2018年7月5日

くも膜下出血で1年後元気だった人の12年後


Prospective study: Long-term outcome at 12-15 years after aneurysmal subarachnoid hemorrhage
2018  7月  スウェーデン

くも膜下出血は脳卒中全体の5%を占め平均年齢は若く死亡率が高い。12%が即死し、30%以上がひと月内に死亡、25-50%は6ヶ月以内に死亡するという。

くも膜下出血のその後について1年以降の長期にしらべた研究はほとんどないので12年以上フォローしてみたそうな。


2000-2003に脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で手術を受けた患者158人について、その1年後と12-15年後の回復度評価Glasgow Outcome Scale(GOS) をおこなった。


次のことがわかった。

・患者は発症時平均年齢55で、女性は114人だった。

・12-15年後、生存していた103人のうち39.9%は回復良好、15.2%が中程度の障害あり、10.1%が重度障害だった。

・23.6%の患者は時間が経つにつれGOSスコアが改善した。

・55人が4年前後で死亡していた。

・患者全体として12-15年後までの死亡率は一般人の3.5倍だったが、

・1年時点で回復良好だった101人(全体の67.3%)に限定すると 生存率曲線は同性同年齢の一般人とおなじパターンを示した。

・若くかつ1年後の高GOSスコアの患者は長く回復良好状態がつづいた。

くも膜下出血の1年以上ののちも機能的回復は続いていた。1年時点で回復良好だった患者の余命は一般人のそれと同レベルだった、


というおはなし。
図:くも膜下出血の生存率曲線

感想:

上の生存率グラフをみておどろいた。1年後の回復良好者のほぼ全員が、その後10年以上にわたり一般人とまったくおなじ軌跡を描いている。

他の脳卒中で こんなはなしはきいたことがない。


おそらくこういうこと↓だとおもう。

くも膜下出血はたとえると偶発的な「事故」のようなもので、運悪くすぐに亡くなってしまう人がいるいっぽう、それ以外はおおむね元気で 「自然に」出血が止まりほぼもとの状態にもどる。

しかも再出血予防手術にはほとんど意味がないっぽいんだ。
その理由↓

1) 再出血予防のクリッピング手術のRCTは存在しない。(by ガイドライン

2) 入院が遅れるほど死亡率は劇的に下がる。

3) もっとも再出血しやすい24時間以内の手術にまったく効果がない。

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