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2025年6月3日

CI療法、それって本当に“リハビリ”ですか?

2025  5月  中国


脳卒中のあとに手がうまく動かなくなると、日常生活に大きな支障が出てしまう。多くの人がこの後遺症に悩んでいて、リハビリの工夫が求められている。

拘束誘導運動療法(CIMT)は、元気な手をあえて使わせず、麻痺側の手をできるだけ使わせる方法だが、負担が大きく、使える人が限られていた。

そこで、もう少し柔らかくした「改良型CIMT(m-CIMT)」が注目されている。これが本当に効果があるのかを、たくさんの研究をまとめて検証してみたそうな。

2025年5月23日

下肢CI療法:歩ける人を鍛えたら、QOLが下がったwww

2025  5月  スウェーデン


脳卒中後の身体機能回復に対するリハビリとして、Constraint-Induced Movement Therapy(制約誘導運動療法、以下CIMT)は上半身(腕や手)に対して効果があるとされており、それを足に応用した下肢版(LE-CIMT)も注目されている。

LE-CIMTは、ある程度しっかり歩ける軽めの後遺症がある人を対象にして、集中トレーニングによって歩く力をさらに伸ばすことを目指す方法である。しかし、それが実際に日々の生活の満足度(健康関連QOL:HRQoL)にどう影響しているのかは、まだはっきりしていない。そこで、LE-CIMTを受けた人のQOLが一般の人と比べてどう違うのか、またどんな要因と関係があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2022年11月23日

脳卒中運動機能リハビリテーション 2004年からの傾向

2022  11月  中国


脳卒中後の運動機能障害は後遺症の50-70%を占める。

運動機能のリハビリテーションは生活の質の向上と機能回復のための重要な手段である。

そこで 2004年から2022年までの運動機能リハビリテーション論文の傾向と新分野をあきらかにするべく書誌解析をこころみたそうな。

2022年10月22日

健常側を筋力トレーニングする理由

2022  10月  中国


脳卒中患者では非麻痺側にも筋力の低下が生じているという報告がすくなくない。

また、非麻痺側のトレーニングが麻痺側に「転移」する現象クロスエデュケーションも報告されている。

そこで非麻痺側の筋力トレーニングが運動機能におよぼす影響をくわしくしらべてみたそうな。

2021年12月23日

「握り」動作で損傷脳を活性化させる方法

2021  12月  カナダ


神経学的に、左右の脳半球は脳梁を介して互いの働きを抑制しあってバランスしていると考えられている。

脳卒中によりいっぽうの脳半球がダメージを負うとこのバランスが崩れる。

このとき、たとえば非麻痺手の運動を促すと対側脳半球の活動が高まり損傷脳半球への抑制がさらに強まる。その結果、損傷脳半球の可塑性の機会が抑えられてしまうため非麻痺手の運動は禁忌であるとする考え方がある。

そのいっぽうで、非麻痺手の運動が両側の脳半球の活動を高めるとする「クロスエデュケーション」の考え方もある。

そこで、脳卒中患者の非麻痺手で高強度の握り運動をおこなったときの脳活動をMRIで観察してみたそうな。

2021年10月28日

コクラン:脳卒中リハビリに時間をかける効果

2021  10月  イギリス


脳卒中は身体障害の主な原因であり、多額の経済コストを生じ生活の質の低下をもたらす。

リハビリテーションが機能回復を促して、生活や社会参加を改善することで障害の影響を小さくできると考えられている。

リハビリが転帰に影響する因子には、費やした時間、頻度、期間、などがある。

これらについておおくの研究があるものの、一致した見解は得られていない。

そこで、リハビリの時間、頻度、期間について、いままでの研究のレビューをこころみたそうな。

2021年4月20日

Neurology誌:上肢リハビリには認知機能が影響する

2021  4月  アメリカ


脳卒中からの運動能力の回復には認知機能がおおきく影響する可能性がある。

これを確かめるために、認知的要求度のことなる2つの運動課題をおこない、
それらパフォーマンスと認知障害や脳の損傷部位との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2020年6月3日

上肢訓練プライミングのメタアナリシス

2020  5月  ブラジル


ニューロリハビリテーションにおいて繰り返し運動訓練の効果を高めるために、その直前になんらかの刺激を与えることを良しとする「プライミング(予備的、準備的)」という考え方がある。

プライミング刺激としておもに次の5種、
1)脳刺激(rTMSやtDCS)、2)運動イメージや動作観察、3)感覚刺激(末梢感覚など)、4)運動準備(両手対称運動など)、5)薬理刺激、の分類がある。

これらの慢性期脳卒中の上肢麻痺への効果についてメタアナリシスをこころみたそうな。

2020年2月21日

「リマインド・トゥ・ムーブ」が上肢の運動野を活性化


"Remind-to-Move" Treatment Enhanced Activation of the Primary Motor Cortex in Patients with Stroke
2020  2月  香港

脳卒中経験者の70%には半身になんらかの麻痺が残る。その結果、たとえば健常なほうの手ばかりを使って麻痺側の手の使用頻度が低下する。これを「学習された不使用」とよぶ。

この対策としてCI療法があるが、CI療法ではすでに手を開いたり閉じたりできるハイパフォーマンスな患者しか対象とならない。さらに1日6時間以上 健常手を束縛する厳しさから完遂できる患者がきわめて限られる。

CI療法の代わりとしての "Remind-to-Move" (リマインド・トゥ・ムーブ:RTM)の報告がいくつかある。RTMでは麻痺手に着けたデバイスが視覚メッセージとバイブレーションで手を使うことを思い起こさせてくれる。

RTMでは健常手を抑制する必要がないもののCI療法と同レベルの効果が得られているという報告もある。

さらに振動刺激が体性感覚野を活性化する効果、運動準備のための注意をうながし背外側前頭前野の活動を高める効果も期待される。

そこで、RTMによる脳皮質の活動を脳卒中患者と健常者で比べてみたそうな。

2017年8月2日

リハビリにクロスエデュケーションを使うべき理由


Clinician perspectives on cross-education in stroke rehabilitation.
2017  7月  カナダ

脳卒中患者のおおくが上肢に麻痺をのこして生活の質の低下に悩んでいる。

これにたいして CI療法や電気刺激、メンタルイメージ、バーチャルリアリティー、ミラーセラピー、ロボティクスなどの治療法が提唱されてはいるが、どれも制限がおおく適応になる者はわずかである。

たとえば CI療法では手首が20度 指が10度以上開くことのできる患者以外は相手にされない。

さいきん、片方の手で訓練した成果がもういっぽうの手に移る「クロスエデュケーション」が重度の上肢麻痺患者にも耐えうる治療法として注目されている。いくつかの研究では健常者よりも脳卒中患者でよりおおきなクロスエデュケーション効果を得られることもわかってきた。

そこでクロスエデュケーションをリハビリ現場にもちこむにあたって何が問題になりそうかをセラピストたちに議論させてみたそうな。


救急病院やリハビリ病院から経験年数0-30年の作業療法士23人、理学療法士2人をあつめて、

*従来の上肢麻痺患者のリハビリ訓練法
*クロスエデュケーションの理解
*クロスエデュケーションの可能性と問題点
について議論させ、その内容を定性的に分析した。


次のようになった。

・全体をとおして浮かび上がったテーマは「受け入れがたいけど有望」である。

・これには3つの段階があって、
(1)従来のリハビリは麻痺手を強制使用させる考え方にもとづいている。
(2)麻痺が重度で強制しようのない患者には従来法は無力である。
(3)クロスエデュケーションは従来法に簡単に追加できる。
・健常な手を訓練するクロスエデュケーションについて患者や家族、医療関係者に理解を得るための資料が必要と考えられた。

麻痺手のために健常手を訓練するクロスエデュケーションは重症麻痺の患者に適している。従来法を置き換えるものではなく補助的な治療法である。一見して従来法とは矛盾した考え方がもとになっているため関係者の理解を促す資料が必要だろう、


というおはなし。

図:クロスエデュケーションをリハビリで使うには

感想:

クロスエデュケーション研究には120年の歴史がある。その効果はたぶん本物なんだろう。

ならば、健常な手に袋をかぶせて2週間使えない状態にするCI療法はクロスエデュケーション的には最凶最悪の治療法といえるだろう。共存はむりだな。

[クロスエデュケーション OR 両側性転移]の関連記事

2016年12月9日

課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない


Does Task-Specific Training Improve Upper Limb Performance in Daily Life Poststroke?
2016  12月  アメリカ

脳卒中患者の上肢機能がリハビリ訓練により 気のせいではなくほんとうに改善するのなら 日常生活にも必ず反映されるはずである。

そこのところをきっちりと実験してみたそうな。


発症後6ヶ月以上経ち中等度の上肢麻痺の脳卒中外来患者78人について、
課題指向型訓練のセッションあたりの反復回数ごとにつぎの4つのグループに分けた。

*個人の最大回数
*100回
*200回
*300回

訓練は1セッション1時間x週4回x8週間 計32時間とした。これは課題指向型訓練の代表例であるCI療法の時間と等しい。

訓練期間中、週に1度 両腕に加速度計を6つ装着し連続26時間の活動記録を取った。

各グループと加速度計の記録との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・加速度計記録の上肢パフォーマンスに 有意な変化はまったく確認できなかった。

・上肢の機能評価ARATスコアの改善は加速度計の記録に反映しなかった。

・もとの上肢能力や訓練量によらずなんの変化もなかった。

8週間の課題指向型訓練では訓練量にかかわらず 日常生活での上肢パフォーマンスはまったく改善しなかった。病院に通い懸命に訓練して「良くなったよ」と言われても、家に帰ると実はなにも変わっていなかった、、、


というおはなし。
図:課題指向型訓練の効果

感想:

エビデンスがそろってきた。これらは↓ぜんぶ今年の報告。
(11月)コクランレビュー:反復課題訓練 エビデンスない

(7月)訓練繰り返すほど良くなると思ってたら そうでもなかった

(2月)JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

「特定の課題を集中的に繰り返し訓練することで麻痺は改善する」
この考え方って 裏を返せば

「いつまで経っても良くならないのはあなたの努力不足のせいです」 って言ってるのと同じだよね。
(●`ε´●)

2016年11月21日

コクランレビュー:反復課題訓練 エビデンスない


Repetitive task training for improving functional ability after stroke.
2016  11月  イギリス

特定課題の反復訓練は脳卒中リハビリの基本と信じられており、CI療法やロボット訓練、トレッドミル訓練の根拠にもなっている。

はたして反復課題訓練にリハビリ効果があるものか 今更ながらに検証してみたそうな。


現在までの関連する信頼性の高い研究を厳選し、データを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・被験者1853人を含む33の臨床研究がみつかった。

・通常の理学療法やプラセボにくらべて 反復課題訓練での上下肢の運動機能の改善度は小さかった。

・その効果はせいぜい6ヶ月程度しか持続しなかった。

・転倒などの有害事象はなさそうだった。

反復課題訓練のエビデンスは上下肢ともに低レベルかつ効果限定的であり とても薦められるものではない、


というおはなし。

図:反復課題訓練のQOL効果

感想:

そんなことより もうかれこれ7年間この種の情報を調べているけど、理学療法が具体的に何を指すのかいまださっぱりわからない。

 JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

2016年9月20日

やはり 両手訓練 >>片手訓練 だった


The effects of bilateral movement training on upper limb function in chronic stroke patients.
2016  9月  韓国

脳卒中の上肢訓練を片手のみで行うと同側の脳半球の活動が抑制されてしまう。しかし両手訓練であればこの抑制が外れ さらに上肢間カップリング効果による回復も期待できる。

このあたりを検証してみたそうな。


慢性期脳卒中で片麻痺の患者25人を両手訓練グループと片手訓練グループに分けた。

リング掛け、雑巾がけ、水飲み課題の訓練を6週間継続し、成果をボックス&ブロックテストで、肩ひじ動作の大きさとゆらぎを3Dモーション解析したところ、


次のようになった。

・両グループでボックス&ブロックテストの結果に差はなかった。

・肩関節運動の大きさは両手訓練グループのほうが明らかに改善していた。

・肘関節でのグループ間の差はなかった。

慢性期脳卒中患者の上肢訓練は片手ではなく両手で行うべきである、


というおはなし。
図:両手訓練と片手訓練


感想:

麻痺側の手足を動かすときは 「もし麻痺がなかったらどんな感じだろう…?」という視点で いつも健常側を意識している。

だから麻痺側のみの強制訓練なんて想像つかないんだ。

2016年2月28日

Wii vs CI療法 上肢と心肺機能を鍛えられるのはどっち?


Cardiovascular fitness is improved post-stroke with upper-limb Wii-based Movement Therapy but not dose-matched constraint therapy.
2016  2月  オーストラリア

脳卒中をやると心肺持久力が健常者の半分になると言われている一方、この問題は見過ごされることが多い。

そこで、上肢リハビリ法の種類によって心臓血管反応が異なるものか調べてみたそうな。


脳卒中患者46人を次のグループに分け、

*Wiiを使った上肢リハビリ
*CI療法

訓練中の心拍数、歩数および 訓練終了後の上肢機能、6分間歩行テストの結果を比較したところ、


次のことがわかった。

・両グループともに上肢機能が改善した。

・最高心拍数はWiiグループで33%増加し、心拍回復速度は40%速くなった。

・CI療法グループでは最高心拍数が高く心拍回復速度も速かったが、向上はなかった。

・訓練中の歩数はWiiテニス時で88%、Wiiボクシング時では21%増加したが、

・CI療法ではほとんど動いていない状態のままだった。

・6分間歩行距離はWiiグループで8%、CI療法グループで4%延びた。

・Wiiを使った上肢リハビリは心肺機能に明らかな改善があった。

・一方 CI療法は心臓血管系に対し強いストレスになっていただけだった。


Wiiリハビリなら上肢と心肺機能を同時に改善することができる、


というおはなし。

写真:Wiiリハビリ

感想:

CI療法は新たな治療法の引き立て役としての不動の地位を確立した感。

これ↓思い出した。
Wiiリハビリの効果をCI療法と比較してみた

2016年2月10日

JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない


Effect of a Task-Oriented Rehabilitation Program on Upper Extremity Recovery Following Motor StrokeThe ICARE Randomized Clinical Trial
2016  2月  アメリカ

これまで高用量の課題指向型訓練は 脳卒中患者の上肢機能の回復に有効であると信じられてきた。

ほんとうのところをきっちりと調べてみたそうな。


米国7ヶ所の病院から 脳卒中で中等度の上肢機能麻痺の外来患者361人を募り 次の3つのグループに分けた。

A) 課題指向型訓練
B) Aと同用量の作業療法(30時間/10週間)
C) 通常用量(Bの時間半分)の作業療法

12ヶ月間フォローし 上肢機能を評価 比較したところ、


次のことがわかった。

・どう評価しても 3グループ間で上肢機能の改善度に有意な差は見られなかった。

中等度の上肢麻痺患者への課題指向型訓練は、その半分の時間の従来型作業療法と成果が同レベルだった。
脳卒中患者への課題指向型訓練はまったく効果的とはいえない、


というおはなし。

図:課題指向型トレーニング

図:課題指向型訓練


感想:

コントロールとして「病院に来て雑談するだけ」というグループも設けて欲しかったな。

さらに驚くべき結論になる予感、、

追記:
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

コクランレビュー:反復課題訓練 エビデンスない

訓練繰り返すほど良くなると思ってたら そうでもなかった

2015年10月18日

結局、CI療法ってどうなの?


Constraint-induced movement therapy for upper extremities in people with stroke.
2015  10月  イタリア

脳卒中後の上肢リハビリとしてのCI療法の効果をこれまでの研究から総括してみたそうな。(コクランレビュー)


関連する過去の研究を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者1453人を含む42件の研究が見つかった。

・各研究の被験者数は29人前後と少なく、どれもデータの偏りを除けなかった。

・11の研究では痙縮や疼痛などの障害がやや改善したが従来型リハビリに比べ有意な差ではなかった。

・28の研究でCI療法直後に 上肢の運動機能が有意にやや改善した。

・3つの研究では数カ月後までフォローしていたが、優れた効果はまったく観察されなかった。


CI療法直後に上肢に認められたわずかな運動機能の改善は、患者が実感できるようなものではなかった。長期的な効果を示す情報もほとんどなかった、


というおはなし。

写真:CI療法

感想:

CI療法は 指の曲げ伸ばしができる麻痺が極めて軽い患者「のみ」を対象にすることで 論文を量産して有名になった。

だから 重い麻痺の手が動くようになるとは まったく期待し難い。

唯一優れているのは、従来型リハビリがいったいなにを指すのか部外者には判りにくいなかで CI療法はその訓練内容が容易にイメージできる点にある。そこで ビデオゲームなど他のリハビリ法との比較対照にCI療法が採用されることがしばしばあり、とても理解がしやすくなる。
Wiiリハビリの効果をCI療法と比較してみた

課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

2015年9月6日

Wiiリハビリの効果をCI療法と比較してみた


The efficacy of Wii-based Movement Therapy for upper limb rehabilitation in the chronic poststroke period: a randomized controlled trial.
2015  9月  オーストラリア

WiiリハビリとCI療法の効果を比較してみたそうな。


発症から2-46ヶ月の脳卒中患者41人を次の2グループに分けた。

*Wiiリハビリ
*CI療法

14日間の治療の効果を比較したところ、


次のことがわかった。

・両グループともにいずれの時点でも有意な差はなく、上肢機能は改善し、その効果は6ヶ月後も持続した。

・Wolf Motor Function Testの課題遂行時間は、Wiiリハで2.1→1.7秒、CI療法で2.6→2.3秒に短縮した。

・上肢使用頻度の動作の質は、Wiiリハで67.7→102.4、CI療法で64.1→93.0に改善した。

・患者の好み、支持、持続性は、CI療法よりもWiiリハビリが高かった。


Wiiを使った上肢リハビリの効果はCI療法に匹敵し、患者の受け入れ度はCI療法よりも高かった、


というおはなし。
図:WiiとCI療法の比較


感想:

コストも考えたらWiiの圧勝だな。

2015年3月2日

Stroke誌:上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法


Cochrane Overview
Interventions for Improving Upper Limb Function After Stroke

2015  3月  イギリス

脳卒中の上肢リハビリ方法各種の実力を調べてみたそうな。


質の高い研究を集めたレビュー論文を 複数の審査者でさらに厳選して、各種上肢リハビリ法の効果を吟味した結果、


次のことがわかった。

・503件の研究、18078人の被験者を含む40本のレビュー論文が見つかった。

・tDCSの日常生活動作への効果はまったくなかった。

・やや効果がありそうなリハビリ法として、運動イメージ訓練、CI療法、ミラーセラピー、ビデオゲームが挙げられる。


多くの論文が存在するものの 信頼できる研究成果はなく、いずれの方法も実用に耐え得る効果があるとは未だ言い切れない、


というおはなし。
上肢リハの実力

感想:

わたしの中ではtDCSとCI療法は完全に同一レベルに位置しているのだが、、

2014年11月18日

脳卒中の早期にCI療法をやって半年後、、


Efficacy of Constraint-Induced Movement Therapy in Early Stroke Rehabilitation: A Randomized Controlled Multisite Trial.
2014  11月  ノルウェー

脳卒中早期のCI療法には実績が多くない。

発症後4週間以内でのCI療法の効果を調べてみたそうな。


47人の脳卒中患者をCI療法グループおよび通常リハグループに分けた。

日中のほとんどを非麻痺手にミットをはめて過ごし、平日3時間、2週間のCI療法を行った。

6ヶ月後まで効果をフォローしたところ、


次のようになった。

・治療直後はCI療法グループで著しい手の機能改善が見られた。

・しかし6ヶ月時点では、手の障害の程度、機能、使用頻度いずれも両グループで差がまったくなくなっていた。


CI療法はその直後には効果を示したが、6ヶ月後には効果を確認できなかった、


というおはなし。

CI療法


感想:

おそらくこういうこと↓だと思う。

・CI療法は早期に適用してすら効果が持続しない。  または

・手指の伸展が可能な非常に軽度の麻痺患者のみがCI療法の対象になるので、患者の多くは6ヶ月後には勝手に治ってしまっていた。

2014年4月11日

下肢のCI療法を試してみた


Modified constraint-induced therapy for the lower extremity in elderly persons with chronic stroke: single-subject experimental design study.
2014  4月  スウェーデン

上肢のCI療法はよく研究されているけれど、下肢のCI療法の研究はほとんどない。

そこで 実験してみたそうな。


高齢の慢性期脳卒中患者3人(男2女1)について、下肢のCI療法を1回2時間x週5日x4週間行いその効果測定を3ヶ月間フォローした。

下肢CI療法は、健側の脚全体を装具で固めて使えないようにし、麻痺脚のみを集中的に訓練した。


次のようになった。

・複数の評価項目の半分以上で著しい改善を示した。

・それらの効果が3ヶ月後も持続していた。


下肢のCI療法はバランス、歩行機能の改善に効果的かも知れない、



というおはなし。

図:下肢のCI療法


感想:

上肢CI療法の優れたところは、明らかに良くなりそうな患者のみを選別し、そうでない患者をぜったいに治療対象としないための基準を明確にした点にあると考える。

下肢の場合はいったいどのような表現で選別しているのか関心を持った。
読むと「補助なしで10メートル以上歩けること」が条件だった。

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