元2021 11月 日本
脳動脈瘤の破裂にかんしては環境要因が重要と考えられる。
環境要因の1つである腸内細菌叢との関係はあきらかになっていない。
そこで、未破裂脳動脈瘤患者(UIA)と破裂脳動脈瘤患者(RA)の腸内細菌組成を比較して、脳動脈瘤の破裂と関係の深い細菌をしらべてみたそうな。
2019-2020年 日本の多施設での研究データを使用した。
発症後間もないUIAおよびRA患者の糞便サンプルを採取した。
彼らの腸内細菌叢を16S rRNAシークエンスで組成解析した。
次のことがわかった。
・UIA33 人とRA28人が対象となった。・UIAとRA間で、年齢、性別、高血圧、脂質異常、糖尿病、肥満、喫煙などの特徴に違いはなかった。・各サンプル内での細菌組成の多様性に差はなかったが、サンプル間での多様性に有意な差が認められた。・RA群にカンピロバクター占める割合がUIA群よりもおおきかった。・UIA群とRA群は分類学的にも有意に異なる細菌組成をしめした。・とくに、病原性を示すカンピロバクター属の細菌Campylobacter UreolyticusがRA群に有意におおいことがわかった。