元2025 4月 シンガポール
脳卒中後の「復職(Return to Work, RTW)」は、患者の生活の質と社会的自立において重要な目標である。特に若年層(18〜50歳)の脳卒中患者は、就労年齢にあることから、復職できない場合の社会的・経済的損失が大きい。
近年、若年者の脳卒中が世界的に増加している一方で、身体機能は回復しても復職に至らないケースが多く、その背景は十分に解明されていない。そこで、脳卒中後の復職率とその関連要因をくわしくしらべてみたそうな。
元2025 4月 シンガポール
元2024 10月 ポルトガル
元2024 4月 ノルウェー
元2023 11月 韓国
元2023 9月 日本
元2023 9月 シンガポール
元2023 1月 デンマーク
元2022 10月 日本
元2022 6月 日本
元2020 8月 スウェーデン
元
Return to work after stroke- A Swedish nationwide registry-based study
2019 10月 スウェーデン
・復職率は、3ヶ月以内50%、70%が1年以内、80%は2年以内で、85%にたっするまで復職は続いた。
・復職をうながす要因として、男性、脳梗塞、大学までの教育歴、があり、
・復職の障害要因は、発症時の意識障害、年齢が高い、だった。
・1年後での「復職の意志」がある者の5年間の復職成功のオッズ比は3倍だった。
元
Return to Employment After Stroke in Young Adults
How Important Is the Speed and Energy Cost of Walking?
2019 9月 イギリス
・脳卒中経験者の歩行は健常者にくらべ著しく遅く、代謝が非効率だった。
・23%のみが復職できていた。
・数ある歩行パラメータのうち、「歩行スピード」が復職のもっとも強い予測因子で、
・ROCカーブ解析では歩行スピードが0.93m/s以上あるとあきらかに復職しやすかった。

元
Return to work after subarachnoid hemorrhage- The influence of cognitive deficits
2019 8月 オランダ
・復職できなかった者(35.2%)は「注意と実行機能」のスコアがあきらかに低かった。
・さらに、脳脊髄液ドレナージ有りと実行機能障害アンケート高値がのちの復職不可と強く関連していた。
くも膜下出血のあと 復職できない理由
元
Impact of Upper Limb Function and Employment Status on Return to Work of Blue-Collar Workers after Stroke
2019 5月 日本
・38人(53.6%)が復職し、そのうち21人は自営業者だった。
・上肢運動機能のSTEFスコアが復職と関連していて そのオッズ比は1.08だった。
・「自営業者」であることと復職との関連は著しく、オッズ比は185だった。
元
Factors, trends, and long-term outcomes for stroke patients returning to work- The South London Stroke Register
2019 3月 イギリス
・940人が脳卒中の直前まで職に就いていて、かれらのうち19%が3ヶ月後に復職していた。
・その率は、1年後では18%、5年後12%、10年後3%に低下した。
・機能的に自立していて入院が短い患者は早くに復職していた。
・若い患者は 5年後、10年後に就労しつづけていることがおおかった。
・非肉体労働者は10年後の就労可能性がたかかった。
・早くに復職した者ほど5年後、10年後の就労可能性がたかかった。
・機能的に自立状態にあった患者のうち、1年後に48%、5年後42%、10年後28%が就労していた。
・不安やうつの程度がひくくQoLの高いことが1年後の就労と関連していた。

復職後 なん年間仕事を続けられるのか 日本で
元
Work-related predictors for return to work after stroke
2019 1月 スウェーデン
・早くに復職できる要因として、専門資格を持っている、組織の従業員規模がおおきい、ことがあげられた。
・専門資格で復職が早くなるのは男性だけであって女性には影響はなかった。
・女性の復職には退院時の要介助度のみが影響していた。
元
Experiences of returning to work and maintaining work 7 to 8 years after a stroke: a qualitative interview study in Sweden
2018 7月 スウェーデン
・女性5人、男性8人で調査を完了できた。
・全員が復職への強い意志をもち、障害をもちながらも徐々に適応していった。
・障害により失った機能を嘆く気持ちと、ふたたび働ける喜びが入り混じっていた。
・復職後7-8年たったのちもほとんどが後遺症によるなんらかの制限を経験していた。
・疲労や認知機能障害により仕事を減らしたり休憩しなければならない状況がうまれ、自由時間はいつもぐったりとしていた。
・症状の悪化と再発のおそれから仕事上のストレスをできるだけ避けるようになった。
・仕事を続けるうえで上司や同僚の理解とサポートはなくてはならないものだった。
元
Employment sustainability after return to work among Japanese stroke survivors
2018 5月 日本
・仕事継続率は復職後1年時点で78.8%、5年では59.0% だった。
・復職後、平均7.0年間 仕事を続けていた。
・また 30.3%は復職後に医師の診断つきのなんらかの病気休業を経験していた。
・病気休業の原因は、脳卒中の再発が57.0%、精神障害が20.9%、骨折が10.5% だった。
・21人は復職してから自主的に退職した。退職率は1年で4.9%、5年で7.6%だった。
・年齢が50以上だと仕事が継続できなくなるリスクが2倍以上だった。