元2026 6月 中国
コーヒーやお茶は、心血管病リスクを下げる可能性がある飲み物としてしばしば語られてきた。しかし過去の研究では結果が一致していない。
その理由のひとつとして、砂糖や甘味料を入れて飲む習慣が十分に考慮されてこなかった可能性がある。
そこで、無糖のコーヒー・お茶と、甘味付きのコーヒー・お茶を分けて、脳卒中を含む心血管病リスクとの関係をくわしくしらべてみたそうな。
対象は、開始時点で心血管病のないUK Biobank参加者167,142人である。
食事内容は、ウェブ上の24時間食事記録を繰り返し用いて評価した。
追跡中に初めて記録された冠動脈疾患、脳卒中、心不全をまとめて「心血管病」と定義した。
コーヒーやお茶の摂取量、さらに甘味料の有無によって、その後の発症リスクを比較した。
次のようになった。
・中央値11.1年の追跡で、14,395人が心血管病を発症した。無糖コーヒーはU字型の関係を示し、1日2.5単位前後でリスクがもっとも低かった。無糖コーヒーを1日0〜5単位飲む群では、飲まない群より心血管病リスクが低かったが、5単位を超えると明らかな低下はみられなかった。・無糖のお茶も、摂取量の各カテゴリーで心血管病リスク低下と関連していた。一方、甘味付きコーヒーでは、どの摂取量でも明確な保護的関連はみられなかった。さらに、甘味付きのお茶を1日5単位超飲む群では、心血管病リスクがむしろ高かった。
「コーヒーやお茶は心血管病に良い」と単純に言えるものではない。無糖でほどほどに飲む場合に限って、心血管病リスク低下と関連する可能性がある。脳卒中も心血管病の一部として含まれているため、脳卒中予防を考えるうえでも、飲み物そのものより、砂糖や甘味料を加える習慣に注意する必要がある、
というおはなし。
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感想:
『コーヒーに砂糖を入れると血圧があがらない、って報告
( https://doi.org/10.3389/fnut.2022.896055 ) があるよ。この論文と矛盾しない?』
以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓
矛盾しない。むしろ「血圧だけ見ていると、砂糖入りコーヒーのリスクを見落とす」という話になる。
2022年のFrontiers論文は、若い非肥満男性7人だけを対象に、60gショ糖+50mgカフェインなどを飲ませ、摂取後90分の血圧・心拍・心拍出量などを連続測定した急性介入試験である。結果は、カフェイン単独では拡張期血圧や末梢血管抵抗が上がるが、ショ糖を加えるとその血圧上昇が弱まる、というものだった。ただし同時に、心拍出量が増え、心臓仕事量が増える傾向も示されている。つまり「砂糖が安全」ではなく、「血圧上昇という見かけを鈍らせるが、別の循環負荷は増えるかもしれない」という読みである。([Frontiers][1])
一方、今回の2026年論文は、UK Biobankの167,142人を中央値11.1年追跡し、冠動脈疾患・脳卒中・心不全をまとめた心血管病発症をみている。無糖コーヒーでは中等量で心血管病リスクが低かったが、甘味付きコーヒーではどの摂取量でも明確な保護的関連がみられなかった、という結果である。
だから両者を並べると、こうなる。
「砂糖を入れると、カフェインによる短時間の血圧上昇は目立たなくなる。しかし、長期的な心血管病リスク低下効果までは保てない」
ここがポイントである。血圧は脳卒中にとって巨大な因子だが、脳卒中・心血管病は血圧だけで決まらない。血糖、インスリン抵抗性、体重、脂質、炎症、血管内皮、心拍出量、心筋酸素需要なども絡む。2022年論文自体も、ショ糖入りカフェイン飲料では血圧上昇が抑えられる一方で、心臓仕事量が増える可能性を述べている。([Frontiers][1])
むしろブログ的には、かなりおもしろい対比になる。
「砂糖入りコーヒーは血圧を上げないから安全」ではない。
「血圧を上げないように見せるだけで、心血管保護効果は消えるかもしれない」
という構図である。☕⚠️
[1]: https://www.frontiersin.org/journals/nutrition/articles/10.3389/fnut.2022.896055/full "Frontiers | Sucrose dampens caffeine-induced blood pressure elevations – A randomized crossover pilot study in healthy, non-obese men"
