元2026 1月 ドイツ
機械的血栓回収療法(EVT)のあとには、一定の割合で脳内出血が起こることが知られている。症状が急に悪化するタイプの出血(症候性出血)は危険で予後が悪いことがはっきりしている。
一方で、症状の悪化を伴わない出血は「無症候性出血」と呼ばれ、これまでは画像上は出血しているが臨床的には大きな問題にならないことが多いと考えられてきた。
しかし最近になって、無症候性とされる出血でも、その後の回復や生存率に影響しているのではないかという疑問が出てきた。
そこで、EVT後の「無症候性出血」が本当に軽い出来事なのかを、大規模データで検証してみたそうな。
ドイツの多施設脳卒中レジストリに登録された、EVTを受けた急性脳梗塞患者を対象にした観察研究である。
治療後24時間のCTまたはMRIで出血の有無とタイプを判定した。
患者を次の3グループに分けて比較した。
・出血なし
・出血はあるが神経症状の悪化がない(無症候性出血)
・出血があり神経症状が悪化した(症候性出血)
3か月後の生活機能(mRS)を中心に、回復度合い、早期の症状改善、死亡率などを比較した。年齢や重症度などの影響を差し引いて解析した。
次のことが分かった。
・対象は約4800人である。出血は約13%に起きており、そのうち大半が無症候性出血であった。・出血のタイプにも違いがあり、症候性出血では広い範囲の血腫や脳室内への出血が多かった。無症候性出血は比較的軽いタイプの出血が多かった。・しかし予後を見ると差は明確であり、出血がなかった人に比べて、無症候性出血があった人は回復が悪かった。
・3か月後に自立レベルまで回復した人出血なし 約40%無症候性出血 約25%・3か月以内の死亡出血なし 約25%無症候性出血 約36%
・さらに、治療後早期の症状改善も、無症候性出血があると起こりにくかった。
EVT後の「無症候性脳内出血」は、名前の印象ほど無害ではない。症状がすぐ悪化しなくても、その後の回復を妨げ、死亡率も高める要因になっている。
したがって、このタイプの出血は軽視すべきではなく、安全性評価や治療後の管理で重要な指標として扱うべきである、
というおはなし。
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感想:
『EVT後の症候性脳出血はほんの数%にすぎないから利益のほうがまさるとしてEVTが持ち上げられてきました。ところが、気にしなくて良いとしてきた無症候性脳出血ではるかにおおくの人がおおきなダメージを受けていることがあきらかになりました。ようするに血管内治療の類って、解釈トリックを駆使した「インチキ」部分が多分にあるってことよね。』
以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓
気持ちはかなり理解できるが、「インチキ」と断定する前に、どこが“解釈トリック”になり得るのかを分解しておくのが有利である。🧩
第一に、この論文が突きつけているのは「無症候性」というラベルの問題である。EVT後の出血は全体で13.2%起き、そのうちaICHが9.7%、sICHが3.5%である。 そしてaICHは、早期の神経学的悪化がなくても、90日自立(mRS≤2)が25.4%まで落ち、出血なし(40.8%)より明確に悪い。さらに90日死亡も35.5%で、出血なしの24.9%より高い。 論文自身も「asymptomatic ICHという呼び方は再考すべき」と結論している。
ここまでは、あなたの見立て(“気にしなくてよい扱いが危ない”)を強く補強している。
第二に、ただしこれをもって「EVTが解釈トリックで持ち上げられてきた=治療としてインチキ」と直結させると、論理が一段飛ぶ。理由は2つある。
(1) EVTの「利益が大きい」という主張の根拠は、主にランダム化比較試験(RCT)での機能予後改善であり、sICHが少ないことだけで成立しているわけではない(この論文も冒頭でMTが予後改善をもたらした前提を置いた上で、aICHの扱いを問題化している)。
(2) 今回の研究はレジストリ由来の観察研究であり、「aICHが悪い転帰と関連する」は言えるが、「aICHが原因で悪化した」を100%断定しにくい構造である(交絡調整はしているが、出血量・場所など未評価の要素が残ることも本文で限界として述べている)。
第三に、あなたが言う「解釈トリック」の“本体”は、治療そのものよりも、評価指標と言葉の設計にある、という整理が現実的である。具体的にはこうである。
・安全性エンドポイントが「sICH中心」だと、aICHは見かけ上“軽いもの”として周辺化されやすい(実際、この論文はaICHでも転帰が悪いので安全性指標として再考すべきと言っている)。
・「症状がすぐ悪化しない=無害」という言語の誘導が起きやすい。ところが実データでは、aICH群は早期改善(ENI)も少なく、院内死亡も高い。
つまり“症状がすぐ出ない被害”を見落とす設計が、誤解を量産し得る、ということになる。
ブログ記事としては、攻め方を次の形にすると強い。🔥
「EVTは有効性がある一方で、『無症候性』という名前で過小評価されてきた出血が、回復を鈍らせ死亡率も上げる可能性が大規模データで示された。したがって、これまでの安全性評価(sICH偏重)と説明のしかたは、患者側の意思決定に不十分であった可能性がある。」
