2017年8月31日

アテロームや心原性の脳梗塞を予防するあぶらの種類とは


Omega-3 Fatty Acids and Incident Ischemic Stroke and Its Atherothrombotic and Cardioembolic Subtypes in 3 US Cohorts
2017  8月  アメリカ

オメガ3多価不飽和脂肪酸は高血圧や高脂血症をおさえる効果がしられている。

脳梗塞との関連について、くわしくしらべてみたそうな。


脳梗塞の発生を8-11年フォローする複数の研究データを使用して、

エイコサペンタエン酸(EPA)
ドコサペンタエン酸(DPA)
ドコサヘキサエン酸(DHA)
の血中レベルと脳梗塞(アテローム性、心原性)との関連を解析したところ、


次のことがわかった。
・953件の脳梗塞(アテローム性408、心原性256 他)があった。

・DPAやDHAレベルが高いと脳梗塞リスクは低かった。

・EPAとの関連はなかった。

・とくに DHAはアテローム性脳梗塞リスクの低下に、

・DPAは心原性脳梗塞リスクの低下に関連していた。

血中DHAが高いとアテローム性の脳梗塞が、DPAが高いと心原性の脳梗塞の発生率が下がった、


というおはなし。
図:DHAとアテローム血栓性脳梗塞

感想:

EPAやDPA,DHAはαリノレン酸から体内で合成される。

やはりαリノレン酸をたっぷり含む エゴマ油、亜麻仁油かね。

2017年8月30日

nature.com:大麻は脳卒中予防になる?


Residual Effects of THC via Novel Measures of Brain Perfusion and Metabolism in a Large Group of Chronic Cannabis Users
2017  8月  アメリカ

大麻にはTHCという成分により「ハイ」な気分になる向精神薬としての作用がある。

また大麻の使用により脳血流量が増加することが報告されている。そこで常用者についてはどうか、その脳活動をMRIでしらべてみたそうな。


大麻常用者74人と非使用者101人についてMRIを使って脳血流量、脳酸素摂取率と消費量を推定した。

大麻の急性効果を除くために実験の72時間まえから大麻の使用を断たせた。


次のことがわかった。

・大麻常用者の脳酸素摂取率と消費量は非使用者よりも高く、

・脳血流量が右脳の淡蒼球と被殻で多かった。

・脳全体の血流量と右脳の上前頭回の脳血流量が 血中THCレベルと相関していた。

大麻を常用的に摂ることで脳の全体的 局所的血流状態が向上していた、


というおはなし。
図:THCと脳血流

感想:

なぜか右脳の被殻に影響するんだな。まさにそこをやられた者としては興味深い。

[大麻]の関連記事

2017年8月29日

運命論的考えをもつ脳卒中患者の障害は


The Impact of Pre-Stroke Depressive Symptoms, Fatalism, and Social Support on Disability after Stroke.
2017  8月  アメリカ

脳卒中の発生や死亡には社会心理的な影響があると考えられているが、障害程度との関連はよくわかっていない。

病気の予後はすでに決まっていて自分の意志ではどうにもできないと考える「運命論」や うつ症状、社会サポートが脳卒中後の障害と どのように関連するものかしらべてみたそうな。


脳梗塞患者364人についてうつ症状、運命論的考えの程度、社会サポートレベルをしらべ、90日後の障害程度との関連を解析したところ、


次のようになった。

・運命論的考えが強いほど機能的、認知的回復が悪かった。

・うつ症状についても同様で、

・社会サポートは高レベルよりも中レベルのときに認知能力の回復がよかった。

運命論的考えやうつ症状が強いと、脳卒中患者の障害も重かった、


というおはなし。
図:運命論者の脳卒中予後

感想:

ようするに運命論者は早々にあきらめてしまってリハビリをがんばらないから って言いたいみたいなんだけど、おなじ運命論者でも「わたしはハッピーになるさだめにある!」と信じている人はどうなのかね?

2017年8月28日

高齢者のくも膜下出血はどうしたらいいの?


Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage in the Elderly over Age 75: A Systematic Review.
2017  8月  日本

くも膜下出血の発生率は年齢が上がるほど高く、特に女性におおい。しかも高齢のくも膜下出血患者は入院時の症状が重く、予後不良も少なくない。

75歳以上の高齢くも膜下出血患者の予後に影響する要因と治療法について過去の研究をまとめてみたそうな。


関係する論文を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・816例を含む12の研究がみつかった。

・患者の83.2%は女性で、33.8%は入院時に重度の症状だった。

・25.5%に血管攣縮がみられ、31.1%に水頭症があった。

・全体の35.0%は回復良好で、治療法別ではクリッピングの45.3%、コイリングの36.3%、保存療法の9.0%で回復良好だった。

・入院時に重症で、高齢、手術なしだと回復不良で死亡率も高かった。

85歳未満で入院時に重症でなければ手術をすすめるべき、


というおはなし。
図:くも膜下出血

感想:

くも膜下出血の再発予防手術の必要性には 個人的にとてもつよい疑いをもっている。

自分にその選択をせまられたら、たぶん断ると思う。

2017年8月27日

タブレットPCをつかった顔面麻痺のミラーセラピー


Effects of Mirror Therapy Using a Tablet PC on Central Facial Paresis in Stroke Patients.
2017  8月  韓国

脳卒中のあとよだれが垂れたり、口から食べ物がこぼれる、ことばが不明瞭になるなど中枢性顔面神経麻痺の症状を示す患者はすくなくない。

この問題にたいして口腔顔面運動訓練が勧められているが効果はいまひとつである。

こんかい、ミラーセラピーを組み合わせてさらなる改善を試みたそうな。


脳卒中患者21人について1回15分間の口腔顔面運動訓練を、2回/日x14日間行った。

このとき10人の患者グループはミラーセラピーを併用した。

ミラーセラピーでは、タブレットPCの自撮りモードを左右反転するアプリで自分の顔を映し、さらに画像の麻痺側をおおいかくして あたかも麻痺していないかのように見える工夫をした。

顔面麻痺の評価はHouse-Brackmann法を用い、笑ったときの口角から耳たぶまでの距離の変化も測定した。


次のようになった。

・両グループともに顔面麻痺の程度と顔の運動量のおおきさが改善した。

・とくにミラーセラピーグループでの改善程度が著しかった。

タブレットPCを用いたミラーセラピーは脳卒中後の顔面神経麻痺によいかも、


というおはなし。
図:中枢性顔面神経麻痺のミラーセラピー タブレットPCを使って

感想:

これを機に意識してスマホ自撮りやってみた。シャッター押すまでは鏡を見てるのと同じで、撮った写真はその左右反転になってる。

つまり撮るまでは鏡像になるように あえて左右を反転していたんだな。気が付かなかったよ。

2017年8月26日

脳卒中とメタアンフェタミンの関係


Stroke and methamphetamine use in young adults: a review.
2018  8月  オーストラリア

若年者の脳卒中が増えている理由のひとつに薬物中毒が考えられる。

メタアンフェタミンと脳卒中との関連を過去の研究からまとめてみたそうな。


関係するこれまでの論文を厳選して内容を分析したところ、


次のことがわかった。
・77の論文がみつかった。

・81の脳出血と17の脳梗塞の事例が含まれていた。

・いずれの脳卒中も男性のほうが2倍おおかった。

・メタアンフェタミンは飲んだり注射で摂ることができ、とくに喫煙摂取と脳梗塞の関連がつよかった。

・脳出血の1/3は高血圧や血管の炎症と関連があった。

・脳出血の1/4は完全回復して1/3は死亡した。

・脳梗塞の1/5は完全回復して1/5は死亡した。

メタアンフェタミンが関係する脳卒中は脳出血がおもで 亡くなる者もおおかった、


というおはなし。
図:メタアンフェタミンと脳卒中

感想:

メタアンフェタミンといったらドラマのブレイキング・バッドとのりピーを思い出す。

合法的に試せるのなら体験してみたい気もあったが 脳出血と聞いてどうでもよくなった。

2017年8月25日

貧乏だと脳梗塞の回復もよくないの?


Is there a correlation between socioeconomic disparity and functional outcome after acute ischemic stroke?
2017  7月  中国

社会経済的地位が低いと脳卒中になりやすくその死亡率も高いという報告が数多くある。

回復度との関連についての研究はおおくないので、大規模にしらべてみたそうな。


中国の脳卒中患者データベースから2007-2008で教育歴、職種、収入のわかる脳梗塞患者11226人分の記録を抽出して、3ヶ月後の生活自立度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・教育歴6年以上の非肉体労働者にくらべ、教育歴6年未満の肉体労働者は生活自立度が低い傾向にあった。

・年齢、性別、喫煙、飲酒、病歴などを考慮にいれると、肉体労働者の生活自立度は明らかに低く、収入の少ない(160ドル未満/月)者では有意な差はなかった。

・これらの関連は65歳未満の男性で顕著だった。

社会経済的地位が低い脳梗塞患者の回復度はよくなかった。収入の少なさよりも低教育歴、肉体労働者であることのほうが回復不良につよく関連していた、


というおはなし。
図:貧困と脳梗塞

感想:

肉体労働者のほうが病気にたいしてタフなイメージがある。たぶんこういう人はよほど重症でなければ病院に来ないんじゃないかな。

これ↓おもいだした。
自殺したくなる脳卒中患者の特徴が明らかに

2017年8月24日

リハビリ中の正確な歩数を知る方法


Consumer-Based Physical Activity Monitor as a Practical Way to Measure Walking Intensity During Inpatient Stroke Rehabilitation
2017  8月  カナダ

脳卒中のあとのリハビリ入院ではとてもおおきな回復が起きるので、その訓練量を正確に把握することは重要である。

とくに歩行リハビリでは 腰に歩数計を着けた場合、測定精度は低く 歩行スピードが遅いとさらに誤差は拡大する。

StepWatch ActivityMonitor(SAM:modus health社の製品)を用いればビデオ解析の結果と96.1%の精度で測定値が一致することがわかっているが、価格が高く データ解析が難しい。

こんかい、市販の活動計 Fitbit One をもちいたときの歩数測定値をSAMとくらべてみたそうな。


発症から6週以内でリハビリ入院中の脳卒中患者21人について、健常側の足首にFitbit OneとSAMを装着し、理学療法セッション471時間分の記録を比較解析したところ、


次のようになった。

・Fitbit Oneの測定値はSAMのそれと ほぼ一致した。

・その誤差は歩行スピードで異なり、0.4m/s未満では10.9%、0.4-0.8m/sでは6.8%、0.8m/sより速いと4.4%だった。

脳卒中患者の健常足に着けたFitbit Oneでリハビリ訓練中の歩数をかなり正確に測定することができた、


というおはなし。

図:Fitbit SAM 脳卒中患者の歩行

感想:

Fitbitって やたら期待されてたわりにはぜんぜん普及してないね。

2017年8月23日

太った小学生は将来 若くして脳梗塞に


Association of Childhood Body Mass Index and Change in Body Mass Index With First Adult Ischemic Stroke
2017  8月  デンマーク

先進国では脳卒中の発生率は低下傾向にあるものの、若年者の脳梗塞は増加している。これは子供のころになんらかのリスク要因にさらされていることが理由かもしれない。

そこで子供のころの肥満とのちの脳梗塞との関連についてしらべてみたそうな。


デンマークの国民健康データベースから1930-1987生まれの307677人の記録を2012までフォローして、年齢7-13時の体重 身長と脳梗塞事例との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に 女性3529人、男性5370人の脳梗塞があった。

・7-13歳にボディマス指数BMIが平均以上だと 55歳以下で脳梗塞になるリスクはあきらかに高く、いっぽう55歳以降での梗塞リスクは変わらなかった。

・この関連は出生時の体重に依らなかった。

・BMIが平均よりも低いときの脳梗塞リスクの上昇はなかった。

・7→13歳でBMIが増加すると男女ともに55歳以下での脳梗塞リスクも上昇した。

子供のころの平均を超えるBMIの増加は、55歳までに脳梗塞になるリスクを上昇させた、


というおはなし。
図:子供の肥満は若年脳梗塞のもと

感想:

このくらいの年齢って背が伸び始める直前だから横にひろがってる子はすくなくないと思うんだ。

2017年8月22日

降圧薬の順守率と脳卒中リスク


Adherence to Antihypertensive Medications and Stroke Risk: A Dose-Response Meta-Analysis.
2017  7月  中国

高血圧は脳卒中のおもな要因の1つで、薬物治療が可能である。

降圧薬の服薬順守率が低いと脳卒中や再発のリスクが高くなると考えられているが、そうでないとする報告も少なくない。

そこで、これまでの研究成果をまとめて降圧薬の順守率と脳卒中リスクとの関連を検証しなおしてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者1356188人を含む18の研究が見つかった。

・調査期間に対する服薬した日数の割合(%)を順守率としたとき、順守率が高いと脳卒中リスクはあきらかに低かった。

・脳梗塞と脳出血で分けても同様のリスク低下が得られた。

・致死性、非致死性の脳卒中についてもリスクはおおきく下がった。

・服薬順守率が20%高くなるごとに脳卒中リスクが9%低下する用量関係が見られた。

降圧薬の服薬順守率が高くなるほど高血圧患者の脳卒中リスクは低下した、


というおはなし。
図:降圧薬の服薬遵守率と脳卒中リスク

感想:

副作用の頻尿がひどかったので 2015の元日に降圧薬を断った。おもいきってやめてよかったと思ってる。

2017年8月21日

健常側の運動野のはたらきと時期


Time-dependent functional role of the contralesional motor cortex after stroke.
2017  8月  ドイツ

脳卒中でいっぽうの脳半球が損傷して手が麻痺したときに、健常側の脳がどのように関わってくるかについてはいまだよくわかっていない。

健常側の脳が、損なった機能を補うように働くのかそれとも逆に邪魔をするのかは報告によってまちまちである。

健常側の脳のはたらきが発症からの時期や運動課題によってかわってくるものか実験してみたそうな。


軽中等度麻痺の脳卒中患者12人について 損傷脳とは反対側の脳の1次運動野をオンラインTMSで干渉しながら麻痺手での3つの課題(指のタップ頻度、握力、反応速度)を測定した。
これを脳卒中から1-2週および3ヶ月以降に行った。

健常者14人についてもどうようの実験をした。

オンラインTMSは磁気刺激パルスを浴びながら課題をこなす実験方法をさす。


次のようになった。

・1-2週後では反対側の運動野への干渉によって指のタッピング頻度が明らかに向上した。いっぽう握力と反応速度には変化はなかった。

・3ヶ月後、磁気刺激による干渉は3つの課題いずれにも影響はなく、健常者を対象にした場合とおなじ結果になった。

脳卒中患者の健常側の脳の1次運動野が特定の時期と課題に対して抑制的にはたらいていることがわかった、


というおはなし。
図:反対側の運動野のTMSで指のうごき改善

感想:

これはTMSのただしい使い方だとおもう。みなオフラインにこだわって失敗してる。

2017年8月20日

脳梗塞に効く植物油の種類があきらかに


Comparative effects of plant oils and trans-fat on blood lipid profiles and ischemic stroke in rats.
2017  8月  韓国

動物性の飽和脂肪酸にくらべて植物油におおい不飽和脂肪酸は心血管疾患によいと考えられてきた。

ところが数ある植物油(菜種油、大豆油、とうもろこし油、オリーブ油、シソ油)のなかでもαリノレン酸を多く含むシソ油以外はすべて 「脳出血」の発生をうながすと指摘されるようにもなった。

こんかいは「脳梗塞」との関連を実験でたしかめてみたそうな。


シソ油、菜種油、ごま油、ショートニング(トランス脂肪酸)を含む餌を2週間食べさせたネズミを人為的に脳梗塞にして、その後も同じ食事を3週間続けて 梗塞のおおきさや運動機能をしらべたところ、


次のようになった。

・シソ油以外のグループはすべて体脂肪と体重が増加した。

・ごま油とショートニンググループはコレステロールと中性脂肪が上昇したがシソ油グループでは低下した。

・シソ油グループは梗塞体積がいちばん小さかったばかりか歩行機能とロータロッドテストの結果がもっともすぐれていた。

シソ油にはほかの植物油にくらべて肥満を防ぎ かつ脳梗塞の回復を促す効果が期待できる。シソ油を積極的に使うべきである、


というおはなし。
図:ロータロッドテスト

感想:

植物油の毒性問題はかなり深刻そうなんだよね、、唯一の例外であるシソ油(エゴマ油とも言う)は価格が菜種(キャノーラ)油の10倍以上で手がでない。
高血圧+キャノーラ油で脳出血が確定?

傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに

2017年8月19日

脳卒中患者が語る視力障害の経験


Stroke survivors’ views and experiences on impact of visual impairment
2017  8月  イギリス

脳卒中患者のおよそ60%はなんらかの視覚障害を経験するといわれている。

この件について、患者の生の声をあつめてみたそうな。


20-75歳で脳卒中後1年以上経つ男女35人に面談して聴き取った内容を分析したところ、


次のことがわかった。
・内容は5つのテーマ(診断、症状、日常生活、適応、情報 )に分類できた。

・視覚障害があっても脳卒中が原因だとはすぐに気づかずに別の原因を探していた。

・おおくの患者は視覚の問題に対してなんの評価も治療も受けていなかった。

・視覚障害は視野の欠損、複視、視力の低下などを含んでいた。

・視覚の問題は自信の低下、他者への負担、衝突や事故、転倒への恐怖につながっていた。

・独自の工夫(虫眼鏡、おおきく印刷、照明を強く、白杖を持つ)で適応していた。

・視覚問題についてのサポートや情報が明らかに不足していた。

脳卒中後の視覚障害は日常生活におおきな影響を与えていたが、そのおおくは早期の視覚評価と対策があれば避けられるものだった、


というおはなし。
図:脳卒中後の視力障害

感想:

視力1.5が突然0.4になっちゃったわりには 自動車の運転を再開するまでその深刻さに気づかなかった。

トンネルにはいったときにあまりにも周りが見えなくて肝を冷やし、翌日メガネ屋に飛び込んで視力を知った。

2017年8月18日

nature.com:脳卒中やったら電動歯ブラシ使え


Oral health-related quality of life in patients with stroke: a randomized clinical trial of oral hygiene care during outpatient rehabilitation.
2017  8月  香港

脳卒中になると運動や感覚、認知機能の低下を経験するいっぽう 健康関連QoLにも影響がでる。

特に口や顔面関係の障害(舌や唇の麻痺、唾液の減少など)による口腔に関連したQoLの低下はおおきいと考えられる。

これらを改善するべく脳卒中の外来患者で実験してみたそうな。


脳卒中患者94人について、

*通常の歯ブラシ+歯磨き粉 グループ
*電動歯ブラシ+薬用マウスリンス グループ

に分けて、3ヶ月間の口腔衛生指導のあとさらに3ヶ月間 健康関連QoLと口腔関連QoLを複数の指標でフォローしたところ、


次のようになった。

・3ヶ月後および6ヶ月後の両時点で 電動歯ブラシグループであきらかに健康関連QoLと口腔関連QoLのスコアがすぐれていた。

電動歯ブラシと薬用マウスリンスをつかった口腔衛生指導を脳卒中患者におこなったところ、従来の歯ブラシと歯磨き粉を用いる場合にくらべ主観的健康度は明らかに向上した、


というおはなし。
図:電動歯ブラシ

感想:

入院中 見舞客と会話してるときにあからさまに顔をそむけられたことがあった。よほど口が臭かったんだろう。しばらく歯を磨けない日がつづいたからね。

2017年8月17日

脳卒中後うつのfALFF解析


Fractional amplitude of low-frequency fluctuations (fALFF) in post-stroke depression.
2017  7月  オーストラリア

脳卒中後のうつは回復をさまたげ生活の質を低下させる。

これが由来する脳の部位や神経メカニズムについてはいまだよくわかっていない。

近年、安静時fMRIの解析により脳の中の自発的な結合性の変化を観測できるようになり、脳卒中後うつ患者でデフォルトモードネットワークの結合性低下が報告されている。

安静時fMRIの他の解析方法として低周波数成分の強度変動が全体に占める割合 fALFF(fractional amplitude of low frequency fluctuations)を評価する方法があるので、これで脳卒中後うつをしらべてみたそうな。


発症後3ヶ月の脳卒中患者64人について安静時fMRIを測定し、0.01-0.08HzについてfALFFを解析したところ、


次のことがわかった。

・20人がうつ症状を示していた。

・非うつ患者にくらべうつ患者では左の背外側前頭前皮質と右の中心前回でfALFFが有意に高く、

・左の島皮質でうつスコアとfALFFの明らかな相関が見られた。

・うつの有無が0.01-0.027 Hzに、うつの重症度が0.027-0.073 Hzに反映されていた。

安静時fMRIのfALFF解析により脳卒中後うつの自発的神経活動の異常な部位と周波数レンジを感度よく特定することができた、


というおはなし。
図:脳卒中後うつのfALFF

感想:

1周期が30秒前後ある脳の律動ってのはいったいなんなのかね?

2017年8月16日

がんの宣告を受けると脳梗塞になる


Risk of Arterial Thromboembolism in Patients With Cancer
2017  8月  アメリカ

アメリカ人の40%はその生涯にがんを経験する。がんになると深部静脈血栓や肺塞栓が起きやすくなることは知られている。

いっぽう心筋梗塞や脳梗塞など 動脈の血栓塞栓症との関連についてはよくわかっていないので調べてみたそうな。


2002-2011のがん患者(乳がん、肺がん、大腸がん、膀胱がん、膵臓がん、胃がん)と がんでない比較グループ患者との279719組の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・がん診断後6ヶ月間の動脈血栓塞栓症の発生率は4.7%で、がんでない者では2.2%だった。

・とくに 心筋梗塞の発生率はがんだと2.0%、非がんで0.7%、

・脳梗塞発生率は がんで3.0%、非がんで1.6%だった。

・このリスク上昇はがんの種類やステージにも関連し、およそ1年で解消した。

がんと診断された患者はその直後から短期的に心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上昇する、


というおはなし。
図:ガン宣告のあとの脳卒中リスク

感想:

ってことは 脳梗塞やったひとには隠れがんの可能性があるのかな。
軽い脳梗塞とホッとしていたのも束の間 実はガンでしたと告げられる患者の割合と見分け方

なぜ脳梗塞患者はガンになりやすいのか

2017年8月15日

脳卒中発生率の男女別の傾向


Sex-specific stroke incidence over time in the Greater Cincinnati/Northern Kentucky Stroke Study.
2017  7月  アメリカ

脳卒中が男性の死亡原因の5位にまで低下したいっぽう、女性では4位にとどまっている。

これは男性の脳卒中発生率の低下が女性よりも速いからかもしれない。

たしかめてみたそうな。


ケンタッキー州の脳卒中患者記録1993-2010から TIAをのぞく20歳以上の事例7710人ぶんを抽出して発生率を男女別に解析したところ、


次のようになった。
・57.2%が女性で、平均年齢も 72.4 vs. 68 で女性が高かった。

・この間に、10万人あたりの脳卒中発生率は男性で 263→192人におおきく減少し、女性では 217→198 と ほとんど変わらなかった。

・脳梗塞に限定しても同様に、男性は 238→165、女性は 193→173 となった。

・脳内出血とくも膜下出血の発生率は男女ともにあきらかな変化はなかった。

この16年間で低下した脳卒中発生率の原因は男性の脳梗塞の減少によるものだった。2010には男女の発生率がほぼ等しくなった。なぜなのかはわからない、



というおはなし。
図:脳卒中発生率の傾向と男女差

感想:

肥満が自己管理能力のないクズとして労働市場で不利な扱いを受けるようになったから まず男性で改善したんじゃないのかな。

2017年8月14日

運動イメージ訓練の歩行リハビリ効果がわかった


Effects of motor imagery on walking function and balance in patients after stroke: A quantitative synthesis of randomized controlled trials.
2017  8月  中国

実際に身体をうごかすことなくイメージだけで練習を行うことを「運動イメージ訓練」や「メンタルプラクティス」とよび、視覚的にイメージする方法や運動そのものをイメージする方法などがある。

脳卒中片麻痺患者への運動イメージ訓練の有効性は数多く報告されているが、歩行能力に限定したシステマティックレビューはおおくない。

そこで最新の研究をふくめてこれまでの成果をまとめてみたそうな。


研究データベースから関係するものを厳選し データを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・被験者735人を含む17のランダム化比較試験がみつかった。

・訓練期間は6週間、1回あたり15分間、ビデオやオーディオを用いる方法がおおかった。

・通常訓練にくらべ運動イメージ訓練は歩行能力や運動機能の改善に より効果的だった。

・ただしバランス能力に有意な改善はなかった。

・歩行能力の改善効果は短.長期的にも有効だった。

・6週間未満の短期に限定すればバランス能力の改善もみられた。

運動イメージ訓練は脳卒中患者の歩行リハビリに有効であると考えられた。ただし測定値や方法にばらつきが大きいので さらなる研究が期待される、


というおはなし。

図:運動イメージ訓練

感想:

ちなみに上肢に限定すると、数ある治療法のなかでいちばん効果がでているのが運動イメージ訓練。
上肢リハビリ 良い方法 と ダメな方法

2017年8月13日

歩行対称性が改善する靴の中敷きの工夫とは


A textured insole improves gait symmetry in individuals with stroke.
2017  8月  アメリカ

脳卒中患者の歩行では麻痺足をあまり使わず健常足にたよりがちになる。

これを矯正するために健常側の靴に厚い中敷きを入れて麻痺側への体重移動を促す方法があるがあまり効果がない。

こんかい、突起物がたくさんついた中敷きを使用して歩行パラメータの改善度をしらべてみたそうな。


歩行に非対称性のみられる脳卒中患者17人について、
健常側の靴に厚さ1mmのシートに高さ3mmの突起物がたくさんついた中敷きをいれて歩行の各パラメータ(速度、頻度、歩隔、歩幅、単脚時間 等)を測定したところ、


次のようになった。

・立脚および単脚時の対称性、圧力中心のズレがあきらかに改善した。

・単脚支持時間が健常足で減少し 麻痺足で増加した。

・歩行の速度やペースは変わらなかった。

脳卒中患者の健常側の靴にイボ付き中敷きを入れたところ歩行の対称性が改善した,


というおはなし。
図:脳卒中の靴の中敷き療法


感想:

自分の経験にてらすと
歩行に際してはいまも健常な右足にたよることが多く、人混みを長時間歩くと右足のふくらはぎがまっさきにつってしまう。

歩行が非対称になる理由は
麻痺足の裏の触覚がにぶく足首に力を入れるべきタイミングがわからないため 細かな姿勢制御を健常足に頼らざるを得ないからである。

ぎゃくに中敷き療法のような小手先の工夫で健常足の支持時間が低下してしまうと歩行の安全性が損なわれると考える。

中敷き療法は足裏の感覚麻痺の改善にはまったくの無力であり、本質的な治療ではない。障害物のない実験室環境で歩行対称性を矯正できたとしても実生活にはなんの役にもたたないばかりか危険である。

[中敷き]の関連記事

2017年8月12日

みそが高血圧を抑え脳卒中予防になるはほんとうか?


Protective Effects of Japanese Soybean Paste (Miso) on Stroke in Stroke-Prone Spontaneously Hypertensive Rats (SHRSP)
2017  8月  日本

この↑研究論文のプレスリリースをうけて、つぎのようなニュースが世に出回った。

味噌由来の塩分なら血圧上昇が抑えられる!脳卒中を予防 広島大が発見(エキサイトニュース)

みそが血圧上昇抑制 大豆醸造時の物質関与か 塩の代わりに活用を 広島大学調査(日本農業新聞)


あたかも、みそから摂取する塩分はいくら摂っても高血圧になる心配がないばかりか むしろ脳卒中を防ぐ効果が増すかのように報道されている。


ところが論文には以下↓の図があって、
図:味噌の塩分とミクロの出血

この実験ではみそグループ(12匹)にマクロな出血事例がなかっただけで、顕微鏡レベルでの出血割合は高塩分グループとなんら差がないくらいに高いことがわかる。


たしかにみそには何か良い働きがあるのだろうけれど、味噌ラーメンのスープを飲み干してよい理由になるほどの根拠はなさそうである、


とおもった。

2017年8月11日

TIME誌:世界初!脳卒中患者で脳深部刺激療法


Exclusive: Woman Can Move Again After a Breakthrough Stroke Treatment
2017  8月  アメリカ

脳の奥に電極を埋め込んでパルス電流を流す「脳深部刺激療法(DBS)」はすでにパーキンソン病での手の震えの治療などに用いられている。

これを脳卒中麻痺からの運動機能を取り戻す目的で 世界ではじめて患者に応用してみたそうな。

動画↓


・ジュディ59歳は2年前に脳卒中になり左半身が麻痺した。

・歩けるようにはなったものの、左肘は90度に曲がり手の指はまったく開くことができなかった。

・2016の12月、クリーブランドクリニックで小脳を刺激するDBS装置の埋め込み手術を受けた。

・装置に通電し 理学療法を4ヶ月間うけたところ、医師の想像をうわまわる回復を示した。

・手が開くようになり財布をあけたり着替えや料理ができるまでに回復した。

・実験プロトコールでは4ヶ月で装置をスイッチオフにして 持続効果を検証する予定であったが、喜んでいる彼女をみてスイッチを切るのは忍びないと考え通電を継続することにした。

・彼女はいまもDBSを受けながらリハビリを続け、クリニックでは次の患者の準備もできたところである、

というおはなし。


感想:

ビデオをみて、これは未必のヤラセであると確信した。
功名心あふれる医師とかまってちゃん患者が互いの気持ちをそんたく(忖度)しあった結果このようになった。

1件目から実験プロトコールを変更してしまっているのがなによりの証拠。装置をスイッチオフにせずに一体どうやって効果を検証できると言うのか?

患者があまりにも大げさに回復を演じてしまったものだから、スイッチオフにしたときにどのように振る舞う「べき」かが 医師にも患者にもわからなくなった。
ボロがでることを恐れて ほとぼりが冷めるまで通電期間を延長したと考える。

このとき(←リンク)とまったく同じものを感じる。

2017年8月10日

脳卒中経験とうつの組み合わせで 死亡率激増


Depression Is Associated with a Higher Risk of Death among Stroke Survivors.
2017  8月  アメリカ

脳卒中の3人に1人はうつを経験し、彼らは回復も良くないと考えられている。

死亡率が脳卒中経験とうつの組み合わせでどう変わるものか たしかめてみたそうな。


1982-1992に行われた健康調査から 25-74歳の9919人の記録を解析して総死亡率と脳卒中死亡率を求めたところ、


次のことがわかった。
・1.2%に脳卒中経験があり、そのうち37.1%にうつ症状があった。

・脳卒中経験のない者の17.3%にうつ症状があった。

・25-64歳では脳卒中経験とうつが組み合わさると個々のばあいよりも総死亡率が高くなった。

・脳卒中死亡率の上昇は65-74歳にのみ確認され、

・うつがない脳卒中経験者にくらべて うつがある場合の脳卒中死亡率は35倍に達した。

脳卒中経験にうつ症状がくわわると総死亡率が上がり、とくに高齢者の脳卒中死亡率が非常に高くなった、


というおはなし。
図:脳卒中とうつと死亡率

感想:

こんなにも激しい結果がでるのものなのか。

2017年8月9日

250年前のミイラが脳卒中経験者だったあかしとは


A Unique Case of Stroke and Upper Limb Paralysis in a Mid-18th Century Natural Mummy
2017  8月  スイス

脳卒中の歴史研究において 脳卒中を経験した大昔の人物の標本が手に入ることはまずない。

こんかい脳卒中を経験したことが明らかになった18世紀の遺体がみつかったそうな。

2017年8月8日

脳卒中やったひとは両腕で血圧が違うかも


Interarm blood pressure difference in a post-stroke population.
2017  7月  アイルランド

両方の腕で測定した収縮期血圧の差は心血管疾患リスクと関連があると考えられていて、差が10mmHg未満なら正常で、 特に15mmHgを超えると脳血管障害での死亡率が高くなるという報告もある。

すでに心血管疾患リスクが高いはずの脳卒中経験者についての研究はおおくないので 確かめてみたそうな。


発症後6ヶ月時点の脳卒中患者238人についてしらべたところ、


次のようになった。
・40.3%で収縮期上腕血圧左右差が10mmHg以上、20.6%で15mmHg以上だった。

・高血圧、糖尿病、喫煙、肥満はいずれも 収縮期上腕血圧左右差の拡大とあきらかな関連はなかった。

・アルコールの過剰摂取と 15mmHg以上の差との有意な関連があった。

脳卒中経験者には収縮期上腕血圧左右差の拡大がめずらしくなかった。再発リスクの評価に使えるかもしれない、


というおはなし。
図:

感想:

さっそく測ったら、差が15あった。

2017年8月7日

認知症になりやすい脳の梗塞位置


Incidence of Brain Infarcts, Cognitive Change, and Risk of Dementia in the General Population
2017  8月  アイスランド

脳の梗塞箇所は高齢になるほど増え 70歳をこえるとMRIで20%以上に見られるようになる。

梗塞の発生位置と認知機能についての研究はおおくないので その関連をしらべてみたそうな。


平均年齢75、2612人について 5.2年間あけてMRIを2回撮り梗塞を評価して、認知機能テストをおこない認知症を判別した。


次のことがわかった。

・21%であらたに梗塞ができた。

・梗塞リスクは女性よりも男性で高かった。

・梗塞ができると急速に認知機能が衰えて 認知症リスクは2倍に達した。

・皮質下に梗塞があるとき認知症リスクがもっとも高かった。

5.2年間に20%以上の高齢者の脳にあらたに梗塞ができた。梗塞ができると認知機能が急速に低下した。皮質や小脳よりも皮質下の梗塞で認知症になりやすかったことから、太い血管の塞栓よりも小血管障害のほうが認知症はおきやすいと考えられた、


というおはなし。

図:皮質 皮質下 小脳の梗塞

感想:

皮質梗塞のほうが頭おかしくなるかとおもってたけど違うんだな。

2017年8月6日

nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない


Efficacy and Safety of Very Early Mobilization in Patients with Acute Stroke: A Systematic Review and Meta-analysis.
2017  7月  中国

脳卒中の発症から1-2日以内に患者をベッドから引きずり出し、座位や立位 歩行などをおこなわせる「超早期リハビリ」の効果はいまだ明らかでない。

これまでの研究成果をまとめてみたそうな。


関係する信頼性の高い研究のみを厳選し、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者2803人をふくむ9つのランダム化比較試験がみつかった。

・超早期リハビリは3ヶ月後の良好な回復とは関連がなく、

・動かないことが原因の合併症が減るわけでもなかった。

・また 死亡リスクの上昇や神経症状の悪化、転倒での傷害とは関連がなかった。

脳卒中の発症から24-48時間以内におこなう超早期リハビリにはなんのベネフィットもなかった、


というおはなし。

図:

感想:

あとは信仰のもんだいかな。

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2017年8月5日

脳卒中で突然死 若年者のばあい


Sudden unexpected death caused by stroke: A nationwide study among children and young adults in Denmark.
2017  7月  デンマーク

脳卒中は若年成人の死亡原因5位であり、非心臓の突然死ではもっともよくある原因でもある。

50歳未満の脳卒中による突然死の特徴をしらべてみたそうな。


デンマークの死亡者データベースから、検死解剖がおこなわれ死亡原因のあきらかな1-49歳の事例を抽出 解析したとこころ、


次のことがわかった。

・10年間で1698人の突然死があり、その3%(52人)が脳卒中によるもので、

・男性が多く(56%)年齢中央値は33だった。

・1-49歳の脳卒中突然死の発生率は10万人あたり年間0.19人だった。

・出血性の脳卒中が94%を占め、そのうち63%はくも膜下出血だった。

・33%(17人)には頭痛などの症状があり生前 病院を訪れたが、脳卒中が疑われたのは6%(1人)のみだった。

50歳未満の脳卒中突然死では脳出血がほとんどだった。1-35歳では脳内出血がおおく、36-49歳にはくも膜下出血によるものがおおかった。突然死のまえには頭痛や手足のしびれなどの症状が高頻度にあらわれていた、


というおはなし。
図:脳卒中で突然死

感想:

若々しくて元気だからこそ「突然」という言葉が意味をもつ。だからぎゃくに ポックリ逝きたければ若者のように振る舞えばよいのでは。

2017年8月4日

ローラーコースター乗ったこどもが翌日に脳卒中で入院


Middle Cerebral Artery Stroke as Amusement Park Injury: Case Report and Review of the Literature.
2017  7月  アメリカ

子供の脳卒中はまれで原因はさまざま。これまで 遊園地のあとに脳卒中になった子供のケースは20例が報告されているのみである。

あたらしい例がみつかったそうな。


・12歳の少年が救急搬送されてきた。

・突然の頭痛と顔のゆがみ、ことばのもつれ、右足の麻痺があった。

・検査の結果、左脳に梗塞がみつかった。

・抗凝固薬治療を受けた後リハビリ病院へ転院し、3週間後には後遺症もなく回復できた。

・発症の前日に遊園地でローラーコースターに乗ったことが原因と考えられた。

・これまでの報告にも遊園地での子供の脳動脈解離の事例があった。

ローラーコースターが原因と考えられる子供の脳卒中はこれまでにも報告されている。未成熟な子供の頚椎は急激な加速度に弱いことをもっと周知することが必要だろう、


というおはなし。
図:ジェットコースターで脳卒中

感想:

ジェットコースターは企業の商標で、一般名は ローラーコースターなんだな、、
子供をジェットコースターに乗せると脳卒中になっちゃうかもよ

2017年8月3日

マルチビタミンを飲む女性は脳卒中にならない?


Multivitamin use and risk of stroke incidence and mortality amongst women.
2017  7月  アメリカ

アメリカの成人 3人に1人は定期的にマルチビタミン・サプリメントを摂っていて とくに女性でおおい。

マルチビタミンの脳卒中予防効果についてはいまだ結論がでていない。

女性に限定してマルチビタミンの脳卒中の発生率 死亡率への影響を大規模にしらべてみたそうな。


看護師健康調査から34-59歳の86142人を選び、食事内容、マルチビタミンの使用、健康状態を2年毎に32年間フォローした。


次のことがわかった。
・この間に3615人の脳卒中があり、758人が死亡した。

・マルチビタミンの使用は、非使用者や長期使用者、非健康食の者にくらべ脳卒中リスクは低下しなかった。

・脳梗塞や脳出血の死亡率とも関連がなかった。

女性のばあいマルチビタミンをたとえ長期に使用していても脳卒中の発生 死亡リスクの低下にはつながらなかった、


というおはなし。
図:マルチビタミンと脳卒中

感想:

男性限定だとこういう↓報告があった。
マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる

2017年8月2日

リハビリにクロスエデュケーションを使うべき理由


Clinician perspectives on cross-education in stroke rehabilitation.
2017  7月  カナダ

脳卒中患者のおおくが上肢に麻痺をのこして生活の質の低下に悩んでいる。

これにたいして CI療法や電気刺激、メンタルイメージ、バーチャルリアリティー、ミラーセラピー、ロボティクスなどの治療法が提唱されてはいるが、どれも制限がおおく適応になる者はわずかである。

たとえば CI療法では手首が20度 指が10度以上開くことのできる患者以外は相手にされない。

さいきん、片方の手で訓練した成果がもういっぽうの手に移る「クロスエデュケーション」が重度の上肢麻痺患者にも耐えうる治療法として注目されている。いくつかの研究では健常者よりも脳卒中患者でよりおおきなクロスエデュケーション効果を得られることもわかってきた。

そこでクロスエデュケーションをリハビリ現場にもちこむにあたって何が問題になりそうかをセラピストたちに議論させてみたそうな。


救急病院やリハビリ病院から経験年数0-30年の作業療法士23人、理学療法士2人をあつめて、

*従来の上肢麻痺患者のリハビリ訓練法
*クロスエデュケーションの理解
*クロスエデュケーションの可能性と問題点
について議論させ、その内容を定性的に分析した。


次のようになった。

・全体をとおして浮かび上がったテーマは「受け入れがたいけど有望」である。

・これには3つの段階があって、
(1)従来のリハビリは麻痺手を強制使用させる考え方にもとづいている。
(2)麻痺が重度で強制しようのない患者には従来法は無力である。
(3)クロスエデュケーションは従来法に簡単に追加できる。
・健常な手を訓練するクロスエデュケーションについて患者や家族、医療関係者に理解を得るための資料が必要と考えられた。

麻痺手のために健常手を訓練するクロスエデュケーションは重症麻痺の患者に適している。従来法を置き換えるものではなく補助的な治療法である。一見して従来法とは矛盾した考え方がもとになっているため関係者の理解を促す資料が必要だろう、


というおはなし。

図:クロスエデュケーションをリハビリで使うには

感想:

クロスエデュケーション研究には120年の歴史がある。その効果はたぶん本物なんだろう。

ならば、健常な手に袋をかぶせて2週間使えない状態にするCI療法はクロスエデュケーション的には最凶最悪の治療法といえるだろう。共存はむりだな。

[クロスエデュケーション OR 両側性転移]の関連記事

2017年8月1日

脳動脈瘤があるのに酒をやめなかった人の末路


Alcohol Consumption and Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2017  7月  アメリカ

飲酒はくも膜下出血のリスク要因の1つと言われているが大規模な調査はまだない。

そこで飲酒量と脳動脈瘤の破裂リスク、禁酒の効果を大規模にしらべてみたそうな。


1990-2016の患者記録から脳動脈瘤を持つ患者4701人を抽出してアルコールの摂取頻度と脳動脈瘤の破裂との関連を解析したところ、


次のことがわかった。
・酒を飲まない者に比べ現在飲酒者はあきらかに脳動脈瘤破裂リスクが高かった。

・かつては飲酒していたが現在やめている者には有意なリスク上昇はなかった。

・現在飲酒者は飲む量が増えるほど破裂リスクが高まり、禁酒した者は過去の飲酒量との関連はなかった。

現時点での飲酒習慣とその量が脳動脈瘤の破裂に強く関連していた。飲酒をやめた者についてはこの限りではなかった。脳動脈瘤のある患者は飲酒をすぐにやめるべきである、


というおはなし。
図:飲酒量と脳動脈瘤破裂

感想:

あれいらい 酒は料理にしかつかわない。舐めることすらしない。
ブログランキング・にほんブログ村へ pv

過去7日間の人気記事10

回復と予防のヒント100記事(2017年1月までのぶん)

脳卒中を見逃さない BE-FAST とは
玉子のコレステロールで血管詰まる説はなんだったのか?
緑茶を飲めば慢性期でも脳が再生するという根拠について
2度めの脳卒中で可塑性が再び高まる可能性について
高齢の脳卒中患者へのリハビリは無駄なの?
人生に目的を持つ高齢者の脳には梗塞が寄りつかないことが明らかに
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに
脳卒中予防には歩く時間が大切 距離やスピードじゃなくてジ・カ・ン
日本人が脳卒中で死なないための生活習慣が判明
水をたくさん飲むと脳卒中にならない、はホントだった

口の中が汚いと脳内出血になるという根拠について
脳梗塞と脳出血を同時に防ぐ肥満度BMIがわかった
脳卒中を防ぐミルクとチーズの量が明らかに
片麻痺の立ち上がり訓練 効果的なやり方
脳卒中は脳機能8年間分の老化に相当することが明らかに!
高血圧の脳卒中予防には葉酸サプリメントが効くことが判明
[ ナッツ vs. 豆 ] 脳卒中予防に適しているのはどちら
触覚刺激で脳がすぐに回復し その効果が10年以上続く可能性について
脳が再生する運動強度がわかった
緑茶とコーヒーを飲むと相互作用で脳出血リスクが3割減ることが判明

脳卒中で復職可能な年数がわかった
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる
オナニーがきっかけで脳出血になる割合
手の痙縮を解く低周波治療器の効果的使用法が判明!
睡眠8時間を超える人は問答無用で脳卒中リスク46%増し
カップラーメンを週2回以上食べる女性が脳卒中になりやすい理由について
怒りと脳卒中との関連が明らかに
難しい理屈はいいからスクワットをやれ
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明
脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について

脳卒中患者がネットを使いこなす理由
若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた
マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる
最新の音楽療法 バイノウラルビート (Binaural Beat)
脳卒中になりやすい労働時間がわかった ランセット誌
脳卒中が軽症だからって運転させていいの?
健康のために毎日いっしょけんめい運動するとかえって脳卒中になりやすいことが100万人の調査で明らかに
足をクロスしていたら半側空間無視 確定か?
療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

心を改め運動を始めるだけで脳の可塑性は復活する
知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、
なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね
脳卒中の言語障害はウェルニッケやブローカのせいではなかった!
手の指を繰り返し動かしてあげても脳への影響はゼロ
片足立ち20秒未満 →小さな脳梗塞や脳出血の可能性高!
[住みやすい国] 日本の脳卒中と自殺との関連について
再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに
鼻炎のメリット→脳梗塞予防効果
脳卒中 幹細胞治療のダークサイドについて
ランセット誌:握力よわくなったら脳卒中が近いと知りなさい
だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること
ハゲを治そうとして脳卒中になってしまった日本人2例
退院したての元患者が感じていること
麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』