2019年12月31日

回復良好者ほど転倒する証拠


Post-stroke patients with moderate function have the greatest risk of falls- a National Cohort Study
2019  12月  シンガポール

脳卒中患者の14%は最初の1ヶ月間に転倒を経験するという。転倒は怪我の原因のみならず転倒恐怖心から活動を制限することにもなりうる。

これまで転倒の要因となりうる身体機能との関連をしらべた研究には大規模なものがほとんどない。

さいきんのシステマチックレビューでは16件の研究のうち半数は被験者100人未満、1000人以上は2件のみだった。

そこで、脳卒中経験者の身体機能と転倒リスクについて大規模にしらべてみたそうな。

2019年12月30日

勃起不全はCHA2DS2-VAScスコアでわかる


The association between CHA2DS2-VASc score and erectile dysfunction- a cross-sectional study
2019  12月  トルコ
勃起不全(erectile dysfunction:ED)は性交中に勃起状態を維持できないことを意味し、成人男性の18-40%に見られるという。

EDには複合的な要因がからんでいる。全身性の疾患の反映とも考えられ、脳卒中など心血管疾患との関連もおおく報告されている。

CHA2DS2-VAScスコアは心房細動による塞栓性脳卒中の予防目的でつくられた評価スキームであり、心不全(C)、高血圧(H)、年齢75以上(A)、糖尿病(D)、脳卒中歴(S)、血管疾患(Va)、年齢65-74(A)、性別(S)を表す。

これらの要素はいずれも血管内皮機能障害と関連が深い。そこで、CHA2DS2-VAScスコアがED予測に使えるものかくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月29日

血圧変動性と脳小血管病


Association Between Blood Pressure Variability and Cerebral Small-Vessel Disease- A Systematic Review and Meta-Analysis
2019  12月  オーストラリア

脳小血管病(cerebral small vessel disease:CSVD)は脳の白質病変、ラクナ病変、微小脳出血などを指し断層画像から診断される。

CSVDは脳卒中、認知症、うつ、死亡リスクと関連が深いとされ、その原因として高血圧が考えられている。

しかし高血圧治療のCSVDへの効果についてはおおくの調査があるものの、一致した結論は得られていない。

さいきん、血圧変動性(blood pressure variability:BPV)が脳の自己調節機能や低灌流状態を反映し、脳卒中と関連するという報告が増えている。

そこでCSVDとBPVとの関連について、これまでの研究のメタアナリシスからしらべてみたそうな。

2019年12月28日

脳梗塞の再発率 3年間 RMST解析


Time to recurrence after first-ever ischaemic stroke within 3 years and its risk factors in Chinese population- a prospective cohort study
2019  12月  中国

中国での脳卒中死亡率は年間10万人あたり157人で、再発率は年間11.2%と高い。

再発率を長期に予測するばあい、これまで関連要因によるハザード比が時間とともに変化しないという仮説(比例ハザード性)に基づいてきた。

今回、限られた時間範囲での平均生存期間(restricted mean survival time :RMST)の考え方を導入し、再発リスクの時間変化を考慮にいれた解析を脳梗塞後の3年間についておこなった。

再発のない期間がどれだけ失われうるか、その関連要因はなにか、についてくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月27日

嚥下障害の鍼治療 システマチックレビュー概観


An Overview of Systematic Reviews and Meta- analyses on Acupuncture for Post-acute Stroke Dysphagia
2019  12月  中国

25歳以上の25%はその人生で脳卒中を経験するという。

さらに脳卒中経験者の35-78%は嚥下障害になり、それは肺炎の原因になる。

中国では嚥下障害への鍼治療が日常的な医療行為になっている。

これまで数多くのランダム化比較試験(RCT)が行われ、20を超えるシステマチックレビューが出版されたが、相矛盾する結論になっている。

そこで嚥下障害への鍼治療についてのシステマチックレビューを方法論的に概観してみたそうな。

2019年12月26日

健康睡眠で遺伝リスクを相殺できる?


Sleep patterns, genetic susceptibility, and incident cardiovascular disease- a prospective study of 385 292 UK biobank participants
2019  12月  イギリス

なんらかの睡眠障害をかかえていると脳卒中など心血管疾患リスクが10-40%高くなるといわれている。しかし調査によっては必ずしも一致した結論が得られていない。

いっぽう遺伝的理由による心血管疾患リスクが健康的ライフスタイルにより相殺されるという報告がさいきん増えている。

そこで睡眠行動が心血管疾患の遺伝リスクのある人にどう影響するものか大規模にしらべてみたそうな。


2019年12月25日

退院後もっとも自殺しがちな時期は


Poststroke suicide risk among older adults in South Korea- A retrospective longitudinal cohort study
2019  12月  韓国

韓国の自殺率は10万人あたり年間20.2人(2016年)で世界10位、成人に限るとその率は53.3人でありOECD国で1位の高さである。

脳卒中のあとの自殺は5年以内が高いとされており、それより短い期間での調査は少ない。

さらにうつが起きるタイミングとの関連についてもよくわかっていないので、このあたりをくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月24日

患者ごとの食事エネルギー計算で回復が加速


Individualized nutritional treatment for acute stroke patients with malnutrition risk improves functional independence measurement: A randomized controlled trial
2019  12月  日本

脳卒中患者では嚥下や認知機能のもんだいから栄養不良になりやすく、回復不良との関連が指摘されている。

栄養不良を改善したからといって必ずしも回復が促されるわけではないが、低栄養状態、栄養不良状態にある患者に限定するとその効果はあきらかであるとする報告もある。

そこで、脳卒中の早期に患者個人の状態に即した集中的栄養サポートをおこなったときの回復度をこれまでのやりかたとくらべてみたそうな。

2019年12月23日

怒りと脳卒中 都会に住む日本人のばあい


Anger expression and the risk of cardiovascular disease among urban and rural Japanese residents- The Circulatory Risk in Community Study (CIRCS)
2019  12月  日本

2018年時点で世界人口の55%が都市部に住み2050年には70%に達するという。

都市化によりひとびとの健康状態は改善するものの、心の病にかかりやすくなる。
とくにうつや不安、怒りの感情は都市住人で顕著であるとする報告がある。

怒りの感情と脳卒中など心血管疾患との関連はあきらかになっているが、都市化による影響についてはよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月22日

脳卒中の慢性疼痛の特徴


Novel insights into stroke pain beliefs and perceptions
2019  12月  オーストラリア

脳卒中経験者で3ヶ月以上 慢性的な疼痛が続くケースは40-65%に見られ、一般人の19-30%よりもずっとおおい。

この疼痛について脳卒中経験者のおおくが発症まえには経験したことのない痛みであると報告している。

これらの疼痛は神経が障害されることによるものと考えられ、たとえば「肩の痛み」や「中枢性疼痛」については投薬もふくめ有効な治療法はほとんどない。

そこで脳卒中経験者が慢性疼痛をどう考え、どのように感じているのかを脳卒中以外のケースとでくらべてみたそうな。

2019年12月21日

Neurology誌:夜の睡眠と昼寝時間と脳卒中


Sleep duration, midday napping, and sleep quality and incident stroke- The Dongfeng-Tongji cohort
2019  12月  中国

睡眠時間は短くても長くても脳卒中リスクが高くなるとする報告があり、その関係がJカーブなのかUカーブなのか結論がでていない。

また脳卒中の種類との関係もあきらかでない。

さらに昼寝時間との関係および その組み合わせ効果や睡眠の質、睡眠時間の変化についてもよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月20日

リハビリ退院後1年間のQoL変化


Quality of life after stroke rehabilitation discharge- a 12-month longitudinal study
2019  12月  ドイツ

脳卒中患者のおよそ3分の1は、退院後もリハビリのフォローを必要としているという。

高齢の脳卒中患者のQoLについて、リハビリ病院から退院したあと長期にフォローしてその傾向をしらべてみたそうな。

2019年12月19日

Stroke誌:うつは家族にうつる


Depressive Symptoms After Ischemic Stroke
2019  12月  アメリカ

脳卒中のあとうつ症状を持続的に示す患者は17-25%いるという。

患者を世話をする家族のうつ症状率が30-45%とする報告もあり患者のうつ率を超える。

メタアナリシスでは世話人の40%にうつがみられ、世話人が女性、白人、患者が女性のばあいに うつ症状が重かった。

これまで患者と世話人家族のうつの程度を同時に評価した調査はほとんどないので大規模にしらべてみたそうな。

2019年12月18日

短下肢装具のメタアナリシス


The effects of ankle-foot orthoses on walking speed in patients with stroke- a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
2019  12月  イラン

脳卒中で下垂足になると歩行速度は低下し転倒リスクが高まる。

つまさきを上げておくために短下肢装具が用いられることがある。

短下肢装具の歩行やバランス効果のメタアナリシスは 2011年までのデータをつかった2013年出版のものが最新で、各種バイアスやエビデンスの質についての評価がほとんどなされていなかった。

そこで最新の研究成果もふくめあらためて短下肢装具の効果についてメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年12月17日

抜けた歯の本数と栄養状態そして脳梗塞の回復


Effect of tooth loss and nutritional status on outcomes after ischemic stroke
2019  10月  日本

脳梗塞患者の8-34%は栄養不良状態にあるという。栄養不良は予後の悪化とも関係する。

口腔衛生状態、たとえば歯周病は全身性の炎症 動脈硬化を反映し脳卒中との関連をしめす。そして歯周病が進み歯が脱落すると咀嚼機能が障害され栄養状態が悪化すると考えられる。

そこで、歯の脱落本数と栄養状態および脳梗塞予後との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月16日

脳卒中後の便秘メカニズムがわかった


Poststroke Constipation Is Associated With Impaired Rectal Sensation
2019  12月  中国

脳卒中後のあとの便秘はめずらしくなく29-79%が経験する。

メタアナリシスによると入院患者のうち急性期の45% 亜急性期では48%が便秘だという。

しかしそのメカニズムはあきらかになっておらず、とくに直腸の運動や感覚にまで踏み込んだ研究はほとんどないので、くわしくしらべてみたそうな。

2019年12月15日

脳内出血まえの認知障害


Cognitive impairment before and after intracerebral haemorrhage- a systematic review
2019  12月  アイルランド

脳内出血は脳卒中全体の10-15%を占め、年間10万人あたり15-40人におき、75歳以上におおい。またアジア人にもおおい。

脳内出血の15-30%は皮質に発生し、35-70%は大脳基底核のある深部に、10-20%は脳幹や小脳などテント下におきる。

皮質の出血はアミロイドが沈着するタイプの動脈障害で、深部のそれは穿通枝動脈の障害が原因とされる。

脳卒中後の認知障害は40-75%に見られるという。脳内出血に限定した調査では5-44%で認知障害がおきていた。

これら調査のうち、脳内出血以前と以後の認知機能をしらべたものは少ないので関係する研究成果をシステマティックレビューしてみたそうな。

2019年12月14日

高血圧なのに睡眠8時間以上は脳卒中


Effect of hypertension status on the association between sleep duration and stroke among middle-aged and elderly population
2019  12月  中国

睡眠時間と脳卒中との関連をしらべた研究はおおくあり、メタアナリシスも行われている。

しかし結論はばらばらで、U字型の関係で睡眠は短くても長くても危険とするもの、短い場合だけが危険とするもの、J字型の関係があり長い睡眠のみが危険とするものもある。

高血圧ステータスを考慮にいれた調査はまだ行われていないようなのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月13日

Stroke誌:認知予備能と脳卒中後の認知障害


Effect of Cognitive Reserve on Risk of Cognitive Impairment and Recovery After Stroke
2019  12月  韓国

脳卒中のあとの認知障害はめずらしくなくやがて認知症になる者もいる。

認知機能の低下の程度は個人差がおおきく、教育歴や職種、社会経済的要因が影響すると考えられる。

この考え方は認知予備能(cognitive reserve)とよばれ、じっさい認知予備能の低さと脳卒中後の認知機能の低下度は正の相関があるとするメタアナリシスもある。

しかしこれまでの研究のおおくは短期的なものがおおかったので、長期にくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月12日

TIAから10年間の脳卒中率とリスク要因


Long-term risk of stroke and its predictors in transient ischemic attack patients in Germany
2019  12月  ドイツ

これまで一過性脳虚血発作(TIA)と脳卒中との関連についておおくの報告がなされてきたが、どれも古い調査であるうえに、5年以上フォローしたものがほとんどない。

そこでTIA患者の脳卒中リスクを長期的にしらべてみたそうな。

2019年12月11日

Stroke誌:ボツリヌス注射+上肢訓練=効果ゼロ


Effect of Additional Rehabilitation After Botulin Toxin-A on Upper Limb Activity in Chronic Stroke
2019  12月  オーストラリア

メタアナリシスによると ボツリヌス毒素Aには痙縮を和らげる効果はあるが日常生活動作の改善には結びつかないという。

臨床ガイドラインではボツリヌス注射後のリハビリ訓練を勧めている。しかしこの指針の科学的根拠は確認されていない。

そこで、ボツリヌス注射後に3ヶ月間の運動リハビリを追加したときの効果をきっちりと検証してみたそうな。 InTENSE (Intensive Therapy Efficacy After Neurological Spasticity Treatment)トライアルのフェーズ3に相当する。

2019年12月10日

ガンマ同調性と脳卒中からの機能回復


Cortical gamma-synchrony measured with magnetoencephalography is a marker of clinical status and predicts clinical outcome in stroke survivors
2019  11月  イタリア

脳卒中経験者の長期的な回復可能性を知る方法が求められている。梗塞の位置や体積はかならずしも予後を反映していない。

さいきんでは皮質の同調性やネットワーク結合性が機能回復のマーカーになりうると期待されている。

皮質のガンマ(>30ヘルツ)同調性はその1つで、情報処理機能の鍵になる特性とされ統合失調症や脳卒中 てんかん患者でこれが障害されることがわかっている。

さらにガンマ同調性は興奮性のグルタミン酸ニューロンと抑制性のGABAニューロンとのバランスおよび パルブアルブミンニューロンの神経可塑性調節能も反映すると考えられている。

そこで脳卒中患者のリハビリテーション前後の回復過程でのガンマ同調性をMEG(脳磁図)をつかってくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月9日

脳梗塞を防ぐ最適な拡張期血圧は


Relationship between diastolic blood pressure and the first ischaemic stroke in elderly patients with hypertension
2019  12月  中国

中国では年間200万人があらたに脳卒中をおこし、そのうちの69.6%が脳梗塞という。

血圧と脳卒中との関係は J字カーブを描くとする報告があるいっぽうこれを否定する報告もある。

とくに高齢者の拡張期血圧と脳卒中との関連についての報告がすくないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月8日

心房細動と認知症 メタアナリシス


Association Between Atrial Fibrillation and Dementia- A Meta-Analysis
2019  11月  台湾
心房細動は不整脈の原因の1つでその有病率は上昇傾向にある。

心房細動と認知障害との関連は数多く報告されているが、これまで想定されていた以上に複雑で、たとえばライフスタイル(運動 喫煙 アルコール)、心臓代謝(肥満 高血圧 糖尿)、病態生理学的(全身性炎症 小血管病 脳低灌流)要因や血栓形成が関わってくる。

心房細動と認知症との関連をあきらかにするべくメタアナリシスを試みたそうな。

2019年12月7日

Neurology誌:不眠症の3症状と脳卒中 50万人調査


Insomnia symptoms and risk of cardiovascular diseases among 0.5 million adults
2019  11月  中国

不眠症は睡眠の質が低下した状態でメンタルの病気とされる。中国では15-69歳の35.7%が睡眠の質に問題を抱えているという。

不眠症と脳卒中など心血管疾患との関連を示すエビデンスが増えてきた。

不眠症の3つの症状、
入眠と睡眠維持の困難(difficulties in initiating or maintaining sleep:DIMS)
異常な早起き(early morning awakening:EMA)
日中への障害(daytime dysfunction:DDF)、

は それぞれ別の病理的メカニズムを反映している可能性があるので、症状ごとの心血管疾患リスクを大規模にしらべてみたそうな。

2019年12月6日

飽和脂肪酸と脳卒中リスクの用量関係


Dietary saturated fat intake and risk of stroke- Systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies
2019  10月  中国

脳卒中で死亡する原因の43%は食事の問題であるとする報告がある。

とくに脂肪の影響はおおきいと考えられ、脂肪酸の種類とその構成比率が重要である。

飽和脂肪酸は肉、チーズ、バター、全脂肪乳に、
不飽和脂肪酸はオリーブ油、亜麻仁油、魚油、くるみ、ピーナッツにおおく含まれる。

現在の食事ガイドラインでは心血管疾患予防の観点から飽和脂肪酸の摂取を全カロリーの10%未満に抑えるよう指導している。

しかしこれまでの研究のおおくは飽和脂肪酸と脳卒中との関連について一致した結論がえられていない。

これをたしかめるべく最新の研究をふくめたメタアナリシスを試みたそうな。

2019年12月5日

くも膜下出血の頭痛と生存率


Warning headache correlates survival rate in aneurysmal subarachnoid hemorrhage
2019  10月  台湾

くも膜下出血のグレード判定方法にはいくつかある(Hunt and Hessscale, Fisher scale, WFNS)。たとえグレードがわるくても積極治療により半数ちかくが回復良好に至るという報告もある。

突然の強い頭痛や激しい嘔吐、局所神経症状、けいれん発作などはくも膜下出血の警告症状とされているが、これらと予後との関係はあきらかになっていない。

そこでくも膜下出血の警告症状と死亡率、その関連要因についてくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月4日

【祝】365日x10年間 連続更新

今日は脳卒中記念日で ブログを始めた日でありETの日でもある。
毎年この日は自分語りにだけつかう。


ブログ歴がまる10年(脳卒中歴は11年)になった。
この間一瞬だった。

たまに読み返すと書いた記憶がほとんどない記事がいくつもあっておどろく。
認知症の前段階だろうか。


キーワード「脳卒中」をアブストラクトに含む論文の出版ペースがこの10年で倍になり、さいきんでは1日50件以上がチェック対象になった。

なんの評価基準にも乗らないどうでもいいことを ただ「自分がそうしたい」という理由だけで続けてこられてちょっとうれしい。

とはいうものの あと5年は続かない自信がある。その理由とは、、、
図:脳卒中記念日

2019年12月3日

情報処理速度の低下 4年後の


Slowed Information Processing Speed at Four Years Poststroke- Evidence and Predictors from a Population-Based Follow-up Study
2019  11月  ニュージーランド

認知障害は脳卒中経験者の35-70%におきる。そのなかでも情報処理速度( Information Processing Speed:IPS)の低下は急性期患者の70%におよぶという。

IPSの低下は認知障害の他の側面にもおおきく影響し、数字モダリティー検査(Symbol Digit Modalities Test:SDMT)のスコアによく反映されると考えられている。

IPSの低下をもたらす要因と長期の有病率についての調査はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月2日

認知or運動の機能障害 神経科医が選ぶシナリオは


Self-perceptions on cognitive versus motor disability among neurologists
2019  11月  アメリカ

修正ランキンスケール(modified Rankin Scale:mRS)は脳卒中患者の機能回復度の評価によく用いられる。

0-6のスケールがあって、0は無症状、6は死亡をあらわす。
通常、0-2または0-3を「回復良好」とし4-6を「回復不良」と評価する。

たとえば介助なし歩行ができず 認知機能に問題ない場合、mRSは4の回復不良となる。

いっぽう運動機能にはまったく問題なくて 認知障害のために会社をクビになった場合でも、mRSは2となり回復良好とされる。

神経科医が患者に治療法をすすめる際には、臨床試験の結果から「回復良好」となりうる手段をえらぶことになるが、かれらが認知機能と運動機能のどちらに価値を見出しているのかによってはその意味するところがかならずしも患者と一致しなくなる。

そこで神経科医たちの価値観をしらべてみたそうな。

2019年12月1日

小児脳卒中と「心の理論」


Pediatric Stroke Impairs Theory of Mind Performance
2019  11月  アメリカ

小児期に脳卒中を経験した者の50-60%は長期にわたり運動 認知 行動に問題を抱えるという。

しかしこれまで社会認知(social cognition)機能についての研究はほとんどなかった。

心の理論(Theory of Mind:ToM)は他者の信念や意志を推し量り関係を構築する能力を指し社会認知機能の1側面をなす。

自閉症スペクトラムや外傷性脳損傷、ADHD、認知症でToMの障害がみられるとする報告がある。

そこで小児脳卒中経験者のToMについて健常者とくらべてみたそうな。

2019年11月30日

コイル vs. クリップのメタアナリシス


Endovascular coiling versus surgical clipping for aneurysmal subarachnoid hemorrhage- A meta-analysis of randomized controlled trials
2019  10月  中国

くも膜下出血の85%は脳動脈瘤の破裂によるもので、その治療措置としてクリッピングがゴールドスタンダードであったが、かならずしも満足のゆく結果がえられていない。

その代わりにコイリングが行われるようになってきた。クリッピングとコイリングを比較した大規模臨床試験ISAT(2002年)では7年後の自立率はコイルがすぐれていたものの長期の再出血リスクはコイリングが高いという結果だった。

実際のところはどうなのか、これまでの研究をメタアナリシスしてみたそうな。

2019年11月29日

クリップ vs. コイル 認知機能対決


Cognitive outcome after surgical clipping versus endovascular coiling in patients with subarachnoid hemorrhage due to ruptured anterior communicating artery aneurysm
2019  11月  ベルギー

前交通動脈の動脈瘤(ACoA)はめずらしくなく、くも膜下出血の35%はACoAの破裂である。

ACoAのくも膜下出血では記憶や実行機能の認知障害がおきやすいことはわかっている。

くも膜下出血の再出血予防治療としてクリッピングがある。近年ではマイクロカテーテルで瘤を塞ぐコイリングが代わりにおこなわれることがふえた。

そこで、ACoAのくも膜下出血での認知機能を健常者と比べた場合と、クリッピングとコイリングの患者同士で比べた場合とでくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月28日

反対側へのシータバーストと慢性期脳卒中の機能回復


Low-intensity contralesional electrical theta burst stimulation modulates ipsilesional excitability and enhances stroke recovery
2019  10月  ニュージーランド

脳の両半球は互いのはたらきを抑制しあっているという考え方があって、脳卒中によりいっぽうの脳半球がダメージを負うと反対側からの抑制に歯止めが効かなくなりダメージを負った脳のはたらきがさらに悪化するという。

このアンバランスを正すために反対側にrTMSをあてて過剰な抑制が起こらないようにする臨床実験が数おおくおこなわれてきたが、いまだ一致した結果が得られていない。

動物実験では反対側の脳に電極から直接シータバーストパルスをあてることで過剰抑制を低下させ脳卒中の運動機能を回復させることに成功している。

これらの実験は急性期のものしかなかったので、慢性期であらためてその効果を確認してみたそうな。

2019年11月27日

血管性認知障害の疑い しかも眠れない→死ぬ


Objective short sleep duration increases the risk of all-cause mortality associated with possible vascular cognitive impairment
2019  11月  アメリカ

高齢者の13%はなんらかの認知障害を経験し、6%が認知症にいたるという。認知症の25-50%の原因は血管性である。

血管性認知障害(vascular cognitive impairment:VCI)は軽い認知障害から完全認知症までを含む呼び名で、心血管代謝要因である高血圧や糖尿病の影響をうける。

睡眠もまた心血管代謝に関係すると考えられ、不眠症が脳卒中などのリスク要因であることはあきらかになっている。

そこで、客観的睡眠時間が短い場合の死亡率が血管性認知障害VCIとどのように関連するものか、くわしくしらべてみたそうな。

2019年11月26日

脳卒中後の不眠症率


Incidence and prevalence of post-stroke insomnia- A systematic review and meta-analysis
2019  10月  イギリス

不眠症は入眠や睡眠の維持ができない状態 および週に3回以上早朝に目覚めてしまうことがすくなくとも3ヶ月間つづき日中の生活に影響する状況を指す。

一般人の不眠症有病率は6%で脳卒中経験者のそれはずっと高いという。

これまで脳卒中経験者の不眠症の発生率と有病率をしらべたメタアナリシスはみつからないのでやってみたそうな。

2019年11月25日

握るだけで血圧を下げる効果、ホンモノだった


Effects of isometric resistance training on resting blood pressure- individual participant data meta-analysis
2019  10月  オーストラリア

高血圧は心血管疾患の原因となる。

ライフスタイルのうち身体活動レベルをあげることが高血圧管理に有効とされている。

とくにダイナミックな有酸素運動が効果的と考えられているものの、毎回おおくの時間を要するため続かないことや運動機能に制限のある者には向いていない問題があった。

2013年にアメリカ心臓協会が、握力計をギュッと握るだけのアイソメトリック負荷トレーニング(isometric resistance training:IRT)に血圧を下げる効果があるとし、

その後メタアナリシスでも効果が確認され、2017年にはIRTがクラスⅡBのエビデンスレベル推奨度C として高血圧管理のガイドラインに載るようになった。

しかしメタアナリシスでもサンプルサイズや投薬、その他関連要因のバイアスの影響が除ききれていなかったので、
すべての個人レベルのデータ(individual participant data)を統合して解析する より厳格なメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年11月24日

ボツリヌス療法の二重盲検ランダム化比較試験


Exploratory Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trial of Botulinum Therapy on Grasp Release After Stroke (PrOMBiS)
2019  11月  イギリス

脳卒中後の痙縮は屈筋の過剰収縮によりおきる。

これまでボツリヌス毒素A型(onabotulinumtoxinA)が痙縮をやわらげるという報告がいくつもあった。しかしいずれも比較対照群を設けず盲検にもなっていない調査ばかりであった。

この効果を確定するべく、二重盲検のランダム化比較試験 PROMBISトライアルをおこなっていみたそうな。

2019年11月23日

SSRIでリハビリははかどるのか?


Use of Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Outcomes in Stroke Rehabilitation- A Prospective Observational Pilot Cohort Study
2019  11月  シンガポール

脳卒中リハビリテーションをうながす薬物療法としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が期待されている。

SSRIには炎症をおさえ、血管新生 神経新生をうながし、成長因子の分泌、皮質機能の再編をすすめる働きがあるとされている。

じっさいフランスでの SSRIフルオキセチンを用いた脳卒中の運動機能回復についてのFLAMEトライアル(2011年)では白人を対象に良好な成果が報告されている。

そこでアジア人ではどうか、実験してみたそうな。

2019年11月22日

麻痺の程度と上肢の使用時間


Upper limb use differs among people with varied upper limb impairment levels early post-stroke- a single-site, cross-sectional, observational study
2019  11月  シンガポール

脳卒中後の上肢機能の回復は不完全なものになりがちである。

とくに最初の4週間はもっとも回復いちじるしい時期ではあるが、この期間の重度麻痺患者の上肢の使用状況についての報告はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月21日

Stroke誌:脳の動脈瘤が脳だけではない証拠


Prevalence of Intracranial Aneurysms in Patients With Systemic Vessel Aneurysms
2019  11月  韓国

動脈瘤は単に局所的な現象ではなく全身性の状態を反映したものと考えられ、その形成には遺伝や炎症など環境要因も関わっているという。

じっさい大動脈瘤/解離の患者には頭蓋内動脈瘤が高率にみられるという報告がある。

他の位置の動脈瘤患者での頭蓋内動脈瘤の率についての報告はほとんどないので大規模にしらべてみたそうな。

2019年11月20日

眼球が偏った患者の予後


Prognostic information of gaze deviation in acute ischemic stroke patients
2019  11月  ポルトガル

脳梗塞患者の眼球偏位(gaze deviation)は主幹動脈閉塞による予後不良の因子であるとする報告がある。

そこで血栓溶解治療などの再灌流療法を経た場合に この関連がどうなるのかしらべてみたそうな。

2019年11月19日

Neurology誌:脳梗塞の女性への対応と予後のちがい


Sex differences in treatment and outcome after stroke
2019  11月  オーストラリア
脳卒中に関して、女性は男性よりも発症時の年齢が高いせいか 生存率は低く、高血圧や心房細動もおおいと考えられてきた。

そこで、脳卒中の管理、回復度について女性と男性を大規模にくらべてみたそうな。



5つの国際マルチセンター研究から急性脳梗塞の患者19652人(40%が女性)ぶんのデータを解析したところ、



次のことがわかった。

・すべての関連要因を調整後、女性は男性にくらべて、
3-6ヶ月後の生存率は高く、

・障害を負いやすく、生活の質(QoL)が低くなりがちだった。

・さらに女性は急性期脳卒中治療室(acute stroke unit)へ送られることがおおく、

・挿管されたり集中治療室(intensive care unit)へ入れられることはすくなかった。

・入院まえでは、女性は、高血圧の薬を処方されていることがおおく、

・抗血小板薬や血糖降下薬、脂質降下薬の処方はすくなかった。
女性脳梗塞の生存率は高く、障害を負いやすく、QoLは低かった。このちがいは投薬と治療対応の男女差で部分的には説明できそうだった、


というおはなし。

図:女性



感想:

これ↓おもいだした。
Stroke誌:女性のQoLが低い理由

2019年11月18日

Stroke誌:若年者の大麻と脳卒中


Marijuana Use Among Young Adults (18–44 Years of Age) and Risk of Stroke
2019  11月  アメリカ

アメリカでは大麻の合法化によりその使用量が急増している。大麻は有害な作用は少ないとされているものの、若年者への影響は懸念されている。

大麻の基本成分であるテトラヒドロカンナビノールが脳血管イベントと関連すると考えられているので、そのリスクを大規模にしらべてみたそうな。



アメリカの行動危険因子についてのアンケート調査(Behavioral Risk Factor Surveillance System)の2016-2017年のデータから若年者(18-44歳)で過去30日以内の大麻使用者について脳卒中との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・43860人中13.6%が大麻使用者だった。

・大麻使用者は非使用者にくらべ、若年者、非ヒスパニック、大学出身者がおおかった。

・また 活動的で、大酒飲み、現在喫煙で、高血圧、糖尿病、高脂血症もおおかった。

・脳卒中のなりやすさは大麻使用が時間的に近く、より頻繁に使用(月に10日以上)するほど高かった(オッズ比2.45倍)。

・たばこも使用しているとさらに脳卒中になりやすかった(オッズ比3.12倍)。

大麻の使用で若年者が脳卒中になりやすくなると考えられた、



というおはなし。

図:大麻と脳卒中リスク


感想:

沢尻報道もあり関心をもった。日本で合法化されてもやりたくないな。
nature.com:大麻は脳卒中予防になる?

大麻の嗜みと脳梗塞の関連

2019年11月17日

起立性低血圧と認知症 脳卒中


The association between orthostatic hypotension and cognition and stroke- a meta-analysis of prospective cohort studies
2019  11月  中国

起立性低血圧(orthostatic hypotension)はとてもありふれていて高齢者の81%に見られるという報告もある。

その定義は、立位または頭部を60°以上傾けたときに収縮期血圧が20mmHg以上、拡張期血圧が10mmHg以上の低下が3分間以上続く状態を指す。

高血圧の患者では仰向けに寝たときに収縮期血圧が30mmHg以上下がると起立性低血圧に相当するという。

起立性低血圧が心血管疾患や転倒、死亡率と関連するという報告がいくつかある。

同様に脳卒中や認知機能との関連についての報告もあるが結論が一致していないので、メタアナリシスをこころみたそうな。



関係する研究論文を厳選して、データを統合再解析したところ、



次のことがわかった。

・3490の関係論文から18を選んだ。そのうち8が脳卒中、9が認知機能、1が脳卒中と認知症についての研究だった。

・起立性低血圧だと認知機能の低下リスクが1.18倍になり、

・認知症リスクは1.30倍、脳卒中リスクは1.36倍だった。

起立性低血圧は認知機能の悪化と関連があり、とくに認知症リスクは30%、脳卒中リスクは36%高くなった、



というおはなし。

図:起立性低血圧と脳卒中リスク



感想:

脳卒中やってから、風呂上がりに頭を左におおきく傾けると視界が真っ白になるようになった。

このことか、、、といまさらながらにガッテンした。

起立性低血圧の認知症と脳梗塞

立ちくらみは脳卒中と関連があるの?

2019年11月16日

左の口内だけ食べかすでいっぱい「口腔内半側無視」とは


Buccal hemineglect- is it useful to evaluate the differences between the two halves of the oral cavity for the multidisciplinary rehabilitative management of right brain stroke survivors? Across-sectional study
2019  11月  イタリア

半側空間無視は右脳損傷の脳卒中患者におおく、反対側からの刺激にたいして不注意になる。

口腔内半側無視(Buccal hemineglect)は2000年にはじめて報告され、口腔内はんぶんの感覚 味覚の消失、よだれ、咀嚼の非対称性が特徴である。

そこで、半側空間無視のある患者の口腔内半側無視を口腔衛生の観点からくわしくしらべてみたそうな。



右利き、右脳損傷の脳卒中で片麻痺の患者21人について、
半側空間無視の有無と、

口腔内の衛生状況を左右別々に
New Method of Plaque Scoring:NMPS
Oral Hygiene Index:OHI
Gingival Index:GI
Oral Food Debris Index:ODFI
Winkel Tongue Coating Index:WTCI
の各基準で評価したところ、



次のことがわかった。

・14人に半側空間無視が認められた。

・この14人の口腔内衛生は、すべての基準で左側が右側よりもあきらかに状態が悪かった。

・いっぽう半側空間無視のない残りの7人については、基準OHIとWTCIでのみ有意な「差」が見られた。

右脳損傷で半側空間無視の脳卒中患者の口腔内ひだり側の衛生状態はあきらかに悪かった、


というおはなし。

図:口腔内半側無視



感想:

感覚よわいのでガム噛んでると左の頬も噛んでしまい出血、血豆が絶えなかったおもいで。
口の中いっぱいの大腸菌!レンサ球菌!

2019年11月15日

脳動脈瘤の左右と梗塞の起きる側


Does aneurysm side influence the infarction side and patients´ outcome after subarachnoid hemorrhage?
2019  11月  ドイツ

脳動脈瘤の位置でくも膜下出血患者の予後に違いがあるとする報告がさいきんあった。

くも膜下出血のあとに起きる脳梗塞が優位脳側であるかによっても回復度が変わるとする報告もある。

そこで、脳動脈瘤の位置の左右の違いが続く梗塞や回復度に影響するものかくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月14日

50万人が証明した「緑茶」の脳卒中予防効果


Tea consumption and risk of stroke in Chinese adults- a prospective cohort study of 0.5 million men and women
2019  11月  中国

1989年にお茶の脳卒中予防効果が報告されて以来、数多くの研究がなされてきた。

実験的エビデンスではお茶にふくまれるポリフェノールの動脈硬化を抑え 炎症を防ぐ効果が脳卒中予防に良いと考えられている。

しかし住民ベースの研究ではお茶の脳卒中予防効果を確認できたものとそうでないものが混在し、いまだ結論に至っていない。

中国は世界でもっとも茶の消費がおおい国ながら脳卒中との関連についての大規模調査がまだないのでやってみたそうな。

2019年11月13日

連続シータバースト刺激が脳を護る仕組み


Phasic GABA signaling mediates the protective effects of cTBS against cerebral ischemia in mice
2019  11月  中国

脳卒中の慢性期ではシナプス結合の再編が重要で、これには神経伝達物質が関与する。

脳虚血を起こすとグルタミン酸作動性のシグナリングが増加し、興奮毒性から神経細胞が死滅する。

神経伝達物質であるGABA(Gamma-Amino butyric acid)はこの興奮毒性を抑え神経保護をもたらすと考えられている。

いっぽう、経頭蓋磁気刺激(TMS)の一種である cTBS(連続シータバースト刺激)にはシナプスの長期抑制効果が確認され脳卒中の回復に期待されている。

このメカニズムをあきらかにするべくGABA抑制の点からくわしくしらべてみたそうな。



人為的に脳梗塞をおこしたネズミの後頭頂葉へ5HzのcTBSを30日間与えた。

GABAの影響をしらべるために受容体阻害薬のビククリン(Bicuculline)を用いた。
空間認知能力はモリス水迷路テストでしらべた。



次のようになった。

・錐体ニューロン間のGABAはcTBSに反応した。グルタミン酸作動性の興奮は変わらなかった。

・cTBSは持続性(tonic)ではない律動的(phasic)抑制効果をもたらした。

・GABA受容体を介した律動的抑制は脳卒中の慢性期に高まり回復を促した。

・cTBSによりもたらされた律動的抑制効果は空間認知能力も改善した。

cTBSは律動的GABAシグナリング抑制をもたらし脳卒中後の機能回復をうながした、


というおはなし。

図:空有間認知cTBS GABA



感想:

いまいちよくわからないけど
バーストものには縁があるので勉強してみた。

[シータバースト]関連記事

メモ:
Combining Theta Burst Stimulation With Training After Subcortical Stroke

2019年11月12日

nature.com:軽い脳卒中なのにうつ アパシー


Depression and Apathy After Transient Ischemic Attack or Minor Stroke- Prevalence, Evolution and Predictors
2019  11月  スペイン

脳卒中後のうつ(post-stroke depression:PSD)は29-33%にみられ予後不良の要因になるという。

いっぽう脳卒中後のアパシー(post-stroke apathy:PSA)は脳卒中患者の3人に1人またはPSD患者の40%にみられるというわりには注目されることがすくない。

これらの調査ではおおくのばあいTIAや軽い脳卒中の患者は除外されてきた。

そこでTIAや軽い脳卒中でのPSD,PSAの有病率とその経過、画像診断上の特徴についてくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月11日

口の中いっぱいの大腸菌!レンサ球菌!


The association between oral bacteria, the cough reflex and pneumonia in patients with acute stroke and suspected dysphagia
2019  11月  ニュージーランド

脳卒中で嚥下機能に問題をかかえると食事回数、唾液分泌、歯磨き機会の減少により口腔内や上気道に細菌が繁殖するようになる。

これが誤嚥性肺炎の原因になると考えられている。じっさい彼らへの口腔衛生指導により肺炎率や咳反射感受性が改善したという報告もある。

誤嚥性肺炎の原因菌はおもに、緑色連鎖球菌、肺炎連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌、の6種類が知られている。

そこで、急性脳卒中での口腔内の細菌の種類と量、肺炎率と咳反射感受性との関連をくわしくしらべてみたそうな。



脳卒中で入院して嚥下障害が疑われる患者102人について、入院時、退院時、1ヶ月後に唾液サンプルをとりPCRで細菌の種類ごとに定量分析、また咳反射感受性を測定し 肺炎の発生との関連を解析したところ、



次のようになった。

・口腔内細菌レベルは入院時にもっとも低く、退院時にはやや増加した。

・1ヶ月後までには入退院時にくらべ桁違いにおおきな増加がみられた。

・緑膿菌と肺炎桿菌、大腸菌は健常者からは検出されないが、入院中の患者の22%にこれらが確認された。

・1ヶ月後の細菌レベルと肺炎率に関連が見られたが、咳反射感受性との関連は確認できなかった。

脳卒中患者の口のなかには呼吸器感染症のもとになる細菌がおおいに増殖していた。1ヶ月後の細菌レベルが肺炎リスクと関連があった、


というおはなし。
図:連鎖球菌レベル


感想:

しばらく歯磨きできなかったときのガムの差し入れがありがたかった思い出。

2019年11月10日

安全運転に必要な「握り」能力


Impaired force control contributes to car steering dysfunction in chronic stroke
2019  11月  アメリカ

脳卒中経験者の自動車運転については視覚や認知機能をしらべたものがおおい。

ハンドル操作をおこなう上肢の運動機能についての調査はほとんどない。

そこで握力とその変動性および運転能力との関連をくわしくしらべてみたそうな。



慢性期脳卒中患者12人と健常者12人について、

最大握力と、
握力の変動性:スクリーンに表示される台形の軌跡に沿って握力をコントロールする課題でのブレの大きさ、
車線逸脱度:ドライブシミュレーションで車線からそれてしまう程度、を

それぞれ麻痺手、健常手のみで測定して関連を解析したところ、



次のようになった。

・麻痺手では健常者の非利き手にくらべても最大握力が低く、握力変動性が高く、車線逸脱度もおおきかった。

・麻痺手の握力変動性はあきらかに車線逸脱度と関連し、最大握力の関連はみられなかった。

麻痺手のハンドル操作能力は低下していた。最大握力ではなく握力コントロール能力がハンドル操作の正確さにつよく関連していた、


というおはなし。

図:脳卒中のステアリング操作



感想:

これは共感する。

左腕の感覚が非常に鈍いため握力コントロールができずいまだ食材を握りつぶすことがすくなくない。そのせいか左の片手運転は直進時のみ数秒間しか安定しない。

2019年11月9日

Neurology誌:脳梗塞のあとの頭痛


Headache after ischemic stroke- A systematic review and meta-analysis
2019  11月  アメリカ

脳卒中後の頭痛はおおくのばあい慢性疼痛の1つとして過小評価され見逃されている。

頭痛は静脈洞の血栓や頸動脈の乖離、脳血管収縮などを反映していると考えられる。
また前兆付き片頭痛があると脳梗塞リスク2倍という事実もある。

いっぽう脳梗塞のあとに新たに発生する持続性の頭痛と脳卒中との関連についてはほとんど報告がないのでこれまでの研究のメタアナリシスでしてしらべてみたそうな。

2019年11月8日

体重支持トレッドミルやロボット歩行 やる意味ない


Clinical non-superiority of technology-assisted gait training with body weight support in patients with subacute stroke- A meta-analysis
2019  10月  台湾

脳卒中の歩行リハビリではできるだけたくさんの歩数を経験させることが効果的であると信じられている。

歩数を増やすための技術支援歩行訓練(technology-assisted gait training)がおおく生み出され、たとえば体重支持つきトレッドミルや それにロボットを組み合わせたものがある。

これらの技術支援歩行訓練は従来の地上歩行訓練にくらべセッションあたり5倍以上の歩数をかせぐことができるという。

そこでこれら技術支援をもちいた高強度歩行訓練の成果をメタアナリシスしてみたそうな。



発症から6ヶ月以内の脳卒中患者を対象とした関係論文を厳選してデータを統合 再解析した。

体重支持のない外骨格タイプのロボット(Ekso, HALなど)は転倒危険性が高いので除外した。



次のことがわかった。

・被験者1452人をふくむ14のロボット支援研究と10の体重支持トレッドミルの研究がみつかった。

・地上歩行訓練とくらべて技術支援歩行訓練には、運動機能障害の回復、移動能力、持久力、バランス、日常生活動作、いずれについても有意な平均値差はみられなかった。

・これは体重支持トレッドミルやロボット支援別に限定しても同様だった。

・また患者のもとの歩行能力や訓練時期を3ヶ月以内にしぼっても同様に有意な差は見られなかった。

体重支持つきの技術支援歩行訓練は地上歩行訓練にくらべすぐれているわけではなかった。繰り返し回数を増やすこと以外の戦略が求められている、


というおはなし。
図:体重支持トレッドミル



感想:

じっさいロボットリハビリは上肢もふくめていまのところ「まともな成果」はない↓。
ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まったく効果ない

HALリハビリ 期待外れだった

2019年11月7日

Stroke誌:脂質と脳梗塞 脳出血


Association of Lipids With Ischemic and Hemorrhagic Stroke
2019  10月  中国

中国では依然として脳卒中が死亡原因の1位をしめている。

改善可能なリスク要因の1つとして総コレステロールについての報告がいくつかあるがそのほかの脂質であるLDLコレステロールやHDLコレステロール、中性脂肪についての報告はおおくない。

そこで脂質と脳卒中の種類別の関連を大規模にしらべてみたそうな。

2019年11月6日

経鼻栄養3年からの解放「半夏厚朴湯」のおかげ


Traditional Chinese therapy initiates oral feeding in a stroked woman after three years of nasogastric tube feeding
2019  9月  日本

アジアでは経鼻栄養は脳卒中後の嚥下障害患者によく使われる。しかし経鼻栄養には身体拘束がともない患者にとっておおきなストレスになる。

漢方薬である 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ:Banxia Houpu Tang)には嚥下や咳反射を改善する効果が報告されている。

長期に経鼻栄養だった患者に半夏厚朴湯をあたえたところ口から食べられるようになった事例があったそうな。


・96歳女性が脳卒中後の嚥下障害により経鼻栄養が3年間つづいていた。

・認知症でありチューブを外してしまわぬよう手袋を着けられていた。

・嚥下反射惹起時間は9.5秒で、誤飲による肺炎のリスクが考えられた。

・唾液嚥下テストでも同様だった。

・半夏厚朴湯をチューブ経由で4週間あたえたところ、

・嚥下反射惹起時間が3.5秒になり、唾液嚥下テストも改善した。

・そこで経口栄養を開始し、経鼻栄養と手袋はまったく必要なくなった。

半夏厚朴湯のおかげで長期の経鼻栄養から解放できたのかも、、


というおはなし。

図:経鼻栄養からの回復



感想:

半夏厚朴湯はじめて知った。
ツムラ漢方半夏厚朴湯エキス顆粒

漢方頻用処方解説 半夏厚朴湯(pdf)

2019年11月5日

Stroke誌:脳卒中のあと座って過ごす3つのパターン


Movement Behavior Patterns in People With First-Ever Stroke
2019  10月  オランダ

十分な身体活動には脳卒中と再発のリスクを下げる効果がある。

ガイドラインでは週に150分の中高強度の運動が必要とされている。
しかし脳卒中経験者でこの基準を超えている者は17%に過ぎず、おおくは半分のレベルにも達していない。

脳卒中経験者は目覚めている時間の63-87%を座って過ごすという。

じゅうぶんな身体活動量があったとしても座っている時間が長いと死亡率が高いとする報告もある。

そこで、脳卒中経験者の身体活動量と座っている時間のパターンをくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月4日

「喫煙パラドックス」はなかった


"Smoking paradox" is not true in patients with ischemic stroke- a systematic review and meta-analysis
2019  10月  中国

喫煙は脳梗塞のリスク要因であり、喫煙歴だけでもネガティブな影響があるという。

さいきん喫煙者の血栓溶解治療成績が良好であるとする 「喫煙パラドックス」 "smoker's paradox" についての報告が数おおくなされている。
いっぽうそれを否定する研究者もいる。

そこで喫煙が脳梗塞の予後にあたえる影響をしらべるべくメタアナリシスをこころみたそうな。


2019年2月までの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・21の研究がみつかった。

・予後不良になるオッズ比は0.96で、喫煙は脳梗塞予後になんのインパクトもなかった。

・脳梗塞の発症年齢の平均差は-10.05で、喫煙者は非喫煙者よりも10年早く脳梗塞になっていた。

喫煙に脳梗塞の予後を保護する効果はみられなかった。喫煙者が若くして脳梗塞を発症していることが喫煙パラドックスの理由かも、、


というおはなし。

図:喫煙パラドックス


感想:

虚血コンディショニング効果もあるかも。↓
脳梗塞の血管内治療と喫煙パラドックス

タバコのおかげで脳梗塞で死なずに済んだ患者が続出 [喫煙パラドックス]

2019年11月3日

喫煙でくも膜下出血になる理由


Blood cadmium concentration and risk of subarachnoid haemorrhage
2019  10月  スウェーデン

カドミウムは毒性のたかい金属で 穀物や米 たばこから体内に取り込まれる。

カドミウムは体外への排出に数十年を要し 血管壁におおく蓄積する。さらにコラーゲンの形成をさまたげ血管平滑筋細胞を減少させる。

さいきん、未破裂脳動脈瘤がみつかった者の血中カドミウム濃度が高いという報告があった。

そこでくも膜下出血と血中カドミウムとの関連をくわしくしらべてみたそうな。



28449人についてくも膜下出血の発生を10年ほどフォローして、発症時の血液サンプルからのカドミウム濃度をしらべ、関連を解析したところ、



次のようになった。

・93人がくも膜下出血になった。

・血中カドミウム濃度が高かったグループのくも膜下出血リスクはあきらかに高かった。(オッズ比 3.2)

・しかし喫煙歴を考慮にいれるとこの関連は有意なほどではなくなった。

血中カドミウム濃度はくも膜下出血リスクと関連があったが ほとんど喫煙で説明がついた。たばこにふくまれるカドミウムがくも膜下出血の原因物質であるか についてはさらなる研究が必要、


というおはなし。

図:喫煙とカドミウム



感想:

これ↓おもいだした。
無煙タバコと脳卒中

2019年11月2日

5年間の復職曲線


Return to work after stroke- A Swedish nationwide registry-based study
2019  10月  スウェーデン

労働可能年齢層の5人に1人は脳卒中を経験するという。かれらにとって復職はおおきなテーマである。

復職の関連要因についてこれまでの研究はばらつきがおおきい。復職率は10-70%の幅がありフォロー年数は短く 自己申告による調査がおおい。

そこで脳卒中後の復職可能期間と復職意志をふくむ関連要因について大規模にしらべてみたそうな。



スウェーデンの脳卒中患者データベースから2011年の18-58歳の1695人について、
復職の有無を傷病手当金の支給状況から推測して5年後までフォローし、
他の要因との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・復職率は、3ヶ月以内50%、70%が1年以内、80%は2年以内で、85%にたっするまで復職は続いた。

・復職をうながす要因として、男性、脳梗塞、大学までの教育歴、があり、

・復職の障害要因は、発症時の意識障害、年齢が高い、だった。

・1年後での「復職の意志」がある者の5年間の復職成功のオッズ比は3倍だった。

復職事例は脳卒中のあと5年近くつづいていた。復職する意志をもっていることが重要だった、


というおはなし。

図:脳卒中からの復職カーブ



感想:

復職の意志はたいせつ。

仕事を辞める理由をさがしていたタイミングでの脳内出血だったので、好機ととらえ1度も会社に顔を出さず速攻で退職した思い出。

2019年11月1日

発語失行の動作観察療法


The Effectiveness of Action Observation Therapy Based on Mirror Neuron Theory in Chinese Patients with Apraxia of Speech after Stroke
2019  10月  中国

脳卒中後の慢性期ではなんらかの失語症が25-50%にみられるという。

そのなかで発語失行(apraxia of speech)は発語運動のプランニング障害で韻律に異常がみられ、有効な治療法がほとんどない。

ミラーニューロンシステムにもとずく動作観察療法(action observation therapy)の失語症への応用はいくつか報告されているが発語失行についてはないので実験してみたそうな。



脳卒中のあと発語失行と診断された患者42人を2グループにわけた。

両グループともに通常の言語療法を4週間おこなった。

いっぽうのグループには言語療法の直前に動作観察療法を加えた。

動作観察療法では、日常生活動作に関連する単語30種類のビデオを10分間観る。
各ビデオは単語を発話する唇の動きと それに関連するジェスチャーを伴う内容になっている。



次のようになった。

・ Western Aphasia Batteryスコアと発語失行スコアは両グループともに改善した。

・しかし Boston Diagnostic Aphasia Examinationスコアは、動作観察療法グループがコントロールよりもあきらかにすぐれていた。

脳卒中後の発語失行患者への動作観察療法は効果がありそう、


というおはなし。

図:発語失行のBDAEスコア



感想:

これだね↓。
ミラーニューロンを使った失語症リハビリ

2019年10月31日

慢性期脳卒中の幹細胞治療 メタアナリシス


From the Lab to Patients- a Systematic Review and Meta-Analysis of Mesenchymal Stem Cell Therapy for Stroke
2019  10月  カナダ

脳卒中の回復いちじるしい期間はせいぜい6ヶ月である。再生医療はこの期間を延長することができるとして期待されている。

その一つに体性幹細胞でもある間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell:MSC)をつかった治療がある。

MSCは動物実験では感覚運動機能、シナプス形成や神経新生をうながしさらに脳損傷を抑えるとされている。

脳卒中急性期への臨床試験でも安全であると考えられている。

そこで慢性期の脳卒中へのMSC効果について これまでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月30日

nature.com:失語症患者が再発しにくい理由


In-hospital recurrence in a Chinese large cohort with acute ischemic stroke
2019  10月  中国

急性脳梗塞は再発リスクが高い。ドイツでは院内での再発率は0.8%だったという報告がある。

中国での調査はまだないので院内再発の頻度とリスク要因についてくわしくしらべてみたそうな。



急性脳梗塞の入院患者1027人の記録について、最初の発症から24時間以上のちにおきた脳卒中イベントを「再発」としたところ、



次のことがわかった。

・14日前後の入院期間中5.68%が再発した。

・再発はおもに入院後5日以内に起きていた。

・再発患者の入院日数と死亡率はあきらかにおおきかった。

・再発のリスク要因は、主幹動脈のアテローム性動脈硬化、感染症、高血糖、だった。

・なぜか失語症患者は再発リスクが非常に低かった。

中国では脳梗塞患者の院内再発率はかなり高かった。再発はおもに入院後5日以内におきていた、


というおはなし。

図:失語症の再発リスク



感想:

失語症患者の再発リスクが低い理由として、彼らは症状をうまく訴えることができないから再発していてもスルーされているのではないか、、とのこと。

2019年10月29日

カルシウムと脳卒中の関係に結論


The Evidence and Controversy Between Dietary Calcium Intake and Calcium Supplementation and the Risk of Cardiovascular Disease- A Systematic Review and Meta-Analysis of Cohort Studies and Randomized Controlled Trials
2019  10月  中国

カルシウムの摂取は骨と心血管系に重要で、高齢者には1日あたり1200-1500mgが推奨されている。

とくに心血管疾患へのカルシウムの良い効果が注目され、サプリメントも広く使用されている。

いっぽうその効果に疑問を呈する調査結果もおおく報告されるようになった。

これらの調査を統合するべくメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月28日

Neurology誌:脳梗塞になったら血圧を上げて治す


Therapeutic-induced hypertension in patients with noncardioembolic acute stroke
2019  10月  韓国

脳梗塞の治療には血栓溶解療法や血栓回収療法があるが時間制限があるため適用できる患者はすくない。

これまで脳梗塞患者の血圧を薬で昇圧して脳循環を改善する試みがいくつかなされてきたが いずれもサンプル数がすくなく結論も一致していない。

そこで脳梗塞の昇圧療法についてマルチセンターランダム化比較試験 SETIN-HYPERTENSION(Safety and Efficacy of Therapeutic Induced Hypertension in Acute Non-Cardioembolic Ischemic Stroke)トライアルをやってみたそうな。



非心原性の脳梗塞から24時間以内で通常の血行再建術ができない患者について、
76人を昇圧グループ
77人をコントロールとした。

昇圧グループは薬フェニレフリンでゆっくりと昇圧し、
収縮期血圧が200mmHgをしたまわる範囲でNIHSSスコアが2ポイント以上改善するまで昇圧し続けた。

その上限値を24時間以上維持したのち除々に昇圧を解いていった。

さらに90日後のmRSスコアも評価した。



次のようになった。

・年齢、重症度を考慮してなお昇圧グループのほうが神経症状(NIHSS)スコア、90日後の回復良好者(mRS0-2)割合 ともにあきらかにすぐれていた。

・とくに昇圧グループの88.2%はNIHSSスコアが2ポイント以上改善し、このときの平均収縮期血圧は179.7mmHgだった。

・安全性の面でグループ間にあきらかな違いはなかった。

脳梗塞患者への薬による昇圧療法は安全でかつすぐに神経症状が改善し、長期の回復度も向上した、



というおはなし。

図:脳梗塞への昇圧効果



感想:

「血圧が高い」には脳のすみずみにまで血液を巡らせるメリットがある。

それを降圧薬で無理やり下げてしまうとボケがすすむ原因になる、と考えるひとも少なくない。
降圧薬のうちきりが認知症をふせぐ?

2019年10月27日

Neurology誌:別病院への再入院はいろいろヤバい


Readmission to a different hospital following acute stroke is associated with worse outcomes
2019  10月  アメリカ

急性脳卒中のあと再入院すると最初の入院時よりも死亡率が2倍高いという報告がある。
さらに医療コストも20%増しになるという。

そこで、脳卒中で退院したあと30日以内に別の病院へ再入院したばあいの入院日数、医療コスト、死亡率について大規模にしらべてみたそうな。

2019年10月26日

Stroke誌:未破裂瘤を治療すると頭痛が治まる理由


Headache Outcomes After Treatment of Unruptured Intracranial Aneurysm
2019  10月  カナダ

未破裂脳動脈瘤患者のおよそ3分の1は頭痛が理由で病院にかかり瘤がみつかっている。このような場合 偶然に瘤がみつかったとされ頭痛と瘤との因果関係は無視されてきた。

最新の国際頭痛分類では未破裂脳動脈瘤による頭痛が認められるようになったものの、ほんとうに瘤が頭痛の原因で その瘤を治療すれば頭痛が治まるのかについてはいまだ議論がある。

そこで未破裂脳動脈瘤の治療(クリップやコイル)でどのていど頭痛が改善するものかについて これまでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月25日

麻痺上肢をうごかす運動準備低周波振動とは


Low-Frequency Brain Oscillations Track Motor Recovery in Human Stroke
2019  10月  アメリカ
脳卒中による上肢の麻痺はながく続き 効果的な治療法はまだない。

運動をおこすタイミングの直前から発生するデルタ波やシータ波は、脳波の運動準備低周波振動(Movement preparatory low-frequency oscillations:LFOs)と呼ばれ脳刺激療法のターゲットとして注目されている。

動物実験ではLFOsと上肢運動機能との関連や、脳への低周波数の電気刺激による運動精度との関連が示されているが人での関連はよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月24日

Stroke誌:若年者 PTSDからの脳卒中


Posttraumatic Stress Disorder and Risk for Stroke in Young and Middle-Aged Adults
2019  10月  アメリカ

脳梗塞の10-14%は18-45歳が占める。高齢者の脳梗塞発生率は低下傾向にあるもの若年者は上昇傾向にある。

そのリスク要因の1つとして精神的、心理的ストレスが考えられる。とくにPTSD(心的外傷後ストレス障害)は若年者の10-40%にみられるという。

そこで若年者について、PTSDと脳卒中との関連を大規模にしらべてみたそうな。



平均年齢30でイラクやアフガニスタンで働いた退役軍人約100万人を13年間フォローした記録を解析した結果、



次のことがわかった。

・28.6%がPTSDと診断された。

・TIA766人、脳梗塞1877人が発生した。

・PTSD患者のTIAリスクは2.02倍で、脳梗塞リスクは1.62倍だった。

・関連要因を調整してもこれらのリスクはあきらかに高かった。

・PTSDの脳梗塞への影響は女性よりも男性に強く、TIAでは性差はみられなかった。

PTSDは若年者のTIAや脳梗塞リスクをあきらかに高くする要因だった。とくに男性はPTSDで脳梗塞になりやすかった、


というおはなし。

図:



感想:

ストレス下にあると慢性的な炎症、自律神経系や生活の乱れがおおきくなって脳卒中になるんだって。

さいきん「PTSD」ってあまり聞かないな、、とおもって、似たようなところで「LGBT」と比べてみた。


規模も傾向も大差ないのね。

2019年10月23日

コイル塞栓術中にコブを破ってしまったケースの予後


Long-term Outcomes Following Intraprocedural Aneurysm Rupture During Coil Embolization of Unruptured Intracranial Aneurysms
2019  10月  日本

脳動脈瘤のコイル塞栓術はクリッピングの代わりに広く受け入れられるようになった。

最近のメタアナリシスではコイル塞栓術の合併症率は4.96%、致命率は0.30%とされている。

コイル塞栓術中に脳動脈瘤を破ってしまうIPR(intraprocedural aneurysm rupture)はもっとも深刻な合併症の1つである。

未破裂脳動脈瘤でのIPRの予後についての報告は限られ、長期にフォローしたものはさらに少ないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月22日

6分間で〇〇〇m歩けないと転ぶ


The six-minute walk test as a fall risk screening tool in community programs for persons with stroke- a cross-sectional analysis
2019  10月  アメリカ

脳卒中の再発を防ぐために有酸素運動をとりいれることが望ましいが、事前に転倒リスクが高い患者を見分ける必要がある。

そこで6分間歩行テストと転倒リスクとの関連をくわしくしらべてみたそうな。



発症後6ヶ月以上経つ脳卒中患者66人について、
日常生活のバランス能力を調査する Activities-specific Balance Confidence scale:ABCスケール を評価して

6分間歩行距離との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・6分間歩行距離が小さいほど転倒リスクは高かった。

・このときのROC曲線下面積は0.701で、

・カットオフ値331.65mを下回ると転倒リスクがあきらかに高く、

・この値でスクリーニングした場合、高転倒リスク者を含む確率は59.1%→74.3%に向上した。

6分間歩行テストと転倒リスクには関連があった。332mを下回る患者には注意が必要である、


というおはなし。

図:6分間歩行距離と転倒リスク


感想:

6分間は360秒だから、だいたい秒速1mがめやすだな。
Stroke誌:復職できる歩行スピード

2019年10月21日

薬を飲まないから認知障害になるのか?


Cognitive impairment and medication adherence post-stroke- A five-year follow-up of the ASPIRE-S cohort
2019  10月  アイルランド

脳卒中経験者の38%は認知障害、10%は認知症になるという。

認知機能に問題を抱えると再発予防のための服薬の順守率が下がるとする報告がある。

いっぽう服薬を順守しないことによる認知機能の低下についての調査はまだないので、これらをくわしくしらべてみたそうな。



脳卒中患者108人を5年間フォローした。

認知機能の評価には、
6ヶ月後 Montreal Cognitive Assessment:MoCA 、
5年後 National Institute of Neurological Disorder sand Stroke (NINDS) を用いた。

降圧薬と脂質低下薬、抗血栓薬の服薬順守評価については
アンケート Medication Adherence Rating Scale (MARS-5)と、
処方箋データベースを活用した。



次のことがわかった。

・5年後の認知障害率は35.6%だった。

・非服薬順守率は脂質低下薬15.1%、抗血栓薬30.2%だった。

・12ヶ月後の非服薬順守と5年後の認知障害にはあきらかな関連はなく、

・6ヶ月後の認知障害と5年後の非服薬順守にも関連はみられなかった。

・ただし認知障害を示した患者が服薬の介助を受けていることはすくなくなかった。

再発予防の服薬を守らないことで認知障害になるわけではないことを初めて示した、


というおはなし。

図:服薬遵守と認知障害



感想:

脳卒中イベントそのものが認知障害の原因として大きすぎて、薬の影響は比較にならないってことなんだな。
nature.com:降圧薬を飲まないのは認知機能が低いから

2019年10月20日

小さくても破れやすい脳動脈瘤の位置は


Differences in Size between Unruptured and Ruptured Saccular Intracranial Aneurysms by Location
2019  10月  アメリカ

未破裂脳動脈瘤をフォローしたおおくの研究から、瘤のサイズがおおきくなるほど破裂リスクも高くなることがわかっている。

しかし臨床シーンでは思いのほか小さい瘤の破裂も観察されていて、サイズのみが破裂の決定要因ではないことが示唆されている。

いっぱんに後方循環系の瘤のほうが前方循環系のそれよりも危険と考えられているがより詳細な位置での破裂リスクはあきらかになっていない。

そこで未破裂と破裂の脳動脈瘤の位置ごとの最大サイズがことなるものか くわしくしらべてみたそうな。

2019年10月19日

しゃっくりを起こす梗塞の位置


Supratentorial infarcts accompanying hiccup
2019  10月  日本

しゃっくり(hiccup)は横隔膜の発作的なけいれん収縮にともない声帯が急に閉じて "hic" という音がでることでしられている。

しゃっくりのもととなる神経解剖学的な中心位置はいまだあきらかでない。

しゃっくりは中枢神経系へのダメージによっても起き、延髄や橋をふくむ脳幹部の損傷で起きやすいとする報告がいくつもある。

いっぽう少数ながらテント上での損傷によっても起こりうるとする報告もある。

そこで、脳卒中でしゃっくり症状のあった患者のうちテント上病変の画像診断的特徴をくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月18日

水中運動エクササイズの効果 メタアナリシス


Water-Based Exercise on Functioning and Quality of Life in Poststroke Persons- A Systematic Review and Meta-Analysis
2019  9月  ブラジル

エクササイズをベースにしたリハビリ法はいくつもあるが、これが脳卒中リハビリにもっとも効果的である!というものはまだない。

水中運動エクササイズ(Water-Based Exercise)は水中療法(aquatic therpy)とも呼ばれ、水の浮力により少ないちからで効果的に動くことができ、身体を支えられない患者でもリハビリを始めることができる。

これまで水中運動エクササイズのシステマチックレビューはいくつかあったが、いずれも信頼性が低く評価項目も限定的だった。

メタアナリシスはないので、効果全般についてくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月17日

重度上肢麻痺の両手準備運動の効果


Bilateral motor priming for post stroke upper extremity hemiparesis- A randomized pilot study
2019  10月  アメリカ

脳卒中の上肢リハビリにはCI療法があるが ごく軽い麻痺患者にしか適用できない。中-重度麻痺患者への ロボットやミラー、VRなどのリハビリ方法が試みられているがいずれも成果は芳しくない。

両手準備運動(Bilateral motor priming)では麻痺していない手の動きにあわせて麻痺手が左右対称に連動する装置をもちいる。この動きにより左右脳半球の働きがバランスされリハビリがすすむという報告がいくつかある。

そこで、上肢の重度麻痺患者に対し両手準備運動の効果を検証してみたそうな。



脳卒中の発症から6ヶ月以上経つ重度の上肢麻痺の患者16人について上肢の課題訓練(45分間)をおこなった。

課題訓練の直前に、
両手準備運動15分間 または
パソコンゲーム15分間(コントロール)をおこなうグループにわけた。

「両手準備運動」は両手が連動して鏡像運動する装置の上で手首の曲げ伸ばしを1周期1秒のペースでおこなった。

これらを1日2時間 x  週に2-3回ペースで 計15セッション行った。

TMSをつかって半球間抑制の程度も測定した。

上肢機能を、Chedoke Arm and Hand Activity Index9:CAHAI-9 および Fugl Meyer Upper Extremity:FMUE で6週間後までフォローした。



次のようになった。
・CAHAIスコアの改善度にはグループ間であきらかな差はみられなかった。

・FMUEでは両手準備運動グループが有意にすぐれた改善を示し、介入前後で10ポイント向上していた。(コントロールは4.4ポイントの向上)

・半球間抑制の持続性も両手準備運動グループであきらかにおおきかった。

上肢リハビリのまえに15分間の両手準備運動を加えることで重度麻痺患者の運動機能スコアがおおきく向上した、


というおはなし。

図:両手準備運動


感想:

これって 両手のひらをあわせて指を絡めて離れないようにして、健常手でリードしながら両手首を左右にクキクキ動かすのと同じことと考える。特別な装置はいらないとおもうよ。

両手をパタパタ動かしてからリハビリすると左右の脳がシンクロしてどうのこうの…


両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!


ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まっっったく効果ない

2019年10月16日

BMJ誌:療法士に聞く 上肢リハビリの現場状況


Current therapy for the upper limb after stroke- a cross-sectional survey of UK therapists
2019  9月  イギリス

脳卒中患者の2/3は自立歩行ができるようになるいっぽう、上肢機能を取り戻すことができるのは半数に満たないという。

上肢機能のリハビリ方法はいまだ確立しておらず、2006→2016年に「脳卒中」AND「上肢」に関する論文の数は PubMed検索で354→943に急増している。

そこで、現場の療法士により行われている上肢リハビリの種類と頻度、時間について広くしらべてみたそうな。

2019年10月15日

重度の歯周病と脳卒中後のうつ


Severe Periodontitis Is Associated with Early-Onset Poststroke Depression Status
2019  9月  中国

脳卒中後のうつはもっともよくある合併症の1つである。そしてうつには歯周病が関連しているとも言われている。

そこで、重度の歯周病と脳卒中後うつとの関連についてしらべてみたそうな。

2019年10月14日

運動麻痺のあったTIA患者がじつは脳梗塞の可能性


Motor impairments in transient ischemic attack increase the odds of a positive diffusion-weighted imaging- A meta-analysis
2019  9月  アメリカ

一過性脳虚血発作(TIA)のほとんどは1時間以内に症状が消えてなんの障害ものこらない。

その診断はおもに患者の症状報告に頼ることになる。そしてMRIを撮り梗塞を見つけることができた場合、それは「軽い脳卒中」に昇格する。

MRIの拡散強調画像(Diffusion-weighted imaging:DWI)は発症後間もない梗塞がわかり、10日間は検出することができるという。
しかし必ずしもすべての患者でMRIを撮るわけにもゆかない。

経験的に、運動機能障害をともなう脳虚血症状には梗塞があることが少なくない。

そこでTIA患者のうち片半身に運動機能障害がでた場合のDWI陽性率をメタアナリシスでくわしくしらべてみたそうな。



TIA患者について片側の運動機能障害の有無とDWIのある研究を厳選して、
データを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・被験者6710人を含む24の研究がみつかった。

・運動機能障害のあったTIA患者がDWI陽性(梗塞あり)であるオッズ比は、運動機能障害がない場合の1.80倍だった。

・TIA発症から2日以内にDWIを撮る場合にくらべて、2日以降にDWIを撮った場合のDWI陽性オッズ比にあきらかな差はなかった。

TIA患者のうち片側に運動機能障害があったばあい、梗塞がある(DWI陽性)可能性が非常に高かった。運動機能障害のあったTIA患者はMRIを撮るべきだろう、


というおはなし。

図:TIAをMRI



感想:

たとえ運動機能障害がなかったとしても、、、↓
軽いしびれやめまいがガチ脳梗塞の率 JAMA Neurol.

2019年10月13日

認知機能の低下 3→6ヶ月後


Poststroke Cognitive Decline- A Longitudinal Study from a Tertiary Care Center
2019  7月  インド

インドはいまだ発展途上で脳卒中後の認知機能低下(Poststroke Cognitive Decline)をしらべたおおきな研究がない。これまでの研究ではその有病率は20-72%と幅がおおきい。

そこでおおくの患者についてしらべてみたそうな。



3次病院での2015-2017の脳卒中患者200人について、

3ヶ月後と6ヶ月後の認知機能検査を、
MMSE(Mini-Mental State Examination)
MoCA(Montreal Cognitive Assessment)の両方の基準でしらべたところ、



次のようになった。

・MMSE基準では認知機能低下は3、6ヶ月後それぞれ 67%、31.6%に見られた。

・MoCA基準では、それぞれ 46.3%、17.1%に見られた。

・認知機能低下の予測因子は糖尿病と高血圧だった。

脳卒中後の認知機能低下は3ヶ月時点で3分の1以上にみられた。しかし6ヶ月後には著しく減少していた、


というおはなし。

図:認知機能低下



感想:

認知機能は下がったままの印象が強かったので関心をもった。
軽い脳梗塞で認知障害の率とその後

「認知症というほどではない認知障害」の率

2年間の認知機能変化を追跡

2019年10月12日

Circulation誌:犬飼ってると脳卒中でも死なない


Dog Ownership and Survival After a Major Cardiovascular Event A Register-Based Prospective Study
2019  10月  スウェーデン

脳卒中など心血管疾患のあとの、うつや一人暮らし、社会的孤立で死亡リスクが高くなることが知られている。

犬などのペットを飼うと身体活動レベルが上がり、孤独やうつが癒やされ、血圧やストレスの低下につながると考えられる。

ペットを飼うことと心血管疾患による死亡リスクのこれまでの研究はサンプル数がすくなく結論も一致していない。

そこで、犬に限定して大規模にしらべてみたそうな。

2019年10月11日

わかめ こんぶ ひじき のりが脳卒中を防ぐ?


Seaweed intake and risk of cardiovascular disease- the Japan Public Health Center-based Prospective (JPHC) Study
2019  10月  日本

海藻(わかめ、こんぶ、ひじき、のり)を 欧米人はあまり食べない。

海藻にはカリウム、カルテノイド、食物繊維が多く含まれ、コレステロールや血糖、血圧をさげる効果が報告されている。

しかし海藻摂取と脳卒中など心血管疾患との関連についてはわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月10日

耳の迷走神経刺激で上肢の感覚がもどる


Transcutaneous Auricular Vagus Nerve Stimulation with Upper Limb Repetitive Task Practice May Improve Sensory Recovery in Chronic Stroke
2019  9月  イギリス

迷走神経刺激(Vagus Nerve Stimulation:VNS)は薬が効かないタイプのてんかんやうつの治療に用いられている。

片頭痛や慢性疼痛にも用いられるようになり、慢性期脳卒中での運動機能の改善効果も報告されている。

従来、VNSは頸を走行する神経を刺激するために胸部にバッテリーを含む刺激装置を埋め込む手術が必要だった。

さいきん経皮的VNS装置が開発され実験が簡単にできるようになった。

そこで耳介を走行する迷走神経を刺激する装置(Transcutaneous Auricular Vagus Nerve Stimulation:taVNS)をもちいて、慢性期脳卒中患者の上肢「感覚」の改善効果をたしかめてみたそうな。



発症から3ヶ月間以上経つ患者12人について、
taVNSをしながらの上肢繰り返し訓練300回/1時間を6週間にわたり計18セットおこなった。

taVNSはNEMOS社の(https://nemos.t-vns.com/en/)装置を使用した。

この前後での触覚、固有感覚をFugl-Meyerスコアをつかって評価した(0-12ポイント)ところ、



次のようになった。

・12人中11人に感覚障害があり、そのうち64%で感覚の回復が見られた。(固有感覚が6人、触覚が2人、両方が1人)

・運動機能がもっとも回復した患者で感覚も もっとも大きい3ポイントの回復が見られた。
耳の迷走神経への経皮的電気刺激にくわえた上肢繰り返し訓練で 慢性期脳卒中患者の感覚が回復できるのかも、、、



というおはなし。

図:経皮的耳迷走神経刺激



感想:

NEMOS社のページみると当該装置が4万円未満で買えそう。
手術のいらない迷走神経刺激リハビリの効き目

耳への電気刺激で脳が回復するという根拠について


[迷走神経刺激]の関連記事

2019年10月9日

赤肉 加工肉 と脳卒中の問題に決着


Red and Processed Meat Consumption and Risk for All-Cause Mortality and Cardiometabolic Outcomes: A Systematic Review and Meta-analysis of Cohort Studies
2019  10月  カナダ

一般に 赤肉(red meat)や 加工肉(processed meat)を多く摂ると心血管系の死亡や脳卒中のリスクが高くなると考えられているが、いくつかのシステマチックレビューでは関連がないとするものもあり、必ずしも一致した見解が得られていない。

そこで最新の研究も含めてメタアナリシスをやり直してみたそうな。

2019年10月8日

高齢者の脳動脈瘤治療が必要でない理由


Asymptomatic intracranial aneurysms in the elderly- long-term clinical and radiological follow up of 193 consecutive patients
2019  9月  オーストラリア

平均寿命と画像診断技術の向上により高齢者に未破裂脳動脈瘤がみつかることがおおくなった。

しかし高齢者は余命が短く手術の合併症を負いやすいことから未破裂脳動脈瘤を治療するメリットが小さいとも考えられる。

高齢の未破裂脳動脈瘤を治療するべきか否かについてはいまだ諸説あるので、実際に長期フォローをして破裂傾向をたしかめてみたそうな。

2019年10月7日

アスピリンの予防効果と安全性


The Efficacy And Safety Of Aspirin As The Primary Prevention Of Cardiovascular Disease- An Updated Meta-Analysis
2019  9月  中国

脳卒中など心血管疾患へのアスピリンの2次予防効果はあきらかである。

しかし1次予防効果については結論がでていない。低用量アスピリンはアメリカでは推奨されているが ヨーロッパでは推奨されていない。

そこで、さいきん公開された臨床試験 ASPREE, ARRIVE, ASCEND 等をふくめてメタアナリシスをやり直してみたそうな。

2019年10月6日

エアロバイク訓練の効果 メタアナリシス


Effects of aerobic exercise using cycle ergometry on balance and functional capacity in post-stroke patients- a systematic review and meta-analysis of randomised clinical trials
2019  10月  ブラジル

脳卒中患者の有酸素運動は心身の機能を維持するうえで効果的と考えられている。

とくに自転車エルゴメータを用いたそれ(エアロバイク)は筋力 体幹コントロール 歩行スピード バランス能力を改善するとされている。

これを確かめるべく、いままでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月5日

脳卒中を予見できる「握力」の評価方法とは


Effect of relative handgrip strength on cardiovascular disease among Korean adults aged 45 years and older- Results from the Korean Longitudinal Study of Aging (2006-2016)
2019  9月  韓国

高齢になると 筋力が衰える「フレイル」もしくは筋肉量が減少する「サルコペニア」な状態になりやすくなる。

これらの状態は筋力測定に反映されると考えられる。とくに「握力(hand grip strength:HGS)」はシンプルで信頼性の高い計測パラメータである。

いくつかの報告では握力と脳卒中など心血管疾患との関連が指摘されているいっぽう、それを否定する報告もある。

こういった矛盾を解決するために体重を考慮して握力をBMIで割った 「相対握力」の使用が提唱されている。

そこで心血管疾患を予測しうる相対握力のしきい値をもとめるべく大規模調査をおこなってみたそうな。

2019年10月4日

BMJ誌:血圧130-140を降圧治療する意義


Benefits and harms of lower blood pressure treatment targets- systematic review and meta-analysis of randomised placebo-controlled trials
2019  9月  スウェーデン

過去数十年間、高血圧の定義は「140/90mmHg以上」だった。

しかし2017にアメリカがガイドラインを改訂して「130/80mmHg以上」とした。
ヨーロッパもこれにならおうとしている。

さらにSPRINT研究では収縮期血圧を120mmHg以下を目標にしたほうがよいとする結論をだした。

これら研究のおおくはランダム化比較試験(RCT)ではあるがダブルブラインドになっていないものがおおくバイアスの懸念がある。

そこで もとの収縮期血圧が130-140mmHgの者への降圧薬治療の効果と安全性について、ダブルブラインドのRCTに限定して選びメタアナリシスをこころみたそうな。



2018までの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・被験者92567人をふくむ18のダブルブラインドのRCTがみつかった。

・総死亡リスク、主要心血管イベントリスクへの効果は確認できず、

・有害事象による服薬中断のリスクが1.23倍になった。

・心筋梗塞や脳卒中への効果も確認できず、

・低血圧関連の有害事象が増えた。

ダブルブラインドRCTのメタアナリシスの結果、もとの収縮期血圧が130-140mmHgの者への降圧薬治療の効果は確認できず、有害事象が増えるのみだった、



というおはなし。

図:血圧測定


感想:

再発予防には低めがいいみたいなんだよ↓。
日本人の再発予防に適した血圧 JAMA Neurol.

NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね

2019年10月3日

正中神経電気刺激と脳ネットワーク


Median Nerve Electrical Stimulation-Induced Changes in Effective Connectivity in Patients With Stroke as Assessed With Functional Near-Infrared Spectroscopy
2019  9月  中国

正中神経電気刺激(Median Nerve Electrical Stimulation:MNES)は手首をとおる正中神経を経皮的に電気刺激して感覚システムへの求心性のイップットをもたらす神経調節テクニックである。

MNESが脳卒中の皮質可塑性へもたらすメカニズムについてはわかっていないので、機能的近赤外分光(fNIRS)をつかって脳皮質の各部位が働きかける方向を考慮した 実効的結合(effective connectivity:EC)解析からしらべてみたそうな。



脳卒中で右片麻痺の患者20人について、

安静時と
右手首へのMNES時のfNIRS測定をおこなった。

MNESは右手首内側に電極を貼り50Hzのパルスを 筋肉が収縮しかつ我慢できる最大強度で数十秒おきに10分間しげきした。

fNIRSは左右の、前頭前野(PFC),運動野(MC)、後頭葉(OL)、にセンサーをおいた。



次のようになった。

・安静時にくらべMNES時では左右PFCから左OLへの実効的結合があきらかに増え、

・さらに左MCと左OLから右PFCへのカップリング強度も有意に高くなった。

・左PFCから左右の運動野 後頭野へのカップリングも観察され、MNESが病側の前頭前野からの調節を促していると考えられた。

・非損傷脳からの損傷脳MCへのカップリングが低下していた。

麻痺手へのMNESによる感覚運動刺激が脳皮質の機能再編のきっかけになりうると考えられた、


というおはなし。

図:MNES



感想:

いまいちよくわからないけど、単にビリビリするだけではないなにか特別なことが脳におこっていた、ということなんだな。

低周波治療器の電極をそれらしい位置(上図)に貼ればすぐに実験できる↓。
nature.com:上肢麻痺を改善する電気刺激のやりかた

2時間で指の動きがよくなる電気刺激方法とは

脳の可塑性を促す腕の電気刺激方法

2019年10月2日

オメガ3サプリメントの効果 最新メタアナリシス


Marine Omega-3 Supplementation and Cardiovascular Disease- An Updated Meta-Analysis of 13 Randomized Controlled Trials Involving 127 477 Participants
2019  10月  アメリカ

魚を多く摂ると心臓病リスクが低くなることがわかっているが、魚におおく含まれるオメガ3長鎖脂肪酸であるEPAやDHAのサプリメントと心血管疾患との関連は必ずしもあきらかではない。

これまでの10のランダム化比較試験のメタアナリシスでも効果は確認できなかった。

そこで、さいきん行われた3つの大規模臨床試験を加えて、あらためてメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年10月1日

安静時脳ネットワークにみるイメージ訓練の効果


The reorganization of resting-state brain networks associated with motor imagery training in chronic stroke patients
2019  9月  中国

運動イメージ訓練(motor imagery training:MIT)は脳卒中患者の上肢リハビリで高い成果をあげている。

その効果は脳皮質上の活動変化として いくつものタスクベースのfMRI研究で確認されている。

いっぽう安静時fMRIをつかった研究はまだ1件しかない。

そこでMITの脳卒中リハビリへの効果が安静時fMRIのネットワーク解析結果にどう反映されるものか、実験してみたそうな。



慢性期の脳卒中で片麻痺の34人を、
通常リハビリ
通常リハビリ+MIT
の2グループにわけた。

MITはリラックスした状態の1人称視点で手の動作を思い描く。これを1日30分間x4週間おこなった。

この前後での安静時fMRIを測定し、上肢の機能回復度(FM-UL)との関連を解析したところ、



次のようになった。
・MITグループでFM-ULスコアがよりおおきく改善した。

・両グループともに半球間結合が高まり、損傷脳半球内での一次運動野(M1)間の結合が低下した。

・しかしMITグループでは、損傷脳半球内のM1と中心前回および中心後回 中部帯状回 縁上回の結合がたかまった。いっぽう通常リハビリグループではこれらの結合は低下していた。

・脳ネットワークのクラスター係数はMITグループでのみあきらかに上昇していて、これはFM-ULスコアと正の相関があった。

運動イメージ訓練は脳内ネットワークの再編をとおして運動機能の回復にむすびついていると考えられる、


というおはなし。

図:MITの上肢機能とクラスタリング係数



感想:

安静時fMRIだから手をうごかせない患者でもMITリハビリの進展をモニターできるな。
運動イメージ中の脳ネットワーク結合を調べた結果、、

2019年9月30日

軽いしびれやめまいがガチ脳梗塞の率 JAMA Neurol.


Rate and Prognosis of Brain Ischemia in Patients With Lower-Risk Transient or Persistent Minor Neurologic Events
2019  9月  カナダ

一過性脳虚血発作(TIA)の10-17%は90日以内に脳卒中をおこすという。

彼らのおよそ半数は運動や言語症状のない 軽いしびれやめまい ふらつきなどの症状が5分以下しか続かないケースであり、くわしい検査もなしに脳虚血ではない単なる類似症状とみなされることもすくなくない。

こういったばあいに本当に脳虚血が起きているケースがどのくらいの頻度であるものか、MRIの拡散強調画像(Diffusion Weighted Imaging:DWI)でくわしくしらべてみたそうな。



複数国の病院施設での、5分以下しか続かない軽いしびれやめまい症状から8日以内の患者1028人について、追加でMRIのDWIを撮り急性梗塞の有無を判定したところ、



次のことがわかった。

・135人(13.5%)がDWIポジティブで急性脳卒中と診断された。

・最終的に、脳卒中の取り消しも含め 308人(30.0%)の診断が覆った。

・これらローリスク患者の1年後再発率は0.7%で非常に低かった。

軽いしびれやめまいの一過性の患者をMRIで精査したところ、13.5%がほんとうの脳梗塞だった。MRI検査は欠かせない、


というおはなし。

図:MRI検査



感想:

お医者さんもめんどくさいからCTをサッと撮って「異常ありませんね」と家に帰す。

だから「MRIでディフュージョン撮ってください!」と言ってみよう。

2019年9月29日

脳動脈瘤があるなら腹部大動脈瘤にも注意!


Prevalence of Previously Undiagnosed Abdominal Aortic Aneurysms in Patients with Intracranial Aneurysms- From the Brain and Aortic Aneurysms Study (BAAS)
2019  9月  アメリカ

脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の死亡率は26-36%で、腹部大動脈瘤のそれは36-58%という。

ゲノムワイド関連解析によると脳動脈瘤と腹部大動脈瘤には共通の遺伝子が関係していることがわかった。

未破裂の腹部大動脈瘤は破裂予防手術ができることから、くも膜下出血患者には腹部大動脈瘤のスクリーニング検査を受けさせるべきとする考え方がある。

じっさい脳動脈瘤と腹部大動脈瘤が一緒のケースがどのくらいの頻度でありうるのか、くわしくしらべてみたそうな。

2019年9月28日

Stroke誌:復職できる歩行スピード


Return to Employment After Stroke in Young Adults
How Important Is the Speed and Energy Cost of Walking?
2019  9月  イギリス

65歳以下の脳卒中経験者の25-44%は復職できていないという。

その原因はおもに歩行能力の問題と考えられるが 「若年」脳卒中経験者の歩行能力と復職との関係についての調査はおおくないのでくわしくしらべてみたそうな。



18-65歳 発症から3年以内で 3分間以上連続自立歩行のできる脳卒中経験者46人と、年齢の近い健常者15人について、

歩行パラメータの3D解析と歩行中の酸素消費量測定を行い
復職状況との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・脳卒中経験者の歩行は健常者にくらべ著しく遅く、代謝が非効率だった。

・23%のみが復職できていた。

・数ある歩行パラメータのうち、「歩行スピード」が復職のもっとも強い予測因子で、

・ROCカーブ解析では歩行スピードが0.93m/s以上あるとあきらかに復職しやすかった。

若年脳卒中経験者の歩行はとても遅く非効率だった。歩行スピードは復職の予測因子で 0.93m/s以上が望ましいと考えられた、


というおはなし。

図:歩行



感想:

ようするに普通の人なみに歩ければOKってことで、感心するよな情報ではなかった。

2019年9月27日

自己犠牲マインドは脳卒中のもと?


Self-silencing may lead to increased risk of stroke - EurekAlert! Science News
2019  9月  アメリカ

じぶんの本当の気持ちを表現することはメンタル的にも身体的にもよいと考えられる。

他者との衝突や関係を失うことを恐れて 自分の気持ちを抑え他人の欲求を優先させる 自己犠牲傾向(Self-silencing)が頸動脈プラークを増大させて脳卒中の原因になりうる、という仮説を検証してみたそうな。

今週開催中の北米閉経学会(NAMS)での発表。

2019年9月26日

地球磁場の乱れと脳卒中死の関係


Geomagnetic disturbances driven by solar activity enhance total and cardiovascular mortality risk in 263 U.S. cities
2019  9月  アメリカ

地球の磁場は太陽黒点(sunspot)活動の11年周期に影響されて地磁気擾(じょう)乱(geomagnetic disturbances:GMD)を引き起こす。

GMDは生物の自律神経系に影響するとされ心拍変動や概日リズム 血圧 との関連も報告されている。

いっぽうGMDが強いほど心房細動が起きにくく脳卒中が少なくなるという報告もある。

そこでGMDと脳卒中など心血管疾患での死亡者数との関連を大規模にしらべてみたそうな。

2019年9月25日

TIA患者のデフォルト・モード・ネットワーク


Altered Functional Connectivity within Default Mode Network in Patients with Transient Ischemic Attack- A Resting-State Functional Magnetic Resonance Imaging Study
2019  9月  中国

一過性脳虚血発作(TIA)では神経症状は24時間以内に解消し梗塞も残らない。

しかし認知障害や脳卒中を起こしやすくなることから脳の異常性をあきらかにすることは重要である。

さいきん安静時脳機能MRI(Rs-fMRI)によりデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の存在を確認できるようになった。

これまでの報告からDMNは認知機能に関連するとされ、脳卒中患者ではDMN内の一部の機能結合性の低下が指摘されている。

TIA患者でのDMNについてはわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。



TIA患者48人と年齢の一致する健常者41人について、
Rs-fMRIを実行し、DMNにについてシードベースの機能結合性評価をおこなった。



次のことがわかった。
・左の中側頭回(MTG) 角回(AG)と 内側前頭前皮質(mPFC)および後帯状皮質(PCC) 楔前部(Pcu)との機能結合性が健常者にくらべあきらかに低下していて、

・さらにmPFCと右Pcu,左PCC,左AG, および右Pcuと左PCCの結合性の低下も見られた。

・1年後までに次の虚血イベントを経験した患者では、mPFCと左PCCとの結合性が有意に低下していた。

・臨床症状、生理学的、生化学的マーカーと機能結合性との関連は確認できなかった。

TIA患者のデフォルト・モード・ネットワークには結合性の異常な箇所がいくつか見られた。そのうち内側前頭前皮質と左の後帯状皮質との結合性低下は虚血イベントの再発と関係がありそうだった、




というおはなし。

図:デフォルト・モード・ネットワーク


感想:

上の図がデフォルト・モード・ネットワークの要所。脳が安静状態のとき、これらの活動が数十秒周期で同期するんだって。
安静時fMRIでみたTIA脳の異常

nature.com:急性期の脳機能結合と予後

感覚障害の機能的ネットワーク結合

脳幹梗塞のデフォルト・モード・ネットワーク

心房細動患者のデフォルトモードネットワークに異常

脳卒中後うつ患者の脳内ネットワーク

脳卒中後うつのfALFF解析

脳卒中後のうつ不安とデフォルトモードネットワーク

メンタルプラクティス+理学療法の効果を脳のネットワーク的に見ると、、

脳卒中患者のデフォルト・モード・ネットワークは…

2019年9月24日

Stroke誌:身体的健康感をきめる要因


Neighborhood Socioeconomic Status and Trajectories of Physical Health-Related Quality of Life Among Stroke Survivors
2019  9月  アメリカ

身体的健康感(Physical Health-Related Quality of Life:PH-QOL)の20%は医療サービスからきていて、あとの80%は社会、経済、環境、行動的要因に影響されると考えられている。

とくに脳卒中のばあい 身体的健康感がどういった要因に影響されるものか、その経時的な変化をふくめてくわしくしらべてみたそうな。



45歳以上のアメリカの脳卒中患者284人について、
身体的健康感を測定するアンケートSF-12を3年間フォローした。

被験者の住居を含む国勢統計区ごとの社会経済レベルをふくめて関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・身体的健康感は全体を平均すると時間変化はなかった。

・しかし女性や若年者に限定すると、男性や高齢者よりも身体的健康感は向上してゆく傾向にあった。

・社会経済状況の高い地域の住人は すべての時点において身体的健康感がすぐれていた。

脳卒中患者の身体的健康感は社会経済環境や性別、年齢と関連していた、


というおはなし。

図:脳卒中の身体的健康感と性別



感想:

上のグラフみると男性は最初だけイキってQOLが高いけど どんどん降下して逆転される。女性のQOLが低いといわれる理由がわかった気がする。
Stroke誌:女性のQoLが低い理由

2019年9月23日

麻痺のない手の機能障害と脳半球


Functional Deficits in the Less-Impaired Arm of Stroke Survivors Depend on Hemisphere of Damage and Extent of Paretic Arm Impairment
2019  9月  アメリカ

脳卒中で麻痺していない方の手の機能障害の報告は1967年からある。

これと損傷脳半球の左右との関係については報告によりことなる。

そこで麻痺のない方の手の機能と損傷脳半球、麻痺手の重症度との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2019年9月22日

脳梗塞のあとに心房細動がみつかると認知症


Atrial fibrillation diagnosed after stroke and dementia risk- cohort study of first-ever ischaemic stroke patients aged 65 or older
2019  9月  カナダ

高齢化がすすむにつれ心房細動(AF)の患者も増加傾向にある。かれらの認知障害や認知症のリスクは「AFなし」の2倍以上といわれている。

脳卒中の診断の後に心房細動がみつかる(atrial fibrillation diagnosed after stroke:AFDAS)は急性脳梗塞の24%にみられるという。

脳卒中になるまえから心房細動がわかっている場合(known atrial fibrillation:KAF)にくらべてAFDASは神経性の原因も加わりメカニズムはことなると考えられる。

AFDASは不整脈が30秒以上続かないことがおおいのでKAFよりも認知症リスクは低いと予想できる。しかしその関連はわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。



65歳以上9791人の脳梗塞患者をつぎのグループに分類した。

AFなし:5195人
KAF:脳梗塞まえにAFがみつかる 3162人
iAFDAS:脳梗塞で入院中にAFがみつかる 492人
oAFDAS:退院後にAFがみつかる 942人

認知症の発生を5年半ほどフォローして関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・認知症リスクは「AFなし」にくらべて KAFで1.26倍、AFDASは1.73倍だった。

・iAFDASはoAFDASよりも認知症リスクがやや高かった。

・経口抗凝固薬を使用するAFDAS患者の認知症リスクはAFなしの0.6倍だった。

脳梗塞のあとに心房細動がみつかった患者の認知症リスクはかなり高かった。かれらのうち経口抗凝固薬使用者の認知症リスクは低かった、


というおはなし。

図:脳卒中後の心房細動の認知症リスク



感想:

これ↓思い出した。
心房細動で認知症はほんとうか?

心房細動だけで認知症になることがあきらかに

2019年9月21日

ハイリスク群への葉酸サプリメントの脳卒中予防効果


The effect of folic acid in patients with cardiovascular disease- A systematic review and meta-analysis
2019  9月  中国

ホモシステインは酸化ストレスを高め血管内皮を損傷し血栓の原因をつくる。

葉酸0.5-5.0mgを含むサプリメントを摂ることでホモシステインレベルを25%程度さげることができる。

ホモシステインレベルが25%下がれば虚血性心疾患リスクが11%低くなるという報告がある。

しかし葉酸サプリメントと脳卒中リスクについての過去2つのメタアナリシスでは一致した結論が得られていないので、あらためてメタアナリシスをこころみたそうな。



すでに心血管疾患である患者を対象としたランダム化比較試験で
脳卒中リスク、冠動脈疾患リスク、総死亡リスクをフォローした研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・被験者47523人を含む12の研究がみつかった。

・葉酸サプリメントを摂ることで、脳卒中リスクは0.85倍になった。

・総死亡リスクや冠動脈疾患リスクに葉酸サプリメントの有無で差はなかった。

葉酸サプリメントにより すでにハイリスクな人たちの脳卒中リスクがあきらかに低下した、



というおはなし。

図:葉酸サプリメントの脳卒中リスク



感想:

再発防止によさそうってことか。

[葉酸 サプリメント]の関連記事

2019年9月20日

BMJ誌:亜急性期の体トレは効果ないうえに危険


Physical Fitness Training in Patients with Subacute Stroke (PHYS-STROKE)- multicentre, randomised controlled, endpoint blinded trial
2019  9月  ドイツ

トレッドミルをつかった体力トレーニング(physical fitness training)は脳卒中患者の神経可塑性をうながし歩行や日常生活動作を改善すると考えられている。

じっさいアメリカ心臓協会のガイドラインでは、
亜急性期に最大心拍数の55-80%の有酸素運動20-60分間を週に3-5セットおこなうことを勧めている。

しかし亜急性期の体力トレーニングの効果をしらべたこれまでのランダム化比較試験9件のうち実際に効果を示したものは2件のみだった。

そこで体力トレーニングの効果と安全性についてマルチセンター(PHYS-STROKE)トライアルできっちりとしらべてみたそうな。



ドイツ7箇所の施設にて、発症から5-45日
NIHSSスコア8前後の中程度以上に神経症状の重い脳卒中患者200人について、

体力トレーニング105人と
リラクゼーション95人 の2グループにわけた。

体力トレーニンググループは体重支持つきトレッドミル上を最大心拍数の50-60%で25分間歩かせる。

リラクゼーショングループでは心拍に影響のない強度での筋肉緊張を解くエクササイズを25分間おこなった。

両グループともにこれらを週に5回 x4週間継続した。

3ヶ月後の日常生活動作をバーセルインデックスで、最大歩行速度を10m歩行テストでしらべた。
有害事象もフォローした。



次のようになった。

・体力トレーニングはリラクゼーションにくらべ最大歩行速度のあきらかな向上はみられなかった。

・日常生活動作についても差はなかった。

・有害事象は 22 vs. 9件 で体力トレーニングにはっきりと多く、とくに転倒リスクが高かった。

亜急性期の体力トレーニングはまったく効果ないばかりか危険だった。ガイドラインを見直したほうがいい、


というおはなし。

図:PHYS-STROKE



感想:

急性期の運動は効果ないし危険、亜急性期も効果ないし危険。

脳卒中の早期リハビリはがんばる人がバカを見る↓。
Neurology誌:早期リハビリ 気休めにもならない

コクランレビュー:超早期リハビリは効果ないし危ない

【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険

失語症の早期リハビリ まったく効果ない

超早期リハビリをやってはいけない理由

nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない

Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2019年9月19日

シータバースト刺激が脳卒中に良い理由


Beneficial Effects of Theta-Burst Transcranial Magnetic Stimulation on Stroke Injury via Improving Neuronal Microenvironment and Mitochondrial Integrity
2019  9月  中国

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、低い頻度では神経活動を抑制し高頻度では活性化すると考えられている。

うつなどの精神疾患にも応用され アルツハイマー病やパーキンソン病ではβアミロイドを減らしBDNFなどの神経促進タンパクを増やす効果が報告されている。

脳梗塞でのrTMSの影響メカニズムをくわしくしらべてみたそうな。



人為的に脳梗塞にしたネズミに3時間後からrTMSの5Hzのバーストパルスを5日間与えた。

この前後での行動、梗塞体積、脳組織の変化を観察した結果、



次のことがわかった。

・行動障害と梗塞体積があきらかに減少した。

・シナプス減少や神経退化も少なくなった。

・グリア細胞の増殖や炎症性サイトカイン、酸化ストレスによる神経ダメージも抑えられた。

・ミクログリア、アストロサイトの型が 傷害性から保護性にシフトした。

・抗炎症性のサイトカインが増加し、ミトコンドリアの細胞膜の健全性が維持されアポトーシス経路が抑制された。

rTMSのシータ刺激による脳虚血へのつよい神経保護作用がしめされた。炎症-酸化-ミトコンドリアの微小環境への改善効果が関係しているようだ


というおはなし。

図:磁気刺激 脳梗塞


感想:

ネズミ頭部に対するヘルムホルツコイルの巨大さ(上図)が気になった。

脳全体を刺激するシータリズムがミクロレベルにいいのか。

[シータバースト]の関連記事

2019年9月18日

勃起不全と脳卒中のメタアナリシス


Erectile Dysfunction Predicts Cardiovascular Events as an Independent Risk Factor- A Systematic Review and Meta-Analysis
2019  9月  中国

勃起不全(ED)は性交渉に必要な勃起レベルに達しないまたは維持できない状態をさす。ED人口は世界で1億人以上いるとされ、2025人には3億人を超えるという。

脳卒中などの心血管疾患でEDがよくみられることがわかっている。高血圧や糖尿病、喫煙、肥満など共通のリスク要因もすくなくない。

ぎゃくにED患者に心血管疾患が見られるとする報告もおおい。

これらのメカニズムはいまだよくわかっていない。

前回のメタアナリシスではサンプル数が十分でなくEDの程度と心血管疾患リスクとの関連もわかっていない。

そこで最新の研究を含めてEDからの心血管疾患についてメタアナリシスをこころみたそうな。



関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・被験者154794人をふくむ25の研究がみつかった。

・EDなしにくらべEDがあると心血管疾患リスク1.43倍、冠動脈疾患リスク1.59倍、脳卒中リスク1.34倍、総死亡リスク1.33倍だった。

・EDの程度がひどくなるほど心血管疾患および総死亡リスクがたかくなった。

EDは心血管疾患や脳卒中、総死亡リスクとあきらかな関連があった。重度のEDほどこれらリスクは高かった、


というおはなし。

図:勃起不全の程度と心血管疾患リスク


感想:

たしかに脳が血を吹く1年くらいまえから元気がなかったわ。
左脳をやられると勃起不全

脳のここをやられると勃起不全になる

2019年9月17日

こども脳卒中のIQと言語機能と脳半球


Language and cognitive outcomes after childhood stroke- Theoretical implications for hemispheric specialization
2019  9月  フランス

子供(1ヶ月~15歳)の脳卒中率は年間10万人あたり0.2-7.9人で、脳梗塞と脳出血はほぼ同数といわれている。

彼らの3分の1は完全回復し、半数は長期に障害が遺る。

これまでなされた彼らの言語機能についての調査はすくなくサンプル数もちいさい。

そこで大規模にくわしくしらべてみたそうな。



1992-2015の子供脳卒中患者184人について、

発症4ヶ月後にウェクスラー式知能検査をおこない、最大40ヶ月後までフォローした記録を解析したところ、



次のことがわかった。
・脳卒中の種類は、脳梗塞が79人 脳出血が105人だった。

・IQの平均値は、フルスケール 85, 言語 93, パフォーマンス 85 だった。

・語彙、文法表現と理解については26-52%が障害レベルだった。

・学校の標準カリキュラムについてゆける子供は27%に過ぎず、

・別の27%は特殊学級プログラムが適用されていた。

・左脳損傷での言語関連スコアはあきらかに低く発症年齢によらなかった。

・右脳損傷では6歳以下の発症のとき言語関連スコアが低かった。

脳卒中を経験した子供のおおくは知能指数が障害レベルで、とくに左脳損傷のばあい言語機能がいちじるしく影響を受けた、


というおはなし。

図:子供脳卒中 言語スコア 左右脳損傷



感想:

必ずしもそうでもないみたいなんだよな↓。
こどもの発話障害 構音障害

こども脳の可塑性が言語回復をさまたげる

2019年9月16日

大動脈瘤とくも膜下出血の関係


Association of Aortic Aneurysms and Dissections With Subarachnoid Hemorrhage
2019  9月  アメリカ

脳動脈瘤と大動脈瘤は 共通するリスク要因はあるものの、その形成メカニズムがまだよくわかっていない。

経験的には大動脈瘤患者に脳動脈瘤がよくみつかるといわれているが、くわしい調査はないのでこれらの関連をしらべてみたそうな。

2019年9月15日

cell.com:脳をガッツリ再生するNeuroD1遺伝子治療


A NeuroD1 AAV-Based Gene Therapy For Functional Brain Repair After Ischemic Injury Through In Vivo Astrocyte-To-Neuron Conversion
2019  9月  アメリカ

哺乳類の脳は海馬や脳室下帯をのぞいて神経再生機能をもっていない。そのため虚血で損傷した脳組織が自力で再生できる割合は失われた神経の1%にも満たないとされている。

神経前駆細胞を外部から導入する実験では動物や人で期待できる成果が得られている。
いっぽう神経幹細胞の導入には免疫拒絶や腫瘍化など問題がおおい。

さいきん、脳に豊富にあるグリア細胞(アストロサイト)を神経細胞に変身させる転写因子「NeuroD1」が実験室レベルでみつかった。

これを実際に脳の中で働かせることができれば失われた神経細胞を再生でき、しかももともと周辺にあった細胞なので機能回復に好都合かもしれない。

そのための技術を開発し動物で実験してみたそうな。

2019年9月14日

若年脳卒中にがんが見つかる率


Increased risk for cancer after stroke at a young age- etiological relevance or incidental finding?
2019  9月  ドイツ

脳卒中患者のほとんどは75歳以上であるが、およそ10%は55歳以下という。

彼ら若年者が脳卒中になる原因は血管リスク要因だけでは説明がつかない。

潜在的ながんにより引き起こされる血栓形成傾向(thrombophilia)についての報告がいくつもあがっている。

これらの研究のおおくはがん患者の脳卒中の発生をしらべたもので、脳卒中になったのちがんが診断されたケースの調査はすくない。

そこで脳卒中患者を10年間フォローした研究データをつかってくわしくしらべてみたそうな。



ドイツの医薬品疾病データベースから
がんと診断されていない脳梗塞患者18668人と、同数の脳卒中でない患者記録を抽出してその後10年間のがん診断の有無との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・全体の15.5%が55歳以下だった。

・脳卒中患者のがん診断率は、高齢で29.4%、55歳以下17.3%だった。

・非脳卒中患者とくらべ脳卒中患者のがん診断率は高く、55歳以下では17.3% vs. 9.5%、高齢では29.4% vs. 24.9%だった。

若年で脳卒中になった患者の10年間のがん診断率は非脳卒中患者のおよそ2倍だった、


というおはなし。

図:若年脳卒中のがん発症率


感想:

これ↓おもいだした。
脳卒中患者にしめるがんの率

脳卒中のあと がんになりやすいは本当?

脳卒中後のがんは6ヶ月以内にみつかりすでに手遅れ

がんの宣告を受けると脳梗塞になる

軽い脳梗塞とホッとしていたのも束の間 実はガンでしたと告げられる患者の割合と見分け方

若い脳梗塞患者でガンで亡くなってしまう人の特徴

なぜ脳梗塞患者はガンになりやすいのか

2019年9月13日

Stroke誌:脳電気刺激の神経保護効果


Central Nervous System Electrical Stimulation for Neuroprotection in Acute Cerebral Ischemia
2019  9月  アメリカ

中枢神経系への電気刺激は脳卒中からの回復促進に応用されることがあり 頭皮に電極を貼り弱い電流を流すtDCSやtACS が知られている。

ほかに侵襲性の高い方法として脳深部に電極を挿し込む刺激法もある。

中枢神経系への電気刺激には虚血に陥った脳組織を保護する効果も期待されていて、動物実験での報告がおおくある。

刺激の考え方はおもに2つあって、1つは虚血脳半球に直接電極を貼る方法で、もう1つは虚血部位から離れた核(nuclei)を電気刺激する方法である。

そこで中枢神経系への電気刺激の神経保護効果についてこれまでの前臨床研究のメタアナリシスをこころみたそうな。



関係する動物実験の研究を厳選してデータを統合 再解析した。

6つの刺激戦略について最終的な梗塞体積の変化を調べた。

そのうち3つは陰極、陽極または交互にパルス刺激する方法で、

残りの3つは虚血域からはなれた以下の核をターゲットにした刺激である。
室頂核(fastigial nucleus)、
視床下血管拡張域(subthalamic vasodilator area)、
背側中脳水道周囲灰白質(dorsal periaqueductal gray)。



次のことがわかった。

・350の実験動物をふくむ21の急性脳虚血への電気刺激についての研究がみつかった。

・全体として、電気刺激なしに比べて梗塞体積は37%減少した。

・刺激方法ごとに効果はことなり、とくに虚血脳半球への刺激では陰極半球刺激(cathodal hemispheric stimulation:CHS)でのみあきらかな梗塞体積の減少(27%)がみられた。

・虚血域からはなれた核への刺激方法3つはすべてで梗塞体積が半分ほどになっていた。

・臨床応用へはCHSがもっとも有望と考えられた。

中枢神経系への電気刺激の前臨床実験では梗塞体積をちいさくすることができた。人の臨床実験には虚血半球への陰極刺激が適していると考えられる、


というおはなし。

図:陰極半球刺激と梗塞体積のメタアナリシス



感想:

動物では頭をあけて直接電極を貼ったり強い電流つかったりできるのでなんらかの効果を観測できる。

ところが人に応用する場合、たとえば「経頭蓋のtDCSやtACS」だとそもそも脳に電流がとどかない。
さらに通電中は電極に接する皮膚のチクチク感が常にあるため被験者にたいし盲検を設けることができないという本質的な問題もかかえる。

そのためtDCSやtACSの臨床実験では 被験者が実験意図を容易に忖度(そんたく)してしまいポジティブなデータばかりが得られてしまう。
tDCSってホントに脳を刺激してるの?

2019年9月12日

くも膜下出血がおきやすい時間帯


Relationship between Circadian Variation in Ictus of Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage and Physical Activity
2019  9月  韓国

くも膜下出血の発生は24時間の概日(circadian)パターンをしめすとする報告が数おおくあがっている。

これには1日の身体活動変化の影響も考えられるが くわしい報告がないのでしらべてみたそうな。

2019年9月11日

痙縮が強くなる姿勢


Influence of positional changes on spasticity of the upper extremity in poststroke hemiplegic patients
2019  9月  中国

痙縮は脳卒中経験者の20-40%にあらわれるという。

上肢の痙縮は寝ているときよりも立って歩いているときに よりわかりやすい。

片麻痺患者の姿勢と上肢の痙縮についての報告はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年9月10日

nature.com:脳梗塞が再発しやすい両上腕血圧差


Inter-arm Blood Pressure Difference is Associated with Recurrent Stroke in Non-cardioembolic Stroke Patients
2019  9月  韓国

血圧管理の最新のガイドラインでは両腕での血圧測定をすすめている。

両腕で血圧が異なるケースは珍しくなく、両上腕血圧差(inter-arm blood pressure difference:IABD)と呼ばれ 一般人の4%、糖尿病の7%、脳卒中の10%に見られるという。

IABDは大動脈や鎖骨下動脈系の動脈硬化や狭窄を反映していると考えられている。

IABDと脳卒中の再発との関連についての研究はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。



心原性タイプでない脳梗塞の患者1226人について、

24ヶ月間 再発ケースをフォローした。

入院時のABI(Ankle-brachial index:足関節上腕血圧比)検査からIABDをもとめて関連を解析したところ、



次のようになった。

・両腕の血圧差が10mmHg以上ある者は、収縮期血圧で9.7%、拡張期血圧で5.0%いた。

・この間に8.5%が脳梗塞を再発した。

・IABDが10mmg以上あった者の再発リスクは、収縮期血圧の場合で1.77倍、拡張期血圧では2.92倍だった。

両上腕血圧差が10mmHg以上あるとあきらかに脳梗塞が再発しやすかった、


というおはなし。

図:両上腕血圧差と生存曲線



感想:

以前はかったら15くらい差があって、ビビって2度とはかっていない。
脳卒中やったひとは両腕で血圧が違うかも

2019年9月9日

食事マグネシウムと脳卒中の関係


The Effect of Magnesium Intake on Stroke Incidence- A Systematic Review and Meta-Analysis With Trial Sequential Analysis
2019  8月  中国

食事からのマグネシウムの不足は アルツハイマー病、喘息、ADHD、糖尿病、高血圧、心血管疾患、片頭痛、骨粗鬆症、がん、などと関連しているという。

しかしマグネシウムと脳卒中については食事ガイドラインで適量を勧められるほどには用量関係があきらかになっていない。

そこで最新の研究もふくめたメタアナリシスに逐次解析(trial sequential analysis)を適用してマグネシウムと脳卒中の用量関係をあきらかにしてみたそうな。

2019年9月8日

ベジタリアンの脳卒中リスク


Risks of ischaemic heart disease and stroke in meat eaters, fish eaters, and vegetarians over 18 years of follow-up- results from the prospective EPIC-Oxford study
2019  9月  イギリス
健康、環境、動物愛護の観点からベジタリアンやビーガンになる人が増加している。

これまでの研究ではベジタリアンは虚血性心疾患のリスクが低いとされている。

しかし脳卒中との関連については報告がほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年9月7日

日本人の脳卒中死はラーメン屋のせい


Ramen restaurant prevalence is associated with stroke mortality in Japan- an ecological study
2019  9月  日本

日本の食事には塩分がおおく動物性脂肪が少ないと言われている。

ライフスタイルの変化により冠動脈疾患にくらべ脳卒中死亡率はおおきく低下してきた。

しかしどういうわけか東日本の脳卒中死亡率は西日本よりも高い。

この背景に日本の国民食「ラーメン」があると考え、仮説を検証してみたそうな。

2019年9月6日

サーモセラピーで筋力アップとうつ解消


Thermotherapy Combined With Therapeutic Exercise Improves Muscle Strength and Depression in Patients With Ischemic Stroke
2019  9月  インドネシア

脳卒中患者へのサーモセラピー(温熱療法)では筋肉に血流が増え弛緩すると考えられていて、その結果として関節可動域や筋力、柔軟性、疼痛しきい値が上がったなどの改善効果が報告されている。

超音波や電気をつかって深部まで温める方法もあるものの、熱したウォータパックを筋肉に当てる方法が低コストかつシンプルであり低中所得国の患者に適している。

そこでサーモセラピーにエクササイズを組み合わせた4週間の自宅リハビリで筋力とうつに改善効果がみられるものか実験してみたそうな。

2019年9月5日

フローダイバーターの合併症率


Flow diversion treatment for acutely ruptured aneurysms
2019  9月  オランダ

くも膜下出血で脳動脈瘤の再破裂をふせぐためにコイルを詰める方法がある。しかしコイル手術には破れた脳動脈瘤をさらに傷つけてしまう可能性もある。

さいきん、フローダイバーターというステントを母血管に挿入することで血管内腔を再建して破裂動脈瘤に触れずに塞いでしまう方法が利用できるようになった。

しかしこの方法には血栓による脳梗塞や頭蓋内出血の合併症をおこすリスクもある。

このあたりの安全性情報が少ないのでくわしくしらべてみたそうな。

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