~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2025年12月26日

脳卒中後の肩の痛みはなぜ防げないのか

2025  10月  ベルギー


脳卒中のあと、肩や腕に痛みが出る人は少なくない。発症から半年で、10人に2〜4人が何らかの上肢の痛みを経験するとされている。

この痛みは、
・リハビリが進まなくなる
・日常生活がつらくなる
・長く続いて慢性化しやすい
といった問題につながる。

そのため現場では、「痛くなってから対処する」よりも最初から痛みを起こさないようにする、という考え方が広く採用されてきた。

実際には、スリング、テーピング、運動、ポジショニング、電気刺激、指導など、
さまざまな予防的対応が行われている。

しかし、それらが本当に痛みを防げているのかを、まとめて検証した研究はほとんどなかったので、整理して確認してみたそうな。



この研究は、これまでに発表された論文を集めて評価する
システマティックレビューとメタアナリシスである。

対象は、脳卒中を起こした成人で、介入開始時点では上肢の痛みがない人である。
世界中の医学データベースから関連論文を検索し、条件を満たす研究のみを抽出した。

対象となったのは29研究、合計1436人であった。
予防方法は次の7つに分類された。
1. スリングなどの装具
2. テーピング
3. 運動
4. ポジショニング
5. 電気刺激
6. 筋肉内への薬剤注射
7. 患者や介助者への教育
このうち、研究数が比較的多かった装具、テーピング、運動については、まとめて統計解析が行われた。



次のことが分かった。

・装具、テーピング、運動については、通常のケアと比べて、はっきりと痛みを防げるとは言えなかった。

・一部の研究では効果がありそうに見える結果もあったが、全体をまとめて評価すると、確実に効果があるとは判断できなかった。

・また、研究の質や規模にばらつきが大きく、エビデンスの信頼度は非常に低いと評価された。

・ポジショニング、電気刺激、教育については、研究数が少なく、結果も一定しておらず、効果があるかどうかは分からないとされた。

・一方で、ボツリヌス毒素注射やカルシトニン注射といった筋肉内注射については、痛みや肩手症候群を減らしたという報告があり、可能性は示されたものの、結論を出すには研究数が不足しているとされた。


結論は明確であり、現時点では、脳卒中後の上肢の痛みを確実に防げる一次予防法は確立されていない。
現場で当然のように行われている多くの予防的対応は、やってはいけないとまでは言えないが、これをやれば防げると断言できるだけの科学的根拠はない、


というおはなし。

肩の痛みは防げるの?



感想:

『わたしも脳内出血後まもなく左肩が痛くなり、左向きに眠ることができない状態が1年以上つづきました。とくに筋肉や関節を傷めたわけでもないのにどうして痛くなってしかも長引くんですか?有力な説をおしえて。』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓



状況を3段階で整理すると見通しが立つ。

1) 脳卒中後の肩の痛みは、1つの原因ではなく、いくつかの痛みが混ざって起きやすい(多因子)。
2) 発症直後は「動かせない・支えられない」こと自体が肩に負荷をかけ、数か月かけて痛みが増えやすい。
3) いったん痛みが定着すると慢性化しやすく、長引くことがある。

この前提のうえで、「筋肉や関節を明確に傷めた覚えがないのに痛い・しかも長引く」ことを説明しやすい有力な説を挙げる。

有力な説 1:肩関節がわずかにズレて、周辺組織がじわじわ傷む(亜脱臼+微小損傷)

脳卒中直後は麻痺側が弛緩し、肩が支えを失いやすい。ここで起きるのは、派手なケガではなく「少しずつの引き伸ばし・挟み込み」である。

  • ベッド上や移乗、着替えで腕が引っ張られる(本人は自覚しにくい)
  • 肩の位置が微妙に崩れ、腱板や関節包にストレスがかかる
  • それが炎症と痛みを呼び、寝返りや側臥位で悪化する

ポイントは、画像で「断裂」などが見えなくても、痛みは十分に成立する点である(微小損傷、炎症、滑走不全などは写りにくい)。

有力な説 2:動かさないことで肩が固まり、動かすたび痛む(凍結肩・拘縮)

痛い側を無意識にかばう、麻痺で使えない、介助者も怖くて動かさない。こうして肩関節が固まりやすい。

  • 初期は違和感程度
  • 数か月で可動域が減り、動かすと強く痛む
  • 夜間痛や、横向きで寝たときの痛みが出やすい

凍結肩は「明確に傷めた覚えがないのに長引く痛み」の代表格である。

有力な説 3:痙縮や筋緊張の変化で、肩の力学バランスが崩れる(筋由来の痛み)

時間が経つと弛緩一辺倒ではなく、筋緊張が高まりやすい。すると肩甲骨と上腕骨の動きが噛み合わず、関節や腱に負担が乗る。

このタイプは「動かしたとき痛い」「特定の角度が刺さる」が多い。

有力な説 4:脳の痛み処理が変わり、肩が過敏になる(中枢性疼痛、または痛みの感作)

脳卒中は、痛みの信号をさばく回路そのものを変える。すると、末梢の刺激が小さくても痛みとして強く感じたり、痛みが長く残ったりする。

ここで重要なのは、中枢性疼痛と診断が付くほど典型的でなくても、「痛みが長引く体質」自体が脳卒中後に形成され得る点である。つまり、肩の軽い機械的問題が引き金になっても、脳側の過敏化が維持装置になる。

見分けのヒント(傾向)
・触れただけで痛い、焼ける、ビリビリする、感覚の左右差が強い
・動かさなくても痛い時間が多い
こういう要素が多いほど、この説が強くなる。

有力な説 5:肩手症候群(CRPS)の軽い形が混ざる

CRPSは腫れ、皮膚温、発汗、色調変化などを伴うことがある。典型像なら分かりやすいが、軽い形だと「とにかく痛い、長い」で終わってしまうこともある。

なぜ1年以上も続くのか

上の説は単独ではなく、よく「連鎖」になる。

  • 発症直後:弛緩+支え不足+取り扱いで微小損傷(説1)
  • 数か月:痛みで動かさず拘縮(説2)+筋緊張の偏り(説3)
  • 途中から:脳側の感作で痛みが残りやすくなる(説4)
  • 一部に:CRPS要素が乗る(説5)

こうして「原因が移り変わっているのに、本人の体験としては同じ肩がずっと痛い」状態が成立する。結果として慢性化しやすい。

あなたの描写から推測しやすい当たり

「左向きに眠れない」が強い手がかりで、少なくとも機械的要素(説1や説2や説3)が混ざっていた可能性は高い。側臥位は肩を圧迫し、関節包や腱板に負荷がかかりやすいからである。そこに感作が乗ると、圧迫刺激が過大に痛みとして出る。




ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *