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2011年4月30日

rTMS? 試してみたけど大したことなかったよ


Functional neuromuscular stimulation to improve severe hand dysfunction after stroke: Does inhibitory rTMS enhance therapeutic efficiency?
2011 4月 ドイツ



筋電トリガー付き機能的神経・筋刺激法(EMG-FNMS) と、

反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS) を組み合わせたら

脳卒中上肢麻痺の治療がもっとはかどるのではないか…

と考えて実験してみたそうな。




24名の脳卒中片麻痺患者について、

・EMG-FNMS プラス rTMS

・EMG-FNMS プラスrTMS

の2グループに分けて10日間治療を施した。


rTMSは抑制効果のある1Hz刺激を健常脳に対して適用した。





その結果、

どちらのグループも上肢機能の改善は見られたが、

両グループではっきりとした違いはなかった。


機能的神経・筋刺激法にrTMSはまったく役に立たないことがわかった、

というおはなし。





感想:

機能的神経・筋刺激法ってハンディタイプの刺激装置がいろんな

ところから販売されていて、

日本にも似たような装置を開発している有名大学や企業がある。




今回の研究は機能的神経・筋刺激法を信奉する人たちによる

最近目につくようになってきたrTMS派の人たちへの

ちょっとした嫌がらせなんじゃないか…

と感じた。


神経筋電気刺激

2011年4月29日

転倒して はじめてわかる 恐怖心


Fear of falling among people who have sustained a stroke: a 6-month longitudinal pilot study.
2011 4月 アメリカ



脳卒中後の転倒恐怖心についてはよくわかっていない。


退院後6ヶ月間の転倒恐怖心の変化と、

その後の不安、抑うつ感、バランス、QOLスコアを

転倒恐怖心のある人とない人との間で比較した。


18人の患者について、退院時から6ヶ月間追跡した。




転倒恐怖心は時間が経つにしたがって急速に消えて行った。


退院時に転倒恐怖心があった患者は

その6ヶ月後も不安、抑うつ感のスコアが高く、QOLは低かった、

というおはなし。



感想:

脳卒中経験者でも、転んだことのない人にはわからない
想像を超えるすさまじい恐怖心。




でも2,3日で慣れた。




写真:転倒恐怖
看護職人@カアチャンマンより

2011年4月28日

男の職場は戦場!  脳出血は名誉の負傷


Impact of occupational stress on stroke across occupational classes and genders.
2011 4月 日本




日本人の仕事のストレスと脳卒中との関連について調べたそうな。



65歳以下の男女6000人以上について

仕事のストレス状況をアンケートし、11年間追跡調査した。


その間に147件(男91人、女56人)の脳卒中があった。





仕事要求度がキツくて状況をコントロールできない

高いストレスを感じている男性労働者は

ストレスの低い者に比べて

3倍
近く脳卒中になりやすいことがわかった。



また、

職業階層の低い(ブルーカラーで非管理職)男性労働者は

職業階層の高い(ホワイトカラーで管理職)男性労働者に比べ

仕事のストレスと脳卒中との間に より強い関連が見られた。




女性についてはこの種の関連性は見られなかった。



ブルーカラーの男性労働者はストレスで脳卒中になりやすいことが明らかになった、

というお話。




感想:

いまはもう ブルーもホワイトもないと思う。


ただ、出口の見えない制御不能の状況がいつまでも続く

というのは本当につらいことで、



自分は救急車で病院に運ばれたとき、

すっごく ホッ としたことを憶えている。

2011年4月27日

バイオニック・ジェミーに憧れた世代が脳卒中になり始める今日この頃


Tibion Bionic Leg makes stroke rehabilitation easier
2011 4月 アメリカのブログ




現代科学の粋を集めた

Tibion Bionic Legティビアン バイオニックレッグ) は

脳卒中片麻痺の弱った足の動きをコンピュータが

感知して必要な力をサポートすることができる。



その結果、リハビリが大いにはかどり

脳の可塑性が促されて

やがてこれを着けていなくても歩けるようになる

という夢のマシン。



ニュースビデオ2分






→もっと詳しい事例ビデオ

2011年4月26日

【奇想天外】頭に電極を貼って嚥下障害を改善!


Noninvasive Brain Stimulation May Improve Stroke-Related Dysphagia: A Pilot Study.
2011 3月 アメリカ



経頭蓋直流電気刺激tDCS)の

脳卒中後の嚥下障害への改善効果を調べたそうな。



14人の脳梗塞患者について

損傷を受けていない方の脳へプラスの電極をつないだ。

半数の患者には偽の刺激(電極だけつけて電流を流さない)をあたえた。




その結果、

電流刺激を受けた患者は偽刺激の患者に比べ

嚥下機能スコアに倍以上の改善が見られた。



tDCSは嚥下障害の治療に役立つかも知れない、

というお話。







感想:

バイタルスティムのように喉に電極を貼って刺激するのなら

その考え方は理解しやすい。


ところが

今回のtDCSのように頭に電極を貼ると喉が治る

という発想が一体どこから生まれるのか?


フシギ…



きっと tDCSの腰痛や便秘解消などへの応用を研究している人々が居る、


そういう確信がある。



写真:tDCS

2011年4月25日

ビタミンCをたくさん摂る女性は脳卒中を生き延びる


Dietary Intakes of Antioxidant Vitamins and Mortality From Cardiovascular Disease: The Japan Collaborative Cohort Study (JACC) Study.
2011 4月 日本


抗酸化作用のあるビタミン(A,C,E)の摂取と

脳卒中などの心血管系疾患での死亡率との関係を

日本人を対象に調査したそうな。



この種の病気を持たない40歳から79歳の

5万人あまりの男女を平均16年間継続して調べたところ、

その間に約1200人が脳卒中で死亡した。



ビタミンCを比較的多く摂っていた女性は

そうでない女性に比べ脳卒中で死ぬ危険率が3割くらい低かった。



男性および、

ビタミンAEについてはこのような関連は一切みられなかった、

という内容。


2011年4月24日

【サイババ追悼】 ヨーガで脳卒中リハビリ


Becoming connected: the lived experience of yoga participation after stroke.
2011 4月 オーストラリア


脳卒中患者がヨーガプログラムに参加することによる

個人体験の内容を調査したそうな。



9名の脳卒中患者について、

10週間のヨーガプログラム(身体運動、呼吸法、瞑想など)

の後インタビューを行いその内容を解析した。



ヨーガには身体的にも精神的にも有意義な効果がありそうなことがわかった、

という漠然とした内容。


写真:若い頃のサイババ
若かりし頃の髪型


追記:

このブログを「サイババ」で検索する人がいる。

サバイバだからね。 Survivor

2011年4月23日

バランスボールで脳卒中エクササイズ


Comparison of physio ball and plinth trunk exercises regimens on trunk control and functional balance in patients with acute stroke: a pilot randomized controlled trial.
2011 4月 インド


急性脳卒中患者へのバランスボールphysio ball)リハビリの効果を調べたそうな。



30名の急性脳卒中患者について、

・バランスボールにすわる

・普通の台にすわる

のグループに分けて


体幹部運動リハビリを

各1時間 x 週4日 x 3週間続けた。




その結果、

バランスボールグループの患者は

体幹バランススコアが台に座ったグループに比べ2倍以上向上していた。



急性期脳卒中患者はできるだけバランスボールに座らせておこう、

というおはなし。

図:バランスボールリハビリ




入院中、一度だけ使った。

座って跳ねているだけなんだけど、

左足が麻痺しているとリズムよく跳ねることが出来ないもどかしさ

を感じたことを憶えている。






5秒でわかるバランスボールの使い方ビデオ

2011年4月22日

新製品:バイブロスフィアでバランストレーニング


Combined whole body vibration and balance training using VibrosphereR : Improvement of trunk stability, muscle tone, and postural control in stroke patients during early geriatric rehabilitation.
2011 4月 ドイツ




Vibrosphereバイブロスフィア)を使うと

バランス感覚、姿勢、筋力の向上につながり

脳卒中リハビリが うんとはかどることがわかった、

というおはなし。




バイブロスフィアのビデオ(30秒)




作っている会社





一言でいうと、

ブルブル機能付きワブルボード

2011年4月21日

リハビリ病院へは1日も早く転院するべし


Time to inpatient rehabilitation hospital admission and functional outcomes of stroke patients.
2011 4月 アメリカ



脳卒中患者がリハビリ病院へ移る時期と

その回復具合について調べたそうな。




2000人近くの脳卒中患者についてその記録を調べたところ、


・リハビリ病院へ移る時期が早いほど、大きく機能回復する。

・特に発症後3週間以内に移ると回復効果は大きい。

・重症患者では60日も経つとリハビリ病院での回復効果が大きく下がる。

・高齢、脳出血、再発、などの場合、転院が遅れがちになる。


ということがわかった、というおはなし。




自分の場合、

入院した当日にリハビリ病院へ転院するための手続き書類をもらい、

最速で申し込んだけれども(私は寝てたけど)、



転院当日までにちょうど3週間かかった。

2011年4月20日

閉経だからカルシウムサプリメントを始めます → 脳卒中で入院


Calcium supplements with or without vitamin D and risk of
cardiovascular events: reanalysis of the Women’s Health
Initiative limited access dataset and meta-analysis

2011 4月 ニュージーランド




過去に行われた女性のカルシウム摂取と心血管系疾患に関する調査をよく調べたところ、

調査女性の半数以上がすでにカルシウムサプリメントを

摂っていたことが判明した。




カルシウムサプリメントを摂っていた人とそうでない人を

区別して再度データを解析したところ、

カルシウムサプリメントを摂ることで脳卒中や心筋梗塞になる危険性が

2割ほど増えることがわかったそうな。



カルシウムサプリメントは血管を硬化させ、血栓の元になる可能性が

考えられるため、やたら摂るもんじゃないよ、

というおはなし。


また、ビタミンD付加の有無にはよらないとのこと。






写真:カルシウム不足、閉経、高齢、運動不足

2011年4月19日

女性の脳梗塞は少々覚悟が必要


Gender differences in acute stroke: Istanbul medical school stroke registry.
2011 4月 トルコ




脳卒中患者の性差について調べたそうな。


1500人の脳梗塞、320人の脳内出血患者について、

つぎのようなことがわかった。


・女性脳梗塞患者の平均年令は若干高い。

・アテローム性動脈硬化は男性で多い。

・心房細動、高血圧、重症の脳梗塞は女性で多い。



脳内出血についての性差は見られなかった。



いくつかの要因を考慮に入れても、

"女性であること"、それ自体が予後の悪さを決める指標

になりうることがわかった、

という内容。





写真:男女脳の違い

2011年4月18日

【危うく】 脳内出血で孤独死 → 隣人が異臭に気づいて通報


Neighborhood Cohesion Is Associated With Reduced Risk of Stroke Mortality.
2011 4月 アメリカ


ご近所付き合いと脳卒中死亡率との関係を調べたそうな。


5000人以上(平均年令74歳)について11年あまり追跡した。


この間に186人が脳卒中で死亡した。



ご近所さんとのお付き合いの頻度や程度をスコア評価した。







その結果、

ご近所付き合いが増えるほど脳卒中死亡率が下がることがわかった。


脳卒中の発生率に違いは見られなかった、


というおはなし。




孤独死する可能性を言っているのかな?





となりに誰が住んでいるかなんて、東京じゃだれも気にしないよね。

2011年4月17日

失業者に脳卒中が追い打ちをかける


Unemployment: A Social Risk Factor Associated with Early Ischemic Stroke Mortality? Results from the Argentinean National Stroke Registry (ReNACer)
2011 4月 アルゼンチン




急性期脳卒中患者の死亡率と雇用状況を調査したそうな。



救急搬送された726人の脳卒中患者のうち、4割が失業中だった。


入院中の死亡率は

・職がある場合は5%

・失業中の場合は12%

であった。



他の要因も鑑みると、

失業中で脳卒中になると入院中の死亡リスクが3倍以上になることがわかった、


というおはなし。




写真:失業中




脳卒中→失業

という流れはよく耳にするし、その因果関係は理解しやすい。



一方


失業→脳卒中

の場合、泣きっ面に蜂状態であり、

なぜこんな目に遭うのか理解できずに将来への希望が持てない。

前者に比べこっちの方がずっとキツイ と思う。





離婚→脳卒中

も辛そうである。

2011年4月16日

失行リハビリは ちょっとむつかしい


Improved function after combined physical and mental practice after stroke: a case of hemiparesis and apraxia.
2011 4月 アメリカ




左脳梗塞、7ヶ月の44歳男性に


・手をのばしてカップを掴む

・本のページをめくる

の動作について

イメージトレーニングと理学療法を

60分 x 週3回 x 6週間 施した結果、


動作は改善していたけれども、観念運動失行の状態には影響はなかった。



イメトレと理学療法はほどほどの効果がある、  という内容。





観念運動失行:
「物品を使用しない単純な運動や、一つの物品を対象とする運動が言語命令、模倣、物品使用のいずれでも障害されるもので、自動運動は可能であるが意図的な運動はできない状態」(from wiki)



観念運動失行患者ビデオ

2011年4月15日

半側空間無視の治療法 : 頸の後ろを揉む


Effects of 5 minutes of neck-muscle vibration immediately before occupational therapy on unilateral spatial neglect.
2011 4月 日本



頸筋肉の振動刺激によって半側空間無視が改善されるかどうか実験してみたそうな。



右脳損傷で半側空間無視の11名の脳卒中患者について、

毎日の作業療法の前に頸の左後の筋肉を5分間振動刺激した。

これを2週間継続した。



その結果、

振動刺激を与えなかった時期に比べて

行動性無視検査の結果が著しく改善した。



この振動刺激をやめるとまた元に戻ってしまった。



頸の後ろをもっとプルプルすると半側空間無視が治るかも知れない、

というおはなし。




なぜ頸プルプルと空間無視を結びつけようと考えたのかよくわからない。




自分の入院中、同室の患者がOTの時間に

療法士に頸を非常にキツくマッサージされて、

1分間近く失神してしまい大騒ぎになったことがある。




なぜ頸筋肉にこだわるのか?


気になる。

2011年4月14日

放射能で元気なお年寄りが増える可能性について


Brain irradiation improves focal cerebral ischemia recovery in aged rats.
2011 4月 アメリカ


脳への低線量被曝

脳梗塞の回復に影響を与えるかどうかを調べてみたそうな。




まず老齢ネズミの脳に比較的弱い放射線を照射する。


10日後に人為的に脳梗塞を起こさせる。



その後の経過をMRIを使っておよそひと月追跡したのち

解剖して組織を直接観察した。




放射線照射を受けたグループでは、

脳梗塞周辺の浮腫が半分になり、

細胞壊死が6割減り、

神経の回復を妨げるグリア細胞の増殖も著しく防ぐことができた。



事前の放射線被曝がとてつもない神経保護作用をもたらす場合がある、

というお話。




写真:がんばれ日本

2011年4月13日

自分で救急車を呼ぶのは甘え かな


脳卒中医療、格差なくせ
基本法制定へ超党派議連
関係者「前進目指す」

2011 4月 共同通信



夢の脳梗塞治療薬tPAの使用率が2%に過ぎないことを問題とし、

・tPAを扱える専門医と

・救急対応できるインフラ、

・すぐに救急車を呼ぶ啓発活動

の充実を求める国会議員の集まりができた、 というおはなし。



これ読んで、直感なんだけど、

tPA治療の対象になる患者は増えない、  と思った。




記憶を辿ると、

最初の症状を認識したのは入院前日の晩だった。

足の感覚の鈍さ をなんとなく憶えている。



翌朝の通勤途上でも足の違和感があった。

その後、登り階段でつまずいて転んだり、

かばんを落としたり、

財布を開く手がおぼつかなくなっていたことも

憶えているのだけれど その時点では脳卒中だとは思わなかった。




キーボードの打ち間違えを連発してようやく脳卒中の可能性に気づいたのは昼過ぎ。


ことの重大性に気づいてはいたものの、

まずは仕事に区切りをつけて、

一旦家に帰ろうとして途中で力尽きて倒れ、

救急車を呼ばれて病院に運ばれたのが16時だった。




tPAは発症後3時間以内でないと適用できないから、

自分のようなケースではまったくの問題外になる。

(自分がもし脳梗塞だったら手遅れ)





心の中で警報は鳴っていたのだけれど

すぐに病院へ避難することはしなかった。




人は自分の危機的状況をなかなか認めようとしない。



自分にだけはそんな恐ろしいことが起きるはずはない、

と深いところで信じている。




もしくは 

危機から逃げてはいけない、

立ち向かわなければならない、と思うのかも知れない。





ふたたび 自分が同じ状況になったときに

救急車を呼べる自信がない  …

2011年4月12日

もう ゲームオーバー? 運転あきらめた方がイイかもね


Support for stroke patients in resumption of driving: patient survey and driving simulator trial.
2011 3月 日本



日本の脳卒中経験者の自動車運転事情 と

シミュレータを使った運転能力評価についての報告。




運転免許のある118人の脳卒中経験者へのアンケートから、


そのうちの

・36%は自動車運転をすでに再開していた。

・34%は運転の再開を望んでいた。

・63%は入院中に自動車運転についての助言はまったくなかった。


ということがわかった。




次に

ホンダ製のとってもリアルな感じのドライブシミュレータを使って、

障害物が現れたときのフルブレーキングに要する時間を測ったところ、

脳卒中経験者は初回の反応がめっちゃ遅かった。

でも2回目、3回目になると健常人並に早くなった。




自動車運転は社会復帰のための重要な要素の1つであり

多くの患者が運転再開に必要な情報を望んでいる。


シミュレータを使うと、安全に運転を諦めさせることもできるから

いろいろとはかどるかもよ、  という内容。


ホンダのドライブシミュレータ  1台およそ700万円



高価なシミュレータを買って、今はそのリアリティさに満足できていても、

おそらく5年もしないうちに陳腐化して使い物にならなくなることは明らか。




それよりも

病院は近所の自動車教習所と提携して、片麻痺患者のための運転実習コース

でも作ってくれたら ほんと、有り難いと思うんだよね。

2011年4月11日

アルファリノレン酸に脳卒中予防効果あり


Alpha-linolenic Acid intake and 10-year incidence of coronary heart disease and stroke in 20,000 middle-aged men and women in the Netherlands.
2011 3月 オランダ




不飽和脂肪酸であり必須脂肪酸でもある

アルファリノレン酸の心血管疾患の予防効果を調べてみたそうな。



2万人以上についておよそ10年間にわたり追跡調査した結果


アルファリノレン酸の摂取量と

冠動脈疾患リスクとの間には関連は見られなかった。



一方

脳卒中リスクはアルファリノレン酸をほどほどに摂ったほうが3~5割低くなった。



アルファリノレン酸はドレッシングやマヨネーズにたくさん含まれているので

意識して摂ったほうがいいかもよ、という内容。




参考:
α-リノレン酸 - 「健康食品」の安全性・有効性情報:厚生労働省

2011年4月10日

病院を主席で退院しても、社会に出たらタダの人以下

昨日の記事についてOTセラピストの方から次のようなメールをもらいました。


『担当している方が、
ブルンストロームステージ6、全運動可にも関わらず
介護レベル2のままで病人状態です。
これは一体どういうことでしょうか?』



といった内容でした。




常々考えていることを記す良い機会と思ったので

ここで勝手にとりあげさせてもらいます。





こういうこと、と思います。


脳卒中リハビリのシーンで用いられる機能評価スケールの多くは

その最良スコアの状態が

"生活動作の自立ができる"、

に相当していると考えます。



つまり病院では自立ができるほどに身体が機能すれば満点評価されます。



ところが、自立に要する身体機能レベルというのは、

健常人が持つ限界能力の20%程度で済むと考えます。



なぜ20%かというと、

健常人は瞬間的に時速20キロ程度で走ることができます。

しかし、自分のような脳卒中経験者で驚異的なまでに回復した者でも

走ることは極めて難しく、せいぜい健常人の通常歩行速度の

時速4キロメートルが精一杯です。



交差点で信号が点滅していても小走りにできません。


この速度の比をもって 例として 20%と考えます。





病院でどんなに優秀な回復成績を収めたところで

発症前の身体機能レベルには程遠いのです。



じゃあ、もっとがんばって発症前のレベルに到達するよう

さらにリハビリすればいいじゃないか、とも思いますが、


すでに生活動作の自立ができているため差し迫ったその必要性は感じません。




ところがその一方で、

この社会では異常なまでの体力重視の勤勉さが求められます。


例えば、

サラリーマンは地震や台風が来ようが、電車が動いてなかろうが

必ず出勤しなければなりません。



健常時の20%の身体能力でこんな修行僧のような通勤生活を送る

ことはほとんど不可能に感じられます。



こういった社会状況から受ける不全感の壁が非常に高く感じられ、

心理的に病人ゾーンを抜け出せなくなっている人が多い、




そう考えるのです。

2011年4月9日

夢の上肢麻痺治療法、rTMSで信じられない奇跡の成果が 再び


Anti-spastic effect of low-frequency rTMS applied with occupational therapy in post-stroke patients with upper limb hemiparesis.
2011  4月  日本





反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)と通常の作業療法を

脳卒中片麻痺患者に施したところ、

上肢機能が著しく改善した、という いつもの内容。





ここで 被験者として選別する際の上肢麻痺程度の条件として


"手指のBrunnstrom stageから"


とあったので検索してみた。





Brunnstrom stage
brunnstrom.png
(Brunnstrom S: Movement therapy in hemiplegia; A neurophysiological approach. Harper & Row, New York, 1970.)





自分の麻痺経験から、

ステージⅢの "握れるが開けない" と

Ⅳの "横つまみ・僅かな伸展"

との間には非常に高い壁があって、



これを超えるための効果的な治療法は

現在この世には存在していない、と理解している。





もし、このrTMS治療法で ステージⅢをⅣ以上に押し上げる効果があるのだとしたら、

是非、ノーベル医学賞をもらって欲しいと思う。





一方で、ステージⅣ、Ⅴの状態をさらに改善することは極めて易しいことと考える。

(すでに指を開くことが出来るのだから、たくさん練習させればイイだけ。)





だから、Ⅲと Ⅳ,Ⅴの患者を一緒くたにして

上肢麻痺に著しい改善効果があった、


とするのはあまりフェアではないと思うんだよね。


関連記事:rTMS治療中に居眠りしていた脳卒中患者の末路

2011年4月8日

脳卒中になったら、サプリはDHA入りがオススメ


Docosahexaenoic Acid Therapy of Experimental Ischemic Stroke.
2011 3月 アメリカ




ドコサヘキサエン酸(DHA)の神経保護作用について調べてみたそうな。



ネズミの脳を人為的に血の巡りの悪い状態にした後、

2-6時間おいてからDHAを注射した。




脳の変化をMRIで7日間にわたり観察したところ、

DHAを与えたグループのネズミの脳では

壊死してしまう組織の大きさが非常に小さかった。

また機能の回復も早かった。




脳を虚血にしたあと5時間を超えるとこの改善効果は見られなかった。



DHAにはすっごい神経保護作用があることがわかった、

というおはなし。





写真:DHAは脳梗塞を防ぐ。
ネズミの脳:梗塞になった領域
左:DHAなし、    右:DHAあり

2011年4月7日

イメージトレーニングは、"奇跡"のリハビリ法ではないことが判明


A Multicenter Randomized Controlled Trial to Compare Subacute 'Treatment as Usual' With and Without Mental Practice Among Persons With Stroke in Dutch Nursing Homes.
2010 10月 オランダ




脳卒中リハビリへのイメージトレーニングはイイと評判なので、

あらためてその効果の有無を調べたそうな。



養護施設の平均年令78の脳卒中患者36人を2グループに分けて、

一方には6週間にわたりイメージトレーニングを施した。


その間、両グループとも通常のリハビリは継続した。




結果、

両グループで改善の程度に違いは まったく見られなかった。



もっと回復の見込みのありそうな患者を選んでおけばよかった…

というおはなし。








イメトレのお供に


2011年4月6日

10年も経つと、およそ4割がまた脳卒中を経験している


Risk and Cumulative Risk of Stroke Recurrence: A Systematic Review and Meta-Analysis.
2011 3月 イギリス


脳卒中の再発の危険性が、

年を経るごとにどのように蓄積されてゆくかを調べるべく

過去の研究成果を再検証したそうな。




延べ9000人以上の患者データの再分析の結果、

発症からの期間と脳卒中再発率との関係は次のようになった。


・30日後:3%

・1年後:11%

・5年後:26%

・10年後:39%



というおはなし。

図:脳卒中の10年再発率

2011年4月5日

鍼の効果で脳梗塞患者の血中タンパク質も変化


Proteomic analysis of serum proteins in acute ischemic stroke patients treated with acupuncture.
2011 3月 中国


脳梗塞リハビリへの鍼灸の効果が、

血中タンパク質と上下肢の筋力にどう反映されるかを調べたそうな。




35名の急性期脳梗塞患者について、

10日間の鍼灸治療を施すグループとそうでないグループに分けて、

血中に発現しているタンパク質の種類と量、

上下肢の筋力を測定した。




その結果、

鍼灸治療を施したグループでは筋力が増加し、

血中タンパク質の内容にも おおいに変化が起きたことがわかった。




鍼灸は 主観的な改善効果だけでなく

観察可能な変化をも もたらすことができる、 という内容。


2011年4月4日

脳卒中後アパシー(無気力)って なんだ?


Post-stroke depression and apathy: Interactions between functional recovery, lesion location, and emotional response.
2011 3月 日本



脳卒中後のうつはよくある話だけれども、

この症状は抑うつ気分無気力(アパシー)の2つに分けることができる。


これらの感情反応の背景を分析すると

"回復に対する強い固執"

という要因が見えてくる。


この感情はこれまで、回復の妨げになるネガティブな要因の1つとして考えられていた。


しかし適度なレベルの"回復に対する強い固執"

抑うつや無気力の低下と関連があり、結果としてリハビリも捗る。



抑うつや無気力は多くの要因が絡んだ複雑な反応であり、

多面的なアプローチが必要である、


というお話。


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どこかで聴いた内容…と思ったら

この記事と同じ著者だった。
脳卒中後のうつと意欲低下




わざわざアパシーを持ち込んでくる理由はよくわからないが、

脳卒中リハビリが抑うつ対策ではかどるというというのはそのとおりだと思う。





最近は頭や筋肉に電流を流したりするのが流行っているけれど、

患者を壊れたロボットのように考えているようで 実はあまり好きになれない。




だからこういう記事を読むとホッとする。

2011年4月3日

どういうわけか 失語症があると死亡率が高い


Mortality and nursing care dependency one year after first ischemic stroke: an analysis of german statutory health insurance data.
2011 4月 ドイツ



脳梗塞後の失語症、認知症、うつ

が死亡率に与える影響について調べたそうな。




50歳以上の脳梗塞患者977人のうち

発症後1年以内に

失語症になったのは15%

認知症は13%

うつ症状は22%

であった。



そのなかで特に、

失語症のある患者の死亡率は非常に高くなることがわかった、


という内容。




失語症は重症のあかし、ということなのだろうか...






脳梗塞で失語症のサラちゃん(19歳)へのインタビュー


2011年4月2日

脳卒中後のセックスリハビリで回数と満足度が向上


Effects of a sexual rehabilitation intervention program on stroke patients and their spouses.
2011 1月 韓国


韓国のある大学病院で考案された脳卒中患者への

セックスリハビリによる効果を検証したそうな。



46名、23カップル(配偶者とペア)を2つのグループに分けて、

一方にはセックスリハビリを受けさせた。




そのひと月後、

セックスリハビリを受けたグループでは

・セックスへの満足度

・セックスの頻度

が著しく増加した。


一方、セックスに関する知識は増えていなかった。




このセックスリハビリプログラムは使えるかも知れない…

という内容。




知識の習得よりも実践を重視した訓練内容を想像させる。

一体どのようなプログラムなのか気になる。

2011年4月1日

上肢麻痺に効く2つのツボ 【オススメ】


Post-stroke hand dysfunction treated with acupuncture at Zhongzhu (TE 3) and Waiguan (TE 5)
2011 2月 中国


脳卒中後の上肢麻痺に効くとされるツボ治療の効果を検証したそうな。



脳卒中患者60人を2つのグループに分けて

一方にはツボ治療、

もう一方はツボ治療なし とした。


対象ツボ:
Zhongzhu (TE 3) と  Waiguan (TE 5)


ただし
両グループには通常の投薬治療、理学療法、作業療法も施した。



その結果、

両グループともに上肢機能や自立度などの改善があった。


特に、

ツボ治療を行ったグループでの手の機能障害の改善程度は顕著であった。



この2つのツボの上肢麻痺治療効果は確かにある、


というおはなし。




問題の2つのツボの位置:Zhongzhu と  Waiguan

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