2018年4月30日

脳卒中後のソーシャルネットワーク


Social Network Trajectories in Myocardial Infarction Versus Ischemic Stroke.
2018  4月  アメリカ

心血管疾患のうち とくに脳卒中になったあとは社会とのつながりソーシャルネットワークが縮小するとかんがえられる。

しかし長期のくわしい研究がないのでしらべてみたそうな。


5888人を11年前後フォローした The Cardiovascular Health Study の結果から

患者平均年齢73.5、心筋梗塞395人 脳梗塞382人のデータを抽出した。

患者のソーシャルネットワークは 高齢者の家族と友人 社会サポートを評価する "Lubben Social Network Scale" スコア(LSNS)で表され 関連を解析したところ、


次のことがわかった。
・心筋梗塞のあとソーシャルネットワークのスコアの傾向はそれ以前(-0.01/y)とほぼ変わらず(-0.06/y)安定していたが、

・脳卒中のあとはスコアがあきらかな減少傾向(-0.14/y)に転じた。

心血管疾患後のソーシャルネットワークは心筋梗塞では変化がなかったが、脳卒中ではわずかではあるがあきらかな減少傾向をしめした、


というおはなし。
図:脳卒中後のソーシャルネットワーク

感想:

うえのグラフみるとイベント直後のスコアの落ち込みとその後の減少傾向がおもったよりわずか。

LSNSは本人へのアンケートだから、認めたくないだけで実は友人関係が切れているケースがおおいと思うんだ。経験的に、、

2018年4月29日

脳内出血の肥満パラドックス


Racial differences in intracerebral haemorrhage outcomes in patients with obesity
2018  4月  アメリカ

肥満が脳卒中リスクであることは はっきりしている。いっぽう 肥満の脳卒中患者は予後が良いとする「肥満パラドックス」もいくつも報告されている。

肥満パラドックスについては 脳内出血や人種の違いでの研究が少ないので やってみたそうな。


脳内出血患者428人の記録を解析したところ、


次のようになった。

・BMIの肥満カテゴリに相当する患者は自宅へ退院できない率が高かったが、肥満は血腫増大には影響しなかった。

・人種別にみて、肥満は血腫増大に影響しなかったが非白人では自宅へ退院できない率が高かった。

今回の調査では脳内出血患者に肥満パラドックスはみられなかった。むしろ肥満で非白人だと予後不良になりやすかったが血腫増大はなかった、


というおはなし。
図:肥満度と脳内出血予後不良率

感想:

肥満は善みたいなはなしばかりだったから安心したよ。

[肥満パラドックス 脳内出血]の関連記事

2018年4月28日

脳卒中のあと10年でけいれん発作をおこす率


Population-Based Assessment of the Long-Term Risk of Seizures in Survivors of Stroke
2018  4月  アメリカ

脳卒中の急性期にけいれん発作がおきやすいことはよく知られているが、長期的にはよくわかっていない。

そこで脳卒中から退院したのちの 長期のけいれん発作の有無を脳卒中の種類別にしらべてみたそうな。


カルフォルニアとニューヨークの2005-2013の脳卒中患者777276人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中経験者のけいれん発作率は年間1.68%で、8年間では9.27%だった。

・一般人のけいれん発作率は年間0.15%で、8年間だと1.21%だった。

・脳卒中経験者のけいれん発作は、65歳未満、非白人、脳内出血やくも膜下出血でおおかった。

脳卒中患者はその後の10年でおよそ10%がけいれん発作をおこす。脳出血、非白人、若年が関連リスクだった、


というおはなし。
図:脳卒中の種類と長期けいれん発作リスク

感想:

けいれん発作がなんども繰り返されるようになるとてんかんに昇格する。

もっとおおいかとおもってた。

[けいれん発作]の関連記事

2018年4月27日

数日後、鼻にシュッとするだけで脳が再生する可能性


Delayed and repeated intranasal delivery of bone marrow stromal cells increases regeneration and functional recovery after ischemic stroke in mice.
2018  4月  アメリカ

脳梗塞のほぼ唯一の治療法であるtPAをつかった血栓溶解療法の条件はきわめてきびしく適する患者はまれである。

そのため再生医療に期待がかかっている。

骨髄由来の幹細胞を移植する実験はおおくおこなわれていて、鼻腔内の粘膜に投与する方法もある。

そこで 発症から時間が経った条件下での 鼻腔内へ繰り返し幹細胞を投与する効果をしらべてみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミに、骨髄から採取して低酸素処置をした間質細胞を発症から3,4,5,6日後にくりかえし鼻腔内投与した。

間質細胞なしのグループも作成して比較した。

14日後まで運動機能をフォローして、最後に脳組織をしらべたところ、


次のようになった。

・梗塞周辺領域に投与した細胞を確認できた。

・神経新生を示す複数のタンパク質が増加していた。

・局所脳血流と運動機能をしめす粘着テープ除去テストのタイムがあきらかに改善した。

脳梗塞の発症から時間が経った患者への 幹細胞の鼻腔内投与の有効性が示唆された、


というおはなし。
図:鼻腔内幹細胞投与の効果

感想:

この種の細胞は脳のなかを移動するんだよな、、
梗塞で死んだ脳組織が勝手に再生するタイミング

2018年4月26日

砂場歩行のいいところ


Effects of gait training on sand on improving the walking ability of patients with chronic stroke:a randomized controlled trial.
2017  12月  韓国

脳卒中患者の歩行リハビリのために柔らかい床を用いることで足首まわりのおおくの筋肉と深部感覚の改善がきたいできる。

砂場での歩行訓練は前例がないのでやってみたそうな。


脳卒中のあと退院して自立歩行の可能な28人について、砂場歩行と床歩行グループにわけた。

1回30分間の歩行訓練を週5回x6週間 行い、

前後でのタイムアップアンドゴーテストと6分間歩行テストの結果をくらべたところ、


次のようになった。

・タイムアップアンドゴーの時間は両グループともにあきらかに短縮した。

・6分間歩行は砂場グループでのみ 距離のおおきな延びがあった。

・しかしグループ間の差は統計学的有意なほどではなかった。

歩く路面の状態にかかわらず訓練により歩行能力は改善した。しかし歩行耐久性の改善には砂場歩行が適していると考えられた、


というおはなし。
図:脳卒中 砂場歩行訓練の効果

感想:

そもそも 砂場あるけるようなひとをリハビリ対象とすることに強い違和感がある。

こんなことで療法士さんの手をわずらわしてはいけない。

2018年4月25日

みつかっていない心房細動患者の割合は


Estimated prevalence of undiagnosed atrial fibrillation in the United States.
2018  4月  アメリカ

心房細動は脳梗塞のおもな原因であるが、それ自体には症状がないため脳卒中をおこすまで見つからないことがおおい。

そこで診断できていない心房細動患者がどれくらいいるものなのか推定してみたそうな。


アメリカで2004-2010の保険請求データベースから、脳梗塞になったのちに心房細動が見つかったケースを抽出し、未診断だった心房細動患者数をAIDS調査に開発されたアルゴリズムを用いて逆算した。


次のようになった。

・心房細動患者の推定総数は、65歳以上の高齢グループで3873900人、18-64歳の労働年齢グループで1457100人だった。これはそれぞれの年齢人口の10.0%、0.92%に相当した。

・これらのうち698900人が診断未確定で、高齢グループが535400人 労働年齢グループ163500人だった。それぞれ各年齢層の1.3%、0.09%に相当した。

・診断未確定患者のうち脳卒中リスクが高いとされワルファリン推奨レベルに相当するCHADS2スコア=2以上の患者が56%いた。

心房細動患者のアメリカでの総数は5.3百万人と推定され、そのうち0.7百万人(全人口の0.31 %)が診断未確定だった。かれらの半数以上は脳卒中リスクが高かった、


というおはなし。
図:CHADS2スコア 未診断心房細動患者

感想:

みつかっていない心房細動患者ってもっと桁違いにおおくいるものだと思ってた。

2018年4月24日

ストレスで脳動脈瘤ができる条件とは


Stress in Patients With (Un)ruptured Intracranial Aneurysms vs Population-Based Controls.
2018  4月  オランダ

ストレスが脳卒中のリスク要因とする報告がいくつもある。

そこでストレスと脳動脈瘤の発生および破裂との関連を詳しくしらべてみたそうな。


未破裂動脈瘤患者227人と破裂脳動脈瘤患者490人、健常者775人について、

おおきなストレスイベントとして以下の4種類のテーマ
*お金、*家族との死別、*子供、*仕事
と、その時期、

継続的なストレスを自覚する場として、
自宅 または 職場
でのストレス頻度を聞き取りし、

関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・未破裂脳動脈瘤患者のほうが破裂患者よりも重大なストレスイベントの数がおおかった。

・ストレスイベントとしてはお金にまつわるものが未破裂脳動脈瘤とのみ関連が強く、子供関連ストレスや家族の死別と脳動脈瘤との関連はなかった。

・ストレスイベントの時期と脳動脈瘤との関連はなかった。

・自宅で受ける継続的なストレスの頻度は 破裂および未破裂脳動脈瘤と用量関係にあり、生涯をとおして受けるとさらに関連はつよかった。

・職場での継続的ストレスと脳動脈瘤との関連はほとんどなかった。

自宅で受けるストレスの総量が脳動脈瘤と関連していた。どういうメカニズムなのかはさらなる調査が必要、


というおはなし。
図:ストレスと脳動脈瘤

感想:

社会からの避難所であるべき自宅がストレスフルな環境の場合、もはや「あの世」を目指すしか逃げ場がないという意味の生体反応じゃないかな。

2018年4月23日

ランセット誌:脳卒中予防に適したアルコール量は


Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies
2018  4月  イギリス

アルコール摂取ガイドラインは国ごとにおおきく異なっていて、アメリカではその上限が男性196g/週 女性98g/週で、スペインはこの1.5倍、イギリスは半分である。

このような違いが生じる理由として アルコール摂取量と死亡率、心血管疾患との関係がわかっていないことが考えられる。

それをあきらかにするべく大規模な調査をおこなってみたそうな。


19の高所得国で飲酒習慣のある599912人について脳卒中などの心血管疾患、死亡の有無を長期にフォローしたところ、


次のことがわかった。

・長期フォロー中に、40310の死亡と39018の心血管疾患があった。

・総死亡率はアルコール摂取量が100g/週 で最低になった。

・脳卒中リスクはアルコール摂取量と線形関係にあった。

・心筋梗塞だけはアルコール摂取が増えるとリスクが低下した。

・100g/週にくらべ、100-200、200-350、>350g/週 の40歳時点での余命短縮度はそれぞれ、6ヶ月、1-2年、4-5年となった。

総死亡率をもっとも低くするアルコール摂取量は100g/週だった。心血管疾患についてはその種類ごとに用量関係がことなりリスク最低しきい値は決められなかった、


というおはなし。
図:アルコールと脳卒中リスク

感想:

うえのグラフから、脳卒中的にはアルコールに適量はなく 摂取量ゼロが望ましいってことと理解。

2018年4月22日

くも膜下出血のあと太らせるべき根拠


Increased Body Mass Index Associated With Reduced Risk of Delayed Cerebral Ischemia and Subsequent Infarction After Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2018  4月  アメリカ

脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血では遅発性脳虚血がおきやすい。遅発性脳虚血は可逆的ではあるもののさらに進んで梗塞になる患者もいる。

高BMI(ボディマス指数)で脳卒中の予後が良いとする肥満パラドックスはくも膜下出血でも報告されているが、BMIと遅発性脳虚血からの梗塞 との関連についての研究はないのでしらべてみたそうな。


くも膜下出血患者161人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均BMIは28.9、遅発性脳虚血は31.1%で起き、つづいて梗塞が9.3%で起きた。

・BMIが29.4以上だとあきらかに遅発性脳虚血と梗塞が少なかった。

・BMIが29.4以上でも生活自立度が不良(mRS>2)というわけではなかった。

・超音波装置で測定した最大脳血流速が高いほど遅発性脳虚血と梗塞が起きやすかったがBMIとの関連は確認できなかった。

BMIが高いくも膜下出血患者には遅発性脳虚血や梗塞がおきにくかった。積極的に患者を太らせたほうがいいのかも、


というおはなし。
図:BMIと脳内血流速

感想:

BMIが29.4っていったら じぶんはあと30キロ以上体重ふやさないといかん。

2018年4月21日

若い男性の喫煙本数と脳梗塞の関係


Smoking and Risk of Ischemic Stroke in Young Men
2018  4月  アメリカ

喫煙本数と脳梗塞リスクは、中高年では弱い関連があって 若年成人女性では強い関連があることがわかっている。

若年成人男性についてはわかっていないので、喫煙量と脳梗塞リスクについて詳しくしらべてみたそうな。


2003-2007の15-49歳の男性脳梗塞患者615人と同じ地域に住む同年齢の健常者530人について喫煙調査をおこなった。

生涯喫煙本数が100本未満を「非喫煙者」
生涯100本以上で発症30日以内の非喫煙者を「喫煙経験者」
発症30日以内の喫煙者を「現在喫煙者」とした。


次のようになった。

・非喫煙者に対する現在喫煙者の脳梗塞のオッズ比は1.88、

・本数別では1日11本未満はオッズ比 1.46、

・40本以上だとオッズ比 5.66になった。

若年成人男性の1日の喫煙本数と脳梗塞のなりやすさには強い用量関係が確認できた。だから本数をへらすだけでも脳梗塞リスクを下げられるだろう、


というおはなし。
図:喫煙本数と脳梗塞リスク

感想:

すこしまえのメタアナリシスで、「1本でも吸ったら20本時の半分近い脳卒中リスクあり」って話があったのを思い出した。↓
Low cigarette consumption and risk of coronary heart disease and stroke: meta-analysis of 141 cohort studies in 55 study reports

2018年4月20日

tPA治療に間に合うとどれくらいラッキーなのか


Long-Term Survival After Intravenous Thrombolysis for Ischemic Stroke
2018  2月  イギリス

急性脳梗塞のほぼ唯一の治療法である静脈内血栓溶解治療(tPAアルテプラーゼ)の長期的な影響については脳内出血の問題もありじつはよくわかっていない。

そこでアルテプラーゼ治療による10年間の生存率と機能回復について詳しくしらべてみたそうな。


2005-2015の脳梗塞患者2052人から、アルテプラーゼ治療を受けた246人と 条件の近い492人についてフォローしたところ、


次のことがわかった。

・生存年数の中央値は 5.72 vs. 4.98年 で治療グループが長かった。

・治療により10年時の死亡リスクが37-42%低下した。

・10年間を平均すると、治療を受けた患者は1年長く生存できた。

・5年時点での生活自立度は治療グループがあきらかにすぐれていた。

脳梗塞のt-PAアルテプラーゼ治療は長期の生存率と身体機能の改善に効果がありそうだった、


というおはなし。
図:tPA治療での10年間の生存率

感想:

発症から数時間以内に入院できるというまれにみる幸運の結果が 「たった1年間の余命延長」という事実を知って 深いむなしさを感じた。

2018年4月19日

くも膜下出血の超早期手術はじっさいどうなの?


Ultra-early treatment for poor-grade aneurysmal subarachnoid hemorrhage: a systematic review and meta-analysis.
2018  4月  中国

脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血患者のうちグレードがⅣ Ⅴに相当する重症患者は18-24%を占め、その60%は死亡または重度の障害が残る。

くも膜下出血の再出血率は重症患者で20% 軽症患者は5%、12時間以内の再出血が特におおい。

これまでクリッピングやコイリングといった手術は発症から数日間患者の様子をみてから実施されてきた。

しかし最近では24時間以内の超早期に手術を行うことで再出血や血管攣縮を防ぐことができるとする考え方が流行してきている。

この超早期手術が重症患者にも有効なのか?メタアナリシスで検証してみたそうな。


関係する研究論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・患者1111人を含む14の研究がみつかった。

・回復良好患者は47%で、

・死亡率は26%、再出血率10%、手術困難率20% だった。

・従来のやり方にくらべ超早期手術には予後改善と死亡率低下の効果は認められなかった。

重症くも膜下出血患者への超早期手術に機能回復や死亡率を下げるあきらかな効果はなかった、


というおはなし。
図:クリッピングとコイリング

感想:

1) 再出血予防手術の有効性のRCTは存在しない。(by ガイドライン

2) 入院が遅れるほど死亡率は下がる。

3) そして今回の結果。

これらの事実から、じぶんがくも膜下出血になったときには手術をお断りするつもり。

2018年4月18日

脳梗塞になったらたんぱく質をがっつり摂るべき理由


Impact of Early High-protein Diet on Neurofunctional Recovery in Rats with Ischemic Stroke.
2018  4月  中国

脳卒中のあとの栄養不良状態が患者の予後を悪化させるという報告は数多くあるが、高たんぱく質食をあたえた場合の影響についてはいまだ結論がでていない。

そこで脳梗塞の直後から高たんぱく質食をあたえたときの梗塞の大きさ、発現分子、酸化ストレスについて動物で詳しくしらべてみたそうな。


ネズミ48匹に脳梗塞にする手術をおこない次の4グループにわけた。

手術で脳梗塞+高たんぱく質食
手術で脳梗塞+通常たんぱく質食
手術行為だけ+高たんぱく質食
手術行為だけ+通常たんぱく質食

7日間フォローしたところ、


次のようになった。

・脳梗塞ネズミでは高たんぱく質食で 体重増加が著しく、神経症状スコアは低く、運動バランス能力の回復がとても良く、

・さらに梗塞の大きさが小さかった。

・また活性酸素分解酵素が増加し、複数の酸化ストレス物質が減少していた。

・手術行為のみで脳梗塞にしなかったネズミでは食事の違いの影響はほとんどなかった。

脳梗塞直後からの高たんぱく質食により体重、神経症状、梗塞エリアが改善し、酸化ストレスによるダメージも緩和された、


というおはなし。
図:脳卒中後の高タンパク質食の効果

感想:

たしかに 食事たんぱく質のはなしは「予防」ばかりで、
脳卒中の「あと」の影響についての報告は数件しか記憶にない。
プロテインを飲んでリハビリを加速

脳卒中になったら豆腐、がんも、油揚げ

2018年4月17日

消化性潰瘍を経験した脳梗塞患者の再発率


The Impacts of Peptic Ulcer on Stroke Recurrence.
2018  4月  中国

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの「消化性潰瘍」が脳梗塞のリスクであるとする報告がさいきん増えている。

そこで、消化性潰瘍が脳梗塞の再発リスクにもなりうるものなのかしらべてみたそうな。


脳梗塞で入院した患者に、過去5年間に内視鏡検査で消化性潰瘍と診断されたことがあるか を聞き取りした。

さらに1年間フォローして脳梗塞の再発との関連を解析したところ、


次のようになった。

・脳梗塞患者2577人の5.0%に消化性潰瘍歴があった。

・1年間内に脳梗塞の再発があった率は、12.4 vs 7.2% で消化性潰瘍歴グループに高かった。

・消化性潰瘍歴がある場合の脳梗塞再発リスクは1.85倍だった。

消化性潰瘍を経験した脳梗塞患者は再発リスクが高かった。消化性潰瘍の治療が再発予防になるかも、、


というおはなし。
図:消化性潰瘍と脳卒中再発リスク

感想:

どうやらピロリ菌があるとアテローム性動脈硬化がすすんでどうのこうのというメカニズムがありうるようだ。

[ピロリ菌]の関連記事

2018年4月16日

周期性四肢運動は脳卒中患者におおいのか?


Periodic limb movements during sleep in stroke/TIA: Prevalence, course, and cardiovascular burden.
2018  4月  スイス

睡眠中に手や脚が何秒かおきにビクビクとうごく周期性四肢運動(PLMS)は、健康な成人でも28%が1時間に15回以上うごくという。

これまでPLMSが脳卒中患者でおおいという報告があるので、確かめるべく詳しくしらべてみたそうな。


脳梗塞またはTIAの患者の急性期と3ヶ月後に睡眠ポリグラフ検査および24時間の血圧モニターをおこない、PLMSの有無との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・255人の患者にたいし 急性期に169人分、3ヶ月後に191人分のポリグラフ検査を行い、162人の健常者と比較した。

・脳梗塞患者のPLMSの1時間あたりの回数は健常者とほとんどおなじだった。

・脳梗塞患者のPLMS指数は急性期と慢性期で変わらなかった。

・PLMSの関連要因は年齢、BMI、高血圧歴だった。

・PLMSの有無で血圧変動と脳血管損傷の程度に差はなかった。

周期性四肢運動の頻度は脳卒中患者と一般人で差がなかった。しかし高血圧との関連はつよく、降圧薬治療をうけていた患者に周期性四肢運動がおおい傾向がみられた、


というおはなし。
図:周期性四肢運動と降圧薬

感想:

ビクビクうごいても病気の症状ってわけじゃぁ ないんだな。

[周期性四肢運動 OR むずむず脚症候群]の関連記事

2018年4月15日

泣き笑いを制御できない脳梗塞患者の認知能的特徴


Correlation between cognitive impairment during the acute phase of first cerebral infarction and development of long-term pseudobulbar affect.
2018  3月  中国

とくに理由もないのに 場にふさわしくない大笑いや号泣をしてしまう感情をコントロールできない症状をスードバルバーアフェクト(Pseudobulbar affect : PBA)とよぶ。

PBAは中枢神経系の病気にみられとくに脳卒中患者でおおく、経験者は52%におよび12ヶ月後でも11%に症状がつづくとする報告もある。

またPBAは男性よりも女性で、脳出血よりも脳梗塞で、笑いよりも泣くケースがおおいことが知られている。

そこでPBAになりやすい脳梗塞患者が急性期の認知障害テストに反映されているものか確かめてみたそうな。


脳梗塞の急性期に認知障害を示し 6ヶ月後前後のあいだにPBAと判定された26人と、
PBAでない他の条件がおなじ26人を比較したところ、


次のことがわかった。

・PBAの有無は認知障害検査MoCAスコアに反映されていた。

・とくに 数唱テスト、ストループテスト、時計描画テストのスコアがPBAに関連する要因だった。

脳梗塞の急性期に認知障害を示す患者はPBAの長期リスクが高かった。遂行機能、注意力、視空間能力の障害がPBAに関係していると考えられた、


というおはなし。
図:スードバルバーアフェクトに関連する認知機能

感想:

笑いが止まらない自分を観察する さめた自分がいたことを思い出す。

時計描画能力とどう関係するのか興味ある。

[スードバルバーアフェクト OR 感情失禁]の関連記事

2018年4月14日

心身運動の脳卒中リハビリ効果


Effects of Mind-Body Exercises for Mood and Functional Capabilities in Patients with Stroke: An Analytical Review of Randomized Controlled Trials.
2018  4月  中国

脳卒中患者のおよそ3分の1は日常生活動作に困難を生じる。

理学療法などいくつものリハビリ方法が提案されてはいるがコストや時間を浪費するばかりで成果があがらない。

さらに脳卒中患者はうつ 不安 睡眠障害といったメンタルヘルスの問題も抱えがちである。

きんねん太極拳や気功 ヨガといった "心身運動"(Mental Body exercise)が ゆっくりとした動作と筋肉ストレッチ リラクゼーション 呼吸法 集中力 の訓練を低コストかつ楽に実践することができるものとして とても人気がでてきている。

そこで脳卒中リハビリでの心身運動の効果を検証するべくメタアナリシスをおこなったそうな。


データベースからこれまでの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・16のランダム化比較試験がみつかった。

・心身運動で日常生活動作と移動能力があきらかに改善し、うつレベルも低下した。

心身運動をリハビリメニューに加えることで脳卒中患者のうつ 日常生活動作 移動能力を改善できそうである、、


というおはなし。
図:心身運動の脳卒中ADL改善効果

感想:

太極拳とかヨガにはながい伝統があるぶん情報が豊富で、あるべき状況をイメージしやすい。

いっぽう、、
日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?

2018年4月13日

脳卒中患者の前頭前野ががんばっている理由とは


Prefrontal over-activation during walking in people with mobility deficits: Interpretation and functional implications.
2018  3月  アメリカ

歩行機能を自動制御している中枢神経系に脳卒中などでダメージがおよんだ場合、足りなくなった注意や運動制御に要するリソースを他の領域に求め補うという考え方がある。

このあたりを確かめるべく歩行課題を複雑にしていったときの前頭前野の活動を 異なる被験者グループで測定してみたそうな。


若い健常者9人と
歩行困難のある高齢者15人、
片麻痺の脳卒中患者24人について

*通常歩行、
*障害物ありの歩行、
*言語課題(与えた文字で始まる単語を多く言わせる課題)中の歩行、

の各状況下での課題直後とさらに30秒後の前頭前野の酸化ヘモグロビンの量を近赤外線分光器で測定した。

また歩行スピードをもって歩行機能とした


次のようになった。

・通常歩行時とくらべたときの障害物歩行時の前頭前野の活動レベルはグループごとにあきらかに異なり、若者がもっとも低く 次いで高齢者<脳卒中患者 の順だった。

・同様に歩行スピードの低下度も 脳卒中患者>高齢者>若者 の順でおおきかった。

・若者の場合、通常歩行時の活動レベルが言語課題歩行時にくらべ非常に低いことから前頭前野の処理リソースがとてもおおきいことが伺える。

・高齢者と脳卒中患者では歩行課題の複雑さを上げると歩行機能が低下したことから、CRUNCH(Compensation-Related Utilization of Neural Circuits Hypothesis)仮説に則っていると考えられた。

高齢者や脳卒中患者の前頭前野は歩行の複雑さを増すと過活動になりその働きは限界に達し歩行機能が低下した、


というおはなし。
図:脳卒中患者の二重課題時の前頭前野の活動量

感想:

まだまだ若いとおもっていたけど、期せずして脳みそだけ高齢者の仲間入りをしてしまったようだ。

さいきん自動車運転中に同乗者と天気についての会話ができるようになってきたけど、記憶をたどる必要のあるやや複雑な話題になると とたんに返事ができなくなってしまう。

[二重課題]の関連記事

2018年4月12日

温鍼灸療法が痙縮に効くは本当か?


Warm-needle moxibustion for spasticity after stroke: A systematic review of randomized controlled trials.
2018  3月  中国

「温鍼灸療法」はツボに刺した針の末端にモグサを据えて燃やし 針をとおして熱を伝える治療法であり、近年とくに脳卒中の痙縮治療効果で注目があつまっている。

これを検証するべくこれまでの研究をシステマチックレビューしてみたそうな。


世界中のデータベースから関係する信頼度の高い研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者878人を含む12のランダム化比較試験がみつかった。

・痙縮をやわらげ運動機能の回復を促す点で温鍼灸療法は電気鍼や通常の鍼よりすぐれていた。

・日常生活動作への影響は 温鍼灸療法が電気鍼よりもすぐれていたが、

・通常の鍼との差はなかった。

温鍼灸療法は脳卒中患者の痙縮をやわらげ運動機能や日常生活動作を改善する点で他の鍼灸より期待できるかも、、


というおはなし。
図:温鍼灸療法

感想:

不用意に動くと針からモグサが落ちて とても熱い思いをすることになりそう、
とおもったけどこぼれないようになってるんだな。

2018年4月11日

脳梗塞が夏におおいは間違いだった


Seasonal Variations in Neurological Severity and Outcomes of Ischemic Stroke - 5-Year Single-Center Observational Study.
2018  3月  日本

脳卒中と季節についての研究は数おおくおこなわれていて、脳内出血にかんしては冬におおいということで概ね一致している。

しかし脳梗塞については季節変動なしとするものも含め研究ごとでばらばらである。

結果の一致をみない理由として脳梗塞の種類を考慮していない点やサンプル数の少なさが考えられる。

そこで、国立循環器病センターの脳卒中データベースを用いて大規模に詳しくしらべてみたそうな。


急性脳梗塞患者2965人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・全体として脳梗塞の発生数に季節による違いはなかった。

・しかし 75歳以上または中程度レベル以上の神経症状、心原性に限ると冬に有意におおかった。

・非心原性の患者1934人に限ると、脳卒中の発生数に季節変動はなく、

・中程度レベル以上の神経症状は冬と春におおく、

・寝たきりになるような患者に季節の違いはなかった。
脳梗塞は全体として季節ごとの変動はなかったが、心原性に限ると冬におおかった。非心原性の患者では中レベル以上の症状は冬と春におおかった。予後の悪い患者に季節の違いはなかった、


というおはなし。
図:脳梗塞の種類 季節ごとの内訳

感想:

意外性をあおるためか「脳梗塞は夏におおい」という記事ばかりがこれまでは目についていたよ。

上の図みるとぜんぜん夏おおくない。

2018年4月10日

脳内出血アジア人の心的外傷後ストレス障害PTSD


Posttraumatic stress disorder after a first-ever intracerebral hemorrhage in the Chinese population: A pilot study.
2018  4月  中国

これまでの研究から脳卒中やTIAのあと10-25%の患者がPTSD(心的外傷後ストレス障害)になることがわかっている。

またPTSDの有病率は西洋人で3-6%のいっぽう、アジア人では1%未満であるという。

そこで、中国人を対象に脳内出血患者に限定してPTSDの頻度と特徴をしらべてみたそうな。


脳内出血患者64人を12ヶ月後までフォローした結果、


次のことがわかった。

・3ヶ月後、23.4%の脳内出血患者がPTSDと診断された。

・PTSDになった患者は 67 vs. 29% で女性がおおく、

・47 vs. 18% でなんらかの手術を受けた患者がおおかった。

・PTSDになった患者は "改訂出来事インパクト尺度" IES-R (Impact of Event Scale-Revised)のスコアが高く、不安やうつが強く、不適応な対処行動をとりがちで、

・QoLが低く、脳卒中による障害が重かった。

・12ヶ月後、PTSDになった患者の43%が自然に回復していた。

脳内出血はアジア人患者のPTSDリスクを上げる要因だった。特に女性、手術あり、障害の重い患者で顕著だった、


というおはなし。
図:心的外傷後ストレス障害

感想:

重い障害が残っているときにPTSDと診断されたとして、なにか救いになるのかね?

[PTSD]の関連記事

2018年4月9日

退院のあと抗血栓薬で大出血の頻度と特徴


Serious hemorrhages after ischemic stroke or TIA - Incidence, mortality, and predictors.
2018  4月  スウェーデン

脳梗塞やTIAになるとほとんどの患者が退院時に再発予防のための抗血栓薬を処方される。

しかし抗血栓薬には出血の副作用があり、命にかかわるような重大な出血を起こす頻度は抗凝固薬で年間2-5%、抗血小板薬で1-2%とされている。

しかしこれら重大な出血による死亡率への影響や関連要因についてはよくわかっていないのでしらべてみたそうな。


2010-2013の脳梗塞やTIAの患者1528人(平均年齢75)を退院後フォローしたところ、


次のことがわかった。

・退院後、113人が重大な出血を起こした。これは年率2.48%に相当し、内訳は頭蓋内出血が45人、消化管出血が41人、27人は尿管出血など だった。

・重大な出血患者の30日死亡率は15.9%で、そのうち脳内出血が致命率42.1%でもっとも高かった。

・障害の重い(mRS3-5)患者の年間死亡率は31.0%、障害の軽い(mRS0-2)患者の年間死亡率は4.2%だった。

・重大な出血は障害の重い患者の死亡率に影響しなかった。

・しかし障害の軽い患者の死亡リスクを上げた。

・高血圧は重大な出血リスクと関連していた。
脳梗塞やTIAの患者は退院後 年率2.5%で命にかかわるような重大な出血をおこしていた。この重大な出血は障害が重い患者よりも軽かった患者の死亡率を上げた。高血圧治療が出血リスクを下げると考えられた、


というおはなし。
図:抗血栓薬のんで大出血した患者の生存率

感想:

「脳梗塞やったけど障害が残らなくてラッキー」と思っていたら抗血栓薬のおかげで大出血で死亡。しかし「脳梗塞は再発しなかったのだから治療は成功」ってことか。

2018年4月8日

脳卒中患者に楽器を演奏させてわかったこと


Music-supported therapy in the rehabilitation of subacute stroke patients: a randomized controlled trial.
2018  4月  スペイン

楽器の演奏訓練をとおして上肢リハビリをおこなう 音楽サポート療法 "music supported therapy" は脳卒中患者の運動機能の回復に期待できるとする報告がいつくかあるが、レベルの高い研究はほとんどない。

そこで、音楽サポート療法の効果を確かめるべくランダム化比較試験をおこなってみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者を20人ずつ
音楽サポート療法(+従来型リハビリ)と
従来型リハビリのみのグループ、にわけた。

両グループともトータルの訓練時間が同じになるようにした。

4週間の訓練ののち、運動機能、認知機能、心理状態、QoLを 3ヶ月間フォローしたところ、


次のようになった。

・両グループともに運動機能があきらかに改善したが、

・グループ間の違いはまったく見られなかった。

・QoL評価の言語ドメインにのみ差がみられた。

・しかし 音楽にたいして喜びを感じる能力調査(Barcelona Music Reward Questionnair)の結果と3ヶ月後の運動機能との相関がみられた。

従来型リハビリに音楽サポート療法を付け加えても運動機能の回復にすぐれた効果はなかった。しかし音楽活動に喜びをみいだす患者は運動機能の回復もよかった、


というおはなし。

図:音楽サポート療法の効果

感想:

ようするに演奏させるかどうかにかかわらず、音楽センスのある患者ほど運動機能が回復しやすい、ってことなんだな。

2018年4月7日

リハビリ病院に入ってもちっとも良くならない理由


Excessive sedentary time during in-patient stroke rehabilitation.
2018  4月  カナダ

リハビリ病院に入院している脳卒中患者が ほとんどの時間を座って過ごしているという報告が相次いでいる。

そこで、この事実確認とセラピー中の活動状況および関連要因についてしらべてみたそうな。


第三次医療機関にリハビリ入院している脳卒中患者19人について、
心拍計と加速度計を装着して24時間x計2週間 測定をおこなった。

安静時代謝当量(MET)の1.5倍未満の運動強度のときを座位状態と判断した。
患者の障害度、精神状態、社会サポートもしらべ関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者は1日に10時間眠り4時間休憩し、目覚めている時間の86.9%は座っていた。

・平均して週に8.5回のセラピーセッションがあったが、週に15時間以上とするガイドラインレベルをおおきく下回っていた。

・理学療法時の61.6%および作業療法時の76.8%を座った状態で過ごしていた。

・心拍数は理学療法時に15ビート、作業療法時に8ビート上がった。

・患者の障害度や精神状態と座っている時間および活動時間との関連はなかった。

十分なリハビリ訓練量のニーズがあるにもかかわらず、患者はほとんどの時間を座ってすごし セラピー時間でさえなにもしていないも同然だった。これは患者要因によるものではなく 組織の問題だった、


というおはなし。
図:リハビリ病院での活動内容

感想:

リハビリ病院は、急な出来事で混乱している家族の気持ちが落ち着くまでのあいだ患者を預けておくための一時的な介護サービス施設なんだよ。

それ以上のことを期待しちゃダメ。
病院のリハビリで患者の訓練時間がとても短いわけ

リハビリ病院ってほとんど動く時間がなくて笑った

日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?

2018年4月6日

サイエンス誌:脳卒中リハによく効く薬を日本が開発


CRMP2-binding compound, edonerpic maleate, accelerates motor function recovery from brain damage
2018  4月  日本

脳卒中からのリハビリ訓練による回復過程で シナプス変化の中心的役割を司るAMPA受容体の一連のプロセスにCRPM2というタンパク質が関わっている。

日本企業が開発したアルツハイマー病治療に期待のかかる "edonerpic maleate" という化合物がCRPM2に作用することから脳卒中リハビリにも役立つものか動物実験してみたそうな。


脳卒中のネズミとサルについて edonerpic maleate投与後の上肢機能改善度をしらべたところ、


次のようになった。

・ネズミもサルも edonerpic maleate投与後リハビリ訓練を行った場合に上肢機能がはげしく改善した。

・とくにサルの指使い能力が著しい改善を遂げた。

化合物 edonerpic maleate が脳の可塑性を促した。脳卒中患者での臨床試験が楽しみだ、


というおはなし。
図:edonerpic maleateの脳卒中回復効果

感想:

今朝のNHKニュースで報道されてたので関心をもった。

どの結果も出来すぎていて かえって気持ちが冷めてしまった。

たとえば上の図で、edonerpic maleateだけではまったく回復しなくてリハビリ訓練を加えたときのみおおきく回復するってところ。

まともな研究でこれほどあからさまな図はいままでみたことがない。

2018年4月5日

両手が一緒にうごいちゃう患者は遂行機能が弱い


Mirror movements are linked to executive control in healthy and brain-injured adults.
2018  3月  フランス

いっぽうの上肢の動きにつられて反対側の上肢が対称的に動いてしまうことを 鏡像運動 (mirror movement)という。

鏡像運動は幼少期によく現れ、成長にしたがい消える。しかし脳卒中の片麻痺患者で起きやすく、健康な者でも特定の条件下で発生させることができる。

脳損傷患者の鏡像運動には注意 抑制機能の問題がかかわっているという報告がいくつかあるので、その関連を詳しくしらべてみたそうな。


健常者24人と脳損傷患者8人について、鏡像運動の頻度と強度、および注意 抑制機能をそれぞれ複数のテストで評価したところ、


次のことがわかった。

・健常者とくらべて脳損傷患者では鏡像運動の頻度と強度がおおきく、注意力に欠陥がみられた。

・さらにすべての被験者で、Trail Making Test に反映される「遂行機能」から鏡像運動の頻度と強度を予測することができた。

鏡像運動と被験者の遂行機能に関連がみられた。脳損傷患者については 注意欠陥のリハビリで鏡像運動を減らすことができるかも、、


というおはなし。

←鏡像運動ビデオ

感想:

鏡像運動は記憶にないけど、手と脚が一緒に動くことはよくあった。

遂行機能」をさいきんよく目にするので関心をもった。

2018年4月4日

「心房細動?なにそれ」率日本一は○○県民


Awareness of atrial fibrillation in Japan: A large-scale, nationwide Internet survey of 50 000 Japanese adults.
2018  3月  日本

心房細動は心原性の脳塞栓症の原因の1つであり、症状はなく脳卒中をおこすまで気づかないことがおおい。

早期発見のため、まずは日本人の心房細動にたいする認識レベルを確認してみたそうな。


調査会社にモニター登録している17万人の日本人から、
50歳以上の医療関係者でない人物にインターネット経由でアンケート調査し、
さらに回答者から関連病歴のある者も除去して解析した結果、


次のことがわかった。

・50万人あまりの回答が集まった。

・27.5%は心房細動について何も知識がなかった。

・3.8%のみがよく理解しており、57.3%は名称だけ知っていた。

・まったく知識のない人は高知県でおおく(36%)、理解者は京都府におおかった(5.1%)。

・若年、男性、田舎住まい、が知識のない者の特徴だった。

日本の成人の3.8%のみが心房細動についてよく理解できていた。この数字はかなり低いと考えられる、


というおはなし。
図:心房細動に無知ナンバーワンは高知県民

感想:

数週間まえに ためしてガッテンで心房細動の恐怖を煽りまくっていたのを観て「これはたいした問題じゃぁないな」、と確信した。

2018年4月3日

脳卒中後の肩の痛み患者が減少している理由


Post-stroke spasticity and shoulder pain prevalence decrease over the last 15 years.
2018  3月  フランス

さいきんひどい痙縮や肩の痛みを訴える脳卒中患者が減少してきているように見えるので、きっちりとしらべてみたそうな。


フランスのフェルナンデ・ヴィダル病院のリハビリ部 2000-2015の患者記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢58、786人(脳梗塞68%、脳出血32%)の記録がみつかった。

・関節可動域に影響するようなひどい痙縮の患者は2006まで増えたのち減少に転じた。

・肩の痛みの患者は13%→8%に減少した。

・ひどい痙縮患者の26%は肩の痛みもあった。

・歩ける入院患者や退院時に手が動く患者が増えていた。

・認知障害は24%→63%に増えていた。

この15年間でひどい痙縮や肩の痛みを訴える脳卒中患者の割合が低下してきている。マルチセンタースタディを期待する、


というおはなし。
図:脳卒中後の肩の痛みのトレンド

感想:

よく読むと患者の重症度が載っていない。

なにか治療上の進歩があったのかとおもったけど、どうやら軽症のお客様の獲得に成功するようになっただけのようだ。

これ↓思い出したよ。
Stroke誌:これ エビデンス? 早期リハビリの...

2018年4月2日

抜けた歯の本数と脳卒中リスクの関係


Tooth loss and risk of cardiovascular disease and stroke: A dose-response meta analysis of prospective cohort studies.
2018  3月  中国

歯周病と歯の脱落は口腔衛生の指標としてよく用いられており、脳卒中など心血管疾患との関連もおおく報告されている。

しかし歯の脱落本数との用量関係についての研究はほとんどないのでしらべてみたそうな。


関係するこれまでの研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者879084 心血管疾患43750を含む17の研究が見つかった。

・歯の脱落本数と心血管疾患リスクとはあきらかな用量関係があり、

・特に歯が2本抜けるごとに冠動脈疾患と脳卒中のリスクは3%上昇した。

歯の脱落本数と脳卒中など心血管疾患リスクはあきらかな用量関係があった、


というおはなし。
図:歯が抜けた本数と脳卒中リスク

感想:

脳卒中は老化病みたいなものだから相関するのは不思議じゃないんだけど、抜けた本数すくなくてもきっちりリスク上がるんだね。

[歯 本数]の関連記事

2018年4月1日

孤独感と社会的孤立、脳卒中で死ぬのはどっちだ


Social isolation and loneliness as risk factors for myocardial infarction, stroke and mortality: UK Biobank cohort study of 479 054 men and women.
2018  3月  フィンランド

孤独感や社会的孤立にさらされていると心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなるとする報告がおおくある。

しかしこれらの調査はいずれもサンプル数がすくなく、心筋梗塞や脳卒中のあとの死亡率までしらべていない。

そこで、孤独感や社会的孤立が心筋梗塞や脳卒中、その後の死亡率にたいして独立したリスク要因であるのかを大規模に調べてみたそうな。


イギリスのBiobank研究の47万人あまりの調査データを使用して解析した。

「孤独感」は 頻繁な主観的孤独 と親しい人に悩みを打ち明ける頻度から、

「社会的孤立」は 世帯人数 友人や家族との交流頻度と社会参加の頻度から評価した。


次のことがわかった。

・平均7.1年間のフォロー中に5731件の急性心筋梗塞と3471件の脳卒中があった。

・社会的孤立は急性心筋梗塞と脳卒中のリスクと相関していたが、他のリスク要因を考慮にいれるとこの相関はほとんど消えた。

・孤独感も急性心筋梗塞と脳卒中のリスクと相関していたが、他のリスク要因を考慮にいれるとこの相関はほとんんど消えた。

・しかし孤独感ではなく社会的孤立だけは他の要因をすべて考慮にいれても死亡リスクとあきらかな相関があり、急性心筋梗塞死亡リスクが1.25倍、脳卒中死亡リスクは1.32倍だった。

孤独感と社会的孤立は急性心筋梗塞や脳卒中リスクと相関をしめしたが、大部分が他の心血管リスクで説明がついた。しかし社会的孤立だけはそれ自体が急性心筋梗塞や脳卒中の死亡リスクと相関があった、


というおはなし。

図:社会的孤立と脳卒中死亡リスク



感想:

他人と心からわかりあえるはずなどないから 人生に孤独感はつきもの。

社会生活を営むのはそのフィールドで生き残るためだから 孤立したら死はとうぜん。

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