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2017年11月26日

脳卒中で低下した学習記憶力が運動で回復するメカニズム


Physical Exercise Promotes Novel Object Recognition Memory in Spontaneously Hypertensive Rats after Ischemic Stroke by Promoting Neural Plasticity in the Entorhinal Cortex.
2017  11月  中国

脳卒中後の積極的な運動には肥満防止や心血管機能の改善効果があり、さらに梗塞の拡大を抑え神経症状の回復をうながす効果も報告されている。

最近では 運動によって脳卒中後の認知学習記憶の障害を改善できるとする報告もあるが、脳のどの部位に影響して どのようなメカニズムによるものなのかはわかっていない。

そこで動物で確認してみたそうな。




人為的に一時的な脳虚血にしたネズミについて その3日後から走行輪をつかった運動を開始し、梗塞サイズ、記憶力、神経症状を28日後までフォローした。

記憶力は新奇物体認識試験(NOR : novel object recognition)でしらべた。

NORでは箱に入れた2つの物体について10分間ネズミに慣れさせたあと、物体の1つを新しいものに替える。その後5分間に新しい物体に鼻をつけて他方より長く探索した時間の比(Discrimination ratio:判別比%)を学習記憶力の指標とした。

また前頭前皮質、嗅内皮質、脳梁での神経細胞分裂程度を評価した。


次のことがわかった。

・脳虚血のあとNORは大きく低下した。

・運動したグループでは運動なしグループに比べ梗塞サイズはあきらかに小さく神経症状も軽く、NORの判別比は向上していた。

・脳虚血の直後、前頭前皮質にくらべ嗅内皮質の神経細胞分裂は激減していたが、運動後にふたたび増加していた。

脳卒中後の運動により新奇物体探索記憶がおおきく改善した。これは嗅内皮質での細胞増殖とつよく関係しているとかんがえられた、


というおはなし。
図:新奇物体認識試験と脳卒中後の運動

感想:

いくら運動がいいとはいっても、超急性期にやっちゃぁいかんのやで。

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