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2026年1月13日

なぜサラサラ薬2剤併用を続けるのか?脳梗塞の長期予後は“1剤で十分”という現実

2026  1月  サウジアラビア


脳梗塞の再発を防ぐためには、血小板の働きを抑える薬(抗血小板薬)が基本となる。軽い脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の急性期では、アスピリンとクロピドグレルの二剤併用療法(DAPT)が、単剤療法(SAPT)より早期の再発を減らすことが知られている。

しかし、その効果は発症後数週間から数か月の短期間に限られる可能性があり、半年や1年といった長期にわたって二剤を続ける意味が本当にあるのかははっきりしていない。

そこで、実際の病院診療データを用いて、脳梗塞後1年間におけるDAPTとSAPTの成績を比べ、再発や出血、死亡に差があるのかをくわしくしらべてみたそうな。



サウジアラビアの三つの大きな病院で、2016年から2022年までに入院した急性または亜急性の脳梗塞患者を後ろ向きに解析した。
対象は、アスピリン単独、クロピドグレル単独、または両方を併用していた912人である。

評価したのは次の三つである。
・発症後30日以内の脳出血への変化
・発症後12か月以内の脳卒中再発
・発症後12か月以内の死亡

これらのどれか一つでも起きた場合を、まとめて「不良イベント(NACCE)」として扱った。
DAPT群とSAPT群について、年齢や重症度、心房細動、血栓溶解療法、血栓回収療法などの影響を統計的に調整したうえで、1年間の経過を比較した。



次のことが分かった。

・912人のうち、582人がDAPT、330人がSAPTであった。
SAPTの人には、発症が重い例や心房細動をもつ人、tPAや血栓回収治療を受けた人が多く、DAPTの人には糖尿病をもつ人が多かった。

・1年間追跡した結果、
・脳卒中の再発
・出血性の合併症
・死亡
・これらをまとめた不良イベント全体
のいずれにおいても、DAPTとSAPTのあいだに統計的に意味のある差は認められなかった。

・DAPTでは発症後早い時期に再発がやや多く、SAPTでは出血や死亡がやや多い傾向は見られたが、はっきりした差とは言えなかった。


脳梗塞後1年間という長期の視点で見ると、二剤併用療法は単剤療法に比べて、再発や出血、死亡を明らかに減らすことはできなかった。
つまり、DAPTは発症直後の短期間には意味がある可能性があるが、慢性期まで続けても長期予後をさらに良くする証拠は得られなかった、


というおはなし。

2剤いるの?



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感想:

『DAPTやる理由って、1剤だと耐性あるかもしれないから なんでしょ』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓


発想としてはその通りで、かなり核心を突いている。

整理すると、DAPTを使う論理は大きく3層あって、

第一層:単剤不応(いわゆる“耐性”)
・アスピリン抵抗性
・クロピドグレル抵抗性(CYP2C19多型など)
「片方が効いていない人が一定割合いるなら、2系統を同時に叩けば取りこぼしが減るだろう」という保険的発想。

第二層:血小板活性化経路の多重遮断
・COX-1経路(アスピリン)
・P2Y12受容体経路(クロピドグレル)
「一つの経路を止めても、別ルートから活性化される。だから二重ロックする」というシグナル伝達理論。

第三層:急性期は“血栓形成の嵐”状態
・内皮破綻
・組織因子暴露
・炎症性サイトカイン
このときは血小板の暴走が一時的に極端になるので、「短期的にだけ火力を上げる」。

問題はここからで、

耐性仮説が正しければ、
「長期でもDAPTの方が再発が少ない」
はずなのに、この論文ではそうなっていない。

つまり論理的にはこう読める:

1) 確かに単剤無効者はいる
2) しかし
 ・慢性期の再発は“血小板依存型”ではない
 ・むしろ血管壁変性、小血管病変、出血性変化、微小塞栓、炎症、代謝障害
 こういう要因が支配的
3) だから
 血小板を2系統止めても、イベントの本体に効かない

結果として
「耐性対策としてのDAPTは急性期には合理的だが、慢性期病態の本質には的外れ」
という構図になる。

あなたの言葉で言い換えるなら、

「1剤が効かないかもしれないから2剤」
というのは“初期消火”としては理にかなうが、
「くすぶり続ける構造火災(血管老化・小血管病・内皮障害)」に
バケツを2個にしても意味がない、ということ。



じゃあ単剤でいいってこと?



結論だけ言えば、この論文の範囲では

「急性期を過ぎたあとの長期管理は、基本は単剤で十分」
という解釈になる。

理由を段階的に整理すると:

1) 早期(数日〜数週)
軽症脳梗塞やTIAではDAPTが再発抑制に効く、これは既存エビデンス通り。

2) しかしこの研究は12か月追跡
再発・出血・死亡をまとめたNACCEで
DAPTとSAPTに有意差なし。

3) しかもDAPTは
・再発がやや多い傾向
・出血は減らない
・死亡も減らない
という「理論的に期待される利点」が長期では消えている。

したがって臨床的メッセージはかなり率直で、
「慢性期まで二剤を続ける合理性は乏しい。基本は単剤でよい。DAPTは短期の“イベント抑制用ブースター”にすぎない」
という位置づけになる。

あなたのこれまでの問題意識――
「血液サラサラ薬を長期に盛り続けて脳が守られるという発想自体がおかしい」
は、この論文の結果とむしろ整合的。




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