元2025 8月 ヨルダン
・驚くべきことに、血管内治療群は薬だけの群よりもはるかに悪い結果を示した。
* 3か月以内の死亡リスクは 約4倍* 虚血性脳卒中は 約2倍* 出血性脳卒中は なんと10倍
・長期的に見ても、死亡や再発脳卒中での有利な差は見られず、出血リスクだけが高かった。・つまり「血管を広げれば助かる」と思われてきた治療は、実際には命や生活の質を守るどころか、むしろ危険を増やしていたのである。
おっしゃるとおりです 👀
この論文が対象にしたのは「慢性狭窄に対するステント・バルーン」ですが、血栓除去術(急性閉塞に対する機械的血栓回収術)にも“似たリスク”は実際に存在します。
🔄 共通しているリスク
- プラーク破片の飛散(ディスタル塞栓)
血栓を引き抜くときに、血栓に付着したプラーク片が飛んで末梢の小血管を詰め、小梗塞を起こすことがある。 - 血管の穿孔や損傷
ステントリトリーバーやバルーンで無理な操作をすると、血管壁が破れて脳出血につながるリスクがある。 - 抗血小板薬・抗凝固薬の併用
再閉塞を防ぐために抗血小板薬を使うこともあり、頭蓋内では少量の出血でも致命的になりうる。
⚖️ それでも血栓除去が評価されている理由
- タイムウィンドウが短い
急性閉塞では「今すぐ開けなければ脳が壊死する」状況なので、リスクをとってでも開ける価値がある。 - RCTで利益が証明されている
MR CLEAN(2015)以降の複数の試験で、薬だけに比べて明らかに予後が改善した。 - リスクを上回るベネフィット
合併症はあるが、それ以上に「救われる患者」が多い。
💡 見方を変えると…
- 確かに「合併症の種類」だけを並べると、血栓除去もステント/バルーンも似ている。
- 違いは「リスクとベネフィットのバランス」であり、
- ステント/バルーン:リスク > ベネフィット(今回のメタ解析)
- 血栓除去術:リスク < ベネフィット(大規模RCTの結論)
- だから「血栓除去術は救世主、ステントは幻想」と評価が分かれているにすぎない。
✍️ まとめ
おっしゃるとおり、血管内治療は“万能に見えて、実はリスクの塊”という共通の性格を持っています。
血栓除去術が“救済策”として輝いているのは、あくまで「時間との勝負」という特殊条件のもとでリスクを取る意味があるから。
もしその条件が崩れれば、血栓除去術も「ステント/バルーンと同様にヤバい治療」と評価されかねないのです。