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2025年9月13日

血栓溶解療法の事故急増、“インチキ治療”の“隠れた馬脚”とは?

2025  9月  スウェーデン


頸動脈(けいどうみゃく)の病気は脳梗塞の大きな原因であり、昔から手術や切らない処置が行われてきた。しかし近年は薬による治療が進歩し、症状のない病気に対しては手術を減らす方向に変わってきている。

また、手術を行う病院も大きな専門病院に集約されている。スウェーデンでは「患者保険制度」があり、医療で避けられたはずの事故に対しては経済的な補償を受けられる仕組みがある。

そこで、この制度を通じて過去20年間に頸動脈の治療後に『これは医療事故では?』として保険補償を申し立てたケースを分析し、治療の安全性や経時的な変化をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月12日

セラピストはいらない?自宅で進化する脳卒中遠隔リハの最前線

2025  8月  中国


脳卒中のあとには手や腕の動きに障害が残ることが多く、日常生活に大きな支障をきたす。入院中にしっかりリハビリできる人は限られており、費用や制度の問題から途中でやめざるを得ない場合も少なくない。

そのため、自宅で続けられて、なおかつ効果が確かなリハビリ方法が必要である。

そこで、オンラインで行うタスク指向型リハビリが、従来の病院でのリハビリや神経促通法と比べて遜色ないかどうかを確かめてみたそうな。

2025年9月11日

日本人医師が明かす──くも膜下出血死亡の本当の原因は“血”ではなく“手術”?

2025  9月  日本


脳血管攣縮は、ふつうは「くも膜下出血」がきっかけで起こる合併症として知られている。これが起こると脳の血流が悪くなり、後遺症につながりやすい。

破れていない動脈瘤(未破裂動脈瘤)を手術でクリップしたあとに血管攣縮が起こることは、ほとんどないと考えられてきた。だが実際には報告例が少なく、詳しい経過や治療の効果はあまり分かっていない。

今回、未破裂動脈瘤のクリップ治療後に血管攣縮が起きたそうな。

2025年9月10日

血栓溶解療法にYESと言えない家族たち──半数以上が信用しない医療の現実

2025  9月  中国


脳梗塞(急性虚血性脳卒中)に対して血栓溶解療法(t-PAなど)は効果的な治療である。
しかし実際には、患者本人が意識障害などで判断できないことが多く、家族など代理人の同意をとるのに時間がかかり、治療が遅れてしまうことが少なくない。

その背景には「代理人の迷い(決断の葛藤)」があると考えられるが、どんな要因が迷いを強めるのかはよくわかっていない。

そこで、患者家族など代理人がどのように迷いを感じるのか、影響する要因をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月9日

AIリハビリが療法士を超えた日──脳卒中リハの主役交代

2025  8月  韓国


脳卒中のあとには、もの忘れや注意力の低下、段取りがうまくいかないといった「認知の障害」がよく起こる。これは生活の自立や家族の負担に直結するため、大きな問題である。

これまでは病院でセラピストがついて行う認知リハビリが主流だったが、通院の負担や人手不足といった課題があった。コロナ禍をきっかけに遠隔(テレリハビリ)への期待が高まったが、従来のシステムは「一人ひとりに合わせた難易度調整ができない」「きちんと取り組めているか分かりにくい」といった弱点を抱えていた。

そこで、AIが患者の成績を見ながら自動で課題を調整する新しいテレリハビリが、従来のセラピストによるリハビリに劣らないかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月8日

偽物では守れない──脳卒中を遠ざけるオリーブオイルの見分けかた

2025  9月  スペイン


地中海食は心血管病を防ぐ食事として有名である。その中心的な食材がオリーブオイルである。

しかし、これまでの研究は「オリーブオイル全般」として扱うことが多く、エクストラバージンオリーブオイル(EVOO)と精製オリーブオイル(COO)を区別したうえでの長期的な影響は十分に検証されていなかった。

そこで、脳卒中や心房細動、末梢動脈疾患など、より幅広い心血管疾患への影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月7日

「130が限界」ランセットが示した厳格降圧の落とし穴

2025  8月  中国


高血圧は脳卒中の大きな原因のひとつである。近年は「できるだけ血圧を下げたほうがよい」と言われることが増えてきたが、その一方で腎臓の障害や失神といった副作用が心配されている。

そこで、「血圧を厳しく下げることは本当に利益になるのか、それとも害の方が大きいのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月6日

脳梗塞は防げても、出血で命を落とす──抗凝固薬が突きつける矛盾

2025  9月  アメリカ


脳梗塞(虚血性脳卒中)の場合、「Time is Brain(時間が脳を救う)」という言葉が知られている。tPA点滴や血栓回収といった治療は、分単位で早いほど効果が大きいことが広く認識されている。

一方で、脳内出血(ICH)の治療においては、降圧(血圧を下げること)や抗凝固薬のリバース治療(中和)が基本であるにもかかわらず、「どれだけ早く行うか」が転帰に与える影響については十分に調べられてこなかった。そこで、ICHの初期治療のスピードが死亡率や回復にどう影響するかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月5日

療法士なしでも効果あり?脳卒中後の歩行リハは週150分で十分

2025  8月  ブラジル


脳卒中を経験した人にとって、「自分の足で歩けること」は生活の質に直結する大きな目標である。これまでの研究では、病院で療法士に見守られながら、あるいはトレッドミルのような機械を使って歩く練習が効果的とされてきた。


だが、日常生活の中でそれを続けるのは現実的にむずかしいことが多い。そこで「監視なし」で、自分で歩くだけでも同じような効果が得られるのかをたしかめてみたそうな。


2025年9月4日

血栓回収療法が格差を縮めた?──データの裏に潜む落とし穴

2025  9月  アメリカ


新しい治療法が医療の現場に広がるとき、しばしば「お金持ちの地域や大病院だけが得をして、格差が広がるのではないか」という心配がある。急性虚血性脳卒中に対する血栓回収療法(endovascular thrombectomy, EVT)は効果が大きいが、高度な設備と専門医を必要とするため、地域や社会経済の条件によって受けられるかどうかに差が出る可能性がある。

そこで、病院レベルでのEVT導入の進み具合と、脳卒中患者の健康格差との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月3日

高齢者未破裂瘤に手術を勧める日本は正気か

2025  9月  日本


高齢化で脳動脈瘤の破裂(SAH)が増える一方、高齢では破裂後治療の成績が悪いと言われている。

そこで「破裂する前(未破裂)の段階でコイル塞栓術をして安全・有効か」を確かめるべく、ある日本の病院での記録をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月2日

激烈頭痛で救急へ…しかし9割以上は動脈瘤と無関係

2025  8月  オランダ


突然カミナリが落ちたように起こる激しい頭痛は、ときに命に関わる重大な病気のサインである。特にくも膜下出血はその代表で、放置すれば致命的になりうる。

しかし、救急外来には頭痛を訴える患者が数多く訪れ、すべてのケースで命に関わる病気を見分けるのは簡単ではない。これまで「突然の激しい頭痛」で受診した患者の実態や診断の精度については十分な調査がなされていなかった。

そこで、ある病院における実際の症例を振り返り、その全体像をくわしくしらべてみたそうな。

2025年9月1日

食の砂漠に住むということ──心房細動患者に4倍の死のリスク

2025  8月  アメリカ


心房細動(AF)は世界で最も多い不整脈(の原因)であり、脳梗塞の大きな危険因子である。薬や生活習慣で予防することはよく知られているが、実は「住んでいる場所」も健康に影響するのではないかという疑問があった。

とくにアメリカで問題になっているのがフードデザート(food desert)である。これは「新鮮な野菜や果物を売るスーパーが近所になく、コンビニやファストフードに頼らざるを得ない地域」のことを指す。

こうした環境に暮らすと、栄養の偏りや生活習慣病が増えることが知られているが、心房細動患者にどれほど影響するかははっきりしていなかった。そこで、フードデザートに住む心房細動患者の脳梗塞や死亡のリスクをどのくらいなのかくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月31日

出血性脳卒中「半減」──ESPRITが示した“目標120未満”は本物か

2025  8月  中国


脳卒中の大きな危険因子は高い収縮期血圧である。最適な目標を120未満にまで厳しく下げるべきか、140未満で十分かは決着していない。

そこで本研究(ESPRIT二次解析)は、120未満をねらう厳しめ降圧が、脳卒中にどれだけ効くかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月30日

日本人は体重より腹囲で決まる──ウエストが示す脳卒中リスク

2025  8月  日本


心臓病や脳卒中といった心血管疾患は、日本人にとっても大きな死亡原因である。肥満がこれらのリスクを高めることはよく知られているが、従来使われてきたBMI(体格指数)だけではリスクを正しくとらえきれない場合がある。

とくに日本人は、体重が重くなくても「お腹だけ出ている」タイプが多く、脳卒中の危険を見逃してしまう可能性がある。そこで、腹囲に基づいた新しい体型指標であるBRI(Body Roundness Index)やWHtR(ウエストと身長の比率)が役立つかどうかを、日本人を対象に長期間追跡してくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月29日

心筋炎30倍増──しかし“脳卒中予防薬”と持ち上げられるコロワクの二面性

2025  8月  韓国


コロナワクチンは重症化を防ぐと言われてきたが、副作用として心筋炎や血栓症が心配されてきた。特に脳卒中や肺塞栓といった血管の病気にどう影響するのかは、まだはっきりしていなかった。

そこで、ワクチンを打った人と打っていない人を比べて、短い期間にどんな違いが出るのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月28日

歩行改善の夢は幻?──ボツリヌス注射に揺れる期待と失望

2025  6月  イタリア


脳卒中のあとによく見られる「つっぱり(痙縮)」は、とくに足首やふくらはぎに出やすく、足先がつま先立ちや内側にねじれたような形になる。こうした状態は歩きにくさや転びやすさを招き、介護する人の負担にもなる。

そこで、筋肉のつっぱりをやわらげる治療として「ボツリヌス毒素(BoNT)注射」が広く使われてきた。けれども「つっぱりが減っても、歩けるようになるのかどうか」ははっきりしていなかった。そこで、その点を改めてくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月27日

脱水で脳内出血4倍、糖尿病ありなら7倍の理由とは!

2025  8月  アメリカ


年をとると、のどの渇きを感じにくくなったり、腎臓の働きが弱まったり、さらには利尿薬などの薬を飲んでいることも多いため、脱水になりやすいといわれている。

脱水は便秘や尿路感染、転倒などの原因になるが、「脳卒中とどのくらい関係しているのか」ははっきりしていなかった。そこで、脱水と脳卒中のつながりを大規模データでくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月26日

脳卒中経験者は“薬漬け”!?──減薬で命と生活を守る新常識【ポリファーマシー研究からの警告】

2025  8月  アメリカ


脳卒中を経験した高齢の人は、多くの薬を同時に飲む「ポリファーマシー」になりやすい。薬が増えると、副作用や飲み合わせによるトラブルが起こりやすくなり、転倒や認知機能の低下、入院のリスクも高まることが知られている。

こうした問題を避けるために「減薬(デプリスクリプション)」という考え方が広がってきたが、実際に脳卒中を経験した人が減薬についてどう感じているのかは、まだはっきりしていなかった。その実態をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月25日

ラクナ梗塞は軽くなかった──10年後には10人に1人が認知症

2025  8月  イギリス


ラクナ梗塞は小さな脳梗塞として知られ、比較的軽症で予後も良いと考えられてきた。
一方、皮質梗塞は脳の表面で起きるタイプで、大血管や心臓からの血栓が原因になることが多い。

しかし、本当にラクナ梗塞は安心できるのか、長期的に比較した研究はこれまでほとんど存在しなかった。
特に認知症の発症や再発、死亡、生活の質がどう変わるのかを10年近い長いスパンで追跡したデータは乏しかった。

そこで、小血管病と大血管病の違いを明らかにし、患者の予後や治療方針を考える手がかりを得るべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月24日

血管内治療の幻想崩壊──ステントもバルーンも“危険装置”だった

2025  8月  ヨルダン
   

脳の動脈が動脈硬化で細くなる「頭蓋内動脈狭窄(sICAS)」は、脳梗塞の再発リスクが高い重大な病態である。
これまで「血管内治療(カテーテルで広げればよい)」という考え方が根強くあり、とくにステントやバルーンによる治療は“未来の標準”と期待されてきた。

しかし一方で、薬だけの治療(抗血小板薬や生活習慣管理)でも十分に再発を防げるという報告が増えつつあった。

本当に血管内治療は有効なのか──その真偽を確かめるため、メタ解析をこころみたそうな。

2025年8月23日

骨の味方が脳の敵に!? カルシウムと脳梗塞リスクの意外な関係

2025  8月  中国


脳梗塞(虚血性脳卒中)は脳血管が詰まって起こる病気で、日本を含むアジア地域で大きな健康問題となっている。これまでの研究では、血液中の金属元素の量と脳梗塞の危険性に関連があるのではないかと指摘されてきたが、それが本当に原因なのか、単なる相関なのかははっきりしていなかった。

さらに、アジア人を対象とした研究は少なく、十分な検証が行われていないのが現状である。そこで、血中の金属濃度と脳梗塞の発症との因果関係を遺伝子データを使ってくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月22日

くも膜下出血治療に異変?クラゾセンタンが効く“隠れた患者層”とは

2025  8月  日本


くも膜下出血(aSAH)では、脳血管れん縮(スパズム)が遅れて起きて脳梗塞や機能障害につながることが大きな問題である。

クラゾセンタン(エンドセリン受容体拮抗薬)は、過去の臨床試験で「血管れん縮を減らす」効果は見せてきた。
しかし「最終的な生活の自立度(mRSなどの機能予後)」の改善は一貫して示されず、国際的には効果が疑問視されてきた。

一方で日本の実臨床では「効いているのでは?」と感じられる症例もあり、なぜRCTと現場の感覚が食い違うのかが課題であった。
そこで、従来の平均値比較ではなく「一人ひとりの予後予測と実際の転帰を比べる」という新しい枠組み(PAOE)を用い、クラゾセンタンが本当に役立つ患者層を明らかにしようとしてみたそうな。

2025年8月21日

脳卒中患者でもスマートウォッチで血圧管理!? いつの間にか信頼できる時代に

2025  8月  台湾


脳梗塞の急性期には血圧が大きく変動しやすく、その管理がとても重要である。ところが従来の病棟での血圧測定は、看護師が1日数回カフで測る方法が中心で、寝ている間や日中の変動を十分に捉えることができなかった。

そこで、手軽に回数多く血圧を測れるスマートウォッチに注目が集まっている。これまでは健康な人を対象にした検証が多く、血圧が大きく揺れる脳卒中患者で本当に使えるのかはわかっていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月20日

原因不明の脳梗塞を追え!ESUSは“隠れた病気のサイン”だった

2025  7月  ルーマニア


脳梗塞のなかには、通常の検査をしても明らかな原因が特定できないものがある。このようなケースは「塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS)」と呼ばれてきた。

従来は、心房細動や卵円孔開存といった隠れた塞栓源が多いのではないかと考えられ、抗凝固薬による治療が有効なのではないかという期待があった。

その効果を確認するべくこれまでの研究をまとめてみたそうな。

2025年8月19日

薬より強い?食物繊維が“脳卒中後うつ”を遠ざける驚きのメカニズム

2025  7月  中国


脳卒中は世界で2番目に多い死因であり、多くの人が後遺症を抱えて生活している。その中でも「脳卒中後うつ(post-stroke depression, PSD)」は3人に1人が経験するとされ、リハビリの妨げや再発・死亡リスクの上昇につながる大きな問題である。特に女性は男性よりもうつになりやすく、症状も重くなりやすい。

一方で、これまでの研究では「食事と気分」の関係が注目されてきた。特に食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、心の健康にもつながるのではないかと考えられている。しかし「食物繊維とうつ」を調べた研究は多くても、「脳卒中後うつとの関係」を調べたものはほとんどなかった。

そこで、米国の大規模調査NHANESのデータを使って、女性における食物繊維摂取とPSDの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月18日

くも膜下出血=動脈瘤の常識が崩れる日

2025  8月  オランダ


くも膜下出血(SAH)の大部分は動脈瘤破裂によるものとされているが、その約15%は非動脈瘤性(nSAH)である。

nSAHはさらに、perimesencephalic SAH(PMSAH)と non-perimesencephalic SAH(NPSAH)に分類される。PMSAHは脳幹周囲に限局した出血であり、静脈起源と考えられていて予後は良好とされている。一方でNPSAHは出血の広がりが大きく、動脈性出血を反映していると考えられ、予後は不良である。

そこで、この二つの病型を比較し、その臨床経過や転帰にどのような差があるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月17日

骨折の有無は関係なし——満足度を奪う真犯人は“転倒恐怖(FoF)”

2025  8月  中国


脳卒中患者は身体機能やバランス能力の低下により転倒リスクが高い。転倒は身体的損傷をもたらすだけでなく、心理的影響として「転倒恐怖(Fear of Falling, FoF)」を引き起こしやすい。

FoFは活動量の低下や社会的孤立を招き、生活満足度(QOL)の低下に直結する。しかし、入院中の脳卒中患者において、転倒の重症度・損傷の有無・FoFが生活満足度にどのように関連するかは十分に明らかになっていなかった。

そこで、この関連を解明し、転倒予防と心理的ケアの必要性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月16日

STICH後も諦めない脳外科医たち──ルーマニア発・ICH開頭手術の正当性探し

2025  7月  ルーマニア


脳内出血(ICH)は脳卒中の中でも死亡率・後遺症率が高いタイプである。外科的に血腫を取り除くことは理論的には有用と考えられてきたが、大規模試験(STICHなど)では全体として明確な生存利益が示されていない。

それでも、血腫の場所や大きさによっては手術が有利になる可能性は残っている。

そこで、ルーマニアの単一施設で2017〜2023年に治療したテント上ICHの患者を対象に、外科治療と保存療法の転帰を比較し、死亡率や手術適応の要因をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月15日

脳卒中リスクは“歩くほど”下がる!3000歩から始まる驚きのデータ

2025  8月  オーストラリア


高血圧は脳卒中を含む主要な心血管疾患の最大の危険因子の一つである。日常生活で容易に実践できる身体活動として「歩くこと」は有望であるが、具体的にどの程度の歩数や歩行強度が脳卒中リスクの低下と関連するかについては、これまで十分なデータがなかった。

そこで、加速度計で計測した客観的な歩数データを用い、高血圧者における歩数・歩行強度と主要心血管イベント発症リスク(特に脳卒中)との関連を明らかにするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月14日

「75歳からの血圧革命」──130mmHg未満で本当に寿命は延びるのか?

2025  8月  日本


高齢になると血圧は上がりやすくなり、それが心筋梗塞や脳卒中などの心血管病、さらには死亡のリスクを高めることが知られている。一方で、血圧を下げすぎると腎臓の働きが悪くなったり、立ちくらみや転倒、認知機能の低下といった副作用が出ることも心配されている。

2019年の日本高血圧学会ガイドラインでは、75歳以上の人の目標は「収縮期血圧(SBP)140mmHg未満」だった。しかし、その後の研究で「130mmHg未満」を目指す厳しめの血圧管理でも、心血管病や死亡を減らせる可能性があることが分かってきた。
特に日本は超高齢社会であり、この年齢層でどのくらいの血圧を目標にするのがよいかを明らかにすることはとても重要である。

そこで、75歳以上の高血圧の人で、SBP<130mmHgを目指すことが本当に効果的で安全かどうかを、過去の臨床試験をまとめてくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月13日

脳卒中でもトイレが人を歩かせる:リハ病棟で“こっそり独歩”が起きる理由

2025  7月  オーストラリア


脳卒中リハビリにおいて、入院中に「独歩(自分ひとりで歩く)」へ移行できるかどうかは、退院後の生活の質に直結する重要な節目である。

しかし、病院では転倒予防のため、理学療法士など専門職による安全確認が行われるまで単独歩行が制限されることが多い。
この安全管理の仕組みは患者の自立を守る反面、活動量低下や心理的負担を招く可能性がある。

そこで、脳卒中患者が入院中に独歩へ移行する際の意思決定過程やリスク認識について、当事者の視点からくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月12日

笑いも泣きも止まらない──橋脳卒中が壊す“右脳ネットワーク”と、その立て直し方

2025  7月  韓国


病的笑い・泣き(Pathological Laughing and Crying:PLC)は、脳卒中のあとに突然こらえきれない笑いや泣きが出てしまう症状である。感情そのものがおかしくなるわけではなく、その出し方を調節する仕組みが壊れることで起きる。

なかでも橋(pons)という脳幹の一部を傷めた脳卒中では、PLCが比較的よく見られることが知られている。しかし、橋の損傷がなぜPLCにつながるのか、特に脳のどこに代謝の異常が出ているのかははっきりしていなかった。

そこで、橋脳卒中患者を対象に、脳の糖代謝を調べるPET検査を使ってPLCの背景をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月11日

破裂動脈瘤、“今すぐ手術”は本当に必要か──遅らせた方が助かる患者たち

2025  7月  ギリシャ


くも膜下出血(SAH)において、動脈瘤クリッピング手術は再出血予防のために早期に行うことが一般的である。

しかし、発症から手術までの時間が転帰にどう影響するかについては議論があり、特に遅延手術が必ずしも不利ではない可能性が指摘されている。

そこで、発症から手術までのタイミングと臨床転帰の関連をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月10日

脳卒中リスク37%減!高齢者が見逃しがちな“ビタミンB1不足”の真実

2025  8月  中国


脳卒中は世界で2番目に多い死因であり、後遺症による生活の質の低下や医療費の増加をもたらす大きな病気である。

ビタミンB12や葉酸と脳卒中の関係はよく知られているが、ビタミンB1(チアミン)については大規模な調査があまり行われてこなかった。ビタミンB1は体のエネルギーづくりや神経の働きを保つために欠かせず、不足すると代謝の乱れや血管の動脈硬化を通じて脳卒中の危険を高めるおそれがある。

そこで、高齢者におけるビタミンB1の食事からの摂取量と脳卒中の発症リスクの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月9日

「1年で回復しなければ終わり」なんてウソだった──脳内出血の“その後3年”に希望がある

2025  7月  中国


脳内出血(ICH)後の運動機能回復は、通常3か月から1年以内に評価されることが多い。
しかし、実際には1年を過ぎてから回復する例もあると考えられており、そのような長期的経過を丁寧に追った研究はほとんど存在しない。

このことにより、回復可能性が過小評価され、臨床現場での支援やリハビリの判断にも偏りが生じる恐れがある。

そこで、脳内出血後の運動回復がどれほど長期間にわたって継続するのかを明らかにするべく、1年以降に回復する患者の特徴をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月8日

脳卒中を防ぐのは“発酵”の力──効いたのはヨーグルトだけだった!

2025  7月  中国


脳卒中は、死や重度の後遺障害を引き起こす深刻な疾患であり、個人と社会に大きな負担を与えている。食事を含む生活習慣の改善は、脳卒中予防の鍵となる。その中で発酵乳製品、特にヨーグルトは腸内環境を整える食品として知られており、脳と腸の相互作用「脳腸軸」を通じて脳卒中リスクに影響を与える可能性がある。

しかし、これまでの研究では発酵乳製品と脳卒中との関連について一貫した結果が得られておらず、特にアメリカ国内の大規模データに基づいた検証が不足していた。

そこで、発酵乳製品の摂取が脳卒中リスクに与える影響を明らかにするため、全国規模の健康栄養調査データを用いてくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月7日

「水を飲めば健康」なんてウソだった?脳梗塞の急性期に“水分の与えすぎ”で死亡率2.5倍という衝撃

2025  7月  中国


脳梗塞の重症患者に対しては、脱水を避けるために十分な水分補給が重要とされてきた。

特に急性期では、点滴による水分投与が標準的に行われている。しかしその一方で、水分を与えすぎることが脳浮腫や全身への悪影響を引き起こす可能性があるにもかかわらず、そのリスクについては明確な根拠が不足していた。

そこで、脳梗塞急性期における水分出納バランス(とくに点滴を含む総水分量)と3か月後の死亡率との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月6日

手は動くのに、使えない――脳卒中リハビリの盲点とは?

2025  8月  スイス


脳卒中後の上肢機能障害は極めて高頻度に見られるため、リハビリテーション領域では上肢の運動機能を評価する指標としてFugl-Meyer Assessment(FMA-UE)が広く用いられてきた。

しかし近年、FMAにおいて高得点を示すにもかかわらず、実生活上では上肢をほとんど使用していない患者が一定数存在することが報告されている。

このような「運動機能は温存されているのに、パフォーマンスが伴わない」という乖離現象が、急性期から存在するのか、そしてその背景に何があるのかは十分に解明されていない。

そこで、この現象の原因として認知機能障害(特に空間無視、遂行機能障、失行)が関与している可能性に着目し、急性期脳卒中患者を対象にくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月5日

「歌えば脳が変わる」は本当だった!右脳が目覚める、ことば回復の“裏ルート”とは?

2025  7月  フィンランド


脳卒中の後に言葉が出にくくなる「失語症」は、患者の生活や社会参加を大きく制限する問題である。特に慢性期(発症から半年以上)の患者では、自然な回復だけでは限界があることが多い。

これまでにも、音楽を取り入れたリハビリが言葉の回復を助ける可能性があると指摘されてきた。中でも「みんなで歌う」という活動は、脳の構造そのものを変える力があることがわかってきた。しかし、脳の動きをリアルタイムで見る方法(fMRI)を使って、歌が脳にどんな変化を起こすのかを調べた研究は少なかった。

そこで、グループでの歌唱トレーニングが、脳のどこにどんな働きを引き出すのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月4日

「目を覚ませ」と手首に電気──中国発、昏睡治療の知られざる切り札

2025  7月  中国


脳卒中をはじめとする重い脳の損傷によって、人は昏睡や植物状態といった意識障害(DoC)に陥ることがある。
このような状態からの回復を助ける方法として、近年「正中神経刺激(MNS)」という手首への電気刺激療法が注目されている。
いくつかの研究では、MNSによって患者の意識レベルが改善する可能性があるとされている。

しかし、効果があっても危険な副作用があるのでは意味がない。
これまでMNSが原因でけいれん、心拍の異常、肺炎、出血などの合併症が増えるのかどうか、まとまった検証はなされてこなかった。

そこで、MNSの安全性について、過去に行われた臨床試験を集めて分析し、そのリスクをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月3日

「脳卒中後、なぜ“自分は運転がうまい”と思ってしまうのか?」 ――F1ドライバー気取りの危うい自信とは

2025  7月  ドイツ


脳卒中を経験すると、身体や認知の働きに何らかの後遺症が残ることがある。運転という行為は、その両方を使うため、再開には注意が必要である。

実際には、多くの人が病後の運転再開について「自分で大丈夫だと思うから」という理由だけで判断してしまっている。
そこで問題になるのが、「自分の運転能力を正しく見きわめられているのか?」という点である。

過去の研究では、脳卒中経験者が自分の運転をやや過信しやすい傾向が示されていた。

そのようなズレが時間の経過とともに回復するのかどうか、また脳のどのような働きと関係しているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年8月2日

酪酸は口より肛門から──浣腸による血圧低下の衝撃

2025  7月  アメリカ


高血圧は心臓病や脳卒中の主要な原因であり、とくに黒人においては他の人種よりも有病率が高く、合併症も多いことが知られている。それにもかかわらず、彼らを対象とした臨床研究は非常に少ない。

近年の研究では、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸、とくに酪酸という物質が、血圧の調整に関わっている可能性が指摘されてきた。酪酸は食物繊維をエサにして腸内細菌が発酵することで作られる。動物実験では酪酸によって血圧が下がることが確認されているが、人間を対象とした研究は少ない。

そこで、「酪酸を腸に直接届けたら、血圧はすぐに下がるのか?」を検証するために、酪酸を肛門から入れるという臨床試験をおこなってみたそうな。

2025年8月1日

「その動脈瘤、本当に治療が必要ですか?」 ―自然閉塞した11例が問いかける、医療の常識―

2025  7月  チリ


くも膜下出血の中には、原因となる動脈瘤が見つからないまま経過するものがある。とくに中脳のまわりに出血が限局するタイプでは、一般的に「原因不明の出血」として扱われることが多い。

だが近年、その一部に「脳幹穿通枝動脈瘤(BAPA)」と呼ばれる、非常に小さな動脈瘤が関与している可能性が報告されている。

この動脈瘤は検出が難しく、治療すべきかどうかの判断も定まっていない。そこで、BAPAの患者に対して保存的な治療(つまり何もせずに経過を見る方法)の結果と有効性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月31日

リハビリ病院の落とし穴──歩数は足りてる、でも脳は動かない

2025  7月  カナダ


脳卒中のあと、体の機能を回復させたり、再発を防ぐには、ある程度の強さをともなう運動、いわゆる有酸素運動が役立つことが知られている。

アメリカ心臓協会(AHA)などのガイドラインでは、心拍数が平常よりしっかり上がる中等度の運動を、1回20分以上、週に3〜5回行うことがすすめられている。

ただし、リハビリ病棟に入院している間に、実際にどれくらいの人がそのレベルの運動をしているのかは、これまであまり調べられてこなかった。

そこで、脳卒中でリハビリ中の患者がどのくらい歩いているのか、また、どれほどの時間、有酸素運動といえる強さの活動ができているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月30日

食べていない人ほど死にやすい── 脳卒中を悪化させる“隠れ飢餓”の真実

2025  7月  中国


脳卒中は世界中で多くの命を奪い、たとえ助かっても重い後遺症が残ることが多い病気である。とくに高齢者では、命が助かってもその後の生活の質に大きな影響が出る。

そんな中で、最近あらためて注目されているのが「入院時点での栄養状態」である。脳卒中で救急搬送された時点で、すでに栄養状態が悪い人は少なくない。これは、年齢、持病、食欲不振、生活環境などによって、脳卒中が起きる以前から栄養不良がじわじわ進んでいたことを意味する。

そこで、入院直後の栄養スコアが、その後の生存率や後遺症の重さとどのように関係するかをくわしくしらべてみたそうな

2025年7月29日

爪を押すだけで、脳が動き出す――感覚刺激が目覚めさせる可塑性

2025  7月  中国


脳卒中後の片麻痺は、多くの患者にとって長期にわたる運動障害の原因であり、生活の質(QOL)を著しく損なう。従来のリハビリテーションは、筋力トレーニングや運動学習に重点が置かれてきたが、感覚系への介入は比較的軽視されてきた。

近年、感覚刺激によって脳機能が再編成されるという知見が注目されており、なかでも中国で開発された機械的指部感覚刺激(MDSS)は、簡便で非侵襲的な方法として臨床応用が進められつつある。これは、麻痺した指の爪床に機械的な圧刺激を加えるという極めてシンプルな手法である。

そこで、MDSSが実際に脳の活動に変化をもたらし、運動機能の回復を促進するかどうかを、安静時fMRIと臨床機能評価を用いて検証してみたそうな。

2025年7月28日

「吊るして歩かせるリハビリ」──効くのか?信じられるのか?

2025  中国  3月


脳卒中は、成人における代表的な長期障害の原因であり、特に歩行障害は多くの人に残る問題である。歩けなくなることで活動量が減り、生活の質も低下する。

このため、歩行機能を取り戻すことはリハビリの中心的な目標とされてきた。

近年注目されているのが、体重を一部支えながら行う「ボディウェイトサポート(BWS)」を活用した歩行訓練である。
ハーネスなどを使って体を部分的に支え、安全かつ早期に歩行練習を行える点が特徴である。

しかし実際のところ、BWSが従来のリハビリに比べて本当に効果があるのか、また装置の違いによって結果が変わるのかといった点について、統一的な答えは出ていなかった。
とくに、歩く力だけでなく、健康に対する実感や生活の質といった主観的な部分まで改善されるのかどうかについては、これまで明確な検証がされていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月27日

まだ若いのに… くも膜下出血を早める“体質”が見つかった

2025  7月  アメリカ


くも膜下出血(SAH)は、突然発症する重篤な脳卒中のひとつであり、高血圧との関係が知られている。

一方で、高血圧は生活習慣だけでなく遺伝的な要因にも強く影響されることがわかっている。

そこで、「高血圧になりやすい遺伝的な体質」が、SAHの発症する年齢にどのような影響を与えるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月26日

あなたの学歴と運動習慣が“脳の生死”を分けていた──くも膜下出血を防ぐ驚きの因果関係

2025  7月  中国


社会的な立場や生活習慣が健康に影響することはよく知られているが、脳動脈瘤が破裂して起こるくも膜下出血と、そうした要因との関係はまだはっきりしていない。

そこで、遺伝的な情報をもとに、学歴や運動、喫煙、睡眠、スクリーン時間などの行動が、くも膜下出血のリスクにどのように関係しているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月25日

クロピドグレルでは脳卒中は防げない──日本人に効かない理由

2025  7月  中国


クロピドグレルとアスピリンは、脳卒中や心臓の病気を防ぐためによく使われている薬である。特にクロピドグレルは、アスピリンが使えない人(胃に負担がある人やアレルギーのある人など)に代わりとして処方されることが多い。

しかし、アジア人では、体質的にクロピドグレルがうまく効かない「薬剤抵抗性」があることが知られている。

本当にアスピリンの代わりになるのか、その効果とリスクを、アメリカの健康調査データを使ってくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月24日

呼吸を止めて“黙らせる”ための薬か、“助ける”ための薬か──脳卒中後の痛み治療

2025  7月  アメリカ


脳卒中を経験した人の多くが、その後に何らかの痛みを感じるようになる。
ところが、こうした痛みは医療現場で見過ごされやすく、しっかりと治療されていないことが多い。

これは、患者が自分から痛みを訴えることが少なく、医療者側も聞き出す機会がないためである。
また、脳卒中後の痛みに対して、どう対応すべきかという標準的なルールがまだ整っていない。

そこで、どのくらいの脳卒中患者がどんな種類の痛みを経験しているのかを明らかにし、どんな人に痛みが起こりやすいかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月23日

汎用AIが“脳出血”を診た日──読影医、終了のカウントダウン

2025  7月  トルコ


脳卒中などの急な脳の病気では、CTなどの画像をいかに早く、正確に読み取るかが生死や後遺症に関わってくる。そのため、画像を読む力(読影)はとても重要だ。

最近では、人間の言葉を理解して答えるAI(ChatGPTなど)が注目を集めているが、その中でも画像も読めるようになった「ChatGPT-4V」という新しいタイプが登場した。これは「汎用AI」、つまり医療専用ではない、なんでもそこそこできるAIである。

そんな汎用AIでも、「脳のCT画像から出血を見つけられるのか?」という点に注目して検証してみたそうな。

2025年7月22日

「とろみじゃダメなのか?」脳卒中後の嚥下にゼリーが選ばれる本当の理由

2025  7月  日本


脳卒中になると、飲み込む力が弱くなってしまうことがある。その結果、食べ物や飲み物が気管に入ってしまい、「誤嚥性肺炎」を起こすリスクが高まる。これを防ぐために、「とろみ」をつけた水やゼリー状の食べ物がよく使われている。

ただし、実際の現場では「ゼリーは気道に入るから危ない」という理由で避けられることも多い。しかし、それが本当に正しい判断なのかどうかを調べた研究はあまりない。とくに日本のJDD2021(摂食嚥下のガイドライン)ではゼリー(コード0j)ととろみ水(コード0t)が嚥下訓練に使われているが、その違いがどのように嚥下に影響するのかははっきりしていない。

そこで、「ゼリー」と「とろみ水」が飲み込みの動きにどう影響するのかを、VF検査(飲み込む様子をレントゲンで見る方法)でくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月21日

他人の気持ちがわからない…それ、脳卒中の“後遺症”かもしれない

2025  7月  オランダ


脳卒中後の「感情認識」の障害は、これまであまり注目されてこなかった。しかし、表情や感情を正しく読み取る力は、人間関係の維持や社会復帰において非常に重要である。

軽度の脳梗塞であっても、感情認識がどの程度影響を受け、時間とともに回復するのかは明らかではなかった。さらに、その障害が行動面や気分に与える影響についても、十分な検討がなされていなかった。

そこで、軽度脳梗塞患者の感情認識の回復過程と、それが行動・気分にどう関係しているかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月20日

FASTは危険? ―“助かるはずの命”を奪う医療の落とし穴

2025  7月  アメリカ


軽い脳梗塞(NIHSSスコアが5以下)に対して「tPA(静注血栓溶解薬)」を使うべきかどうかは、これまでずっと議論されてきた。

症状が軽い場合、本当にこの治療が必要なのか、安全なのか、医師の間でも意見が分かれている。特に、軽症例にtPAを使っても、本当に良くなるのかははっきりしていなかった。

そこで軽症の患者だけを対象としたRCT(ランダム化比較試験)にしぼって、tPAの効果とリスクをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月19日

発症から72時間後のくも膜下出血は、そっとしておくべきだったのか?

2025  7月  日本


くも膜下出血は再出血による死亡や後遺症のリスクが高く、一般的にはできるだけ早く(発症から72時間以内)動脈瘤を閉鎖する手術を行うべきだとされている。

しかし、すべての患者がすぐに病院にたどり着くとは限らない。頭痛だけで済んでしまう軽症例や、社会的・経済的な事情で受診が遅れる人も多く、発症から3日以上経ってからようやく診断・入院となるケースも少なくない。

こうした「遅れて病院にやってくる患者」に対して、今のところ明確な治療方針は定まっていないので、これまでの患者データをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月18日

脳卒中リハビリを加速させる照明の“色温度”とは!

2025  7月  中国


脳卒中は今も多くの人の命や生活に大きな影響を与える病気であり、その後遺症と向き合う人も少なくない。特に中国では脳卒中の発症率が上昇しており、リハビリの重要性がますます高まっている。

最近注目されているのが「光療法」という新しい考え方である。光は目を通して脳に働きかけるだけでなく、体内時計やホルモンバランス、さらには神経の回復力にも影響を与えることがわかってきた。

そこで、朝のリハビリの際に浴びる光の「色温度」、つまり暖かみのある光か青白い光かという違いが、脳卒中後の回復にどのような影響を与えるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月17日

脳卒中を防ぐビタミンがあった──くも膜下出血以外に効く!」

2025  7月  中国


脳卒中は世界中で多くの命や健康を奪っており、いかにして予防するかが大きな課題となっている。
食事や運動といった生活習慣の改善でリスクを下げられることはよく知られているが、ビタミンやミネラルなどの栄養素がどこまで予防に役立つかは、まだはっきりしていない。

なかでも注目されているのがビタミンDである。ビタミンDは骨を丈夫にするだけでなく、血管や神経の健康にもかかわっていることがわかってきた。
ビタミンDが少ない人ほど脳卒中を起こしやすいという観察データはあるものの、「本当にビタミンDが原因なのか?」という因果関係は、これまでよくわかっていなかった。

そこで、ビタミンDと脳卒中との因果関係に「遺伝子の情報」を使って迫るメンデルランダム化解析をこころみたそうな。

2025年7月16日

ラクナ梗塞は増えなかった──チベット高地で明かされた意外な真実

2025  7月  中国


脳小血管病(CSVD)は、脳卒中や認知機能障害の主要な原因とされており、高齢化社会における重要な神経疾患である。

一方で、標高が高い地域に暮らす人々の脳血管疾患リスクについては、研究によって結果が分かれている。ある研究では高地での脳卒中リスク上昇が報告され、別の研究では逆に低下が示唆されている。

このような矛盾を解消するため、チベット高原という極端な高地環境に長期間居住している人々を対象とし、標高がCSVDの発症や重症度に影響を与えるのかどうかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月15日

冬の脳卒中は“寒さ”ではなく“光不足”が原因だった?

2025  6月  アメリカ


心血管疾患(CVD)は世界の主要な死因のひとつであり、脳卒中もその一部を占める。

ビタミンDの欠乏が高血圧や糖尿病などのCVDリスク因子と関係することは知られているが、ビタミンDがCVDを予防するかどうかについては長年議論が続いてきた。特に、RCT(ランダム化比較試験)でははっきりとした効果が示されていない一方、観察研究では一貫してリスク低下が示されている。

そこで、ビタミンDとCVDの関係を多角的に検討し、その因果関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月14日

再出血が“半分”になるのに使われない薬――なぜ誰もトラネキサム酸を使わないのか

2025  7月  日本


くも膜下出血(SAH)は、脳卒中の中でも特に重いタイプで、発症してすぐの「再出血」が命に関わることが多い。この再出血を防ぐために、血を固める働きを助ける薬「トラネキサム酸(TXA)」が注目されてきた。

しかしこれまでの研究では、TXAが本当に効果的で安全なのかについてはっきりしていなかった。また、過去のまとめ研究では質の違うデータが混ざっており、正確な判断がしにくい状況だった。

そこで、より信頼性の高いデータを集め直し、TXAの効果とリスクをあらためて検証してみたそうな。

2025年7月13日

動脈瘤が見つからないくも膜下出血――予後が良すぎる“意外すぎる理由”とは?

2025  7月  ドイツ


非動脈瘤性くも膜下出血(naSAH)は、動脈瘤が見つからないにもかかわらず発症するくも膜下出血である。

その中でも、脳幹周囲型(PM SAH)は特に予後が良好であり、ほとんど治療を必要としないと考えられている。

しかし、実際の医療現場では、患者の出血量や出血範囲によって治療方針が異なることが多い。そこで、欧州の脳神経外科医は、どのような方針でnaSAHを管理しているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月12日

内臓脂肪の新指標「体重調整ウエスト指数(WWI)」が明かす脳卒中リスクの真相

2025  7月  中国


これまで肥満は脳卒中のリスク要因として知られており、体重と身長から計算するBMIがよく使われてきた。しかし、BMIでは筋肉と脂肪の違いを区別できず、内臓脂肪のリスクを正確に反映しにくい問題がある。

体重調整ウエスト指数(WWI)という新しい指標が注目されている。これはウエストの長さを体重の平方根で割ることで計算され、内臓脂肪の蓄積をより正確に評価できるとされている。

そこで、WWIと脳卒中の関係を、食事性炎症指数(DII)とともにくわしくしらべてみたそうな

2025年7月11日

脳梗塞の血管内治療──成功しても4割が死亡

2025  7月  中国


「大梗塞」は、広い範囲の脳にダメージを与える非常に重いタイプの脳梗塞である。
最近は、カテーテルで詰まった血管を開ける「血管内治療(EVT)」が大梗塞でも行われるようになってきた。

しかし、この治療で血管が開いても、半分近くの患者は寝たきりや死亡となり、「無益再疎通」と呼ばれている。

そこで、大梗塞の患者において血管内治療を受けたあと、どのくらいの人が無益再疎通になっているのか、
また、どのような患者がそのリスクを高く抱えているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月10日

脳卒中後の“脳の三重苦”──疲労・うつ・認知障害はどこまで重なるのか?

2025  7月  スウェーデン


脳卒中は、長期間にわたって心身の状態に影響を及ぼすことが知られている。
特に、脳卒中後の疲労、うつ、認知障害は、患者の生活に大きな負担を与える合併症である。

しかし、これらの症状が、脳卒中発症から数年経過した段階でどの程度発生し、どのように重なり合うのかについては、十分な調査が行われてこなかった。

そこで、スウェーデンの脳卒中後3〜4年の患者に焦点を当て、これらの神経精神学的合併症の有病率と相互関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月9日

耳から脳を動かす──バイノウラルビートが脳卒中リハビリを変える

2025  7月  中国


脳卒中後のリハビリテーションにおいて、バランス機能の回復は極めて重要である。近年、バイノウラルビートという特殊な音響刺激が、脳のリズムや集中力に影響を与える可能性が注目されている。

バイノウラルビートとは、左右の耳にわずかに異なる周波数の音を同時に聞かせることで、脳内に特定の周期的なうねりを生じさせる技法である。これにより、リラックスや集中の状態を誘導することが期待されている。

そこで、バイノウラルビートが脳卒中患者のバランス機能や日常生活動作の改善に有効かどうかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月8日

コブはただの目印?──くも膜下出血は血管のどこから漏れるのか

2025  7月  ドイツ


最近、検査機器の進歩によって、直径5ミリ未満の小さな未破裂の脳動脈瘤(小動脈瘤)がたくさん見つかるようになっている。
しかし、こうした小さなコブ(動脈瘤)が将来破裂するかどうかを予測するのは、とても難しい。
もし破裂すると、くも膜下出血を引き起こし、命にかかわる危険な状態になることがあるため、どの動脈瘤が破裂しやすいのかを見極めることは重要な課題である。

これまでは動脈瘤の大きさが破裂リスクの目安とされてきたが、近年では形のゆがみや血液の流れ方も重要だと考えられている。

そこで、小さな動脈瘤の破裂リスクを、形の特徴、血液の流れ、患者の体質や病歴といった視点からくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月7日

無保険者に開かれた“実験室”──血栓回収術の裏メニュー

2025  7月  アメリカ


アメリカでは、毎年およそ80万人が脳卒中を起こしており、そのうち約9割が「虚血性脳卒中」である。最近では、血管の中の血栓を取り除く「血栓回収療法(MT)」という治療法が広く使われるようになり、発症から24時間以内であれば高い効果があることがわかってきた。

しかし、治療の結果は「人種」や「性別」、「地域の経済状況」など、社会的な背景によっても左右されることが知られている。なかでも「保険に入っているかどうか」が治療の結果にどう影響するかは、これまであまり研究されてこなかった。

そこで、脳卒中の患者において「保険の有無」が血栓回収療法後の経過にどう関わるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月6日

血をサラサラにしても意味がない?──ESUS脳梗塞に抗凝固薬はほとんど無力だった現実

2025  7月  アメリカ


原因不明の塞栓性脳卒中(ESUS)は、いろいろな原因で血のかたまりが飛んできて起こる脳梗塞であるが、どの薬が効くのかははっきりしていない。

最近の大きな研究では、抗凝固薬が抗血小板薬より特に優れているという結果は出ていなかった。

そこで、現実の医療現場のデータを使って、ESUSの患者に対して抗血小板薬と抗凝固薬のどちらが良いのかを、考えられる原因ごとにくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月5日

“EVTこそ正義”は幻想?日本の場数信仰に潜む危うい現実

2025  7月  日本


脳卒中は今でも世界的に大きな死因のひとつである。最近では血栓回収療法(EVT)やtPA静注療法(IV rt-PA)という治療法が進歩し、死亡率は下がってきている。ただ、これらの治療は「時間との勝負」であり、設備と経験がそろった病院で早く治療を始めることが大事である。

よく「患者数が多い病院ほど治療がうまい」と言われるが、EVTとIV rt-PAのどちらがよりこの影響を受けやすいのかはよくわかっていなかった。

そこで、日本におけるEVT導入期に、治療件数と30日以内の死亡率にどんな関係があるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月4日

腸が凍ると脳が詰まる──寒冷環境と腸内細菌の危険な関係

2025  7月  中国


寒波や低温環境にさらされたとき、脳卒中、特に虚血性脳卒中(IS)の発症リスクが高まることは、以前から疫学的に知られていた。しかしながら、その背後にある生物学的なメカニズムは明らかではなかった。

近年、腸内細菌叢が脳卒中や動脈硬化、免疫反応に影響を与えることが示されているので、寒冷環境が腸内環境にどのように影響するかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月3日

「治療が命を縮める?」──GAHRスコアが暴いたくも膜下出血の真実

2025  7月  インドネシア


脳動脈瘤性くも膜下出血(aSAH)は依然として高い致死率を示す深刻な疾患である。予後に影響する因子は多岐にわたるが、これまでの予測モデルは臨床応用が難しく、標準治療やアジア地域の患者特性が十分に反映されていなかった。

特にインドネシアのような発展途上国では、限られた医療資源の中で簡便かつ高精度なスコアリングモデルが求められていたので作ってみたそうな。

2025年7月2日

「この体、本当に自分のもの?」──脳卒中と“離人感”の知られざる関係

2025  5月  イタリア


脳卒中は、手足が動きにくくなるといった運動機能の障害だけでなく、「自分の体が自分のものじゃないように感じる」といった感覚のゆがみを引き起こすことがある。

こうした“身体の感じ方”や“体に対するイメージ”の変化は、患者の心のつらさや社会とのつながりの弱まりにも関わってくると考えられる。けれども、こうした感覚の違いが健常者と比べて実際にどれほどのものなのかは、はっきりしていない。

そこで、慢性期の脳卒中患者と健康な人との間に、身体の感じ方やイメージについてどのような違いがあるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年7月1日

雷鳴頭痛なき脳異常──それ、ほんとに病気?それとも医療の産物?

2025  6月  ドイツ


可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)は、突然の雷鳴頭痛を主な症状とし、一時的に脳の血管が収縮するという特徴を持つが、その重症度や合併症の出やすさ、原因などが地域によって違うのではないかと以前から言われてきた。

これまでにもアジアとヨーロッパでRCVSの様子が違うという報告はあったが、大規模で本格的に地域差を比べた国際研究はなかった。そこで、RCVSの出方や合併症、原因、回復具合にどんな地域差があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月30日

運動が健康を壊す──エリートアスリートの心房細動と脳卒中リスク

2025  6月  オーストラリア


心房細動(AF)は脳卒中の重要な原因のひとつであり、その予防は脳卒中リスク管理において極めて重要である。一般的に心房細動は高血圧や糖尿病、高齢などが危険因子とされるが、近年、過度の持久系スポーツ歴が心房細動のリスクを高めるとの報告が相次いでいる。

特に「元エリートアスリート」という集団が、一般人と比較してどの程度リスクが高いのか、またそれが遺伝によるものか、環境(運動負荷)によるものかを明確にするべくくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月29日

繰り返すだけでは治らない? リハビリ王道の“信頼性”に疑義

2025  6月  ナイジェリア


脳卒中後のリハビリテーションにおいて、課題指向訓練(Task-Specific Training: TST)は、日常生活に直結する運動機能の回復に有効とされてきた。従来から訓練の"強度"(回数・頻度・セッション数・反復数)を増やすことが推奨されてきた。

しかし、実際には「どのくらいの強度が適切か?」「本当に量が効果に比例するのか?」という点について、質の高いエビデンスは乏しかった。

そこで、課題指向訓練の強度と、上肢・下肢の機能、バランス、生活の質(QOL)などの回復効果との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月28日

“いびつな動脈瘤”をいじった結果… 若者を殺すのは術後の合併症だった

2025  6月  日本


非嚢状型の脳動脈瘤(たとえば解離性や紡錘状、血豆のようなタイプ)は、ふつうの袋状の動脈瘤とは違って、形がいびつで治療がむずかしいとされている。

特にくも膜下出血(SAH)を引き起こした場合の予後が悪いとされる一方で、大規模な疫学的比較研究は少なかった。そこで、そうした非嚢状型の動脈瘤がくも膜下出血を起こしたときに、治療後の回復にどんな影響を与えるのかを、ふつうの嚢状型と比べてみたそうな。

2025年6月27日

学歴が心房細動を防ぐ、その因果ルートとは

2025  6月  中国


心房細動(AF)は脳卒中の重大な危険因子であり、特に塞栓性脳梗塞の主な原因のひとつである。これまでの観察研究では、社会経済的地位(SES)、とくに教育レベルがAFの発症率と関係していることが報告されてきた。

しかし、それが「因果関係」なのか、それとも単なる「相関」にすぎないのかはわかっていなかった。つまり、「教育そのもの」がAFのリスクにどう影響しているのか、またその過程でどんな要素が関係しているのかが不明だった。

そこで、教育・知能・認知能力・所得・職業という5つの要素がAFの発症にどれだけ関係しているのかを、メンデルランダム化(MR)という手法を使ってくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月26日

薬なしで救われた──脳卒中後の感情障害にもっとも適した療法とは?

2025  6月  中国


脳卒中のあとに気分の落ち込みや不安、怒りっぽさなどの感情の不調(PSED)がよく見られ、患者の約3人に1人が経験すると言われている。こうした状態はリハビリの妨げになり、生活の質や社会復帰にも悪影響を与え、場合によっては命に関わることもある。

薬による治療もあるが、副作用や高齢者への影響を考えると、薬を使わない方法(非薬物療法、NPI)が注目されている。ただし、これらの方法について書かれたガイドラインは内容や質にバラつきがあり、現場でどう活かせばいいのか迷うことも多い。

そこで、非薬物療法に関するガイドラインの質や内容を、わかりやすくするようくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月25日

抗凝固薬で命を守るつもりが…脳内出血&効果ゼロの衝撃

2025  6月  中国


心房細動(AF)は最もよく見られる不整脈のひとつで、特に脳梗塞のリスクを大きく高める。抗凝固薬(OAC)はその予防に欠かせないが、OACの服用中に脳内出血(ICH)が起こると、命に関わる深刻な事態になる。

脳内出血を起こした人のおよそ5人に1人がOAC使用者であり、その後にOACを再開すべきかどうかは非常に難しい判断となっている。医師によって方針が分かれる理由のひとつは、はっきりした根拠が少ないからである。

そこで、ICH後のAF患者にOACを再開することの安全性と効果を、信頼性の高い臨床試験(RCT)の結果をまとめて検証してみたそうな。

2025年6月24日

虫歯が脳を破壊する!?──90%に動脈瘤、見逃せない口腔と脳の恐るべき関係

2025  5月  中国


脳の血管にできる「こぶ(脳動脈瘤)」は、人口の約3〜7%に見られ、もし破裂すれば命に関わることがある。そのため、できるだけ早くリスクを見つけて、予防や治療につなげることがとても大切である。

一方、虫歯は多くの人が抱える身近な病気でありながら、全身にも影響を与えることが知られてきた。

そこで、「虫歯と脳動脈瘤に何か関係があるのではないか?」という疑問から、その関連をくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月23日

「こするだけ」で脳が変わる?──“かっさ療法”が脳卒中リハに効くという衝撃

2025  6月  中国


脳卒中後の片麻痺は、発症患者の70~85%に生じる深刻な後遺症であり、ADL(日常生活動作)の自立を著しく妨げる。

現行のリハビリテーション法には一定の限界があり、改善率には個人差が大きい。近年、中国伝統医学の一手法である「刮痧(かっさ)療法」が、神経・筋系の回復に有効ではないかと注目されているが、臨床データは断片的で体系的な評価が不足していた。

そこで本研究は、かっさ療法の脳卒中後片麻痺に対する治療効果を科学的に検証するため、システマティックレビューおよびメタアナリシスをこころみたそうな。

2025年6月22日

“受け身”でも効く!?──両腕リハビリBATが切り開く脳卒中回復の新常識

2025  6月  中国


脳卒中によって多くの人が片麻痺を含む上肢機能障害を抱えるが、その回復には脳と筋肉の連携、すなわち中枢と末梢の相互作用が重要であるとされている。

特に、両腕を同時に使う"バイラテラルアームトレーニング(BAT)"は、有望なリハビリ手法として注目されてきた。

しかし、BAT中に脳と筋肉がどのように連動しているのか、すなわち神経活動と筋電活動の相関についてはこれまで十分に明らかにされてこなかった。加えて、損傷側(左麻痺か右麻痺か)によって、その神経筋協調が異なる可能性があることも見落とされていたのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月21日

その頭痛、脳動脈瘤のサインかも…前兆あり・なしで分かれる危険度

2025  6月  中国


頭痛は多くの人が一度は経験する症状であり、慢性的な頭痛は日常生活に大きな影響を与える。一方で、脳動脈瘤は破裂するとくも膜下出血(SAH)という命にかかわる脳卒中を引き起こすことがある。

これまでの観察研究では、頭痛と脳動脈瘤には何らかの関連があるかもしれないと考えられてきたが、因果関係があるかどうかははっきりしていなかった。

そこで、遺伝情報を使った「メンデルランダム化(MR)」という方法を用いて、頭痛と脳動脈瘤のあいだに本当に因果関係があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月20日

慎重すぎる人ほど健康?――神経質が脳出血を防ぐという驚きの因果関係

2025  6月  中国


脳卒中は今も世界中で多くの人の命や生活に影響を与えている病気である。

高血圧や糖尿病といった体の問題に加えて、ストレスやストレスへの向き合い方(適応行動)も、脳卒中のリスクに関わっているのではないかと言われてきた。

ただし、これまでその関係が本当にあるのかどうかは、はっきりしていなかったので、遺伝情報を使って「ストレスや行動と脳卒中リスクとの因果関係」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月19日

男の脳が危ない?──コロナ後に増える“出血性脳卒中”の落とし穴

2025  6月  アメリカ


新型コロナウイルス(COVID-19)は、重症化や死亡だけでなく、脳卒中などの血管系のトラブルを引き起こすことが知られている。とくに入院中の患者では、脳卒中のリスクが重要な問題になっている。

一方で、性別によって脳卒中の起こりやすさに違いがあるのかは、あまりはっきりしていない。これまでの研究では、脳卒中をひとまとめにして扱い、脳梗塞と脳出血を区別していないことが多かった。

そこで、COVID-19で入院した患者において、男女で脳梗塞や脳出血のリスクに差があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月18日

日本のくも膜下出血、女性激減の謎──高くて吸えないタバコが、脳を守った?

2025  6月  日本


くも膜下出血(SAH)は女性に多いことで知られているが、世界的には男性の発症率のほうが大きく減ってきている。

一方、日本ではその傾向が見られず、むしろ増えているという報告もあった。これまでの国内の研究は2000年より前に行われたものが多く、その後の変化を詳しく調べたものは少なかった。

そこで、以前の島根県の調査に続き、他の地域も含めて男女別の傾向をくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月17日

その数値…ほんとうに“素の実力”?脳卒中リハに潜む観察バイアスの影

2025  5月  オランダ


脳卒中後の歩行評価は、リハビリ方針を決めるうえで極めて重要である。しかし、その評価結果が観察されていることによって変化してしまう可能性、すなわち「ホーソン効果」の影響が無視できない。

とくに臨床場面では、患者がセラピストに見られていることで努力を強める可能性があり、その結果が正確な歩行能力を反映していない懸念がある。

そこで、観察されていること自体と、さらに「測定されていると意識していること」が歩行パラメータに与える影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月16日

脳トレの真実:ただの作業療法では脳は目覚めない

2025  6月  中国


脳卒中のあとに起こりやすい認知障害(poststroke cognitive impairment, PSCI)は、注意力や記憶、考える力などを弱らせ、日常生活やリハビリの妨げになる。

昔ながらの認知トレーニングはある程度の効果があるが、時間がかかるうえに、続けるのが大変という声も多かった。

そこで注目されたのが、パソコンやタブレットを使った「コンピュータ化認知トレーニング(CCT)」であり、このCCTがどれほど効果的なのかを、これまでの研究をまとめてしらべてみたそうな。

2025年6月15日

脳卒中のあと、心まで壊れていませんか?──孤独を癒すのは“家族の力”だった

2025  5月  中国


高齢者が脳卒中を経験したあと、孤独を感じることが多く、それが心の健康や回復に悪影響を及ぼすことがわかってきている。

脳卒中は体の動きだけでなく、まわりの人とのつながりや気持ちの面でも大きな影響を与える。

そこで、家族がどれだけうまく協力しながら困難に対応できるか(=家族レジリエンス)が、孤独を減らすうえでどんな役割を果たしているのか、あわせて社会的な支えや家族のまとまり、前向きな気持ち(心理的資本)との関係もくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月14日

【注意】運動後の冷たい飲み物が“心房細動”の引き金に?

2025  6月  アメリカ


心房細動(AF)は脳卒中の大きな原因のひとつであり、日々の生活の中で発作を引き起こすきっかけを見つけることは、予防や対策にとってとても大切である。

これまで、冷たい飲み物や食べ物がAFのきっかけになるという話は一部で知られていたが、きちんと調べられた研究はほとんどなかった。

そこで、「cold drink heart(CDH)」と呼ばれるこの現象について、どんな人が体験しているのか、そして冷たいものを避けることでどのくらい発作を減らせるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月13日

“瘤=悪”という前提でいいのか──くも膜下出血の予防はどこまで合理的か

2025  6月  フィンランド


くも膜下出血(aSAH)は中年女性における突然死の一因として深刻であり、特に喫煙者ではそのリスクがかなり高いことが知られている。

これまでのスクリーニングは家族歴や特定の病気がある人に限られていたが、中年の喫煙女性というリスクの高い層について、実態を調べたデータはあまりない。

そこで、このグループを対象に未破裂脳動脈瘤(UIA)のスクリーニングを行い、破裂や死亡の予防につながるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月12日

「1.4リットルの壁」──あなたの水の飲み方が脳卒中を左右する⁉

2025  6月  中国


脳卒中は世界的に主要な死亡・障害要因であり、その予防には高血圧や糖尿病などのリスク管理に加えて、食習慣などの生活因子が注目されている。

水は人体に欠かせない基本的な要素であるにもかかわらず、「水だけ(plain water)」をどれくらい飲むかと脳卒中の関係については、これまであまり研究されてこなかった。

そこで、ふだん飲んでいる水の量と脳卒中リスクとのつながりをくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月11日

「もう昔の自分には戻れない」──脳卒中患者が語る“生き直し”のリアル

2025  5月  オランダ


脳卒中を経験すると、身体的障害のみならず、心理的・社会的側面にも多大な影響が生じる。しかしながら、現在の医療現場では身体機能のリハビリテーションが中心であり、心理的サポートは後回しにされがちである。

個々人により異なる回復の道筋に即したケアの必要性が叫ばれているにもかかわらず、それに即した実践は乏しい。

そこで、「脳卒中後、人はどのようにして人生を再構築していくのか」を、患者自身の語りをもとにくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月10日

6ヶ月で終わりじゃない──半盲はなぜ慢性期でも変化するのか

2025  6月  アメリカ


脳卒中、とくに後頭葉の梗塞や出血によって起こる同名半盲(homonymous hemianopia)は、日常生活に大きな影響を与える視覚障害である。

これまでの通説では、こうした視野欠損は発症後6ヶ月までの間に自然改善する可能性があり、それ以降は固定されると考えられてきた。しかし、その根拠となる研究の多くは定性的であり、精密かつ定量的に長期の視野変化を追跡した研究は少ない。

そこで、信頼性の高いHumphrey視野検査データを用いて、視野欠損の進展と変化を客観的に検証し、慢性期の可塑性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月9日

“重症”でもあきらめないで!脳内出血が見せた奇跡の回復メカニズム

2025  5月  イギリス


脳梗塞と脳内出血は、起こる仕組みも治療のやり方も違っており、回復のしやすさや亡くなるリスクにも差がある。

そこで、それぞれのケースで腕の動きにどんな障害が出て、どのくらい回復するのかをくわしくくらべてみたそうな。

2025年6月8日

血管内治療で死亡率2倍──脳外科医の“誘い文句”に注意せよ

2025  6月  アメリカ


虚血性脳卒中は、世界中で多くの人の命や生活の質に影響を与えている。血管内治療(EVT)は、発症してすぐの虚血性脳卒中に対して効果があるとされているが、実際にこの治療を受けられるのは大血管が詰まっている一部の患者に限られている。

アメリカではEVTを使う機会が増えているものの、短期的・長期的な結果についての情報はまだ少ない。そこで、EVTを受けた脳卒中患者での実際の使われ方や、入院中の経過がどうだったかを全国データからくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月7日

【働き盛りなのに】「軽い脳卒中」で頭が回らない…でも検査は異常なし!?

2025  6月  カナダ


軽い脳卒中(mild stroke)は、ぱっと見では後遺症が少ないと思われがちである。でも、いざ普段の生活に戻ってみると「集中できない」「物忘れがひどい」「頭がぼんやりする」といった声が多く聞かれる。

こうした困りごとは、従来の“認知のテスト”ではうまく拾えていない可能性がある。そうした「感じている困りごと」と、ふだんの生活への参加(職場復帰など)の関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月6日

脳卒中は防げた。でも命は守れなかった──減量DOACの意外な結末

2025  5月  日本


日本人の心房細動患者に対しては、しばしば標準的な指針より少ない量のDOAC(直接経口抗凝固薬)が処方されている。これは、体格の小ささや出血リスクを考慮した「減量投与」として行われているが、その効果と安全性に関する科学的根拠は乏しい。

特に、脳卒中や全死亡リスクとの関係は明確でなく、減量が有害か有益かの判断が困難である。そこで、日本人心房細動患者におけるDOAC減量投与の臨床アウトカムを、標準投与と比較してみたそうな。

2025年6月5日

病院に行ったら後遺症!? 軽症くも膜下出血と“過剰治療”の落とし穴

2025  5月  日本


くも膜下出血(SAH)は、再出血や脳血管のけいれん(血管れんしゅく)などの合併症を防ぐため、できるだけ早く治療を始めるのがよいとされている。

でも実際には、すぐに病院へ行かない人もいて、発症から4日以上たってから入院するケースもある。こうした"遅れてやってきた人たち"に対して、どんな治療がされて、結果がどうなっているかは、これまであまりよくわかっていなかった。

そこで、日本の複数の病院から集めたデータを使って、その実態をくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月4日

くも膜下出血の本当の敵は誰だ──DCIというスケープゴート

2025  5月  日本


くも膜下出血(aSAH)は、命に関わることも多いタイプの脳卒中で、助かっても重い後遺症が残ることが多い。そのなかでも、発症から数日たってから起きる「遅発性脳虚血(DCI)」が、回復をじゃまする大きな原因になっている。

これまでDCIは「血管が縮むこと(血管攣縮)」が原因と考えられていたが、それを抑えても良くならない人が多い。だからこそ、DCIのほんとうの仕組みや、それに効く治療法をくわしくみなおしてみたそうな。

2025年6月3日

CI療法、それって本当に“リハビリ”ですか?

2025  5月  中国


脳卒中のあとに手がうまく動かなくなると、日常生活に大きな支障が出てしまう。多くの人がこの後遺症に悩んでいて、リハビリの工夫が求められている。

拘束誘導運動療法(CIMT)は、元気な手をあえて使わせず、麻痺側の手をできるだけ使わせる方法だが、負担が大きく、使える人が限られていた。

そこで、もう少し柔らかくした「改良型CIMT(m-CIMT)」が注目されている。これが本当に効果があるのかを、たくさんの研究をまとめて検証してみたそうな。

2025年6月2日

PHASESスコアの罠──日本人だけ3点加算で即手術!

2025  5月  オーストリア


未破裂脳動脈瘤(UIA)はMRIの普及により、たまたま見つかることが増えている。しかし、見つかったからといって必ずしもすぐに手術が必要なわけではない。

では、実際にどれくらい破裂しやすいのか?手を加えずにそのまま様子を見るのは安全なのか?という点について、長期間にわたりくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月1日

脳卒中を防ぐのは運動とフルーツだった!BMI神話はもう信じるな

2025  5月  サウジアラビア


脳卒中は世界中で多くの人が悩まされている深刻な病気であり、予防がとても大切である。これまでの観察研究では、果物や野菜を食べたり、運動したり、たばこをやめたりすることで脳卒中のリスクが下がるかもしれないと言われてきたが、ほんとうにそうなのかははっきりしていなかった。

なぜなら、生活習慣の影響を受けやすい研究では、原因と結果が逆だったり、ほかの要因がまざっていたりするからである。そこで、「メンデルランダム化」という遺伝情報を使った方法で、本当に生活習慣が脳卒中の原因になるのかをしらべてみたそうな。

2025年5月31日

再発を防ぐカギは「肥満」にあった 16万人のデータが示す真逆の真実

2025  6月  中国


脳卒中は再発しやすく、患者の生活の質を下げたり、家族や社会に大きな負担をかけたりする重要な病気である。これまで、肥満は脳梗塞の原因になると考えられてきたため、脳卒中を経験した人にも「痩せたほうがいい」と勧められることが多かった。

しかし最近では「肥満のほうが回復がよい」という“肥満パラドックス”と呼ばれる現象も知られるようになってきており、肥満が脳卒中の再発にも良い影響を与えるかもしれないという声もある。

そこで、過去のデータをまとめて、BMI(体格指数)と脳卒中の再発リスクの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月30日

くも膜下出血にクラゾセンタンの安心感──日本プロトコルで解決する副作用の真実

2025  5月  日本


くも膜下出血(aSAH)の治療では、手術後におこる血管のれんしゅく(脳血管攣縮)と、それによる脳のダメージ(遅れて起こる脳の虚血)が大きな問題になる。

これまで日本ではファスジルという薬がよく使われていたが、最近になってクラゾセンタンという新しい薬が使われ始めている。ただし、病院ごとにやり方がバラバラで、きちんとしたルール(標準プロトコル)がなかった。

そこで広島大学と関連病院が協力して、クラゾセンタンを中心にした治療プロトコルを作り、その効果と安全性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月29日

日本人が飽和脂肪酸を恐れる理由、どこにもなかった

2025  4月  日本


飽和脂肪酸(SFA)は長いあいだ“控えるべき脂肪”と考えられ、心臓や血管の病気(CVD)を防ぐために減らすようすすめられてきた。

日本でもこの考え方が広まり、栄養指導や病院の食事にも取り入れられている。ただし、この考えの多くは観察研究に基づいており、信頼性の高い無作為化比較試験(RCT)では、明確な効果があるとは言えない結果が出ている。

そこで、脳卒中を含むCVD全体において、本当に飽和脂肪を減らす意味があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月28日

日本の12万人が証明:「くも膜下出血を防ぐコレステロール」は思ったより高かった

2025  5月  日本


くも膜下出血(SAH)は日本で最も致死率が高い脳卒中のひとつであり、発症を防ぐためにはリスク要因をしっかり把握しておくことが大切である。

これまで「コレステロールが低いと出血性の脳卒中になりやすい」という話はあったが、SAHとの関係についてははっきりしていなかった。

そこで、日本人男女12万人のデータを使って、血液中の総コレステロールの値とSAHによる死亡リスクの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月27日

インチキじゃない、本物のリハビリ──重症者も救う“脳だけ訓練”とは?

2025  5月  カナダ


脳卒中後、約半数の人が日常生活動作(ADL)に支障をきたすとされる。リハビリでは繰り返しの動作練習が有効とされているが、痛み・疲労・麻痺などにより実際の訓練が困難な場合も多い。

そこで注目されるのが、実際には動かさずに「頭の中で動作を思い描く」運動イメージ(Motor Imagery:MI)である。MIは健常者やアスリートにおいて運動学習を促進する手法として知られているが、脳卒中患者においてADLの自立を改善する効果があるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月26日

軽症でも血管内治療?その“善意”が命取りに

2025  4月  中国


軽い症状(NIHSS ≤10)で始まる脳幹の脳梗塞、特に脳底動脈が詰まったタイプに対して、血管内治療(EVT)が長い目で見て本当に役に立つのかどうかは、これまでよくわかっていなかった。

これまでは重い症状の人に対してはEVTの効果があることがわかっていたが、軽症の人には自然に回復するケースも多いため、「治療したほうがいいのか、それとも様子を見るべきか」で議論が分かれていた。

そこで、そうした軽症の患者にEVTを行った場合、1年後にどのような結果になるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月25日

日本の中年男性限定!「1日1万歩」の衝撃──歩かなきゃ損する時代がきた

2025  5月  日本


日常的な歩く習慣が心臓や血管の病気を防ぐのに役立つことはよく知られているが、実際の生活の中でスマートフォンなどで記録された歩数が、どのくらいリスクに関係しているのか、また男女で効果が違うのかについては、まだはっきりしていない。

特に脳卒中などの心血管イベントについて、ふだんの歩く量がどれくらい予防に効くのかを中年層で長期間にわたって調べた研究はあまり多くない。そこで、日本の健康保険に入っている人を対象に、スマホアプリで記録された歩数と病気リスクの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月24日

日本人の脳梗塞患者、3人に1人が便秘!“左脳のこの場所”では7割に発生

2025  5月  日本


便秘は急性脳梗塞のあとによく見られる症状であり、発生率は16%から50%以上とも言われている。これまでの研究で、便秘は脳卒中の重症度や生活の質に悪い影響を与えることが知られていたが、どの脳の部位の梗塞が特に便秘と関係するのかははっきりしていなかった。

特に、自律神経をコントロールしている島皮質という部分の役割に注目が集まっていたが、右と左のどちらがより関係しているのかは不明だったのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月23日

下肢CI療法:歩ける人を鍛えたら、QOLが下がったwww

2025  5月  スウェーデン


脳卒中後の身体機能回復に対するリハビリとして、Constraint-Induced Movement Therapy(制約誘導運動療法、以下CIMT)は上半身(腕や手)に対して効果があるとされており、それを足に応用した下肢版(LE-CIMT)も注目されている。

LE-CIMTは、ある程度しっかり歩ける軽めの後遺症がある人を対象にして、集中トレーニングによって歩く力をさらに伸ばすことを目指す方法である。しかし、それが実際に日々の生活の満足度(健康関連QOL:HRQoL)にどう影響しているのかは、まだはっきりしていない。そこで、LE-CIMTを受けた人のQOLが一般の人と比べてどう違うのか、またどんな要因と関係があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月22日

脳卒中のあと、あなたの脳は“ゴミ屋敷”になる──だから眠れ!

2025  5月  中国


脳卒中のあとに、記憶力や集中力が落ちてしまう人が多い。その原因のひとつが、脳の中にたまる“アミロイドβ(Aβ)”というゴミのような物質である。

脳にはこのゴミを流す「グリンパティック系」という排水システムがあるが、脳卒中のあとにその働きが悪くなる理由はよくわかっていない。

最近、「PBM(血管周囲マクロファージ)」という細胞が、脳のそうじに関わっている可能性が注目されている。そこで、このPBMがAβのそうじにどう関わっているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月21日

毎日納豆と乳製品で脳卒中を防げる!? 知られざるリボフラビン(ビタミンB2)の力

2025  5月  中国


リボフラビン(ビタミンB2)は、体のエネルギーづくりや抗酸化などに関わる大事な栄養素である。しかし、これまでリボフラビンと脳卒中との関係についての研究はあまり行われてこなかった。

最近では、リボフラビンが「ホモシステイン」という血管に悪影響を与える物質を減らす働きを持つことがわかってきており、脳卒中予防に役立つ可能性が注目されている。そこで、リボフラビンの摂取量と脳卒中の関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月20日

くも膜下出血の9割は“放置”?──アメリカ医療が選んだ意外な結論

2025  5月  アメリカ


微小で広頸部の水ぶくれ様動脈瘤(blister-like aneurysm)は、その形態的特徴ゆえにコイル塞栓術や外科的クリッピングの適応が困難である。こうしたケースに対し、フローダイバーター(Pipeline Embolization Device:PED)は新たな治療選択肢として期待されている。

しかしPEDにはデュアル抗血小板療法(DAPT)が必須であり、全身性の出血合併症リスクが伴う。

そこで、PEDの使用により実際に出血リスクがどの程度上昇するかを、大規模データベースを用いてくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月19日

血栓回収後63%が再発──すべて患者のせい

2025  4月  アメリカ


血栓回収療法(thrombectomy)は、急性期脳梗塞の治療として広く普及してきた。特に、90日以内の神経学的改善を主要評価項目とした臨床試験では、高い有効性が示されている。

しかし現実には、その後の再発や死亡といった慢性期アウトカムについての十分なデータは少なく、治療効果が過大評価されている可能性もある。

そこで、90日以降の実臨床における転帰を長期的にくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月18日

降圧薬を飲む“その時間”、本当に意味あるのか?

2025  5月  カナダ


降圧薬を朝に服用するか夜に服用するかによって、心筋梗塞や脳卒中といった重大な心血管イベントのリスクが変化するのかは、これまでの研究でも一貫した結果が得られていなかった。また、夜間に降圧薬を服用すると、血圧が下がりすぎて視神経への血流が不足し、視覚障害や緑内障のリスクが高まるのではないかという懸念も存在していた。


そこで、降圧薬の服用時間が心血管イベントや死亡に与える影響を明らかにするべく、くわしくしらべてみたそうな。

2025年5月17日

検査では“正常”でも… 二重課題であらわれる半側空間無視の正体

2025  5月  イタリア


脳卒中のあとに起きる認知の問題は人によってさまざまであり、脳の損傷部位と症状の重さが必ずしも一致しない。このギャップは、従来「脳の予備力(リザーブ)」がうまく働くことで、見かけ上は軽く済んでいると説明されてきた。

しかし、そのような説明だけではすべてのケースを理解するには不十分である。とくに、日常生活では問題が生じているにもかかわらず、標準的な検査では「異常なし」と判断される患者が少なくない。そこで本研究では、「見かけ上は問題がないが、実際には潜在的な障害がある」状態に着目した。

そこで、マルチタスク(二重課題)のように脳にとって負荷の大きい状況をつくり出すことで、普段は見えない認知障害、特に左右の空間への注意のかたより(=半側空間無視に類似した症状)があらわれるのではないかという仮説を立て、くわしくしらべてみたそうな。

2025年5月16日

脳卒中後、“やってはいけない栄養補給”──ビタミンB群とカルシウムがボケを呼ぶ?

2025  5月  オーストラリア


脳卒中を経験した人の多くが、その後の人生で「もの忘れ」や「考える力の低下」といった問題に悩まされる。実際、脳卒中から1年以内に約40%の人が認知障害を起こすとされており、重い場合は認知症になるリスクが普通の人の50倍になるという報告もある。

これまでの研究では、健康な高齢者を対象に「食事の内容が脳に影響を与える可能性」が示されてきたが、脳卒中を経験した人を対象にした研究は少なかった。そこで、「脳卒中後の人にとって、どんな食べ物や栄養が脳の働きにいいのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月15日

未破裂脳動脈瘤検査が“割に合わない”4つの理由

2025  5月  ドイツ


くも膜下出血(SAH)の多くは、脳の中の血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が破れて起こる。だから、こぶが破れる前に見つけて治せば、命を守れるかもしれない。

ただし、見つかる未破裂の脳動脈瘤(UIA)の多くはすぐに破れるわけではない。むしろ、そのまま放っておいても一生なにも起こらない場合も多い。

そういう「破裂しにくいこぶ」を見つけても、どうすればいいかの判断がむずかしい。また、全国民を対象に検査(スクリーニング)を行うのは、お金がかかりすぎるとも言われてきた。

最近では、血液検査で脳動脈瘤のリスクを調べられる技術が開発されつつあり、それを使えばもっと簡単にスクリーニングできるのではないか、という期待がある。
そこでUIAの全国民スクリーニングの費用対効果をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月14日

空気が悪いと、脳が縮む──PM2.5と加速する脳老化

2025  5月  スウェーデン


最近の研究では、大気汚染、とくにPM2.5というとても小さな粒子が、年をとってからの物忘れや脳の病気と関係しているかもしれないと言われている。しかし、空気が汚れていると本当に脳の形が変わるのかどうか、よくわかっていなかった。

そこで、空気の汚れが高齢者の脳にどんな影響をあたえるのか、長期にしらべてみたそうな。

2025年5月13日

左脳をやられると“味が消える”──見逃される“味覚と嗅覚”の後遺症

2025  5月  ポルトガル


脳卒中後の後遺症として、運動や言語の障害が注目される一方で、味覚や嗅覚の障害はあまり認識されていない。しかし、これらの感覚障害は食欲や栄養状態、生活の質(QOL)に影響を与える可能性がある。

これまで系統的に調査された研究は少なく、特に急性期と慢性期を比較したデータは乏しい。そこで、脳卒中後の味覚・嗅覚障害の頻度とその関連要因、生活への影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月12日

鼻から入れて脳が治る?選ばれしMuse細胞の実力ニッポン

2025  5月  日本


脳梗塞のあと、からだを動かす力や日常生活の機能を取り戻すために、いろいろな治療法が研究されてきた。その中でも「細胞を使って壊れた脳を助ける」方法はとても注目されている。

ただし、これまでの間葉系幹細胞(MSC)は、うまく脳に届かなかったり、長く残らなかったりして、期待されたほどの効果が出なかった。また、別の種類の幹細胞は、がんになったりするリスクや倫理的な問題もある。

そこで今回注目されたのが、MSCの中にごく少数ふくまれている「Muse細胞」である。Muse細胞は、がんになりにくく、脳の傷ついた場所に自分から集まり、神経細胞などに変わる能力をもっている。この細胞を鼻から投与して、からだに負担なく脳へ届ける方法を試してみたそうな。

2025年5月11日

脳が黙って傷ついている──白質病変と“見えない金属汚染”の真実

2025  5月  中国


脳の白質病変(WMH)は、脳卒中や認知症の前駆的変化として注目されており、MRIによって無症候の段階でも検出可能である。しかし、これらの病変と環境要因、特に金属曝露との関連は十分に解明されていない。

過去の研究ではヒ素や鉛とWMHとの関連が報告されていたが、複数金属による複合曝露の影響を体系的に検証した研究はほとんど存在しなかった。

そこで、中国河北省の一般住民を対象に、15種類の血漿中金属濃度とWMHの関係を解析し、金属混合曝露が脳に及ぼす影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月10日

早期リハビリの科学的根拠がついに明らかに──Treg細胞が脳を修復する仕組みとは?

2025  4月  中国


脳梗塞のあとには、脳の白質が傷ついて、体の動きや考える力が落ちてしまうことが多い。白質がうまく元に戻ることが、回復にはとても大事である。でも、その仕組みはまだよくわかっていない。

最近、Treg(ティーレグ)という免疫細胞が、脳を守ったり修復したりする働きがあることがわかってきた。そこで、運動をすることでTregが増えて、白質がよくなるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月9日

動かぬ手が動き出す:迷走神経を刺激してリハビリ限界突破

2025  5月  アメリカ


脳卒中後の上肢麻痺は多くの患者に残存し、生活の質を著しく低下させる。発症から年単位を経過した慢性期の患者では、改善が困難とされてきた。

リハビリテーション単独での効果は限られており、神経可塑性を高める新たな介入が求められている。

動物研究や予備的臨床研究により、迷走神経刺激(VNS)と運動を組み合わせることで脳の回路が再構築される可能性が示唆されいるので、くわしくしらべてみたそうな。

2025年5月8日

くも膜下出血に効くのか?――“ドレーン信仰”に揺らぐ慢性水頭症・予防の神話

2025  4月  中国


くも膜下出血(aSAH)後の慢性水頭症は、患者の回復や生活の質に大きな影響を与えるよくある合併症である。

しかし、水頭症がなぜ起きるのか、またそれを防ぐためにどんな方法が一番良いのかは、まだはっきりとはわかっていない。

そこで、aSAH患者に対して行われるさまざまな髄液ドレナージ(CSF排出)の方法が、水頭症の発症にどう関わるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月7日

脳を守る鍵は腸にあり!?食物繊維がラクナ梗塞を遠ざける理由

2025  4月  中国


脳卒中は世界でも多くの人の命を奪う病気であり、その予防がとても重要である。最近では、ふだんの食事の中で何を食べるかが脳卒中のリスクに関係していることが注目されている。

中でも、食物繊維は炎症や代謝のバランスを整える働きがあるとされてきた。しかし、食物繊維と脳卒中の関係については、まだはっきりとした証拠が少なく、特にどのタイプの脳卒中に効果があるのかが分かっていなかった。

そこで、実際の食生活データと遺伝情報を使い、食物繊維と脳卒中の関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月6日

再灌流するほど悪化する!?──血栓回収術に潜む罠

2025  4月  中国


機械的血栓回収術は、急性脳梗塞の治療として広く行われている。特に、血流を回復させることが良好な自立につながるとされてきた。

だが実際の現場では、複数回の回収操作を行って再灌流を目指すうちに、かえって結果が悪化する例も少なくない。

そこで、回収操作の回数と、治療後の機能的自立の結果との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月5日

日本の若年脳卒中に潜む“2つの異常”──欧米と違うのはなぜか!?

2025  4月  日本


若い人の脳梗塞は、高齢者とは違った原因や経過をたどることが多い。しかし日本では、若年者の脳梗塞に関する詳しいデータが少ない。

特に、高血圧や頭の中の血管の病気が関係しているかどうか、そして発症後の生活や気持ちの面でどんな問題が起きるのかをくわしくしらべてみたそうな、

2025年5月4日

ミラーセラピーを拡張現実で強化!?──脳卒中リハビリに革命の波

2025  5月  中国


脳卒中のリハビリでは、手足の動きやバランスの回復、麻痺した腕をふだんの生活で使えるようにすることがとても大切である。

これまでミラーセラピーは、脳のはたらきを活性化する方法として知られてきた。一方、最近では拡張現実(AR)という技術を使ったリハビリが注目されている。

そこで、ミラーセラピーを先に行ってからAR訓練を組み合わせる方法が、クリニックと自宅のどちらでより効果的かを比べてみたそうな。

2025年5月3日

「呼吸で脳がつながる⁉」──深浅交互呼吸で脳卒中リハビリ

2025  4月  中国


脳卒中は、命を落とす原因にもなり、後遺症が残ることも多い病気である。体が動きにくくなるだけでなく、呼吸が弱くなったり、食べ物を飲み込みにくくなったり、自律神経が乱れたりと、さまざまな不調を引き起こす。

中でも呼吸の問題は、肺炎や体力の低下につながる深刻な課題である。これまでは、呼吸の筋肉を鍛えるリハビリが中心だったが、最近では「呼吸のリズムや深さ」が脳の働きそのものに影響を与えるのではないかと注目されている。

そこで、「交互呼吸」と呼ばれる特別な呼吸法が、脳のつながりや気分にどんな影響を与えるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月2日

傷ついた脳が示した「周波数の叫び」──7〜9Hzに隠された謎

2025  3月  アメリカ


脳がけがや病気でダメージを受けると、神経細胞どうしのやりとりがうまくいかなくなることが知られている。でも、そうした乱れが「どの周波数」で起こっているのか、そしてそれが治療に使えるのかは、まだよくわかっていなかった。

そこで、脳が出す微弱な電磁波(EMF)を調べることで、異常な振る舞いの周波数を見つけ出し、将来の脳リハビリに活かすヒントをくわしくしらべてみたそうな。

2025年5月1日

その発疹、脳出血の前兆か?──帯状疱疹から90日以内にリスク2.7倍

2025  4月  イスラエル


帯状疱疹(Herpes Zoster)は、皮膚に強い痛みや発疹を引き起こすウイルス感染症である。これまで、帯状疱疹と脳卒中の関係についてはいくつかの研究があるが、特に脳内出血(ICH)との関連性についてははっきりしていなかった。

そこで、帯状疱疹のあとに脳卒中が起こりやすいかどうか、くわしくしらべてみたそうな。

2025年4月30日

急な寒さが脳を直撃!クモ膜下出血リスク2倍──高知県7年データの衝撃

2025  4月  日本


クモ膜下出血(SAH)は、突発的に発症し、致命率や重篤な後遺症リスクが高い脳卒中の一種である。その予防には、発症の引き金となる要因を正確に把握することが重要であるが、これまでの研究では、発症当日全体の気象条件や前日との気温差などに焦点を当てたものが多く、"発症の瞬間"における気象条件を直接解析した研究は少なかった。

そこで、高知県の広域救急搬送データを用いて、クモ膜下出血の発症と気象条件との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年4月29日

軽い脳梗塞にメスを入れた結果──治療で悪化する日本人患者たち

2025  4月  日本


軽症(NIHSS≤5)の急性虚血性脳卒中(AIS)に対する血管内治療(EVT)の効果と安全性は、依然として明確なエビデンスが不足している。

特に、EVT施行後にみられる早期神経学的悪化(END)の臨床的意義については十分に検討されていない。軽症患者では、自然経過での回復が期待できる一方、治療介入に伴うリスクが無視できず、適応判断が難しい。

そこで、軽症AIS患者に対するEVT後のEND発生率、リスク因子、ならびにその予後への影響をくわしくしらべてみたそうな。

2025年4月28日

24時間超えても救える脳──血栓回収治療の幻想と現実

2025  3月  台湾


脳卒中治療において血栓回収療法(エンドバスキュラー治療、EVT)は、これまで発症6–24時間以内に行うことが推奨されてきた。これはDEFUSE-3試験やDAWN試験により科学的に裏付けられている。

しかし、発症から24時間を超えた場合における血栓回収療法の有効性については、いまだ明確な結論が得られていない。遅延の発症例にも治療効果が期待できるのか、それとも時間経過によって治療効果が失われるのかを明らかにすることは、今後の脳卒中治療戦略を考える上で極めて重要である。

そこで、発症24時間超の血栓回収療法の効果と安全性を、既存研究を統合して検証するためにメタアナリシスをこころみたそうな。

2025年4月27日

鉄欠乏が静かに血管を殺す──若年脳梗塞の新たな犯人

2025  4月  アメリカ


鉄欠乏性貧血(Iron Deficiency Anemia, IDA)は、世界でもっとも多い栄養不足の病気であり、特に若い女性や子どもに多く見られる。

これまで、IDAは子どもにおける脳梗塞リスクと関係していることがわかっていたが、若い大人については小さな報告しかなく、はっきりとした証拠はなかった。

脳卒中は高齢者の病気と思われがちだが、若い人にも脳梗塞は起きており、その原因を明らかにすることが求められていたのでくわしくしらべてみたそうな。

2025年4月26日

「本来は別の病気用」な薬たちが、いま脳卒中リハビリの主役になりつつある件

2025  4月  アメリカ


脳卒中は運動障害、失語、認知障害、疲労、うつなど、さまざまな後遺症をもたらす疾患である。これらの後遺症は患者の生活の質を著しく低下させ、社会復帰を困難にする要因となっている。

従来のリハビリテーションに加えて、薬物による機能回復の補助が模索されており、その一環として神経刺激薬(neurostimulant)が注目されている。

これらの薬剤は本来、パーキンソン病やADHD、ナルコレプシーなど他の疾患に用いられるが、その中枢神経系への作用を活かして、脳卒中後の神経可塑性を高める可能性があると考えられているので、成果をまとめてみたそうな。

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回復と予防のヒント100記事(2017年1月までのぶん)

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知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、
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