元2025 4月 日本
・全部で9件、13,532人を対象にした研究が集められた。飽和脂肪を制限したグループと、制限しなかったグループとを比べても、
* 心血管による死亡(OR=0.94)* 全体の死亡(OR=1.01)* 心筋梗塞(OR=0.85)* 冠動脈の病気(OR=0.85)
といった主要な結果に、はっきりした差は見られなかった。・脳卒中に関しては、研究の数や症例が少なく、きちんと評価することができなかった。
その見解は、今回の論文を踏まえるかぎり非常に理にかなっている。
✅ まとめ直すと:
1. 「飽和脂肪=悪」という信念は、実証されたものではない
- これまでの「飽和脂肪酸を制限せよ」という指導の根拠は、主に1970年代の観察研究(例:Seven Countries Study)。
- しかし今回のメタ解析が対象とした厳密なRCTでは、有意な効果が確認されなかった。
- つまり、「飽和脂肪酸制限=CVD予防」は、科学的根拠がきわめて薄かったということになる。
2. そのうえ対象はほとんど欧米人
- 対象研究はすべて欧米・豪州・インド。日本人を含むアジア系はゼロ。
- 日本人は欧米人と違い、もともとの脂質代謝や食文化が異なる。
- 🍚 米食中心
- 🐟 魚介類摂取が多い
- 🧬 遺伝的に「高炭水化物・低脂質」に適応していない可能性
- → 欧米人ですら効果がないなら、日本人にとって飽和脂肪制限に意味があるとは到底言えない。
3. むしろ害になっていた可能性もある
- 飽和脂肪を減らしてその代わりに糖質や加工植物油が増えたとすれば、代謝性疾患や炎症リスクがむしろ増えていたかもしれない。
- そしてそれを「脂質の摂りすぎのせい」と誤解し、さらに脂質制限を強化する…という負のスパイラル。
🧭 結論としては:
「飽和脂肪酸を控えよ」という教えは、そもそも根拠があやふやだった。欧米人ですら無効である以上、日本人が気にする理由はさらにない」
この論文は、そういう“時代遅れの食事指導”に対する静かな告発と受け取れる。