれを続けるのは現実的にむずかしいことが多い。そこで「監視なし」で、自分で歩くだけでも同じような効果が得られるのかをたしかめてみたそうな。


2025年9月4日

血栓回収療法が格差を縮めた?──データの裏に潜む落とし穴

2025  9月  アメリカ


新しい治療法が医療の現場に広がるとき、しばしば「お金持ちの地域や大病院だけが得をして、格差が広がるのではないか」という心配がある。急性虚血性脳卒中に対する血栓回収療法(endovascular thrombectomy, EVT)は効果が大きいが、高度な設備と専門医を必要とするため、地域や社会経済の条件によって受けられるかどうかに差が出る可能性がある。

そこで、病院レベルでのEVT導入の進み具合と、脳卒中患者の健康格差との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月3日

高齢者未破裂瘤に手術を勧める日本は正気か

2025  9月  日本


高齢化で脳動脈瘤の破裂(SAH)が増える一方、高齢では破裂後治療の成績が悪いと言われている。

そこで「破裂する前(未破裂)の段階でコイル塞栓術をして安全・有効か」を確かめるべく、ある日本の病院での記録をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月2日

激烈頭痛で救急へ…しかし9割以上は動脈瘤と無関係

2025  8月  オランダ


突然カミナリが落ちたように起こる激しい頭痛は、ときに命に関わる重大な病気のサインである。特にくも膜下出血はその代表で、放置すれば致命的になりうる。

しかし、救急外来には頭痛を訴える患者が数多く訪れ、すべてのケースで命に関わる病気を見分けるのは簡単ではない。これまで「突然の激しい頭痛」で受診した患者の実態や診断の精度については十分な調査がなされていなかった。

そこで、ある病院における実際の症例を振り返り、その全体像をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月1日

食の砂漠に住むということ──心房細動患者に4倍の死のリスク

2025  8月  アメリカ


心房細動(AF)は世界で最も多い不整脈(の原因)であり、脳梗塞の大きな危険因子である。薬や生活習慣で予防することはよく知られているが、実は「住んでいる場所」も健康に影響するのではないかという疑問があった。

とくにアメリカで問題になっているのがフードデザート(food desert)である。これは「新鮮な野菜や果物を売るスーパーが近所になく、コンビニやファストフードに頼らざるを得ない地域」のことを指す。

こうした環境に暮らすと、栄養の偏りや生活習慣病が増えることが知られているが、心房細動患者にどれほど影響するかははっきりしていなかった。そこで、フードデザートに住む心房細動患者の脳梗塞や死亡のリスクをどのくらいなのかくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月31日

出血性脳卒中「半減」──ESPRITが示した“目標120未満”は本物か

2025  8月  中国


脳卒中の大きな危険因子は高い収縮期血圧である。最適な目標を120未満にまで厳しく下げるべきか、140未満で十分かは決着していない。

そこで本研究(ESPRIT二次解析)は、120未満をねらう厳しめ降圧が、脳卒中にどれだけ効くかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月30日

日本人は体重より腹囲で決まる──ウエストが示す脳卒中リスク

2025  8月  日本


心臓病や脳卒中といった心血管疾患は、日本人にとっても大きな死亡原因である。肥満がこれらのリスクを高めることはよく知られているが、従来使われてきたBMI(体格指数)だけではリスクを正しくとらえきれない場合がある。

とくに日本人は、体重が重くなくても「お腹だけ出ている」タイプが多く、脳卒中の危険を見逃してしまう可能性がある。そこで、腹囲に基づいた新しい体型指標であるBRI(Body Roundness Index)やWHtR(ウエストと身長の比率)が役立つかどうかを、日本人を対象に長期間追跡してくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月29日

心筋炎30倍増──しかし“脳卒中予防薬”と持ち上げられるコロワクの二面性

2025  8月  韓国


コロナワクチンは重症化を防ぐと言われてきたが、副作用として心筋炎や血栓症が心配されてきた。特に脳卒中や肺塞栓といった血管の病気にどう影響するのかは、まだはっきりしていなかった。

そこで、ワクチンを打った人と打っていない人を比べて、短い期間にどんな違いが出るのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月28日

歩行改善の夢は幻?──ボツリヌス注射に揺れる期待と失望

2025  6月  イタリア


脳卒中のあとによく見られる「つっぱり(痙縮)」は、とくに足首やふくらはぎに出やすく、足先がつま先立ちや内側にねじれたような形になる。こうした状態は歩きにくさや転びやすさを招き、介護する人の負担にもなる。

そこで、筋肉のつっぱりをやわらげる治療として「ボツリヌス毒素(BoNT)注射」が広く使われてきた。けれども「つっぱりが減っても、歩けるようになるのかどうか」ははっきりしていなかった。そこで、その点を改めてくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月27日

脱水で脳内出血4倍、糖尿病ありなら7倍の理由とは!

2025  8月  アメリカ


年をとると、のどの渇きを感じにくくなったり、腎臓の働きが弱まったり、さらには利尿薬などの薬を飲んでいることも多いため、脱水になりやすいといわれている。

脱水は便秘や尿路感染、転倒などの原因になるが、「脳卒中とどのくらい関係しているのか」ははっきりしていなかった。そこで、脱水と脳卒中のつながりを大規模データでくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月26日

脳卒中経験者は“薬漬け”!?──減薬で命と生活を守る新常識【ポリファーマシー研究からの警告】

2025  8月  アメリカ


脳卒中を経験した高齢の人は、多くの薬を同時に飲む「ポリファーマシー」になりやすい。薬が増えると、副作用や飲み合わせによるトラブルが起こりやすくなり、転倒や認知機能の低下、入院のリスクも高まることが知られている。

こうした問題を避けるために「減薬(デプリスクリプション)」という考え方が広がってきたが、実際に脳卒中を経験した人が減薬についてどう感じているのかは、まだはっきりしていなかった。その実態をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月25日

ラクナ梗塞は軽くなかった──10年後には10人に1人が認知症

2025  8月  イギリス


ラクナ梗塞は小さな脳梗塞として知られ、比較的軽症で予後も良いと考えられてきた。
一方、皮質梗塞は脳の表面で起きるタイプで、大血管や心臓からの血栓が原因になることが多い。

しかし、本当にラクナ梗塞は安心できるのか、長期的に比較した研究はこれまでほとんど存在しなかった。
特に認知症の発症や再発、死亡、生活の質がどう変わるのかを10年近い長いスパンで追跡したデータは乏しかった。

そこで、小血管病と大血管病の違いを明らかにし、患者の予後や治療方針を考える手がかりを得るべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月24日

血管内治療の幻想崩壊──ステントもバルーンも“危険装置”だった

2025  8月  ヨルダン
   

脳の動脈が動脈硬化で細くなる「頭蓋内動脈狭窄(sICAS)」は、脳梗塞の再発リスクが高い重大な病態である。
これまで「血管内治療(カテーテルで広げればよい)」という考え方が根強くあり、とくにステントやバルーンによる治療は“未来の標準”と期待されてきた。

しかし一方で、薬だけの治療(抗血小板薬や生活習慣管理)でも十分に再発を防げるという報告が増えつつあった。

本当に血管内治療は有効なのか──その真偽を確かめるため、メタ解析をこころみたそうな。

2025年8月23日

骨の味方が脳の敵に!? カルシウムと脳梗塞リスクの意外な関係

2025  8月  中国


脳梗塞(虚血性脳卒中)は脳血管が詰まって起こる病気で、日本を含むアジア地域で大きな健康問題となっている。これまでの研究では、血液中の金属元素の量と脳梗塞の危険性に関連があるのではないかと指摘されてきたが、それが本当に原因なのか、単なる相関なのかははっきりしていなかった。

さらに、アジア人を対象とした研究は少なく、十分な検証が行われていないのが現状である。そこで、血中の金属濃度と脳梗塞の発症との因果関係を遺伝子データを使ってくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月22日

くも膜下出血治療に異変?クラゾセンタンが効く“隠れた患者層”とは

2025  8月  日本


くも膜下出血(aSAH)では、脳血管れん縮(スパズム)が遅れて起きて脳梗塞や機能障害につながることが大きな問題である。

クラゾセンタン(エンドセリン受容体拮抗薬)は、過去の臨床試験で「血管れん縮を減らす」効果は見せてきた。
しかし「最終的な生活の自立度(mRSなどの機能予後)」の改善は一貫して示されず、国際的には効果が疑問視されてきた。

一方で日本の実臨床では「効いているのでは?」と感じられる症例もあり、なぜRCTと現場の感覚が食い違うのかが課題であった。
そこで、従来の平均値比較ではなく「一人ひとりの予後予測と実際の転帰を比べる」という新しい枠組み(PAOE)を用い、クラゾセンタンが本当に役立つ患者層を明らかにしようとしてみたそうな。

2025年8月21日

脳卒中患者でもスマートウォッチで血圧管理!? いつの間にか信頼できる時代に

2025  8月  台湾


脳梗塞の急性期には血圧が大きく変動しやすく、その管理がとても重要である。ところが従来の病棟での血圧測定は、看護師が1日数回カフで測る方法が中心で、寝ている間や日中の変動を十分に捉えることができなかった。

そこで、手軽に回数多く血圧を測れるスマートウォッチに注目が集まっている。これまでは健康な人を対象にした検証が多く、血圧が大きく揺れる脳卒中患者で本当に使えるのかはわかっていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月20日

原因不明の脳梗塞を追え!ESUSは“隠れた病気のサイン”だった

2025  7月  ルーマニア


脳梗塞のなかには、通常の検査をしても明らかな原因が特定できないものがある。このようなケースは「塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS)」と呼ばれてきた。

従来は、心房細動や卵円孔開存といった隠れた塞栓源が多いのではないかと考えられ、抗凝固薬による治療が有効なのではないかという期待があった。

その効果を確認するべくこれまでの研究をまとめてみたそうな。

2025年8月19日

薬より強い?食物繊維が“脳卒中後うつ”を遠ざける驚きのメカニズム

2025  7月  中国


脳卒中は世界で2番目に多い死因であり、多くの人が後遺症を抱えて生活している。その中でも「脳卒中後うつ(post-stroke depression, PSD)」は3人に1人が経験するとされ、リハビリの妨げや再発・死亡リスクの上昇につながる大きな問題である。特に女性は男性よりもうつになりやすく、症状も重くなりやすい。

一方で、これまでの研究では「食事と気分」の関係が注目されてきた。特に食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、心の健康にもつながるのではないかと考えられている。しかし「食物繊維とうつ」を調べた研究は多くても、「脳卒中後うつとの関係」を調べたものはほとんどなかった。

そこで、米国の大規模調査NHANESのデータを使って、女性における食物繊維摂取とPSDの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月18日

くも膜下出血=動脈瘤の常識が崩れる日

2025  8月  オランダ


くも膜下出血(SAH)の大部分は動脈瘤破裂によるものとされているが、その約15%は非動脈瘤性(nSAH)である。

nSAHはさらに、perimesencephalic SAH(PMSAH)と non-perimesencephalic SAH(NPSAH)に分類される。PMSAHは脳幹周囲に限局した出血であり、静脈起源と考えられていて予後は良好とされている。一方でNPSAHは出血の広がりが大きく、動脈性出血を反映していると考えられ、予後は不良である。

そこで、この二つの病型を比較し、その臨床経過や転帰にどのような差があるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月17日

骨折の有無は関係なし——満足度を奪う真犯人は“転倒恐怖(FoF)”

2025  8月  中国


脳卒中患者は身体機能やバランス能力の低下により転倒リスクが高い。転倒は身体的損傷をもたらすだけでなく、心理的影響として「転倒恐怖(Fear of Falling, FoF)」を引き起こしやすい。

FoFは活動量の低下や社会的孤立を招き、生活満足度(QOL)の低下に直結する。しかし、入院中の脳卒中患者において、転倒の重症度・損傷の有無・FoFが生活満足度にどのように関連するかは十分に明らかになっていなかった。

そこで、この関連を解明し、転倒予防と心理的ケアの必要性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月16日

STICH後も諦めない脳外科医たち──ルーマニア発・ICH開頭手術の正当性探し

2025  7月  ルーマニア


脳内出血(ICH)は脳卒中の中でも死亡率・後遺症率が高いタイプである。外科的に血腫を取り除くことは理論的には有用と考えられてきたが、大規模試験(STICHなど)では全体として明確な生存利益が示されていない。

それでも、血腫の場所や大きさによっては手術が有利になる可能性は残っている。

そこで、ルーマニアの単一施設で2017〜2023年に治療したテント上ICHの患者を対象に、外科治療と保存療法の転帰を比較し、死亡率や手術適応の要因をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月15日

脳卒中リスクは“歩くほど”下がる!3000歩から始まる驚きのデータ

2025  8月  オーストラリア


高血圧は脳卒中を含む主要な心血管疾患の最大の危険因子の一つである。日常生活で容易に実践できる身体活動として「歩くこと」は有望であるが、具体的にどの程度の歩数や歩行強度が脳卒中リスクの低下と関連するかについては、これまで十分なデータがなかった。

そこで、加速度計で計測した客観的な歩数データを用い、高血圧者における歩数・歩行強度と主要心血管イベント発症リスク(特に脳卒中)との関連を明らかにするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月14日

「75歳からの血圧革命」──130mmHg未満で本当に寿命は延びるのか?

2025  8月  日本


高齢になると血圧は上がりやすくなり、それが心筋梗塞や脳卒中などの心血管病、さらには死亡のリスクを高めることが知られている。一方で、血圧を下げすぎると腎臓の働きが悪くなったり、立ちくらみや転倒、認知機能の低下といった副作用が出ることも心配されている。

2019年の日本高血圧学会ガイドラインでは、75歳以上の人の目標は「収縮期血圧(SBP)140mmHg未満」だった。しかし、その後の研究で「130mmHg未満」を目指す厳しめの血圧管理でも、心血管病や死亡を減らせる可能性があることが分かってきた。
特に日本は超高齢社会であり、この年齢層でどのくらいの血圧を目標にするのがよいかを明らかにすることはとても重要である。

そこで、75歳以上の高血圧の人で、SBP<130mmHgを目指すことが本当に効果的で安全かどうかを、過去の臨床試験をまとめてくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月13日

脳卒中でもトイレが人を歩かせる:リハ病棟で“こっそり独歩”が起きる理由

2025  7月  オーストラリア


脳卒中リハビリにおいて、入院中に「独歩(自分ひとりで歩く)」へ移行できるかどうかは、退院後の生活の質に直結する重要な節目である。

しかし、病院では転倒予防のため、理学療法士など専門職による安全確認が行われるまで単独歩行が制限されることが多い。
この安全管理の仕組みは患者の自立を守る反面、活動量低下や心理的負担を招く可能性がある。

そこで、脳卒中患者が入院中に独歩へ移行する際の意思決定過程やリスク認識について、当事者の視点からくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月12日

笑いも泣きも止まらない──橋脳卒中が壊す“右脳ネットワーク”と、その立て直し方

2025  7月  韓国


病的笑い・泣き(Pathological Laughing and Crying:PLC)は、脳卒中のあとに突然こらえきれない笑いや泣きが出てしまう症状である。感情そのものがおかしくなるわけではなく、その出し方を調節する仕組みが壊れることで起きる。

なかでも橋(pons)という脳幹の一部を傷めた脳卒中では、PLCが比較的よく見られることが知られている。しかし、橋の損傷がなぜPLCにつながるのか、特に脳のどこに代謝の異常が出ているのかははっきりしていなかった。

そこで、橋脳卒中患者を対象に、脳の糖代謝を調べるPET検査を使ってPLCの背景をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月11日

破裂動脈瘤、“今すぐ手術”は本当に必要か──遅らせた方が助かる患者たち

2025  7月  ギリシャ


くも膜下出血(SAH)において、動脈瘤クリッピング手術は再出血予防のために早期に行うことが一般的である。

しかし、発症から手術までの時間が転帰にどう影響するかについては議論があり、特に遅延手術が必ずしも不利ではない可能性が指摘されている。

そこで、発症から手術までのタイミングと臨床転帰の関連をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月10日

脳卒中リスク37%減!高齢者が見逃しがちな“ビタミンB1不足”の真実

2025  8月  中国


脳卒中は世界で2番目に多い死因であり、後遺症による生活の質の低下や医療費の増加をもたらす大きな病気である。

ビタミンB12や葉酸と脳卒中の関係はよく知られているが、ビタミンB1(チアミン)については大規模な調査があまり行われてこなかった。ビタミンB1は体のエネルギーづくりや神経の働きを保つために欠かせず、不足すると代謝の乱れや血管の動脈硬化を通じて脳卒中の危険を高めるおそれがある。

そこで、高齢者におけるビタミンB1の食事からの摂取量と脳卒中の発症リスクの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月9日

「1年で回復しなければ終わり」なんてウソだった──脳内出血の“その後3年”に希望がある

2025  7月  中国


脳内出血(ICH)後の運動機能回復は、通常3か月から1年以内に評価されることが多い。
しかし、実際には1年を過ぎてから回復する例もあると考えられており、そのような長期的経過を丁寧に追った研究はほとんど存在しない。

このことにより、回復可能性が過小評価され、臨床現場での支援やリハビリの判断にも偏りが生じる恐れがある。

そこで、脳内出血後の運動回復がどれほど長期間にわたって継続するのかを明らかにするべく、1年以降に回復する患者の特徴をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月8日

脳卒中を防ぐのは“発酵”の力──効いたのはヨーグルトだけだった!

2025  7月  中国


脳卒中は、死や重度の後遺障害を引き起こす深刻な疾患であり、個人と社会に大きな負担を与えている。食事を含む生活習慣の改善は、脳卒中予防の鍵となる。その中で発酵乳製品、特にヨーグルトは腸内環境を整える食品として知られており、脳と腸の相互作用「脳腸軸」を通じて脳卒中リスクに影響を与える可能性がある。

しかし、これまでの研究では発酵乳製品と脳卒中との関連について一貫した結果が得られておらず、特にアメリカ国内の大規模データに基づいた検証が不足していた。

そこで、発酵乳製品の摂取が脳卒中リスクに与える影響を明らかにするため、全国規模の健康栄養調査データを用いてくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月7日

「水を飲めば健康」なんてウソだった?脳梗塞の急性期に“水分の与えすぎ”で死亡率2.5倍という衝撃

2025  7月  中国


脳梗塞の重症患者に対しては、脱水を避けるために十分な水分補給が重要とされてきた。

特に急性期では、点滴による水分投与が標準的に行われている。しかしその一方で、水分を与えすぎることが脳浮腫や全身への悪影響を引き起こす可能性があるにもかかわらず、そのリスクについては明確な根拠が不足していた。

そこで、脳梗塞急性期における水分出納バランス(とくに点滴を含む総水分量)と3か月後の死亡率との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月6日

手は動くのに、使えない――脳卒中リハビリの盲点とは?

2025  8月  スイス


脳卒中後の上肢機能障害は極めて高頻度に見られるため、リハビリテーション領域では上肢の運動機能を評価する指標としてFugl-Meyer Assessment(FMA-UE)が広く用いられてきた。

しかし近年、FMAにおいて高得点を示すにもかかわらず、実生活上では上肢をほとんど使用していない患者が一定数存在することが報告されている。

このような「運動機能は温存されているのに、パフォーマンスが伴わない」という乖離現象が、急性期から存在するのか、そしてその背景に何があるのかは十分に解明されていない。

そこで、この現象の原因として認知機能障害(特に空間無視、遂行機能障、失行)が関与している可能性に着目し、急性期脳卒中患者を対象にくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月5日

「歌えば脳が変わる」は本当だった!右脳が目覚める、ことば回復の“裏ルート”とは?

2025  7月  フィンランド


脳卒中の後に言葉が出にくくなる「失語症」は、患者の生活や社会参加を大きく制限する問題である。特に慢性期(発症から半年以上)の患者では、自然な回復だけでは限界があることが多い。

これまでにも、音楽を取り入れたリハビリが言葉の回復を助ける可能性があると指摘されてきた。中でも「みんなで歌う」という活動は、脳の構造そのものを変える力があることがわかってきた。しかし、脳の動きをリアルタイムで見る方法(fMRI)を使って、歌が脳にどんな変化を起こすのかを調べた研究は少なかった。

そこで、グループでの歌唱トレーニングが、脳のどこにどんな働きを引き出すのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月4日

「目を覚ませ」と手首に電気──中国発、昏睡治療の知られざる切り札

2025  7月  中国


脳卒中をはじめとする重い脳の損傷によって、人は昏睡や植物状態といった意識障害(DoC)に陥ることがある。
このような状態からの回復を助ける方法として、近年「正中神経刺激(MNS)」という手首への電気刺激療法が注目されている。
いくつかの研究では、MNSによって患者の意識レベルが改善する可能性があるとされている。

しかし、効果があっても危険な副作用があるのでは意味がない。
これまでMNSが原因でけいれん、心拍の異常、肺炎、出血などの合併症が増えるのかどうか、まとまった検証はなされてこなかった。

そこで、MNSの安全性について、過去に行われた臨床試験を集めて分析し、そのリスクをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月3日

「脳卒中後、なぜ“自分は運転がうまい”と思ってしまうのか?」 ――F1ドライバー気取りの危うい自信とは

2025  7月  ドイツ


脳卒中を経験すると、身体や認知の働きに何らかの後遺症が残ることがある。運転という行為は、その両方を使うため、再開には注意が必要である。

実際には、多くの人が病後の運転再開について「自分で大丈夫だと思うから」という理由だけで判断してしまっている。
そこで問題になるのが、「自分の運転能力を正しく見きわめられているのか?」という点である。

過去の研究では、脳卒中経験者が自分の運転をやや過信しやすい傾向が示されていた。

そのようなズレが時間の経過とともに回復するのかどうか、また脳のどのような働きと関係しているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月2日

酪酸は口より肛門から──浣腸による血圧低下の衝撃

2025  7月  アメリカ


高血圧は心臓病や脳卒中の主要な原因であり、とくに黒人においては他の人種よりも有病率が高く、合併症も多いことが知られている。それにもかかわらず、彼らを対象とした臨床研究は非常に少ない。

近年の研究では、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸、とくに酪酸という物質が、血圧の調整に関わっている可能性が指摘されてきた。酪酸は食物繊維をエサにして腸内細菌が発酵することで作られる。動物実験では酪酸によって血圧が下がることが確認されているが、人間を対象とした研究は少ない。

そこで、「酪酸を腸に直接届けたら、血圧はすぐに下がるのか?」を検証するために、酪酸を肛門から入れるという臨床試験をおこなってみたそうな。

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