元2021 9月 中国
プッシャー症候群は脳卒中後に現れる姿勢制御障害であり、患者は座位でも立位でも麻痺側に強く傾く。
プッシャー症候群は脳卒中患者の10%に発生するとされ、日常生活動作の回復が遅れる。
これまでの研究からプッシャー症候群と半側空間無視との関連が推測されている。
左右の視空間情報の競合が空間知覚のアンバランスをもたらすとする考え方に則って、視空間情報を制限することで姿勢障害を改善できるものかためしてみたそうな。
右脳の脳卒中で重度の運動障害があり、プッシャー症候群と半側空間無視と診断された2名の患者を対象とした。
リハビリテーション中に、彼らの左目をアイパッチで塞いだ。
次のようになった。
・2人の患者は自力で立っていることもできなかったが、視覚遮断ののちすぐに立位バランスを回復し歩行能力ももどった。・1週間のリハビリテーションののち、いずれの患者もバランス能力、プッシャーの程度、日常生活動作がおおきく改善した。
右脳損傷で半側空間無視を併発したプッシャー症候群のリハビリテーション治療において、視覚遮断は運動機能をおおはばに改善できる可能性がある、
というおはなし。
感想:
上の写真、マスクに穴をあけるだけの視覚遮断。
いまふうだけど、マスクを当てる場所がわからなくなったボケ老人に間違えられる危険性がある諸刃の剣。