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2020年3月31日

余暇活動が実行機能低下を防ぐ


Cognitive Reserve Attenuates 6-Year Decline in Executive Functioning after Stroke
2020  3月  スイス

脳卒中からその後の6年間の実行機能の低下が、認知予備能によって異なるかどうかを検討した。

2020年3月30日

Brain誌:急性期発話機能の前頭 側頭-頭頂での乖離


Dissociation between frontal and temporal-parietal contributions to connected speech in acute stroke
2020  3月  アメリカ

人は単語を検索して複雑な文章に統合することができる。

これまでの研究では、発話に必要な脳領域の特定は 主に慢性期脳卒中の患者を対象とすることがおおかったが、慢性期では脳の機能がすでに再編成しおえて他の領域に移行している可能性があった。

急性期患者であれば重症でない小病変の患者も対象にすることができ、機能と病変とのマッピングがより詳細にできると考えられる。

そこで、脳卒中急性期の52人の自発的な発話内容の構造と脳の損傷パターンとの関連をくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月29日

90歳超えでも復活する日本人脳梗塞


Clinical outcomes of cerebral infarction in nonagenarians compared among four age groups
2020  3月  日本

日本の女性の平均寿命は約90歳であり、医療現場では90歳以上の脳卒中患者に遭遇することがときどきある。

そこで、90歳以上の脳梗塞患者の臨床的特徴と回復可能性についてくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月28日

[日本人] 毎日風呂に浸かると脳内出血ふせげる


Habitual tub bathing and risks of incident coronary heart disease and stroke
2020  3月  日本

浴槽浴(tub bathing)は血行動態を改善することで脳卒中などの心血管疾患の予防効果があると考えられている。しかし、心血管疾患リスクに関して浴槽浴の長期的な効果の研究はないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月27日

中国50万人の脳卒中死亡率と再発率


Mortality and recurrent vascular events after first incident stroke- a 9-year community-based study of 0·5 million Chinese adults
2020  3月  中国

脳卒中は世界的に死亡および障害の主な原因である。

診断と治療の大幅な改善にもかかわらず、中国を含む低中所得国では、初回脳卒中後の短期および長期の予後についてはほとんど知られていない。

そこで脳卒中のタイプ別に、再発リスクと死亡率を短長期的にしらべてみたそうな。

2020年3月26日

nature.com:日本人女性に適したアルコール量


Alcohol consumption and risks of hypertension and cardiovascular disease in Japanese men and women
2020  3月  日本
日本人男女の高血圧と脳卒中など心血管疾患のリスクに対するアルコールの影響を調査した大規模研究のレビュー。

とくにアジア人女性についての研究はこれまでほとんど行われていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月25日

LDLコレステロールを下げると脳内出血?


Significant reduction in the LDL cholesterol increases the risk of intracerebral hemorrhage- a systematic review and meta-analysis of 33 randomized controlled trials
2020  2月  中国

スタチン治療には脳内出血のリスクを高めるなどの副作用をもたらす可能性がある。

スタチン治療とLDLコレステロール値、および脳内出血リスクとの関係についてはいまだ議論の余地があるので、システマティックレビューとメタアナリシスをこころみたそうな。

2020年3月24日

オリーブオイルの脳卒中予防効果


Olive Oil Consumption and Cardiovascular Risk in U.S. Adults
2020  2月  アメリカ

オリーブオイルの摂取は、地中海地域の人々の脳卒中など心血管疾患リスクの低下と関連しているといわれているが、アメリカ人についてはよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月23日

理学療法を長く続けるべきか?


Continual Long-Term Physiotherapy After Stroke- A Health Technology Assessment
2020  3月  カナダ

脳卒中患者を対象とした長期の理学療法の有効性、安全性、費用対効果、公的予算への影響、患者の評価などについてしらべてみたそうな。

2020年3月22日

肥満に適した目標血圧は、、


Associations between ideal blood pressure based on different BMI categories and stroke incidence
2020  3月  中国

2017年の米国心臓病学会の高血圧に関するガイドラインでは、収縮期血圧が130mmHg以上、または拡張期血圧が80mmHg以上を高血圧と定義している。

しかし、脳卒中予防に適した肥満度(BMI)ごとの最適な血圧はいまだよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月21日

脳梗塞死亡率と要介助率の長期トレンド


Long-term trends in death and dependence after ischaemic strokes- A retrospective cohort study using the South London Stroke Register (SLSR)
2020  3月  イギリス

脳卒中になった患者のおよそ1/4は1ヶ月内に亡くなり、生存者の半数は日常生活に他者の介助が必要となる。

脳卒中の87%は虚血性のものである。

治療技術の進歩により脳卒中の死亡率や障害率は低下していると考えられるので、最近16年間のトレンドをロンドンの住民ベース調査からくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月20日

慢性期での触覚訓練の効果


Sensory retraining improves light touch threshold of the paretic hand in chronic stroke survivors- a single-subject A-B design
2020  3月  イラン

触覚(light touch)の障害は脳卒中経験者の32-89%にみられるという。

触覚の再訓練による触覚しきい値や上肢運動機能の改善についての研究はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月19日

脳梗塞患者の心房細動の割合


Prevalence of atrial fibrillation in acute ischemic stroke patients- A hospital-based study from India
2020  2月  インド

脳梗塞は再発の予防がとても大切。

心房細動はそのリスク要因の1つである。脳梗塞患者での心房細動の有病率について、インドの研究はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月18日

アスピリンでくも膜下出血を予防できる?


Association between aspirin use and risk of aneurysmal subarachnoid hemorrhage- a meta-analysis
2020  3月  中国

くも膜下出血の発生率は、年間10万人あたり 全世界では9人、中国2人、中南米4.2人、フィンランド19.7人、日本22.7人 である。

28日間の致命率は42%で、生存者の50%が障害を負う。85%は脳動脈瘤の破裂によるという。

脳動脈瘤の治療技術の進歩にもかかわらず、その発生率にあきらかな変化はない。

脳動脈瘤の破裂には炎症反応が強く関わっていると考えられていて、抗炎症薬でもあるアスピリンは脳動脈瘤の破裂予防薬として期待されている。

しかしその効果については見解が一致していないので、これまでの研究のメタアナリシスから検証してみたそうな。

2020年3月17日

くも膜下出血の年間症例数と院内死亡率


Effects of case volume and comprehensive stroke center capabilities on patient outcomes of clipping and coiling for subarachnoid hemorrhage
2020  3月  日本

くも膜下出血は症例数が豊富な病院の患者ほど回復結果が良いという報告がおおくある。

いっぽうブレインアタック連合(Brain Attack Coalition)は高度な脳血管治療が可能な包括的脳卒中センター(comprehensive stroke center:CSC)の設立を勧めている。

そこで、日本での病院ごとのくも膜下出血症例数とCSC規模が患者の回復程度にどのくらい関係しているのか、クリップとコイル治療別にくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月16日

Stroke誌:喫煙パラドックスのからくり


Smoking Paradox in Stroke Survivors?
2020  3月  台湾

「喫煙パラドックス」は、心筋梗塞や脳梗塞からの回復良好者が喫煙者におおいことを指し、血栓溶解療法の効果にも同様のパラドックスが見られるという。

喫煙は脳卒中のリスク要因であるにもかかわらずこのような矛盾がみられる原因について いまだあきらかになっていない。

そこで、台湾の2つの大規模調査のデータをつかって、喫煙パラドックスをくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月15日

運転には右脳が大切


The right hemisphere is important for driving-related cognitive function after stroke
2020  3月  日本

脳卒中経験者にとって自動車運転は社会生活をいとなむうえでとくに重要な能力である。

交通事故を未然にふせぐための、路上やシミュレーターをつかった運転能力評価は状況限定的でありかならずしも信頼性は高くない。

そこで患者の脳の損傷位置と注意反応とその維持、運転技術との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月14日

rTMS vs. シータバースト 認知障害


High-frequency versus theta burst transcranial magnetic stimulation for the treatment of poststroke cognitive impairment in humans
2020  3月  台湾

脳卒中後の認知障害は30-40%の患者にみられるという。

また、背外側前頭前野への磁気刺激はパーキンソン病患者の認知機能の注意、視空間ドメインの改善をもたらすとされている。

これを脳卒中で認知障害をしめす患者について、高周波数(5Hz)のrTMSとiTBS(シータバースト)のことなる磁気刺激条件で効果に差があるものか、実験してみたそうな。

2020年3月13日

脳卒中になる昼寝の長さと頻度


Association of daytime napping with incident stroke in middle-aged and older adults- a large community-based study
2020  3月  中国

睡眠障害と脳卒中とは関連があるという。

また、昼寝をすると冠動脈疾患での死亡率が下がるという報告があり、ストレス緩和メカニズムが考えられている。

さらに、長時間の昼寝は糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクを上げるという報告もある。

昼寝と脳卒中との関連の研究はいくつかあるが一致した結論は得られていない。

そこで、昼寝の時間や頻度と脳卒中リスクとの関連を住民ベースに大規模にしらべてみたそうな。

2020年3月12日

脳卒中後うつの脳体積変化の位置


Altered gray matter volumes in post-stroke depressive patients after subcortical stroke
2020  2月  中国

脳卒中後のうつは5年以内に39-52%に起きるという。おもな症状として、抑うつ気分、性欲減退、活力喪失、集中力の低下、無能感、があげられる。

そのメカニズムはいまだあきらかでない。脳の灰白質の体積に変化があるとする報告がいくつかあるが結論は一致していない。

そこで脳卒中後うつ患者の灰白質の体積をきっちりと測定して、うつでない患者とくらべてみたそうな。

2020年3月11日

麻痺しなかった手への影響はずっと続くのか


Chronic Stroke Survivors Experience Continued Impairment of Dexterity but not Strength in the Nonparetic Upper Limb
2020  2月  アメリカ

脳卒中患者のおよそ3分の2は上肢とくに手の機能に障害を負うという。

さらに麻痺のなかった手についても動きのスピードや正確性が低下するという報告が数おおくあがっている。

しかしこれら非麻痺手がもともと利き手であったか否かや、手の巧緻性と筋力を分けてしらべたものはほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月10日

むちゃ飲み脳梗塞の実行機能


Executive Dysfunction Related to Binge Drinking in Ischemic Stroke
2020  3月  フィンランド

Binge drinking(酒のむちゃ飲み)は通常飲酒量(エタノール13.5グラム相当)の5倍以上を1度の機会(2時間以内)に飲む場合をさす。

アルコール使用障害(alcohol use disorder)に至らないレベルのむちゃ飲みでも認知機能のとくに実行機能や言語記憶に障害があらわれやすいとする報告がいくつかある。

脳卒中経験者の35-90%は認知機能に障害をもつという。

そこで脳卒中患者でのむちゃ飲み歴の認知機能への影響についてくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月9日

海藻が脳梗塞死亡をふせぐ


Frequency of Seaweed Intake and Its Association with Cardiovascular Disease Mortality: The JACC Study
2020  3月  日本

海藻はアジアの国とくに日本、韓国、中国でよく摂られている。海藻は食物繊維などをおおく含み、心血管疾患のリスクである血圧や脂質、血糖、肥満を改善すると考えられている。

日本人は1日に海藻を9.9g摂るとされ、平均寿命の長さとの関連が疑われている。

海藻の摂取頻度と脳卒中の種類別死亡リスクについての研究はほとんどないので大規模にしらべてみたそうな。

2020年3月8日

Stroke誌:「疲労」は脳卒中の原因になりうるのか


Self-Reported Fatigue Predicts Incident Stroke in a General Population
2020  3月  イギリス

疲労は身体的 精神的に活動を嫌悪する状態をさす。

疲労は脳卒中経験者に著しく現れることが知られている。また一般診療での相談の25%に疲労が症状として含まれるという。疲労は死亡率と関連することがわかっている。

疲労と脳卒中の発生との関係はあきらかではなく、その間接要因として、睡眠不良、慢性ストレス、心不全、貧血、甲状腺障害が考えられる。

そこで健康状態についてのアンケート Short Form 36 に現れる疲労と、脳卒中の発生について大規模な住民調査をこころみたそうな。

2020年3月7日

聴覚刺激訓練で半側空間無視はなおるのか?


Can auditory cues improve visuo-spatial neglect- Results of two pilot studies
2020  2月  ドイツ

半側空間無視は右脳脳卒中の急性期40%の患者に見られるという。

この治療方法の1つに聴覚刺激(auditory cue)が期待されている。無視が生じる方向に音源があるときに無視症状が改善するという報告があるものの、サンプル数はすくなく、短期の効果についてしかわかっていない。

さらに聴覚刺激の音源が移動する状況下での調査もない。

そこで移動音源をつかった聴覚刺激を繰り返し長期にほどこしたときの半側空間無視の改善とその効果の持続を実験してみたそうな。

2020年3月6日

アチアチひんやり療法の脳活動


Immediate effects of noxious and innocuous thermal stimulation on brain activation in patients with stroke
2020  2月  台湾

温熱刺激(thermal stimulation)はシンプルかつ実用的治療手段として脳卒中リハビリにも用いられている。

痛いくらい(noxious)の温熱刺激が健常者の前運動野に可塑的変化をもたらすという報告がある。

これを脳卒中患者についても確認するべく比較実験をこころみたそうな。

2020年3月5日

運動イメージ訓練とスローファイブ(Slow-5)


Motor Imagery Training After Stroke Increases Slow-5 Oscillations and Functional Connectivity in the Ipsilesional Inferior Parietal Lobule
2020  2月  中国

運動イメージ訓練(Motor Imagery Training)やメンタルプラクティスは実際の身体活動をともなわない認知機能上のリハーサル訓練であり、通常の脳卒中リハビリに組合せるとより効果的であるとする報告が数おおくある。

そのメカニズムとして、運動野をふくむ前頭-頭頂ネットワークの機能再編が考えられている。

こんかい、シンプルかつデータ再現性の高い「安静時fMRI」で観測できる灰白質由来のシグナル "Slow-5"(0.01-0.027Hz)に着目して、脳卒中患者での運動イメージ訓練の効果についてランダム化比較試験をこころみたそうな。

2020年3月4日

HALリハビリのRCT やはり残念だった


A randomized controlled study incorporating an electromechanical gait machine, the Hybrid Assistive Limb, in gait training of patients with severe limitations in walking in the subacute phase after stroke
2020  2月  スウェーデン

脳卒中で片麻痺の患者には3ヶ月以内におおくの繰り返し訓練をほどこすことで神経可塑性がすすみ歩行機能をとりもどすことができると考えられている。

訓練量や強度を増やすための工夫の1つとして歩行支援ロボットがある。

そのうちHAL(Hybrid Assistive Limb)は患者の自発的な筋肉シグナルをトリガーとして(CVC:Cybernic Voluntary Control)あらかじめ想定しておいた体重移動をうながす動作をおこなう(CAC:Cybernic Autonomous Control)2つのシステムからなる。

これまでHALをつかった研究は比較対照群を設けないものがほとんどだったので、通常のリハビリとその効果をくらべてみたそうな。

2020年3月3日

小脳やられると怖いもの知らず暴走運転の可能性


Impairments in Emotion Recognition and Risk-Taking Behavior After Isolated, Cerebellar Stroke
2020  2月  オランダ

小脳へのダメージは運動機能の障害につながるとながらく考えられてきた。

これにくわえてさいきんでは高次の認知機能、とくに感情認識に障害が起きることがあきらかになり、「cerebellar cognitive affective syndrom:小脳性認知 情動症候群」 とも呼ばれている。

この状態の患者は「社会認知機能」に問題を抱えるとされ、たとえば他人の感情を読み取り共感する能力の欠如から自然とリスキーな状況判断をしてしまうことが考えられる。

脳卒中によるこれら社会認知機能の障害の研究は前頭葉に関してはおおいものの小脳についてはまだほとんどなされていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月2日

動物で早期リハビリ実験した結果、、、


An Animal Trial on the Optimal Time and Intensity of Exercise after Stroke
2020  2月  中国

運動は安全かつ経済的な脳卒中のリハビリ手段ではあるが、いつどのくらいの強度でおこなったら良いのかいまだよくわかっていない。

これをあきらかにするべく動物実験をこころみたそうな。

2020年3月1日

Neurology誌:ベジタリアンの脳梗塞 脳出血リスク


Vegetarian diet and incidence of total, ischemic, and hemorrhagic stroke in 2 cohorts in Taiwan
2020  2月  台湾

ベジタリアン食を実践すると血圧や血糖 コレステロールが低下して心血管疾患での死亡が減るという。

しかしベジタリアン食ではビタミンB12が不足しがちであり、これが原因でホモシステインが上昇し、脳卒中リスクを高めるという考え方がある。

さらに動物性たんぱく質には脳出血を予防する効果も期待されている。

そこでベジタリアン食と脳卒中との関係を台湾の2つの研究データからくわしくしらべてみたそうな。

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