2018年3月31日

脳梗塞で影響をうける健康関連領域トップ3


The most affected health domains after ischemic stroke
2018  3月  アメリカ

脳卒中が軽くすんで日常生活動作が自立できていたとしても、目につかない隠れた障害を抱えて生活の質が低下している患者はすくなくない。

これら健康に関係する複数の領域(身体機能、社会参加、遂行機能、疼痛、疲労、不安、うつ、睡眠 の8領域)が一般人とくらべてどのていど影響をうけているものなのか調べてみたそうな。


脳梗塞患者1195人(平均年齢62、白人81%)について、被験者の主観的な健康度をPROMIS (Patient-Reported Outcomes Measurement Information Syste)という指標を用いて評価したところ、


次のことがわかった。

・一般人にくらべあきらかなスコア低下の患者の割合は、睡眠の28%から身体機能63%におよんだ。

・もっとも影響をうけた領域は、身体機能>社会参加>遂行機能の順だった。

・身体障害、低収入、女性、が低スコアの関連要因だった。

・年齢は身体機能の低下と関連していたが、不安 うつ 睡眠障害との関連は低かった。

脳梗塞患者は複数の領域におよぶ健康問題をうったえていた。身体機能、社会参加、遂行機能がもっとも影響をうけた、


というおはなし。
図:脳梗塞で影響を受けるヘルスドメイン

感想:

うつや疲労 疼痛よりも遂行機能への影響がおおきいところが新鮮だ。

[遂行機能]の関連記事

2018年3月30日

病院のリハビリで患者の訓練時間がとても短いわけ


Why do stroke survivors not receive recommended amounts of active therapy? Findings from the ReAcT study, a mixed-methods case-study evaluation in eight stroke units.
2018  3月  イギリス

脳卒中の上肢リハビリ訓練量と回復度には用量関係がないことがさいきん次々とあきらかになってきてはいるが、 a b

イギリスの脳卒中リハビリ・ガイドラインでは 1日あたり少なくとも通算45分間の実訓練が必要である とされている。

しかし患者のおおくが必要な訓練量に達しておらず問題となっている。

その原因をくわしくしらべてみたそうな。


異なる地域のリハビリ関連病院 8施設での脳卒中患者77人、介護者53人、医療スタッフ197人の活動内容を第三者視点で詳細に観察し、その多くに面談も行ったところ、


次のことがわかった。

・433回のセッションを含む計1000時間あまりの観察をおこなった。

・セラピーで患者の実動時間に影響するもっともおおきな要因は、療法士の患者以外の関係者との情報交換に要する時間だった。

・疲労や遅刻などの患者要因も訓練量に影響していた。

・患者ごとに作成した予定表が院内でうまく機能していなかった。

・療法士の専門資格や経験レベルのちがいがセラピー内容に反映していなかった。

・適切な訓練強度や頻度についてエビデンスを理解できている療法士がほとんどいなかった。

セラピーの時間が療法士自身の情報交換作業に使われていた。準備の効率化や他部署との連携および療法士の再教育が必要だろう、

というおはなし。
図:リハビリ訓練量に与える要因

感想:

日本とおなじなんだな、、、

これ↓思い出したよ。
日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?

2018年3月29日

脳卒中患者のアルツハイマー病率 さいきんの傾向


Time Trends and Characteristics of Prevalent Dementia among Patients Hospitalized for Stroke in the United States.
2018  3月  アメリカ

脳卒中患者が認知障害を示すことはよく知られている。

また 血管性認知症とアルツハイマー型認知症には共通したリスク要因がおおい。

そこで、脳卒中で入院時に認知症とされた患者の割合と その種類について最近のトレンドを大規模に調べてみたそうな。


1999-2012のアメリカ人脳卒中患者117万人あまりの記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中で入院時、5.7%が認知症と診断された。

・女性はアルツハイマー病と関連がつよく、血管性認知症やその他認知症とは関連しなかった。

・アルツハイマー病および血管性認知症は白人よりも黒人でおおかった。

・同様に、ヒスパニックはアルツハイマー病がおおかった。

最近の10年あまりで脳卒中患者の認知症率はあがった。その有病率は性別や人種 民族で異なった、


というおはなし。
図:アルツハイマー病の脳卒中患者10年間

感想:

脳卒中やるような人はてっきり血管性認知症だとおもってたけど上のグラフみるとアルツハイマー病が倍。

アメリカはBSE検査がずさんだから、、かもしれんね。

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2018年3月28日

脳卒中の種類別10年トレンド in 中国


Trends in stroke subtypes and vascular risk factors in a stroke center in China over 10 years.
2018  3月  中国

中国ではこの10年間に急激な経済成長を遂げ、人々のライフスタイルや医療技術もおおきく変化した。

そこで、この間に脳卒中の種類とリスク要因がどのように変化してきたかを詳しくしらべてみたそうな。



2006-2015に北京大学病院に入院した脳卒中患者5521人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の内訳は脳梗塞82.1%、脳内出血14.7%、くも膜下出血3.2% だった。

・脳梗塞の比率は増加傾向にあり、脳内出血とくも膜下出血は低下傾向にあった。

・発症時の年齢と血圧におおきな変化はなかった。

・脳梗塞ではアテローム血栓性が17.0→30.8%に増加した後24.1%まで低下し、

・ラクナ梗塞は15.5%→39.6%に増加した。

・原因未定の脳梗塞は52.7%→26.0%に減少した。

・これらの傾向は頭蓋内血管検査数の増加を調整しても変わらなかった。

・LDLコレステロール値はあきらかに減少した。

・心原性脳梗塞の比率に有意な変化はなかった。

中国ではこの10年間で脳卒中の種類の比率があきらかに変わった。高血圧治療で脳内出血やくも膜下出血、ラクナ梗塞の予防が期待できる。脳梗塞の原因を特定する能力は高くなった。脂質降下薬治療は有効だった、



というおはなし。
図:中国の脳梗塞の内訳トレンド

感想:

MRI普及のおかげでラクナ梗塞が量産されて、脳内出血とくも膜下出血の比率を押し下げているってことはないかな。

2018年3月27日

脳卒中のあとの中枢性疼痛の仕組みがわかった


How central is central post-stroke pain? The role of afferent input in post-stroke neuropathic pain: a prospective open-label pilot study.
2018  3月  アメリカ

脳卒中患者の39-55%は頭痛や肩の痛み、痙縮、中枢性疼痛などのなんらかの痛みを経験する。

しかしこれら痛みケースの4分の1を占める中枢性疼痛のメカニズムはよくわかっていない。

中枢性疼痛は損傷脳と反対側におき、特に上肢や下肢で痛むことがおおい。

通常 慢性的な痛みで、感覚過敏、痛覚や温覚の異常を伴うこともおおく有効な治療法がない。

これまで 中枢神経にある痛みを受容する部分とくに視床のニューロンが脳損傷により過活動になり抑制が効かなくなってしまうことが痛みの原因であると考えられてきた。

今回、中枢性疼痛の原因が「末梢から中枢へ向かう神経シグナルが中枢で誤解釈されるため」という仮説を立てた。そこで途中の神経をブロックすることでこの痛みが消えるものか検証してみたそうな。


脳卒中で中枢性疼痛のある8人の患者について、

疼痛のある部位から中枢へ向かう神経の正確な途上位置に局所麻酔薬リドカインを打ち神経をブロックした。


次のようになった。

・8人中7人で30分以内に痛みが完全に消失した。残りの1人も痛みが50%以上緩和した。

・このとき痛みスケールの中央値は 6.5→0に下がった。

・他の感覚異常も神経ブロックにより消えた。

中枢性疼痛は中枢神経システムの中で自律的に発生するというよりも、末梢からの求心性の感覚刺激に依存し おそらくはその誤解釈によるものと考えられる、


というおはなし。

図:中枢性疼痛

感想:

比較対照群のない実験だけど、この説は支持したい。

でも誤解釈は痛みについてだけなんだろうか? じぶんの世界認識も誤ってはいないだろうか、、、って心配になるよ。

2018年3月26日

nature.com : 脳萎縮があると脳内出血が軽い


Impact of brain atrophy on 90-day functional outcome after moderate-volume basal ganglia hemorrhage.
2018  3月  韓国

脳内出血は脳卒中の10-15%を占め、大脳基底核の出血がもっともおおく死亡率や障害が残る率も高い。

さいきん脳萎縮への関心が高まっていて、おおきな脳梗塞の患者では頭蓋内に空間的余裕があるおかげで内圧の上昇が起こりにくいという報告がいくつかでてきている。

そこで、脳内出血について脳萎縮が機能回復に与える影響をしらべてみたそうな。


特発性脳内出血患者1003人から中レベルの出血(20-50cc)のケース124人を選び脳萎縮の程度を調べた。

90日後の機能回復度を Glasgow Outcome Scaleで評価して回復良好と不良グループにわけた。

脳萎縮の程度は intercaudate distance (尾状核間距離:ICD) と sylvian fissure ratio (脳の幅対シルビウス裂間の比:SFR)で評価した。

機能回復度と脳萎縮度との関連を解析したところ、


次のようになった。

・中レベルの出血患者のうち59.7%が回復良好だった。

・回復良好グループの脳萎縮度ICDとSFRは回復不良グループに比べ明らかに高かった。

大脳基底核に中程度の出血をした患者にとって、脳萎縮が保護効果を示した。脳萎縮は機能回復予測の重要な因子である、


というおはなし。
図:脳萎縮で基底核出血患者の正中線シフト

感想:

そういえば自分はあたまの鉢がでかくて中のスペースがけっこうあるので 「出血」と知ったとき その点でのアドバンテージを直感した。

2018年3月25日

片麻痺に心のなかで歌いながら歩かせてみた


Immediate Effects of Mental Singing While Walking on Gait Disturbance in Hemiplegic Stroke Patients: A Feasibility Study.
2018  3月  韓国

脳卒中で片麻痺患者の歩行の乱れは外部からのリズム音刺激で改善することが報告されている。

しかしリズム音刺激にはメトロノームなどの装置が必要であり、また患者自身が聴こえてくるリズムと歩行スピードを同時に認識して 歩くペースを合わせるなどおおくの認知リソースを必要とする。

日本人が考案したメンタルシンギング(mental singing)はこころのなかで歌いながら動作を行う方法で、パーキンソン病患者の歩行の乱れの改善に効果的とされている。

これを脳卒中患者にも応用できるものかためしてみたそうな。


脳卒中の片麻痺でなんとか10m歩ける患者20人について、7日間の音楽療法を含むメンタルシンギング訓練を行い、その前後での歩行評価を比較したところ、


次のようになった。

・10mウォークテストおよびタイムアップアンドゴーテストのスコアが明らかに改善した。

・歩調や歩幅、歩行スピードにも有意な改善がみられた。

メンタルシンギングは脳卒中片麻痺の歩行改善に効果的かも、、


というおはなし。
図:mental singing stroke

感想:

Google Play Musicを契約してるんだけど、膨大な量の音楽にスマホからAI支援で簡単にアクセスできる環境になれてしまうと鼻歌でさえ選曲や歌詞を思い出す行為がおっくうに感じるよ。

2018年3月24日

スマートウォッチとAIで心房細動が見つかる精度


Passive Detection of Atrial Fibrillation Using a Commercially Available Smartwatch.
2018  3月  アメリカ

心房細動のおおくは無症状で塞栓症をおこすまで気づかない。しかし心房細動をみつけるには長期の心電活動のモニターが必要と考えられている。

スマートウォッチを使った心拍数モニターと機械学習をくみあわせた心房細動検出方法の精度をしらべてみたそうな。


アップルウォッチのアプリケーションを開発して
心房細動347人を含む被験者9750人から取得した心拍データ(1億3900万測定)を用いてディープニューラルネットワークに学習させた。

このアルゴリズムをもちいて、心房細動の電気治療カルディオバージョンを行う患者51人について 治療に並行してアップルウォッチをつけて安静時での心房細動判定能の検証をおこなった。

さらに自己申告の心房細動患者64人を含む1617人の歩行動作中を含む測定データでも判定能を検証した。


次のようになった。

・スマートウォッチ+ディープニューラルネットワークの心房細動診断精度は、12電極の心電図で診断する場合にくらべ、C統計量で0.97、感度98.0%、特異度90.2% で、

・歩行動作中患者の場合は、C統計量0.72、感度67.7%、特異度67.6%だった。

スマートウォッチの脈波センサーとディープニューラルネットワークの組み合わせで心房細動を自動的に検出できる可能性を十分に実証できた、


というおはなし。
図:スマートウォッチで心房細動判定

感想:

そのうち健康診断のまえにスマートウォッチが貸出配布されるようになるんだろうな。

そして何度も呼び出しを喰らっては最終的に抗凝固薬をだされて、床屋の顔そりで血が止まらなくなるまでがセット。

2018年3月23日

中性脂肪は脳梗塞と因果関係になかった


Role of Blood Lipids in the Development of Ischemic Stroke and its Subtypes
2018  3月  スウェーデン

スタチン療法で脳梗塞リスクが低下することからLDLコレステロールが脳梗塞の原因であることがわかる。

しかしLDLコレステロールが脳梗塞の種類すべての原因であるかはわかっていない。

そこでLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪について脳梗塞の各種類との因果関係をしらべてみたそうな。


185種類の脂質関連一塩基多型についてのゲノムワイド関連解析データベースをつかって、メンデルランダム化解析を駆使したところ、


次のことがわかった。

・18万人あまりのデータから16851の脳梗塞と、アテローム血管性2410、小動脈閉塞3186、心原性3427 の脳梗塞がみつかった。

・LDLコレステロールの増加は脳梗塞全体のリスク上昇と相関していて、

・種類別にはアテローム血栓性で、小動脈閉塞と心原性とは相関しなかった。

・HDLコレステロールの増加は小動脈閉塞リスクの減少と相関していた。

・中性脂肪の増加は脳梗塞全体といずれの種類にも相関しなかった。
LDLコレステロールを下げるとアテローム血栓性脳梗塞の予防になる。HDLコレステロールを増やすとラクナ梗塞予防になる。しかし中性脂肪をさげても脳梗塞に影響はない、


というおはなし。
図:中性脂肪と脳梗塞の種類

感想:

中性脂肪は脳梗塞の原因になっていないってところが新鮮だ。

2018年3月22日

失語症患者へ歌うように語りかける効果


Sung melody enhances verbal learning and recall after stroke.
2018  3月  フィンランド

失語症の言語訓練にリズムを重ねる有効性はリズミックイントネーションセラピーとしていくつか報告があるが、これらはおもに発話能力に重点をおいている。

リズムに乗せて語りかけられたときの失語症患者の学習記憶能力についてはよくわかっていないので実験してみたそうな。


脳卒中で失語症の患者14人と失語症でない脳卒中患者17人について、

急性期と6ヶ月後に学習記憶力テストをおこなった。

テストのまえに40-50秒ほどの短い物語を聴かせた。
このとき普通に話すばあいと、メロディーに乗せて歌うように語る場合とにわけた。
その内容について 聴かせた直後の学習能力と30分後の記憶力をしらべた。


次のようになった。
・急性期ではメロディーの有無でテストスコアに違いはなかった。

・しかし6ヶ月時点ではメロディーグループでテストスコアがあきらかにすぐれていた。

・特に この効果は軽症の失語症患者で顕著で、

・彼らの急性期から6ヶ月後までのスコア改善ぶんは非失語症患者よりもおおきかった。

脳卒中からしばらく経った軽症の失語症患者へは歌うように語りかけると、その内容をより憶えてもらえることがわかった、


というおはなし。
図:リズム読み聞かせの記憶能力改善効果

感想:

失語症状が少しでてるくらいの患者のほうが、反発的におおきく回復するってことなのかね。

2018年3月21日

Stroke誌 : 脳卒中後の認知機能低下の特徴


Risk Factors for Poststroke Cognitive Decline
2018  3月  アメリカ

脳卒中をきっかけに認知機能の低下スピードが速くなることがわかっている。どういった特徴をもった脳卒中患者がそうなりやすいのかしらべてみたそうな。


45歳以上の22875人を8年間ほどフォローした結果、


次のことがわかった。
・この間に694人が脳卒中になった。

・認知機能全般、新規学習、言語記憶、遂行機能は脳卒中直後に急激に低下した。

・認知機能全般の急激な低下は黒人、男性、心原性またはアテローム血栓性脳梗塞でおおきかった。

・遂行機能の急激な低下は教育歴の短い者でおおきかった。

・脳卒中あと認知機能の長期の低下スピードは、認知機能全般と遂行機能で速く、新規学習、言語記憶では脳卒中前と変わらなかった。

・高齢、脳卒中ベルト(多発地帯)以外の住人、心原性脳梗塞 で認知機能全般の長期の低下スピードがおおきかった。

・遂行機能の長期の低下スピードは高齢、高血圧でない患者でおおきかった。

脳卒中は認知機能の経年劣化過程におおきなインパクトがあった。とくに高齢、心原性脳梗塞で顕著に低下した、


というおはなし。
図:脳卒中による認知機能低下モデル

感想:

上の認知機能モデルで 脳卒中をきっかけに崖のように落ち込んでいるところが「急激な低下」で、その後のスロープの傾きを「長期の低下スピード」と解釈した。

高血圧のほうが遂行機能の低下スピードがゆるいってとこがおもしろい。脳卒中やった人が血圧をがんばって下げるとボケが加速するんじゃないかな。
血圧が低いと死にたくなることが明らかに

2018年3月20日

脳梗塞の原因別ワールドトレンド


Distribution and Temporal Trends From 1993 to 2015 of Ischemic Stroke Subtypes
2018  3月  イタリア

脳梗塞は脳卒中のなかでもっともおおいタイプで その発生率と死亡率は高所得国では低下傾向、低中所得国では上昇傾向にある。

脳梗塞には原因別にアテローム血栓性、心原性、小血管病(ラクナ梗塞)がある。これら種類別の世界的トレンドを過去の研究からまとめてみたそうな。


1993-2015の世界中の関連研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・65の研究がみつかった。

・脳梗塞の種類別内訳は、心原性22%、アテローム血栓性23%、ラクナ梗塞22%、その他3%、原因未定26%で、

・人種別では白人で心原性が、アジア人にはアテローム血栓性がもっとも多かった。

・白人の心原性脳梗塞が占める比率は年間2.4%増加し、ラクナ梗塞は4.7%減少していた。

・アジア人のアテローム血栓性脳梗塞は年間5.7%増加していた。

さいきんの20年間で脳梗塞の原因は 白人では心原性、アジア人ではアテローム血栓性が主になってきている、


というおはなし。
図:脳梗塞の原因別トレンド 白人とアジア人

感想:

「原因未定」っていうのは複数の要因がからんでいて 時間の限られた救急シーンで原因の特定が間に合わなかった、という意味らしい。

どうせはっきりとはわからないんだから言ったもん勝ちとおもう。

2018年3月19日

脳内出血のあと再入院する割合と理由


Thirty-day readmission after spontaneous intracerebral hemorrhage.
2018  2月  ノルウェー

脳内出血は死亡率が高く合併症もおおい。院内死亡率の低下とともに再入院も増えていると考えられるが最近の調査はすくない。

そこで脳内出血患者の退院後30日内の再入院率と原因、患者の特徴についてしらべてみたそうな。


2007-2013の脳内出血患者226人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・31.0%は退院前に死亡または緩和ケア施設へ転院した。

・退院できた患者のうち18.0%が30日以内に再入院した。

・再入院患者のほとんどは肺炎などの感染症で、

・脳卒中の再発患者はまったくいなかった。

・年齢のみが唯一の予測因子だった。

退院した脳内出血患者のおよそ5人に1人が30日以内に再入院していた。主な理由は感染症だった、


というおはなし。
図:脳内出血の再入院理由

感想:

いがいと再発しないんだね、、、

2018年3月18日

高速道路にちかい住人の脳梗塞リスク


Residential Proximity to Major Roadways and Risk of Incident Ischemic Stroke in NOMAS (The Northern Manhattan Study)
2018  3月  アメリカ
高速道路に近い住民の健康被害はおおく報告されているものの、脳卒中との関連はまだよくわかっていないのでしらべてみたそうな。


ノースマンハッタンの住民3287人について住所から高速道路との距離をしらべ、脳卒中の発生を15年間フォローして関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に11%の被験者が脳梗塞になった。

・高速道路から400mよりはなれている者にくらべ、100m未満の住人の脳梗塞発生率は42%高かった。

・この関連は非喫煙者ほど顕著で、

・現在喫煙者でははっきりしなかった。

・心筋梗塞や総死亡率との関連は確認できなかった。

高速道路に近い住人は脳梗塞リスクがあきらかに高かった。この関連はとくに非喫煙者で顕著だった、


というおはなし。
図:高速道路からの距離と脳卒中リスクと喫煙ステイタス

感想:

うえのグラフだと現在喫煙者はむしろリスクが大幅に低下して見える。

たばこを吸うことでなにかの耐性を身に着けたかのようだ。

2018年3月17日

子供の脳梗塞の再発率は


Rates and Risk Factors for Arterial Ischemic Stroke Recurrence in Children
2018  3月  イギリス

子供(出生後28日~18歳未満)の脳梗塞はおもに動脈性虚血性脳卒中(arterial ischemic stroke:AIS)によるものでその再発率はよくわかっていないのでしらべてみたそうな。


子供の脳梗塞患者84人について再発の有無をフォローしたところ、


次のことがわかった。
・1,3,6,12,60ヶ月後の再発率はそれぞれ、5%,10%,12%,12%,15%だった。

・すでに複数の梗塞があるばあいや、動脈の形態異常が両側にみられるときに再発率が高かった。

・再発しても必ずしも予後は悪くなかった。

子供の脳梗塞の再発率は抗血栓薬を飲んでいてもかなり高かった、


というおはなし。
図:子供の脳梗塞再発率

感想:

こどもはアテロームや動脈硬化 不整脈と縁遠いから もやもや病みたいな血管異常がおもな原因なんだな。

2018年3月16日

慢性期でも脳卒中後うつはあるのか


Post stroke depression, a long term problem for stroke survivors.
2018  3月  オランダ
脳卒中後のうつはめずらしくなく、数おおくの報告がある。しかしそのほとんどは発症から1年内の調査で、長期にフォローした研究はほとんどない。

慢性期脳卒中患者についてうつの割合と患者の特徴をしらべてみたそうな。


発症から2-5年の脳卒中患者についてうつ度の指標検査(Hospital Anxiety and Depression Scale; HADS)をおこなったところ、


次のことがわかった。

・207人で調査協力の同意が得られた。平均フォロー期間は36.3ヶ月だった。

・このうち34%が HADSスコア8以上でうつがうたがわれた。

・年齢、性別、重症度を考慮にいれると、男性 海外生まれであることがうつとつよく関連していた。

・うつの患者は不安レベルも高く、物事に対し回避型で、日々の活動が少なく、QoLも低く介護者の負担がおおきかった。

脳卒中の慢性期であってもかなりの割合の患者がうつ症状を示していた、



というおはなし。
図:脳卒中後うつ

感想:

"depress" とはよく言ったもので、椅子ごと全身が地殻の中にずぶずぶとおちこんでゆく感覚を心ゆくまで味わった思い出。

2018年3月15日

脳卒中やったら赤ちゃん産めないの?


Increased Risk of Pregnancy Complications After Stroke
2018  3月  オランダ

妊娠や産褥期に脳血管障害がおきやすいことはよく知られている。

逆に、若くして脳卒中を経験する女性が妊娠合併症をおこしやすいものか しらべてみたそうな。


18-50歳で脳梗塞またはTIAを経験した女性223人を約10年フォローして
脳卒中まえもふくめた妊娠合併症について聞き取りをしたところ、


次のことがわかった。

・彼女たちは一般人とくらべて、流産が35.3 vs. 13.5%、胎児死亡が6.2 vs.0.9% と高く、

・とくに出産未経験者は脳卒中ののち、妊娠高血圧が 33.3 vs 12.2%、溶血 肝酵素上昇 血小板低下は9.5 vs 0.5%、32週未満の早期産も9.0 vs 1.4% と高かった。

・また出産経験者の脳卒中再発率は35.2%だった。

若くして脳卒中を経験する女性の生涯での妊娠損失率は一般人よりも高く、特に脳卒中後の出産未経験者の妊娠合併症は深刻だった、


というおはなし。
図:妊婦

感想:

異常なくらいおおきな差に思える。

脳卒中と妊娠合併症には共通の血管要因がありそうってことらしいんだけど、降圧薬とか抗凝固薬なんかの影響を考えてしまうよ。
その種の記述は見つからなかったが、、

2018年3月14日

nature.com : 脳卒中の遺伝領域が32みつかった


Multiancestry genome-wide association study of 520,000 subjects identifies 32 loci associated with stroke and stroke subtypes
2018  3月  アメリカ

脳卒中には脳梗塞と脳出血があり、脳梗塞にはさらにアテローム血栓性、心原性、小血管性のものがある。
これらにどのような遺伝的要因があるのかはよくわかっていない。

それを調べるべく国際的な共同事業 MEGASTROKE をたちあげ、これまでの世界中の研究成果をまとめてみたそうな。


日本をふくむ世界20カ国 52万人ぶんの遺伝情報をふくむ関連研究についてメタアナリシスをおこなったところ、


次のことがわかった。

・ゲノム中の脳卒中に関連する遺伝領域がそれぞれ、アテローム血栓性が6箇所、心原性が4箇所、小血管性が2箇所みつかり、

・また 血圧や冠動脈疾患、心房細動、血栓塞栓症、LDLコレステロール、頸動脈プラーク、白質高信号域等に関連するものなど計32の遺伝領域を特定することができた。

これまで世界中でおこなわれた脳卒中にかんする遺伝研究を解析した結果、32の関連する遺伝領域を特定することができた。将来のオーダーメイド医療にいかすことができるだろう、


というおはなし。
図:脳卒中に関連する32の遺伝領域

感想:

はやくまともな医療が普及してほしいよ。

病院で2時間以上まち「いい薬があるよ」と1分でARB降圧薬を処方され、翌日血圧が下がりすぎて失神する、、みたいなことがなくなると思うんだ。

2018年3月13日

Stroke誌:tDCSは失語症治療に効果なし


Transcranial Direct Current Stimulation Does Not Improve Language Outcome in Subacute Poststroke Aphasia
2018  3月  オランダ

かつて経頭蓋直流電気刺激 tDCSは失語症の治療に有効であると考えられていた時期があった。

その後、慢性期や亜急性期でも効果がないという報告が相次いだ。

それらの研究は tDCSと言語訓練を別々におこなうものだった(オフラインtDCS)ので、同時におこなったら(オンラインtDCS)どうなるものか、もっとも改善著しい亜急性期での多施設間二重盲検のランダム化比較試験でたしかめてみたそうな。


4つのリハビリ施設にいる 発症から3ヶ月未満の脳卒中で失語症の患者58人について、

左脳のブローカ野付近にプラス電極を貼り、1回45分間の言語訓練中に直流電流をながした。

本刺激の26人には電流を20分継続し、偽刺激の32人には電流は始めの30秒だけながした。

5日間の訓練後、写真を見せて物の名称を言わせるテスト等をおこなったところ、


次のようになった。

・両グループともにテストスコアは改善したが、

・グループ間のあきらかな差はまったくみられなかった。

脳卒中後の失語症治療にtDCSはなんの効果ももたらさなかった、


というおはなし。
図:tDCSの失語症治療効果

感想:

tDCSやってる人 もういないと思ってたよ。

[tDCS]の関連記事

2018年3月12日

心房細動だけで認知症になることがあきらかに


Association of Atrial Fibrillation With Cognitive Decline and Dementia Over 20 Years: The ARIC-NCS (Atherosclerosis Risk in Communities Neurocognitive Study).
2018  3月  アメリカ

さいきん心房細動が認知機能の低下や認知症そのものと関連するという報告がふえてきている。しかしそれらのおおくはサンプル数が少なかったりフォロー期間が短いなどのもんだいをかかえている。

そこで、これを大規模かつ長期にしらべてみたそうな。


12515人を20年間フォローした調査記録(ARICスタディ)を解析したところ、


次のことがわかった。

・20年間に2106人が心房細動に、1157人が認知症になった。

・脳卒中などの関連要因を考慮にいれても、心房細動があるだけで認知機能低下スピードが大きく、

・認知症になるリスクは1.23倍だった。

脳卒中の有無にかかわらず 心房細動があるだけで認知機能の低下スピードはおおきく、認知症リスクも高かった、


というおはなし。
図:心房細動と認知症リスク

感想:

先週ガッテンみてたら心房細動の恐怖をあおりまくったあげく、最後にカテーテル手術を強く推してた テレビならではの手法で。

NHKがこんな映像をながしていいのか、、?と思ったよ。

2018年3月11日

5年生存率、再発率、障害者率 in ブラジル


Five-year survival, disability, and recurrence after first-ever stroke in a middle-income country: A population-based study in Joinvile, Brazil.
2018  3月  ブラジル

これまで先進国では脳卒中患者を長期にフォローするおおきな研究が数多くおこなわれ、5年間で半数が死亡 3分の1が障害者 という結果がえられている。

そこで、途上国ではおそらく初のくわしい調査をおこなってみたそうな。


ブラジルの都市ジョインヴィレの2010-2015の脳卒中患者記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢64、399人の5年後について、生存率は52%で、

・なんらかの障害が残っているmRS>2 は20%、これらのうち半数以上が要介護施設に入っていた。

・年間の死亡率はおよそ7%で、生存率はくも膜下出血と脳内出血が脳梗塞よりもずっと低かった。

・5年再発率は12%で、最初の脳卒中が死因の4分の3を占めていた。

5年後、脳卒中患者の68%(48%死亡+20%障害)は死亡または障害者となっていた。患者年齢こそ低いものの この比率は先進国のそれと同じだった、


というおはなし。
図:脳卒中の種類と5年生存率

感想:

5年で半分が死ぬといっても、ほとんどが最初の数ヶ月間のはなし。とくに脳内出血とくも膜下出血はそれを乗り越えると超安定(上のグラフ)。

2018年3月10日

心房細動患者のデフォルトモードネットワークに異常


Default Mode Network Disruption in Stroke-Free Patients with Atrial Fibrillation.
2018  3月  ブラジル

歳をかさねると心房細動がおきやすくなり脳卒中のリスクが高まる。たとえ脳卒中にならなくても心房細動が認知障害のリスクを上げるという報告が増えている。しかしそのメカニズムはよくわかっていない。

いっぽう安静時の脳活動パターンである "デフォルトモードネットワーク"(DMN)がアルツハイマー病やパーキンソン病、てんかんの患者で異常をしめすことがわかっている。

そこで脳卒中でない心房細動患者にDMNの異常がないかしらべてみたそうな。


脳卒中や認知症でない心房細動患者21人と同年齢の健常者21人について、
安静時のfMRI検査をおこないDMNを評価した。


次のことがわかった。

・健常者にくらべ心房細動患者のDMNは、前頭葉(左中前頭回、左上前頭回、前帯状皮質)と左角回、両側楔前部のコネクティビティ(接続性)が減少していた。

脳卒中でない心房細動患者のデフォルトモードネットワークの接続性はふつうではなかった。これをみれば将来の認知障害を予測できるかも、、


というおはなし。
図:脳卒中のデフォルトモードネットワーク

感想:

高度なIT技術を脳科学に活かしたかのようなネーミングと、目を閉じて寝ているだけでデータ取得できるシンプルさがウケているんだとおもう。

なにを意味しているのかはよくわからないけど、、

[デフォルトモードネットワーク]の関連記事

2018年3月9日

脳に動脈瘤がいくつもできる人の特徴


Risk Factors for and Clinical Consequences of Multiple Intracranial Aneurysms
2018  3月  ドイツ

脳動脈瘤は健康な成人の3.2%にみられ そのほとんどは症状がない。

このうち脳動脈瘤が複数個ある者の割合は 調査によりおおきくことなり 2-45%のひらきがある。

彼らの特徴をあきらかにするべく、これまでの研究をまとめてみたそうな。


複数脳動脈瘤に関係する論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・脳動脈瘤患者86989人をふくむ174の論文がみつかった。

・これら全体で複数の脳動脈瘤がある者の割合は20.1%だった。

・複数脳動脈瘤の関連要因として、女性、高齢、高血圧、喫煙、脳動脈瘤の家族歴 があげられ、

・彼らは新規の脳動脈瘤ができやすく、そのサイズが大きくなりやすかった。

・複数脳動脈瘤が出血するリスクは日本と韓国でのみ高かった。

女性、高齢、高血圧、喫煙、家族歴が複数脳動脈瘤のおもなリスク要因で、しかも彼らの脳動脈瘤は大きくなりやすかった、


というおはなし。
図:脳動脈瘤家族歴と複数脳動脈瘤リスク

感想:

やっぱファミリーの問題なんだな。↑

脳動脈瘤は次から次へとできてしまうの?

2018年3月8日

再発予防にベストなLDLコレステロール値は


Desirable Low-Density Lipoprotein Cholesterol Levels for Preventing Stroke Recurrence
2018  3月  日本

脂質異常の薬物治療による脳卒中の再発予防効果についてはよくわかっていない。

そこで、"スタチンによる脳卒中の再発予防研究"(J-STARS)のデータをつかって、LDLコレステロール値に着目して脳卒中の種類別に再発リスクをしらべてみたそうな。


2004-2009の脳梗塞患者1578人をフォローした記録(スタチン使用793人と非使用785人)について解析したところ、


次のことがわかった。
・LDLコレステロールレベルの平均はスタチングループで104mg/dL,比較グループで126mg/dLだった。

・脳卒中とTIAはLDLコレステロールが80-100mg/dL の範囲のときリスクが低下した。

・アテローム血栓性脳梗塞でのみスタチン使用グループであきらかなリスクの低下があった。

・脳内出血リスクはアテローム血栓性脳梗塞と同パターンで、スタチン使用でリスクが高くなるわけではなかった。

・ラクナ梗塞は100-120mg/dL の範囲でリスクが低かった。

脳卒中の再発予防にはLDLコレステロールは80-100mg/dLの範囲を目指すとよいだろう、


というおはなし。

図:LDLコレステロールと脳卒中再発リスク

感想:

もともと脂質コントロールに脳卒中再発の予防効果がほとんどないなかで、強いていえばこの辺りかな、、という結果と理解した。

じぶんはスタチンには縁がないけど、筋肉が溶けるとか副作用の評判はひどい、、
脳卒中患者が医師のアドバイスを無視するとき

2018年3月7日

脳卒中で薬が増えた患者の末路


The association of increased drugs use with activities of daily living and discharge outcome among elderly stroke patients.
2018  3月  日本

脳卒中で入院する患者のほとんどは高齢者で 複数の薬を飲んでいることがおおい。

入院してから増えたくすりの量と回復度にかんする研究はほとんどないのでしらべてみたそうな。


65歳以上の脳卒中でリハビリ病院に入院した患者417人の記録について、

入院中にあらたに増えた薬の種類と
機能的自立度FIM、退院先、
との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢は78.8、自宅へ退院が226人 自宅以外が191人で、FIM中央値は77だった。

・入院中ふえた薬の種類とFIMの増分は逆相関にあった。

・また 薬の種類が増えると自宅へ退院できる可能性が低下した。

・抗凝固薬は入退院時いずれでも もっともおおく使われ、睡眠薬 抗精神病薬 抗うつ薬 便秘薬が入院中あきらかに増加していた。

脳卒中でリハビリ入院中にあらたに薬の種類がふえた患者ほど回復が悪く自宅へ戻れなかった、


というおはなし。
図:脳卒中の退院までにふえた薬の種類

感想:

「なら 出された薬を飲まなければいいんだ!」
   ↑
これが冗談に思えない。

2018年3月6日

脳梗塞とくも膜下出血の運転能力のちがい


A Case-Control Study Investigating Simulated Driving Errors in Ischemic Stroke and Subarachnoid Hemorrhage.
2018  2月  カナダ

自動車の運転には認知 知覚 運動といった機能が要求される。しかし脳卒中を経験するとそれら能力はおおきく影響を受ける。

これまでの研究では脳卒中経験者の運転能力評価は患者によりおおきく異なっている。そこで脳卒中の種類ごとの特徴をしらべてみたそうな。


慢性期患者のうち、脳梗塞の15人とくも膜下出血の15人および同年齢の健常者20人について運転シミュレータをもちいた能力評価を行った。


次のことがわかった。

・全体の30%、脳梗塞の26.7%およびくも膜下出血の33.3%で健常者にくらべ運転パフォーマンスが低かった。

・脳梗塞とくも膜下出血の患者はいずれも車線維持能力が低かった。

・さらに脳梗塞ではスピード維持が、くも膜下出血では右左折能力に困難を示した。

・梗塞の左右脳半球やくも膜下出血の影響領域(中大脳動脈か前交通動脈)の違いは結果に反映しなかった。

・Trail Making Test (TMT)とUseful Field of View test(UFOV)は脳梗塞の車線維持能力と関連し、くも膜下出血は認知機能テストとの関連はみられなかった。

脳梗塞も くも膜下出血も車線維持能力が低かった。とくに脳梗塞ではスピード維持、くも膜下出血では右左折に問題がみられた。運転能力評価は脳卒中の種類を考慮にいれたほうがよいかも、、


というおはなし。
図:脳卒中経験者の自動車運転事故

感想:

ようするに まっすぐ走れない、曲がれないってこと。

自動運転はやくきてくれー

2018年3月5日

血圧が低いと死にたくなることが明らかに


Association of low blood pressure with suicidal ideation: a cross-sectional study of 10,708 adults with normal or low blood pressure in Korea.
2018  3月  韓国

血圧にかんする研究は高血圧についてのものがおおい。そのため血圧は低いほどよいと考えられ、低血圧によるうつや疲労のもんだいは見過ごされがちになっている。

そこで、低血圧と死んでしまいたいという考え(自殺念慮)との関連についてくわしくしらべてみたそうな。


韓国の健康栄養調査2010-2013の23163人ぶんの記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・標準血圧にくらべ収縮期血圧が100mmHg未満では血圧が低いほど自殺念慮リスクが高かった。

・年齢 性別 収入等を調整した自殺念慮のオッズ比は、収縮期血圧100mmHg未満で1.29、95mmHg未満で1.44、90mmHg未満で1.71 だった。

・これに糖尿病や心筋梗塞、脳卒中、うつなどの病気歴をくわえて調整してもオッズ比はほとんど変わらなかった。

収縮期血圧が低いことと自殺念慮は相関していた。特に収縮期血圧が100mmHgを下回るとあきらかに危険だった、


というおはなし。
図:血圧が低いことと自殺念慮


感想:

なるほど
脳卒中患者の自殺率が高いのは 脳のダメージと
経験したことのないレベルまで血圧を下げることによる相乗効果なんだろうな。

2018年3月4日

結婚してると脳卒中リスクが低いは勘違いだった


Married, unmarried, divorced, and widowed and the risk of stroke.
2018  3月  デンマーク

結婚している人のライフスタイルは結婚していない人よりも より健康的であると考えられている。

しかし脳卒中リスクとの関連については、結婚状況によりそうとはかぎらないという報告もある。

そこで離婚や死別を区別して結婚状況と脳卒中リスクとの関連を詳しくしらべてみたそうな。


2003-2012の脳卒中患者のうち40歳を超える者58807人について、

結婚中、非婚、離婚、死別、にわけて脳卒中リスクを評価 比較したところ、


次のことがわかった。
・1000人あたりの脳卒中年間発生率は、結婚中1.96、非婚1.52、離婚2.36、死別5.43 だった。

・年齢 性別 収入などを調整した脳卒中リスクは、結婚中にくらべて 離婚でのみあきらかに高く、男性1.23倍、女性1.10倍だった。

結婚状況ごとの脳卒中リスクは離婚のばあいのみ高く 特に男性で顕著だった。いっぽう結婚してパートナーがいることそれ自体は脳卒中リスクとほとんど関連がなかった、


というおはなし。
図:結婚ステータスと男女別の脳卒中リスク

感想:

死別のインパクトがないことから、離婚に至るような人にはなにか著しく不健康なライフスタイルがあって それゆえに離婚ってことなんだとおもう。

[結婚 AND 離婚]の関連記事

2018年3月3日

脳卒中の視覚障害と運転リスク


Driving and visual deficits in stroke patients.
2018  2月  ブラジル

脳卒中経験者の自動車運転能力の評価は 生活の自立と就労機会を得るうえで非常に重要なもんだいである。

そこで脳卒中による視覚障害の点から運転能力との関連をしらべてみたそうな。


運転歴のある慢性期脳卒中経験者のうち、すでに運転を再開している9人と 運転再開を希望している9人について、

視覚機能と注意力を評価するUFOV(Useful Field of View)テストをおこなった。

このテストは3つのパートからなり、
1)中心視野の情報処理スピード、
2)周辺域での複数対象を識別する能力、
3)障害物にまどわされず複数対象を識別する能力
を測定して、計算式に則り運転事故リスクを5段階で評価する。


次のようになった。

・すでに運転復帰しているグループでは1名が中レベル以上の事故リスクを示すいっぽう、

・運転再開希望グループでは1名が中レベルの事故リスク、2名が最高レベルの事故リスクに分類された。

・かれらは視覚障害が運転再開に支障あるレベルとは認識していなかった。

視覚注意力は脳卒中経験者が自動車運転を再開するうえで重要な能力である、


というおはなし。
図:UFOVテストと脳卒中患者

感想:

運転再開してかれこれ8年経つ。

脳卒中まえのような根拠のない全能感はまったくない代わりに、

直感にたよらない「慎重さ」がおおきく鍛えられた。

2018年3月2日

こども脳卒中経験者がなやんでいること


Social functioning following pediatric stroke: contribution of neurobehavioral impairment.
2018  2月  オーストラリア

こどもの脳卒中には新生児期(出生~28日)と小児期(29日~)のものがあり、発生率はそれぞれ1/4000, 1.3-13.0/100000 と考えられている。

彼らの社交能力や神経行動上のもんだいについてしらべてみたそうな。


脳梗塞を経験したこども31人を5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・社交能力の平均はおおむね正常範囲にあったが、社会適応機能は通常より低かった。

・新生児期にくらべ小児期のこどものかなりの割合で社会適応機能と神経行動にもんだいがみられた。

・これら社交能力の低下はおもに疲労と知的機能(下図PedQL-MFSとKBIT-2:IQ)の結果によるものであり、注意 言語 運動機能 のもんだいではなかった。

こどもの脳卒中ではその発症時期と疲労 知的機能がその後の社交能力におおきく影響するだろう、


というおはなし。
図:子供の脳卒中と社交能力

感想:

脳の可塑性あふれるこどもですら疲労で長年なやむのだから、おとなは言わずもがな。

2018年3月1日

白米をたくさん食べると脳卒中になるの?


Is white rice consumption a risk for metabolic and cardiovascular outcomes? A systematic review and meta-analysis.
2017  8月  アメリカ

アメリカの食事ガイドラインでは健康のために白米の代わりに玄米をすすめている。

玄米にくらべ白米はビタミンBや鉄、マグネシウムといった栄養素にとぼしく しかも血糖値があがりやすい。

しかし白米と糖尿病との関連を否定する研究もすくなくない。

さらに白米と脳卒中など心血管疾患との関連も確認されていないのでこれまでの研究をまとめてみたそうな。


1966-2016の関係する論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者170万人あまりをふくむ18の研究がみつかった。

・このうち11698の脳卒中、10839の冠動脈疾患、14348の糖尿病があった。

・白米摂取量と脳卒中や冠動脈疾患、糖尿病との関連は確認できなかった。

・しかしメタボリックシンドロームのリスクにかぎり最大30%の上昇があった。

白米をおおく摂っていても糖尿病や脳卒中になりやすいわけでは なかった、


というおはなし。
図:白米と脳卒中リスク

感想:

糖質制限ブームでごはんが諸悪の根源みたいにいわれてるけど、案外たいしたことないのかも。

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