元2021 11月 オーストラリア
くも膜下出血の転帰にかんする大規模な集団ベース研究は他の脳卒中にくらべてすくないので、くわしくしらべてみたそうな。
INternational STRroke oUtComes sTudy (INSTRUCT)から10件の研究と、参加者657人を含むあらたな3件の研究の計13件の集団ベース研究を対象とした。
致命率と転帰不良(mRS3-5)率を評価した。
次のことがわかった。
・致命率は1ヶ月33%、1年43%、5年47%だった。・転帰不良率は1ヶ月27%、1年15%だった。・1ヶ月後の死亡リスク因子は年齢とくも膜下出血重症度で、・1年後のそれは年齢、現在喫煙、重症度、・5年後では重症度のみだった。・転帰不良のリスク因子は、1ヶ月後は年齢と重症度、1年後は重症度のみだった。
くも膜下出血の1ヶ月致命率は33%だった。喫煙習慣を改める必要があるかも、
というおはなし。
感想:
くも膜下出血は、片腕がしびれたり言葉がもつれたりせず、おもに頭痛しか症状がないため患者のほとんどは病院へゆかず自然に回復する。
意識を失うなど超重症な患者のみが病院に救急搬送されてくるので、見かけ上の致命率は高い。
そして入院後、生き残った患者の予後はすこぶる良い。
ちなみに、クリップやコイルによる再出血予防手術で死亡率が改善されるとする根拠となるランダム化比較試験はこの世に存在しない。
