2018年7月19日

閉じ込め症候群に運動させる効果


Effect of Exercise on Physical Recovery of People with Locked-In Syndrome after Stroke: What Do We Know from the Current Evidence? A Systematic Review
2018  7月  中国

閉じ込め症候群は脳幹部の梗塞や出血によっておこることがおおい。

閉じ込め症候群には3つのタイプ、
1)クラシカル型:身体は動かないが垂直眼球運動とまばたきができる状態
2)不完全型:いくつかの自発的な動きができるまで回復した状態
3)完全型:身体も眼球もまったく動かない状態、
がある。

彼らは動かないことにより筋肉の委縮、関節の拘縮化、心肺障害などの合併症をおこしやすい。

そこで彼らに「運動させる」ことの効果をこれまでの報告からまとめてみたそうな。


関連する研究論文を厳選してデータを解析したところ、


次のことがわかった。

・35の事例を含む5つの論文がみつかった。

・このうち26例については身体パフォーマンスになんらかの改善がみられ、9例ではなんの変化もなかった。

・運動の種類や方法は論文ごとにことなり、全例で複数の方法をミックスしたリハビリが行われていた。

・評価方法もそれぞれ異なっていた。

脳卒中で閉じ込め症候群の患者への運動の効果はおおむねポジティブであった。複数の運動方法がミックスされていた。しかしその効果はあきらかではなく、有害事象はなかったものの事例報告ばかりでエビデンスレベルは低かった、


というおはなし。
図:脳卒中で閉じ込め症候群の運動リハビリ

感想:

閉じ込め症候群では意識は清明、それを表現する手段がほとんどないだけで感覚は正常という。

だからうごかない身体を動かすのはリハビリというよりメンタルヘルス的に重要とおもう。

2018年7月18日

突発性難聴と脳梗塞


Sudden Sensorineural Hearing Loss Predicts Ischemic Stroke: a Longitudinal Follow-Up Study
2018  7月  韓国

突発性難聴患者の脳卒中リスクをくわしくしらべてみたそうな。


韓国の国民健康保険データベースから突発性難聴の患者4944人と性別、年齢、収入、居住地などのいっちする一般の19776人を抽出し、脳出血、脳梗塞、高血圧などの病歴をフォローしたところ、


次のことがわかった。

・脳梗塞は突発性難聴の4.2%、一般人の3.5%にみられ、

・このとき突発性難聴の脳梗塞リスクは1.22倍だった。

・50歳以上に限定するとそのリスクは1.40倍になった。

・脳出血は突発性難聴の0.7%、一般人の0.6%にみられ あきらかなリスク上昇はなかった。

突発性難聴だと脳梗塞リスクが高かった。特に高齢になるとハイリスクになった。脳出血リスクとは関連がなかった、


というおはなし。
図:突発性難聴

感想:

さいきん突発性難聴の脳梗塞が身近なところにいておどろいた。

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2018年7月17日

動作観察刺激と優位脳半球の関係


Laterality of Poststroke Cortical Motor Activity during Action Observation Is Related to Hemispheric Dominance
2018  5月  アメリカ

脳卒中の脳機能イメージングの研究により、損傷脳半球の活動レベルの向上が機能の回復に重要であることがわかってきた。

しかし優位脳半球との関連についてはよくわかっていない。

そこで、動作観察刺激を与えたときの左右脳半球の活動をしらべ優位脳半球と活動の側方性との関連をしらべてみたそうな。


右利きで左脳半球が優位の脳卒中患者で

右脳損傷の12人と
左脳損傷の12人について、
健常者12人とを比較した。

動作観察刺激として左右それぞれの手をつかった動作ビデオを見せたときのfMRIを撮影し、左右脳半球の活動ボクセル数から側方性(laterality index)を求め関連を解析した。


次のことがわかった。

・右脳損傷のとき優位脳半球である左脳の活動が右脳よりもずっとおおきかった。

・この左脳優位状態は、左脳損傷の脳卒中でも同様であり健常者のそれと異なっていた。

動作観察刺激では脳卒中患者の脳活動は損傷脳側よりも優位脳側に偏っていた、


というおはなし。

図:側方性と左右脳損傷 動作観察

感想:

いまいちよくわからない。
左手の動作をみせても左脳にかたよる部位のある不思議ってことか。

2018年7月16日

感覚障害も比例回復則するの?


Is There Full or Proportional Somatosensory Recovery in the Upper Limb After Stroke? Investigating Behavioral Outcome and Neural Correlates
2018  7月  ベルギー

近年、脳卒中で麻痺した上肢の運動機能は リハビリの有無にかかわらずその機能低下ぶんの70%が数ヶ月内に自発的に回復することが確認され、比例回復則(proportional recovery rule)と呼ばれている。

しかし皮質脊髄路の健全性に問題がある患者では このルールに則らない(nonFitter)ことがあると考えられている。

今回、上肢の体性感覚機能についても比例回復則があてはまるものかくわしくしらべてみたそうな。


32人の脳卒中患者について発症から4日、7日、6ヶ月後の感覚機能をEm-NSA(Erasmus MC modification of the revised Nottingham Sensory Assessment)で評価した。

Em-NSAでは、体性感覚機能を
1)感覚の有無
2)シャープさや鈍さを受動的に識別する能力(パッシブ処理)
3)感覚を統合して立体物を能動的に識別する能力(アクティブ処理)
にわけて評価した。

また、MRIを使って視床-皮質、島-弁蓋路の病変量を測定し関連を解析したところ、


次のようになった。

・上肢運動機能には比例回復則がみられ、nonFitterグループも確認できた。

・上肢の体性感覚は6ヶ月後にはほぼ全員が回復していた。

・パッシブおよびアクティブ感覚処理には比例回復則が確認でき、それぞれ86%、69%が自発的に回復した。

・4,7日時点で感覚障害のあった患者には視床-皮質、島-弁蓋路の病変量がおおきかった。

今回のサンプルでは全員がはやくに体性感覚を取り戻したが、パッシブおよびアクティブ感覚処理の回復は比例回復則にしたがっていた、


というおはなし。
図:比例回復則 上肢の運動機能と体性感覚

感想:

たしかに今も左腕の感覚は弱いものの、まったくの「ゼロ」だった期間は短く数週間だったよ。

[比例回復則 "proportional recovery rule"]の関連記事

2018年7月15日

片麻痺が速くターンできる方向は


Effect of turning direction on Timed Up and Go test results in stroke patients
2018  7月  韓国

脳卒中で片麻痺の患者では 歩行中の方向転換動作で転倒リスクが高くなる。

タイムアップアンドゴー(TUG)テストは方向転換動作をふくむため歩行能力にくわえバランス能力の評価にも用いられている。

そこで方向転換の際に麻痺している側と健常な側のどちらに廻り込むのがたやすいのか、TUGテストでしらべてみたそうな。


脳卒中で片麻痺の患者113人について、

TUGテストを行い方向転換時の廻り込む方向べつにタイムを測定した。

また10メートルテストで歩行スピード別にグループをわけ、TUGテストとの関連も解析した。


次のことがわかった。

・TUGテストのタイムは、健常側に廻り込んだときに長く(17.52秒)、麻痺脚を軸に廻り込むときに短かった(17.10秒)。

・10メートルテストで歩行速度別に分類したグループ間でのTUGテストの有意な差はみられなかった。

脳卒中患者はタイムアップアンドゴーテストで方向転換時に廻り込む向きでタイムが異なった。麻痺側に廻り込むときにわずかに早かった、


というおはなし。

図:タイムアップアンドゴー


感想:

微妙な差すぎて記事にするのをためらったけど、暑くてどうでもよくなった。

2018年7月14日

軽い脳梗塞にはアルテプラーゼよりもアスピリン


Effect of Alteplase vs Aspirin on Functional Outcome for Patients With Acute Ischemic Stroke and Minor Nondisabling Neurologic Deficits
2018  7月  アメリカ

脳梗塞患者が4.5時間以内に入院できたとしても、その神経症状が軽微な場合には血栓溶解療法のアルテプラーゼ薬は使用しないことになっている。

しかしそれら患者のうち30%は 90日後になんらかの機能障害が残ることがわかっている。この問題を回避するために症状の軽い脳梗塞であってもアルテプラーゼを使うことが最近のトレンドとなっている。

そこで症状の軽い脳梗塞患者へのアルテプラーゼの効果と安全性を、アスピリンのそれと比べてみたそうな。


全米75の病院で3時間以内の軽症(NIHSS 0-5)の脳梗塞患者948人をアルテプラーゼとアスピリングループに分ける計画を立てた。

90日後の回復良好(mRS 0-1)の患者と頭蓋内出血を起こした患者をしらべたところ、


次のことがわかった。

・調査は313人の患者で終了した。(途中打ち切りのため)

・90日後、アルテプラーゼグループの78.2%、アスピリングループの81.5%が回復良好だった。

・アルテプラーゼの3.2%、アスピリンの0件が36時間以内に頭蓋内出血を起こした。

軽症の脳梗塞患者について、アルテプラーゼを使ったところでアスピリンよりも回復がよくなるわけではなかった。
研究途上だったのでこれ以上のことは言えません、、、(;_;)



というおはなし。
図:アルテプラーゼ vs アスピリン

感想:

この研究はとつぜん資金供給が絶たれ 早期に打ち切られてしまった。

その理由は、脳梗塞の8割を占める軽症患者について
「4.5時間以内とかむつかしいこと言ってないで、てきとうにアスピリン飲ませておけばいいんだよ 安全だし」
という身も蓋もない結論がでるのを恐れた業界団体からの圧力があったのだとおもう。
4分の1が血栓溶解治療で悪化

2018年7月13日

トランスジェンダー女性が脳卒中になりやすいわけ


Cross-sex Hormones and Acute Cardiovascular Events in Transgender Persons: A Cohort Study
2018  7月  アメリカ

性の同一性を適合させるための治療をうけているひとたち(トランスジェンダー)には静脈血栓症や脳梗塞、心筋梗塞がおおいと疑われている。

これを確かめるべく大規模にしらべてみたそうな。


患者データベースにトランスジェンダーとして登録されている男女を抽出して、脳卒中等の発生を4年間ほどフォローした。

これを10倍人数の性別適合者(シスジェンダー:cisgender)と比較した。


次のことがわかった。

・トランス(男→)女性2842人とトランス(女→)男性2118人およびシス男性48686人、シス女性48775人を対象とした。
トランスグループのうち23%は性別適合手術を受けていた。

・トランス女性の静脈血栓塞栓症のリスクが高く、2年後ではシス男性に比べてリスク4.1倍、シス女性のリスクの3.4倍 高かった。

・脳梗塞や心筋梗塞についても同様の発生リスクだった。

・特にホルモン療法を開始したトランス女性でこれらの関連が顕著だった。

・トランス男性については明らかな関連はみられなかった。

男性からトランスジェンダーした女性は、もとからの女性よりも静脈血栓症や脳梗塞のリスクが高かった。おそらくはエストロゲン療法の副作用によるものと考えられた、


というおはなし。
図:トランスジェンダーの女性

感想:

お茶大でトランスジェンダー解禁のニュースがあったばかりなので関心をもった。

2018年7月12日

健常側の白質病変と失語症の関係


Leukoaraiosis is independently associated with naming outcome in poststroke aphasia
2018  7月  アメリカ

脳卒中のあとの失語症には梗塞のおおきさや位置、発症からの時間、年齢、利き手、性別などが影響する。

さらにネーミング(呼称)などのネットワーク的に複雑な働きを要する課題では 梗塞の起きていない健常な側の脳が関係してくると考えられている。

右脳の白質病変が言語機能に与える影響はよくわかっていないので脳卒中患者でくわしくしらべてみたそうな。


左脳損傷で失語症の脳卒中患者42人について、

健常側の右脳の白質病変の程度をMRIのFLAIR(フレア)条件で撮影し評価した。

これと3ヶ月以降の呼称課題の結果との関連を解析したところ、


次のようになった。

・右脳白質病変の重症度が高いと呼称課題スコアがあきらかに低かった。

・この関連は梗塞のおおきさや位置、発症からの時間、合併症にはよらなかった。

左脳卒中で失語症患者の呼称課題スコアは、右脳白質病変の重症度に影響された。失語症からの回復は健常側の白質の健全性によるのかも、、


というおはなし。


感想:

これ↓2週間後に撮ったじぶんのフレア画像からの動画。血腫とその周辺の白質病変を着色してある。




たしかに人の名前がでてこない。特に映画女優。顔ははっきりとイメージできるのにでてこない。
たとえば「スカーレット・ヨハンソン」はなんどしらべてもすぐにわすれて思い出せなくなる。

2018年7月11日

MEPが観測されないのに脳卒中患者が歩けるわけ


Absence of a Transcranial Magnetic Stimulation–Induced Lower Limb Corticomotor Response Does Not Affect Walking Speed in Chronic Stroke Survivors
2018  7月  アメリカ

脳卒中で麻痺した上肢が回復する条件として、運動野への磁気刺激(TMS)で生じる運動誘発電位(MEP)が観測されることを挙げる報告は少なくない。

しかし下肢の運動機能についてMEP反応があることを回復の条件とする報告はほとんどない。

これを確かめるべく運動野から下肢筋肉へのMEPの有無と歩行能力との関連をくわしくしらべてみたそうな。


慢性期脳卒中患者61人について、

損傷脳側の運動野をTMSで刺激して麻痺脚の前脛骨筋および大腿直筋へのMEPの有無を測定した。

歩行スピード、6分間歩行距離、タイムアップアンドゴーテスト、下肢筋力との関連を解析したところ、


次のようになった。

・患者はMEPあり28人とMEPなし33人に分けられた。

・両グループ間で歩行能力にあきらかな差はなかったが、

・MEPありグループでは麻痺足首の背屈筋力が高かった。

・MEPパラメータと歩行回復度との関連はなかった。

脳卒中患者への経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位と歩行能力とのいかなる関連もみつけることができなかった、


というおはなし。
図:TMS MEP 脳卒中

感想:

この理由として、
皮質脊髄路ではなく網様体脊髄路を迂回している、もしくは健常脚がうまく代償運動しているだけではないか、、っていってる。

2018年7月10日

底辺家庭のこども 脳卒中からの1年後


Socioeconomic determinants of outcome after childhood arterial ischemic stroke
2018  7月  カナダ

脳卒中の発生率や重症度 回復度と社会経済的地位との関連は成人についてはよく研究されているが子供のそれはほとんどないので大規模にしらべてみたそうな。


37カ国にある複数施設での2010-2014の子供の脳梗塞患者355人について、

世帯収入、親の教育歴、住居の都会度、リハビリサービスを受けた回数、
等をしらべ、1年後の回復度(Pediatric Stroke Outcome Measure)スコアとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・年間世帯収入が10000ドルを下回る超低所得グループの回復度は明らかに低かった。

・脳卒中の原因や居住国の所得レベルを調整してもその関連は変わらなかった。

・所得額は1年時点でのリハビリサービスの利用状況とは関連がなかった。

国際的な大規模調査により、子供の脳卒中は低所得家庭ではあきらかに回復度が低いことがわかった。これは脳卒中の種類や合併症、リハビリサービスの有無では説明がつかなかった、


というおはなし。
図:こども脳卒中の回復度と世帯収入

感想:

上のグラフみると最低所得層で死亡割合がとてもおおきい。脳卒中で弱った子供は生存競争に敗れ淘汰されてしまうのだろうか。

2018年7月9日

半側空間無視はほとんどが自然に治る


Impact of clinical severity of stroke on the severity and recovery of visuospatial neglect
2018  7月  オランダ

半側空間無視は通常、損傷脳半球の反対側に注意障害がおきる。そして脳卒中が重症のばあいには同側にも無視が生じる。

そこで、重症脳卒中の半側空間無視とその症状の時間的変化をしらべてみたそうな。


右脳の脳卒中患者90人を非常に重症である 完全前循環梗塞(total anterior circulation infarct:TACI)38人と非TACIグループ52人にわけた。

半側空間無視の程度は文字抹消検査(letter cancellation test:LCT)で損傷脳の対側、同側についてしらべた。

発症から 1, 2, 3, 4, 5, 8, 12, 26週までその自発的な改善変化をフォローしたところ、


次のことがわかった。

・同側と対側の無視については臨床的重症度とLCTの取りこぼし数とのあきらかな関連はなく、

・いずれの場合も その数は時間が経つにつれ徐々に減少した。

・TACIタイプの重症脳梗塞では同側の無視症状の回復スピードがあきらかに遅かった。

広範囲におよぶ脳梗塞では同側への空間無視症状の回復があきらかに遅かった。しかしこれら症状は時間が経つにしたがい自発的に回復していった、


というおはなし。
図:半側空間無視の週別変化


感想:

この回復パターンは比例回復則 (proportional recovery rule)のそれとおなじで、そこから外れる患者こそが治療対象になるべきだって。

2018年7月8日

脳梗塞への遠隔虚血コンディショニングの効果


Remote ischaemic conditioning for preventing and treating ischaemic stroke
2018  7月  中国

遠隔虚血コンディショニング(Remote Ischaemic Conditioning :RIC)は腕や脚をカフで強く加圧して一時的に血流をとめたのち再灌流することで脳神経の保護や脳梗塞からの回復を期待するものとしていくつもの研究がなされている。

しかしその効果と安全性については結論がでていない。

そこでRICと脳梗塞に関するこれまでの研究を総括してみたそうな。


信頼性の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・被験者735人を含む7つの研究がみつかった。3つは脳梗塞の予防について、4つは脳梗塞の治療にかんするもので 内容に低質な部分が多く見られた。

・動脈狭窄患者へのRICで脳梗塞の再発リスクがあきらかに低下した。

・ステント使用者では脳梗塞発生率に差はなかったが、脳梗塞後の重症度はRICグループがあきらかに低かった。

・有害事象はRICグループにおおかったが重大なものはなかった。

・急性脳梗塞で血栓溶解療法をうけた患者にたいしては死亡と障害のリスク増加があった。

遠隔虚血コンディショニングが動脈狭窄やステント患者の再発率と重症度をさげる可能性が示された。血栓溶解療法を受けた患者では死亡と障害のリスクがあがった。しかし研究数の少なさや質の問題でまだ たしかなことは言えない、


というおはなし。
図:遠隔虚血コンディショニング

感想:

ふと思ったんだけど、「正座」の繰り返しは遠隔虚血コンディショニング的には脳に良いはず。

[遠隔虚血コンディショニング]の関連記事。

2018年7月7日

心房細動患者が気をつけるべき季節は


Seasonal variation in the risk of ischemic stroke in patients with atrial fibrillation: A nationwide cohort study
2018  6月  台湾

脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患は季節の影響をうけ、特に気温の低い秋や冬に発生率が高くなる。

心房細動患者に限定したときの季節と脳卒中リスクについてしらべてみたそうな。


台湾の国民健康保険研究データベースの心房細動患者289559人を3年間フォローして得た34991人の脳梗塞事例について季節と気温との関連を解析したところ、


次のようになった。

・気温のもっとも低い季節である冬に脳梗塞の発生率がもっとも高くなり、月あたり0.33/100人だった。

・夏とくらべたとき 春の脳梗塞リスクは1.10倍で、冬は1.19倍だった。秋は夏とほぼ同じだった。

・1日の平均気温が30℃のときとくらべて20℃を下回ると脳梗塞があきらかに増えた。

大規模調査により心房細動患者の脳梗塞発生率が気温が下がる冬に高いことが確認できた、


というおはなし。
図:心房細動が脳梗塞になりやすい季節

感想:

寒いと赤血球や血小板、血液粘度とかが高まって血がかたまりやすくなるメカニズムがあるんだって。

2018年7月6日

FASTキャンペーンは効果あったのか?


Medical Attention Seeking After Transient Ischemic Attack and Minor Stroke Before and After the UK Face, Arm, Speech, Time (FAST) Public Education Campaign
2018  7月  イギリス

一過性脳虚血発作(TIA)や軽微な脳卒中症状をほうっておくと24時間以内に5%が、30日以内に40%が脳卒中を再発するという。

脳卒中の初期症状を識別する Face, Arm, Speech, Time の「FASTキャンペーン」により 重症の脳卒中患者のレスポンススピードは改善された。

しかしTIAや軽微な脳卒中症状の患者へのFASTキャンペーンの効果はわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。


2002-2014にTIAまたは脳卒中になった2243人について調査したところ、


次のことがわかった。

・73.8%がTIAや軽微な脳卒中症状があった患者だった。

・FASTキャンペーンのあと、重症の脳卒中患者が3時間以内に病院にかかる率は高まった。

・しかしTIAや軽微な脳卒中では救急車利用率や24時間以内の病院利用率にキャンペーンの前後で差はなかった。

・188人の患者が90日以内に脳卒中を再発したが、彼らの49.5%は最初のTIA症状のとき病院にゆく必要はないと考え無視した。この率はキャンペーン前後で同じだった。


FASTキャンペーンによる啓発活動はTIAや軽微な脳卒中の患者にたいしてまったく効果的ではなかった、


というおはなし。
図:FASTキャンペーンの効果

感想:

このFAST動画見ても高齢者を想定しているせいか心にひびかない。

脳のお医者さんにとっては脳卒中が世界のはんぶんくらいを占めているから一大事なんだろうけど、
顔のゆがみや手のしびれ 口がもつれる程度のことでいちいち病院にかかっていたら生活できんのよ 一般人は。

振り返ってみるに、出血する1年くらいまえから手の震えを止められなくて、しかも言いたいことがスムーズに出てこなくなってたわ。

2018年7月5日

くも膜下出血で1年後元気だった人の12年後


Prospective study: Long-term outcome at 12-15 years after aneurysmal subarachnoid hemorrhage
2018  7月  スウェーデン

くも膜下出血は脳卒中全体の5%を占め平均年齢は若く死亡率が高い。12%が即死し、30%以上がひと月内に死亡、25-50%は6ヶ月以内に死亡するという。

くも膜下出血のその後について1年以降の長期にしらべた研究はほとんどないので12年以上フォローしてみたそうな。


2000-2003に脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で手術を受けた患者158人について、その1年後と12-15年後の回復度評価Glasgow Outcome Scale(GOS) をおこなった。


次のことがわかった。

・患者は発症時平均年齢55で、女性は114人だった。

・12-15年後、生存していた103人のうち39.9%は回復良好、15.2%が中程度の障害あり、10.1%が重度障害だった。

・23.6%の患者は時間が経つにつれGOSスコアが改善した。

・55人が4年前後で死亡していた。

・患者全体として12-15年後までの死亡率は一般人の3.5倍だったが、

・1年時点で回復良好だった101人(全体の67.3%)に限定すると 生存率曲線は同性同年齢の一般人とおなじパターンを示した。

・若くかつ1年後の高GOSスコアの患者は長く回復良好状態がつづいた。

くも膜下出血の1年以上ののちも機能的回復は続いていた。1年時点で回復良好だった患者の余命は一般人のそれと同レベルだった、


というおはなし。
図:くも膜下出血の生存率曲線

感想:

上の生存率グラフをみておどろいた。1年後の回復良好者のほぼ全員が、その後10年以上にわたり一般人とまったくおなじ軌跡を描いている。

他の脳卒中で こんなはなしはきいたことがない。


おそらくこういうこと↓だとおもう。

くも膜下出血はたとえると偶発的な「事故」のようなもので、運悪くすぐに亡くなってしまう人がいるいっぽう、それ以外はおおむね元気で 「自然に」出血が止まりほぼもとの状態にもどる。

しかも再出血予防手術にはほとんど意味がないっぽいんだ。
その理由↓

1) 再出血予防のクリッピング手術のRCTは存在しない。(by ガイドライン

2) 入院が遅れるほど死亡率は劇的に下がる。

3) もっとも再出血しやすい24時間以内の手術にまったく効果がない。

2018年7月4日

ボツリヌス療法で上肢機能は改善するのか?


Does botulinum toxin treatment improve upper limb active function?
2018  6月  イタリア

脳卒中後の痙縮は機能障害や能力障害のおもな原因であり、とくに上肢での影響がおおきい。

痙縮はボツリヌス毒素の筋肉注射により局所的に緩和できる。しかしこれによって上肢機能が改善するかどうかについては結論がでていない。

そこでこれまでの研究を総括してみたそうな。


脳卒中で麻痺した上肢痙縮へのボツリヌス療法と 障害にかんする数々の研究についてナラティブレビューを試みたところ、


次のことがわかった。

・治療の評価は disability assessment scale (DAS) や goal attainment scale (GAS) といった通常あまり用いられない特別な指標が使われていた。

・いくつものメタアナリシスではきわめてわずかな効果量が示されるのみで、ボツリヌス療法による麻痺上肢の日常生活動作上での機能的改善はまったくみられなかった。

ボツリヌス療法による痙縮緩和が上肢の機能改善につながっていなかった。もっと元気な患者を対象にして幾度も注射を繰り返せば良い結果が得られるのかもしれない、、


というおはなし。

図:disability assessment scale

感想:

6年ほど前に上の図の disability assessment scale (DAS) がボツリヌス療法でのみ好んで使われていることを知り、そのどうとでも解釈できるガバガバな評価内容に衝撃をうけた。

おかげでボツリヌス療法のなんたるかを一瞬で理解できた。

2018年7月3日

軽症脳梗塞の位置と健康関連QoL


Infarct location is associated with quality of life after mild ischemic stroke
2018  6月  アメリカ

神経症状スコアが高くない「軽症の脳梗塞」は脳卒中患者のほとんどを占める。

軽症にもかかわらず彼らの後遺症や健康に関する生活の質(HRQoL)の低さがもんだいになっている。

梗塞の体積ではなくその位置とHRQoLについての研究はすくないので調べてみたそうな。


平均年齢65、入院時のNIHSSスコアが1前後の軽症患者229人について3ヶ月後のHRQoLを測定し、梗塞位置との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・梗塞体積の中央値は0.74ccで、36.2%の患者がHRQoLのあきらかな低下を示した。

・HRQoL低下者の56.0%は皮質下梗塞で、また 21.4%は脳幹梗塞であり、

・HRQoLが低下しなかったグループよりもあきらかにそれらの割合が高かった。

・皮質下または脳幹の梗塞でHRQoLが低下するリスクは2.54倍だった。

軽症脳梗塞患者のうち、皮質下と脳幹の梗塞では健康関連QoLの低下が起きやすかった、


というおはなし。
図:健康関連QoLと軽症脳梗塞

感想:

軽症で見た目の障害がないためにQoLのようなわずかな質の変化に敏感になるんだって。(床効果 天井効果)

ぎゃくにいうと、質が問題になるうちはたいして深刻ではないってこと。

2018年7月2日

こども脳卒中の聴覚無視について


Auditory neglect in children following perinatal stroke
2018  6月  アメリカ

半側空間無視では損傷脳の反対側への注意力の低下がおき 視覚以外に聴覚にもおきうる。

また損傷脳が左脳よりも右脳のほうが無視の程度はつよく 長く影響がつづく。

子供の半側空間無視の報告はすくないながら成人にくらべ回復がはやいとする調査がいくつかある。

そこで、出生後28日までの周産期に脳卒中を経験した子供について聴覚無視の特徴をくわしくしらべてみたそうな。


周産期に左脳または右脳の脳卒中を経験した6-16歳の子供26人について、音を聴かせたときの音源の位置推定の正確さと反応速度について測定し、同年代の子供と比較したところ、


次のことがわかった。

・左脳損傷の子供は音源が左方にあるときに位置特定精度があきらかに右方よりも高く、

・反応速度は左方の音源にたいしては年齢にしたがい健常者と同レベルに回復した。
しかし右方音源にたいしては改善しなかった。

・右脳損傷の子供は右方音源の位置特定精度が健常者よりも低く、

・反応速度は音源位置の左右によらず改善しなかった。

・脳の損傷部位に頭頂部がふくまれていると無視の程度がよりおおきかった。

周産期脳卒中を経験した子供の聴覚無視は、左脳損傷では対側に、右脳損傷では両側に起きるのかもしれない。また頭頂部が聴覚的注意に重要な役割をもっていると考えられた、


というおはなし。
図:周産期脳卒中の聴覚無視 頭頂部損傷のケース

感想:

音源に発光機能をもたせると聴覚無視が治りやすくなることから聴覚空間と視覚のキャリブレーションが脳卒中でリセットされたことが聴覚無視の原因かもっていってる。

2018年7月1日

アルコールでおきる脳内出血の種類


Alcohol intake and the risk of intracerebral hemorrhage in the elderly: The MUCH-Italy
2018  6月  イタリア

アルコール摂取と脳内出血との因果関係についてはいまだ結論がでていない。

これを調べるべく脳出血の大規模研究MUCH-Italyのデータを解析してみたそうな。


55歳以上の白人被験者を飲酒量べつに ヘビー、中程度、飲まない、の3グループにわけ、
脳内出血の種類(皮質、深部)との関係を有向非巡回グラフをもちいて解析したところ、


次のことがわかった。

・皮質脳内出血1471人、深部脳内出血1702人と3155人の一般人の記録を解析した。

・ヘビードリンカーの深部脳内出血リスクは1.68倍で、脳内出血トータルのリスクも1.38倍、

・しかし皮質脳内出血と飲酒量との関係はみられなかった。

55歳以上の白人の調査ではアルコール摂取は脳内出血の原因であり、特に深部脳内出血をひきおこすと考えられた、


というおはなし。
図:有向非巡回グラフ 脳内出血とアルコール

感想:

じぶんがなった被殻出血も深部のそれだから あの日以来酒は一滴も飲まない。そのせいか酒飲みへの偏見が助長して酔った親戚をついあおってしまい なんどか険悪になった。

2018年6月30日

痙縮を解く「経穴腸線注入」のメカニズム


Catgut implantation at acupoints increases the expression of glutamate aspartate transporter and glial glutamate transporter-1 in the brain of rats with spasticity after stroke
2018  6月  中国

脳卒中後の手足の痙縮をやわらげることはリハビリをすすめる上でのおおきなテーマである。

脳卒中による痙縮は神経伝達物質であるグルタミン酸の過剰による興奮毒性が原因とする説がある。

いっぽうで経穴への腸線(動物の腸からつくった縫合糸:Catgut)注入により脳卒中後の痙縮が緩和されたとする動物実験報告がある。

そこで、経穴への腸線注入による痙縮緩和効果と、このときの脳内でのグルタミン酸トランスポーター2種の発現を検証してみたそうな。


ネズミを人為的に脳虚血と再灌流をした3時間後に
4つのツボ(GV14,GV6,CV4,CV12)に腸線注入をおこなった。

その後の 神経症状、痙縮度、梗塞サイズ、GLAST,GLT-1の発現量を比較したところ、


次のようになった。

・脳虚血によりネズミに痙縮がおきた。

・腸線注入グループで神経症状がおおきく改善され、

・筋肉の緊張も低下し、梗塞サイズも小さくなった。

・損傷脳側でグルタミン酸トランスポーターGLAST,GLT-1の発現が増加していた。

経穴への腸線注入により脳梗塞ネズミの痙縮が緩和された。これはグルタミン酸トランスポーターの増加による効果かも、、、


というおはなし。
図:キャットグット注入による脳梗塞減少効果

感想:

鍼の効果を持続させるためにCatgutを埋め込むんだって。まったく知らなかったよ。

2018年6月29日

脳卒中患者から臓器を抜くための法改正の成果


Identification of potential organ donors after aneurysmal subarachnoid hemorrhage in a population-based neurointensive care in Eastern Finland
2018  6月  フィンランド

移植臓器の不足は世界的なもんだいである。

脳死になる件数は外傷性の脳損傷よりもくも膜下出血患者のほうが2倍以上おおい。

これらのくも膜下出血患者から効率よく臓器摘出できれば移植待ちのおおくの患者を救うことができる。

フィンランドでは2010年に原則として本人の明らかな提供拒否(opt-out)の意思表示がないばあいには "推定同意"(presumed consent)にもとずく臓器摘出が可能になったことから この前後でのくも膜下出血患者の臓器提供率の変化について調べてみたそうな。


2005-2015のフィンランド東部地区のくも膜下出血患者769人のうち、14日以内に亡くなった145人(患者全体の19%、脳死を含む)を臓器提供の可能性があるとし、実際の臓器提供記録を分析したところ、


次のことがわかった。

・この145人のうち心停止者を除く83人(57%)が臓器提供候補者となった。

・さらに拒否者や不適合者を除いた49人(34%)が実際の臓器提供者になった。

・このときの臓器提供率は 49/83x100=59% だった。

・候補者のうち臓器提供に至らなかった者の 44%は近親者による拒否、53%は医療禁忌によるものだった。

・2005-2010には近親者による拒否が11件あり臓器提供率は52%だったが、

・新たな原則が適用された2010-2015には拒否数は3件のみで臓器提供率は74%になった。

くも膜下出血患者のおよそ20%が入院後14日以内に死亡し、その約半数が心肺停止していた。その結果、くも膜下出血患者の11%が臓器提供候補者になった。かれらが実際に臓器提供をした率は推定同意原則の導入前後で52%→74%に向上した。このプロセスをさらに効率よく運用してゆきたい、


というおはなし。
図:くも膜下出血患者の臓器提供率

感想:

じぶんの運転免許証の裏には「私は臓器を提供しません」の項目に二重丸をつけてある。

こういうこと↓あるからね。
すぐに亡くなるだろうと思って家族に臓器提供をお願いしたら患者にバッチリ聞かれていたという恐怖体験

2018年6月28日

下肢装具をやめてしまう理由


The regularity of orthosis use and the reasons for disuse in stroke patients
2018  6月  トルコ

下肢装具は脳卒中患者の歩行リハビリによく用いられる。

下肢装具の使用頻度と使わなくなった理由についてくわしくしらべてみたそうな。


リハビリ病院から退院して6ヶ月以内の 亜急性期脳卒中で下肢装具の処置を受けた男女64人について調査したところ、


次のことがわかった。

・短下肢装具が84.4%、長下肢装具が15.6% 。

・毎日使用が59.4%、週に数回10.9%、まったく使わない29.7% だった。

・使用しない理由は多い順に、 もはやひつようない>面倒くさい>窮屈>役に立たない>使うチャンスがない、、、などだった。

・装具の使用期間や関節可動域、痙縮度、歩行能力などは使用頻度と関連がなかった。

退院して間もない下肢装具利用者の29%が使用をやめていた。その理由は、必要ない、面倒くさい、窮屈、といったものだった、


というおはなし。

図:脳卒中の下肢装具

感想:

車椅子とおなじで 恩恵をうける人ほど使ってはいけないジレンマがある。役に立たないぐらいがちょうどいい。

2018年6月27日

認知症への準備は5年前からはじまっていた


Increased risk for dementia both before and after stroke: A population-based study in women followed over 44 years
2018  6月  スウェーデン

脳卒中のあとに認知症リスクが高まることが数多く報告されている。いっぽうで発症から5年以降の長期にわたる認知症リスクについての研究はすくない。

さらに、脳卒中以前の認知症リスクを長くにしらべた報告はほとんどない。

そこで 住民を長期にフォローして大規模にしらべてみたそうな。


スウェーデンのヨーテボリの女性1460人を1968年から44年間フォローした研究データを解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に362人が脳卒中に、325人が認知症になった。

・脳卒中と認知症の年齢ごとの発症パターンはほぼ同じだった。

・認知症の発症割合は 脳卒中を起こした者に 33.7% vs. 18.5% でおおかった。

・認知症リスクの上昇は脳卒中の5年前に始まっていて、

・脳卒中の1年後がもっともリスクが高く、

・11年以降もリスクが高い状態がつづいた。

認知症リスクは脳卒中の5年前から高まり 11年以降も続いた、


というおはなし。
図:脳卒中前後での認知症リスク

感想:

脳卒中のせいで認知症になるというよりは、認知症になるような人がついでに脳卒中になるんだな。

2018年6月26日

結婚と脳卒中リスク


Marital status and risk of cardiovascular diseases: a systematic review and meta-analysis
2018  6月  イギリス

脳卒中など心血管疾患のリスク要因として 高血圧や喫煙、糖尿病といったもののほかに「結婚ステイタス」が考えられる。

心筋梗塞や脳卒中の予後は 結婚している患者で良いことが報告されているが、将来の心血管疾患リスクとしての結婚ステイタスには一致した見解が得られていない。

そこでこれまでの研究をメタ解析してみたそうな。


結婚ステイタスと心血管疾患にかんするこれまでの研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者200万人を含む34の研究が見つかった。

・非婚者の心血管疾患リスクは配偶者がいる者の1.42倍で、

・冠動脈疾患や脳卒中による死亡リスクもあきらかに高かった。

・同様に離婚者では冠動脈疾患リスクが高く、

・パートナーと死別した者については脳卒中リスクのみが高かった。

結婚ステイタスは脳卒中など心血管疾患のなりやすさとその予後に影響していた、


というおはなし。
図:離婚

感想:

これ↓思い出した。

[結婚 離婚 死別]の関連記事

2018年6月25日

4分の1が血栓溶解治療で悪化


Intravenous Thrombolysis May Not Improve Clinical Outcome of Acute Ischemic Stroke Patients Without a Baseline Vessel Occlusion
2018  6月  オーストラリア

血栓溶解治療の薬であるアルテプラーゼは脳梗塞の発症から4.5時間以内であれば有効とされている。

いっぽう脳梗塞患者の39%はCTの血管撮影であきらかな血管閉塞が確認されていないという報告がある。この理由として CT検査時での自然開通、血行動態による脳梗塞、じつは脳卒中でない、などが考えられる。

アルテプラーゼの有効性についてこれまでの研究のおおくは血管閉塞の有無を区別していないので、あらためて血管閉塞していない患者へのアルテプラーゼの効果を検証してみたそうな。


発症から4.5時間以内に入院できた脳梗塞患者でCT血管撮影をしたラクナ梗塞でないタイプ1277人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・このうち24%には血管閉塞がみられず、さらにその半数に血栓溶解治療がおこなわれた。

・血管閉塞がみられないのに血栓溶解治療をうけた患者はなにもされなかった患者よりも回復が悪く、

・mRSが0-1に相当する回復良好者の割合は 56% vs. 78.8% とあきらかに少なかった。

血栓溶解治療に適した患者のうち4分の1には血管閉塞がみられず、彼らへの血栓溶解治療により状態がさらに悪化した、


というおはなし。
図:完全塞栓していない患者の血栓溶解療法の予後

感想:

CT血管撮影は注射1本ですぐできる。これ↓わたしのCT脳血管動画。

2018年6月24日

クリッピング手術後の認知障害


Study of Cognitive Impairments Following Clipping of Ruptured Anterior Circulation Aneurysms
2018  6月  インド

これまで破裂脳動脈瘤のクリッピング手術後の認知障害は過小評価されてきた。

そこで どれくらいの患者がこの問題を抱えているのかしらべてみたそうな。


前方循環系の脳動脈瘤破裂でクリッピング手術をうけた患者87人について、
退院後3ヶ月時点での認知機能(記憶、言語流暢性)を評価した。


次のことがわかった。

・特定の文字で始まる単語をできるだけおおく書き出す「音素流暢性」が66%の患者で低下していて、

・56%は記憶関連の障害がおきていた。

・近接記憶の重度障害が7%で、遠隔記憶の重度障害が14%でおきていた。

・前大脳動脈の動脈瘤手術の場合に近接記憶、遠隔記憶へ影響を受ける患者がもっともおおかった。

・どうように前大脳動脈の動脈瘤手術では音素流暢性にあきらかな障害がおきていた。

前方循環系の破裂脳動脈瘤のクリッピング手術のあとの認知障害はめずらしくなかった。とくに前大脳動脈の手術で記憶 言語流暢性の障害がおおきかった、


というおはなし。

図:Anterior Circulation Aneurysms

感想:

さすがは21世紀をリードする超大国 インドの人は目のつけどころがちがう。

2018年6月23日

脳出血のあと降圧薬をやめた患者の末路


Effect of Adherence to Antihypertensive Medication on the Long-Term Outcome After Hemorrhagic Stroke in Korea
2018  6月  韓国

脳内出血やくも膜下出血などの出血性の脳卒中は再発して重症化しやすい。

再発するいちばんの要因は高血圧であり、降圧薬をやめてしまうことがおおきなリスクになる。

そこで、降圧薬の順守率と長期の生存率との関連をしらべてみたそうな。


2002-2013に出血性の脳卒中で入院した高血圧患者について降圧薬の処方記録から服薬順守率をもとめ、
その後の脳卒中の再発や心筋梗塞、総死亡率との関連を解析したところ、


次のようになった。

・脳内出血1354人、くも膜下出血518人の記録を対象とした。

・服薬順守率80%以上の患者割合は、1年後46.8%、3年後43.2%、5年後41.7%だった。

・服薬順守率40%未満が再発や死亡するリスクは高順守率患者の1.80倍だった。

出血性の脳卒中で降圧薬を途中でやめてしまう場合の再発 死亡リスクはあきらかに高かった、


というおはなし。
図:降圧薬の遵守率と生存率

感想:

1年後ですでに半数以上が降圧薬を見限るんだな。

じぶんは降圧薬を完全にやめるのに5年以上かかった。それまでの数年間は2日に1粒飲むとかのペースでだらだらとつづけてた。

やめたら頻尿がビタッととまった。

2018年6月22日

喫煙量と脳動脈瘤の破裂リスク


Number of Cigarettes Smoked Per Day, Smoking Index, and Intracranial Aneurysm Rupture: A Case-Control Study
2018  5月  中国

未破裂の脳動脈瘤は成人の3%ちかくにみつかるという。

脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血は非常に死亡率が高いものの、未破裂の脳動脈瘤が破裂する年間リスクはそれほど高くない。

したがってクリッピングなどの手術を受けるよりも生活習慣から破裂予防に徹する方がメリットが大きいとする考え方もある。

いっぽう 喫煙習慣は脳動脈瘤破裂のあきらかなリスク要因であり、破裂患者の50-60%は喫煙者という報告がある。

喫煙を定量的にあつかった調査は少ないので、1日あたりの本数(CPD:cigarettes smoked per day)と喫煙インデックス(CPD x 喫煙年数)をつかって破裂リスクを評価してみたそうな。


脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者127人と、
同性同年齢の未破裂脳動脈瘤をもつ患者254人について喫煙状況を調査し、関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・破裂リスクと喫煙量は相関し、

・現在喫煙者の破裂リスクは非喫煙者の2.3倍、

・CPD20以上のヘビースモーカーでは2.8倍、

・喫煙インデックス800(1日20本40年間相当)以上だと11.4倍だった。

・1年以上吸っていない喫煙経験者のリスクは1.1倍だった。

1日の喫煙量と継続年数が脳動脈瘤の破裂リスクと用量関係にあった。喫煙習慣は改めることができるので禁煙で破裂予防しましょう、


というおはなし。
図:1日の喫煙量とくも膜下出血リスク

感想:

たまたま血管がこぶになっているところをクリップでつまむことを治療と称する考え方には「信念」以上の根拠はないと思っている。

その理由↓

1) 再出血予防のクリッピング手術のRCTは存在しない。(by ガイドライン

2) 入院が遅れるほど死亡率は下がる。

3) もっとも再出血しやすい24時間以内の手術にまったく効果がない。

2018年6月21日

失語症の早期リハビリ まったく効果ない


Efficacy of early cognitive-linguistic treatment for aphasia due to stroke: A randomised controlled trial (Rotterdam Aphasia Therapy Study-3)
2017  6月  オランダ

脳卒中のあとおよそ3分の1の患者は なんらかの失語症状を経験する。

失語症には言語聴覚療法が有効とされているが、それを開始するべきタイミングについては実はよくわかっていないうえに、これまでの研究では相反する結果が示されている。

そこで、早期の言語聴覚療法の効果を大規模にしらべてみたそうな。


脳卒中から2週間以内で失語症の患者152人を言語聴覚療法グループとなにもしないグループにわけた。

言語聴覚療法では特に発症初期の患者に有効とされる認知言語治療 "cognitive-linguistic treatment" を1日1時間x4週間おこなった。

3ヶ月後、6ヶ月後まで言語能力テスト(Amsterdam-Nijmegen Everyday Language Test)をフォローし 比較したところ、


次のようになった。

・いずれのタイミングでも両グループ間で言語能力スコアのあきらかな差はなかった。

発症から2週間以内に開始した4週間の集中的言語聴覚療法には、なんの効果もみられなかった。失語症の早期リハビリをする理由はないであろう、


というおはなし。
図:失語症の早期リハビリの効果

感想:

最初の3ヶ月間くらいは美味いものたべて映画でもみながらゆっくりするべきなんだよ。リハビリなんかしないで。

2018年6月20日

脳内出血やった子供の2年後


Neurologic Outcome Predictors in Pediatric Intracerebral Hemorrhage
2018  6月  アメリカ

子供の脳卒中のおよそ半数は出血タイプである。しかし脳内出血の予後の特徴についてはよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。


2007-2015、3施設で発症年齢が29日-18歳までの脳内出血患者について
2年後の神経学的予後 Pediatric Stroke Outcome Measure(PSOM)スコアを調べ関連要因を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者69人が対象となり、年齢中央値は9.7歳で 6人は死亡した。

・2年後、3分の1以上が重い障害をかかえていた。

・PSOMのトータルスコアは時とともに改善したが主に感覚運動スコアの改善によるもので、言語や認知機能の改善は小さかった。

・血腫体積が全脳の4%以上のとき2年後の回復が不良だった。

脳内出血を経験した2年後、3分の1の子供が重い障害をもっていた。この間の回復はおもに感覚運動機能で、血腫体積が全脳の4%以上のとき回復不良になりがちだった、


というおはなし。
図:小児脳内出血の2年後

感想:

これ↓わたしの脳動画、ぜんぶで1655ccある。4%だとこの場合 16.55x4=66cc、 出血量はその半分だったよ。

2018年6月19日

nature.com:手が動くために必要な脳の低周波活動とは


Low-frequency cortical activity is a neuromodulatory target that tracks recovery after stroke
2018  6月  アメリカ

さいきんの研究でリーチング動作の直前に運動野に数ヘルツの低周波活動が生じることがわかっていて運動の精度と関連があると考えられている。

この低周波活動が脳卒中で手が麻痺した患者でどのようになっているか、動物と人間で測定してみたそうな。


まず、前足でエサをとる訓練をしたネズミを脳卒中にして 皮質に貼った電極から損傷部位周辺の低周波活動を測定した。

次に、てんかん治療中で脳卒中も併発し手が麻痺した人間患者について、同様の低周波活動の有無を観測した。


次のことがわかった。

・健常なネズミでは リーチング動作の直前に低周波活動が確認できた。

・脳卒中ネズミではリーチング動作に際しての低周波活動が消失していた。

・低周波活動の回復と 前足の運動機能回復がつよく相関していた。

・人間患者についても 脳卒中で上肢麻痺のある場合、この低周波活動があきらかに低下していて、これはEEGでもデルタ波の変化として確認できた。

・さらに脳卒中ネズミのリーチングのタイミングに、運動野へ弱い低周波電気刺激を与えたところ 運動精度が60%向上した。

ひとの運動野を適切なタイミングで電気刺激できる装置ができれば脳卒中患者の運動機能の回復に役立つにちがいない、、


というおはなし。
図:脳卒中患者の皮質 低周波活動

感想:

低周波のオンラインrTMSならこれに近いことができるとおもう。
健常側の運動野のはたらきと時期

2018年6月18日

nature.com:上肢麻痺を改善する電気刺激のやりかた


Effects of 8-week sensory electrical stimulation combined with motor training on EEG-EMG coherence and motor function in individuals with stroke
2018  6月  台湾

脳卒中患者の上肢麻痺を改善できる有効な方法はほとんどない。

しかしさいきんの研究で末梢神経への電気刺激により麻痺上肢に対応する運動皮質の活動性が高まることが確認されている。

そこで抹消神経の電気刺激による上肢運動機能への長期的影響をしらべてみたそうな。


慢性期脳卒中で上肢麻痺の患者12人について電気刺激グループと偽刺激グループにわけた。

電気刺激は麻痺手の肘の内側に正中神経に沿って電極を貼り、100ヘルツの電気刺激パルスを20秒間隔でオン・オフを40分間繰り返した。

この直後に20分間の上肢運動訓練を行った。

これを週2回x8週間継続した。

さらに4週間後まで運動機能をフォローした。


次のようになった。

・電気刺激グループの脳波筋電コヒーレンスは偽刺激にくらべあきらかに高く、

・上肢運動機能(FMA)も電気刺激グループでのみその改善効果が得られ 4週間後まで継続した。

訓練まえの末梢神経電気刺激は慢性期脳卒中患者の上肢麻痺の改善に期待できる、


というおはなし。
図:末梢神経電気刺激による上肢機能改善効果


感想:

低周波治療器がそのままつかえそう。

おなじ研究チームによる2016の報告↓が参考になる。
脳の可塑性を促す腕の電気刺激方法

2018年6月17日

【日本男児限定】 脳内出血にならない朝食の条件とは


Dietary Intake of Energy and Nutrients from Breakfast and Risk of Stroke in The Japanese Population: The Circulatory Risk in Communities Study (CIRCS)
2018  6月  日本

これまで朝食と脳卒中との関連を長期に調べた研究は存在しないのでやってみたそうな。


40-59歳で秋田、大阪、高知、茨城の健康な住民3248人の食事調査をして、脳卒中の発生を25年間フォローしたところ、


次のようになった。

・230人が脳卒中になった。

・朝食を摂らない人にくらべて、しっかりと朝食を摂っているひとの脳内出血リスクは男性で0.38倍、女性は1.36倍だった。

・とくに朝食で飽和脂肪や一価不飽和脂肪をおおく摂る男性で脳内出血リスクが低かった。

飽和脂肪や一価不飽和脂肪をおおく含む朝食を毎日しっかりと摂っている日本人男性の脳内出血リスクはあきらかに低かった、


というおはなし。
図:朝食

感想:

一価不飽和脂肪はオリーブ油やアボカドに豊富。1日の量ではなくて朝食に摂ることがポイントなんだって。

さいきん朝食によく、バターを混ぜたご飯にオリーブ油をかけた納豆をのせて食べる。
続けよう。

2018年6月16日

リハビリ病院でセックスの話題がでない理由


Healthcare Professionals' and Patients' Views of Discussing Sexual Well-being Poststroke
2018  5月  アイルランド

脳卒中を経験すると性的ウェルビーイング(健康 満足度)に問題をかかえることがおおい。

しかしリハビリの現場でこの種の問題があつかわれることはすくなく患者が不満に感じているという報告がすくなくない。

その理由をしらべるべく、患者と医療関係者との会談をもうけてみたそうな。


脳卒中経験者50人に性的ウェルビーイングについてのアンケートをとり、
これとは別に脳卒中病棟の医療関係者6人と患者6人を1時間ほど話し合わせて内容を分析したところ、


次のことがわかった。

・アンケートによると性的テーマについて医療関係者と話し合ったことのある脳卒中経験者は1人もいなかった。

・脳卒中経験者はリハビリの場で性的ウェルビーイングの問題をとりあげてほしいと考えていたが、医療関係者は身体機能と医療行為にしか関心がないように感じられた。

・おおくの医療関係者が患者と性的テーマについて話し合うことを意識的に避けていた。個人的に恥ずかしい感情と専門家として必要な知識を持ち合わせていないことが主な理由だった。

・性的ウェルビーイングの問題を公式にみとめて情報提供用の資料を手渡すだけでも状況は改善すると考えられた。

ニーズにかかわらず医療関係者は脳卒中患者の性的ウェルビーイングの相談にのるために必要な訓練はおろか知識すらまったく持ち合わせていなかった、


というおはなし。
図:セクシャルウェルビーイング質問結果

感想:

相談したくないなぁ、、、担当のOTが芸っぽかったんだ。

2018年6月15日

食事コレステロールがおおいひとの脳卒中リスク


Dietary cholesterol intake and stroke risk: a meta-analysis
2018  5月  中国

食事から摂るコレステロールと脳卒中との関連について 過去20年おおくの研究がおこなわれてきたが、コレステロール摂取量の推定がグラムであったり食事回数、相対比であったりとまちまちであった。

そこでこれまでの研究をまとめてメタアナリシスしてみたそうな。


信頼性の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者269777人と脳卒中4604件を含む7つの研究がみつかった。うち3つは日本の研究だった。

・コレステロールを1日300mg以上摂ることの 摂取量がもっとも少ないグループに対する脳卒中リスクは0.98で、

・60歳以上の女性に限定しても1.18だった。

食事からのコレステロールを多く摂っても脳卒中リスクとの関連はなかった、


というおはなし。

図:コレステロールと脳卒中 メタアナリシス

感想:

300mgって玉子1個半程度。上限はなくなったので この5倍くらいの量での調査を期待。

[コレステロール]の関連記事

2018年6月14日

【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険


Aerobic Fitness Training: No Benefit in Early Subacute Stroke

PHYSICAL ACTIVITY IN SUBACUTE STROKE – PHYS-STROKE
2018  6月  ドイツ

ながらく脳卒中後の有酸素運動は脳の血液循環をうながし可塑性がすすみ、ひいては運動機能、日常生活動作の改善につながると考えられてきた。

しかし "超早期"の運動については最近のAVERT研究によりまったく効果がないばかりか危険すぎるとしてその意義は否定された。

そこで、"亜急性期" の患者についてはどうか、大規模にしらべてみたそうな。

先月の欧州脳卒中協会会議(ESOC 2018)でのPHYS-STROKE研究の報告。


複数施設での発症から5-45日の脳卒中患者200人を、
トレッドミルをつかった有酸素運動グループとリラックスしているだけのグループにわけた。

1回50分間x週5回x4週間のトレーニングを行い、3ヶ月後の歩行スピード、生活自立度、有害事象を複数の指標でしらべたところ、


次のようになった。

・両グループともに歩行スピード、日常生活動作にまったく差はなかった。

・しかし運動グループでは深刻な有害事象たとえば、再発 転倒 疼痛、のリスクがあきらかに高かった。

これまでにない大きな規模のマルチセンタースタディにより、脳卒中亜急性期のリハビリトレーニングはまったく効果がないばかりか非常に危険であることがわかった、


というおはなし。
図:PHYS-STROKE研究

感想:

すくなくとも2ヶ月間はトレーニングの類は一切しないで 美味しいものをたくさんたべてネットで映画でも観てることがベストな過ごし方だとおもうよ。

[AVERT]の関連記事

2018年6月13日

脳卒中から10年間の自殺率推移


Suicide death rates in patients with cardiovascular diseases - A 15-year nationwide cohort study in Taiwan
2018  6月  台湾

脳卒中など心血管疾患の自殺率について 疾患の種類べつの報告はすくないのでくわしくしらべてみたそうな。


2001-2015 台湾の国民健康保健研究データベースと死亡届記録から
心血管疾患の5つの種類、うっ血性心不全(CHF)、急性心筋梗塞(AMI)、脳梗塞(IS)、脳出血(HS)、ペースメーカー移植(PMI)の各ケースについて
自殺者を抽出して一般人と比較した。


次のことがわかった。

・100万人あまりの患者記録を解析した。

・10万人あたりの年間自殺率は、
59.6 CHF, 44.6 AMI, 57.6 IS, 44.6 HS, 54.0 PMI, 20.3 一般人、となった。

・一般人と比較した標準化死亡比SMRは、CHF(2.10),>IS (1.96)>PMI (1.86)> HS (1.65)>AMI (1.46) の順で高く、

・いずれも発症2年後にピークをむかえ、10年後にはすべての種類でほぼ同じ値に収まった。
心血管疾患のうち急性心筋梗塞と脳梗塞、脳出血の患者は早い時期に自殺率のピークを迎えた、


というおはなし。
図:心血管疾患の種類別 自殺率の10年間推移

感想:

いつもおもうんだけど、

もしもボタンを押した0.01秒後には自身の体を原子レベルの気体に完全に分解できる装置をだれもがいつでも利用できるとしたとき、

それでも自殺を思いとどまるべき理由ってなんだろう?って。

2018年6月12日

脳の損傷部位と上肢痙縮率


Post-stroke Upper Limb Spasticity Incidence for Different Cerebral Infarction Site
2018  6月  中国

脳卒中患者の17-40%は上肢に痙縮を経験する。この状態がつづくと疼痛や拘縮をまねくと考えられている。

脳の損傷部位と痙縮との関係についての報告はすくないので くわしくしらべてみたそうな。


脳梗塞患者498人についてMRIで梗塞の位置を確認し痙縮との関連を解析したところ、


次のようになった。

・痙縮患者数は時とともに増え、2週間後 12.5% → 12ヶ月後 42.5%になった。

・同様に上肢に疼痛をかんじる患者数も 2週間後 2% → 12ヶ月後 52.5% と増えた。

・脳の損傷部位別の痙縮者率は、基底核や内包 63.3%、大脳皮質 58.5%、脳幹 9.4%、小脳 8.3% だった。

脳卒中後の上肢痙縮率は脳の損傷部位によりことなり、基底核や内包を損傷した患者で痙縮率がもっとも高かった、


というおはなし。
図:脳卒中後の上肢痙縮と疼痛推移

感想:

見た目ふつうだけど、大リーグボール養成ギプスを着けているような感覚は常にある。

2018年6月11日

rTMS治療中に居眠りしていた脳卒中患者の末路


Sleep during low-frequency repetitive transcranial magnetic stimulation is associated with functional improvement in upper limb hemiparesis after stroke
2018  6月  日本

経頭蓋反復磁気刺激(rTMS)が脳卒中患者の運動機能の改善に期待できる、とする報告がおおくある。

経験的に rTMS治療中にウトウトと眠ってしまう患者ほど回復が良さそうだったので、眠気レベルの指標としての bispectral index (BIS)を測定して回復度との関連をくわしくしらべてみたそうな。


15日間のrTMS治療入院中、1日2回のrTMSセッションの直前と刺激中でのBISの低下度ΔBISを測定した。

この平均値が10以上を睡眠グループ、10未満を覚醒グループとして
Fugl-Meyer assessment (FMA)
Action Research Arm Test (ARAT)
との関連を解析した。

rTMSは対側の運動野に1ヘルツの刺激を20分間与えた。

BISは脳波の解析にもとずく簡便な睡眠深度測定法である。


次のようになった。

・睡眠グループ7人と覚醒グループ6人を対象とした。

・FMAスコアの改善度にグループ間のちがいはなかった。

・しかしARATスコアは睡眠グループがすぐれていて、

・ΔBISとARATスコアの改善度にあきらかな相関がみられ、ΔBISが15をこえるあたりからARATスコアが急激に向上した。

rTMS中の睡眠が上肢機能の改善を促すのかも、、、


というおはなし。
図:BIS変化分とARATスコアの相関

感想:

眠りは脳の可塑性をうながす。だから目をひんむいてリハビリがんばる人よりも眠ってばかりの怠け者のほうがじつは回復がいい。
ビデオを観て昼寝するだけのリハビリとは

眠っている間にリハビリがすすむオフライン運動学習とは

リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

2018年6月10日

脳内出血後の発熱と1年後の生活の質


Fever Burden and Health-Related Quality of Life After Intracerebral Hemorrhage.
2018  3月  アメリカ

脳内出血患者の20-40%は発熱を経験する。最初の72時間に37.5℃を超える状態がつづくと死亡や入院期間の延長、回復不良のリスクが非常に高まることが報告されている。

発熱と生活の質(QoL)との関連については報告がないのでしらべてみたそうな。


脳内出血患者106人について、
発症から14日間に38℃以上あった日数と、
28日後、3ヶ月後、1年後の健康関連の生活の質(HRQoL)との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・発熱した日数がふえるごとにHRQoLの移動および認知機能に関するスコアが低下した。

・この関連は重症度や年齢、フォロータイミングを考慮にいれても変わらなかった。

脳内出血のあと 発熱した日がふえるごとに1年後の移動 認知関連QoLが低下していた、


というおはなし。
図:脳内出血後の発熱日数とHRQoL

感想:

じぶんもしばらく熱がおさまらなかったので関心をもった。

2018年6月9日

脳卒中の二重課題干渉時の優先順位付け


Dual-Task Walking in Challenging Environments in People with Stroke: Cognitive-Motor Interference and Task Prioritization
2018  5月  オランダ

歩行は強く意識しなくてもできる運動であるが、これに別の認知課題が加わると歩行スピードが落ちたり認知課題スコアの低下を招く。

これを「二重課題干渉効果」と呼び、特に脳卒中患者で顕著であることがわかっている。

歩行課題に障害物を置き難度を高めた場合、認知課題よりも運動課題が優先されると考えられていて、これを 姿勢優先原理(posture-first principle)と呼ぶ。

そこで、歩行課題にバリエーションをもたせたときに 二重課題干渉効果と優先度に違いがでるものか実験してみたそうな。


脳卒中患者30人について、

連続引き算をさせながらの10メートル歩行を次の3条件下でおこなった。

*平坦路
*障害物あり
*仮想の障害物がプロジェクターで突然投影される

引き算精度と歩行スピードを測定し 解析したところ、


次のようになった。

・2種の障害物状況下で平坦路よりも強い二重課題干渉効果がみられ、

・これら2つの障害物状況下での干渉効果のおおきさに差はなかったが、

・課題優先度には差が生じた。

・リアル障害物では運動課題がおおきく優先されたが、プロジェクター障害物では認知課題スコアがより優れていた。

脳卒中患者の二重課題干渉下で環境のちがいにより優先度に差が生じることを示せた、


というおはなし。
図:脳卒中の二重課題干渉

感想:


たとえると運転中、緊急車両が近づいてきて頭がいっぱいいっぱいになり信号をあえて無視してしまった、、、みたいなものかな。

[二重課題]の関連記事

2018年6月8日

性的にやる気がなくなる降圧薬の種類がわかった


Risk Factors, Depression, and Drugs Influencing Sexual Activity in Individuals With and Without Stroke
2018  5月  アメリカ

脳卒中患者のおおくは性的活動頻度の低下や性機能不全を経験するという。

アメリカ全国健康栄養調査をつかって心血管要因と性的活動レベルとの関連をくわしくしらべてみたそうな。


40-59歳の3649人について脳卒中経験の有無と使用薬、性的活動について調査し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・使用する薬の種類がおおく喫煙習慣があると性的活動頻度が低かった。

・脳卒中経験のある者も性的活動頻度があきらかに低かった。

・特に アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害タイプの降圧薬やスタチンの使用者で性的活動頻度が低かった。

脳卒中経験者の性的活動頻度はあきらかに低く、とくにACE阻害薬やスタチン使用者で顕著だった、


というおはなし。
図:脳卒中経験と性的活動頻度

感想:

その種のもんだいがまったくないと謳われてきたARB(アンジオテンシンII受容体拮抗)タイプの降圧薬でもかなり性欲減退したんだって。

2018年6月7日

小児脳梗塞の5年後


Motor function daily living skills 5 years after paediatric arterial ischaemic stroke: a prospective longitudinal study
2018  5月  オーストラリア

小児の脳梗塞では運動機能に障害が生じることがすくなくない。これを長期に詳しくフォローした報告はすくないのでしらべてみたそうな。


急性脳梗塞の小児33人について、発症タイミングの出生からの時期別に、
新生児:~30日、
幼児:30日~5年、
学童:5年~、
のグループにわけて、
発症から5年後の運動機能、神経症状等を複数の評価基準で測定したところ、


次のことがわかった。

・5年後の 運動機能、生活の質、疲労、適応行動、日常生活動作、書字スピードが同年齢の一般人とくらべて、あきらかに劣っていた。

・就学まえの幼児期に発症したグループで運動機能の細かな動作と全体的な動作のいずれもが おおきく低下していた。

・細かい動作の障害は皮質下のおおきな脳損傷に関連し、

・全体動作の障害は幼児期の発症で両側の損傷と関連があった。

小児の急性脳梗塞では運動機能に障害が残るリスクが高く、特に就学前の幼児期での発症で顕著だった、


というおはなし。
図:子供の脳卒中後の機能評価

感想:

言語をあっという間に習得してしまうほどに脳が柔らかい子供ですら麻痺が治らないのだから、おとながトレーニング繰り返して良くならないのは無理もない。
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

2018年6月6日

微小脳出血と軽度認知障害


Cerebral Microbleeds Are Associated With Mild Cognitive Impairment in Patients With Hypertension
2018  6月  中国

微小脳出血は脳小血管病を反映していると考えられMRIで確認できる。いっぽう脳小血管病はアルツハイマー病など認知症の要因の1つでもある。

そこで、微小脳出血と 軽度認知障害との関連をくわしくしらべてみたそうな。


50歳以上、高血圧症で脳卒中歴のない983人について、

微小脳出血の数と位置 および認知機能検査の結果との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・164人が軽度認知障害と診断された。

・軽度認知障害の者ほど微小脳出血がおおかった。

・微小脳出血の位置(皮質や深部)によらずその存在自体が軽度認知障害と関連し、

・年齢、性別、教育歴、他の心血管要因 等を考慮にいれてもこの関連は変わらなかった。

・特に微小脳出血が5個以上あると認知機能スコアがあきらかに低く、情報処理スピードなどのパフォーマンスが悪かった。

微小脳出血の存在およびその個数が高血圧患者の軽度認知障害とあきらかに関連していた、


というおはなし。
図:微小脳出血 皮質と深部

感想:

こういうものが見つかるのが怖くて ずっとMRI撮ってないんよ。

[微小脳出血]の関連記事

2018年6月5日

近所にファーストフード店があると脳卒中になるの?


Association of Fast‐Food and Full‐Service Restaurant Densities With Mortality From Cardiovascular Disease and Stroke, and the Prevalence of Diabetes Mellitus
2018  5月  アメリカ

ファーストフードは高カロリーで 脂肪 砂糖 塩がおおく含まれ、ビタミンやミネラルといった栄養素に乏しい。

頻繁なファーストフード店の利用が肥満をもたらし やがて脳卒中などの心血管疾患を招くというシナリオが考えられるが、これまでの研究結果はかならずしもそれと一致しない。

そこで、地域の人口あたりのファーストフード店密度と脳卒中など心血管疾患死亡率との関連を詳しくしらべてみたそうな。


アメリカのCDCと農務省が公開しているデータをもちいて解析したところ、


次のことがわかった。

・ファーストフード店密度は脳卒中や心血管疾患の死亡率とあきらかな正の相関があった。

・これが因果関係にあるとしてもその影響はわずかなもので、地域でファーストフード店があらたに10店舗開業したとき55年間に1人の脳卒中死亡者が増えるという程度だった。

地域のファーストフード店密度が高くなると脳卒中死亡リスクは上昇した。しかしその影響はごくわずかなものだった、


というおはなし。
図:ファーストフード店密度と脳卒中死亡リスク

感想:

ファーストフードがすべて劣悪ではないし、たくさん店があったからといって全店巡るわけでもない。

日本の誇るファーストフード店「立ち食いそば屋」を近所につくってほしい。コストとクオリティのバランスがどの側面からみても絶妙だと思うんだ。

2018年6月4日

コイル塞栓術が安全 はホントか


Outcome After Clipping and Coiling for Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage in Clinical Practice in Europe, USA, and Australia
2018  5月  フィンランド

くも膜下出血の再出血を防ぐための手術としてクリッピングとコイリングがある。

コイリングのほうが患者の予後が良いとするシステマチックレビューがでて以来、コイリングの比率が徐々に高まってきている。

この流行によりおおくの経験の浅い医師が参入するようになり またコイリングをアシストするあらたな器具も次々と投入されてきている。

そこで過去10年間のクリッピングとコイリングの現場状況を大規模にくらべてみたそうな。


ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの22サイトが参加する行政管理データベースから患者7658人と、

ヨーロッパ2サイトの臨床データベースの1501人ぶんを別々に解析したところ、


次のことがわかった。

・行政データベースでは14日後の致命率は クリッピング6.4%、コイリング8.2% だった。

・臨床データベースでは14日後の致命率は クリッピング5.7%、コイリング9.0% だった。90日後の致命率もコイリングが高く、

・90日後の機能的回復不良率はコイリングのほうが低かった。

ワールドワイドな大規模調査ではくも膜下出血のコイリングは致命率が高くクリッピングよりすぐれているとは言えなかった、


というおはなし。
図:脳動脈瘤の位置とコイル クリップの棲み分け

感想:

うえのグラフみると、手の届きにくい場所ではほとんどコイルしか選択の余地がなく棲み分けができているようにも見える。

けどそれ以前に、再出血予防手術の必要性がいまだ理解できない、、、↓
くも膜下出血の超早期手術はじっさいどうなの?

2018年6月3日

マグネシウムが少ないと脳動脈瘤が破裂する?


Low Serum Calcium and Magnesium Levels and Rupture of Intracranial Aneurysms
2018  5月  アメリカ

さいきん低カルシウム血症や低マグネシウム血症が脳内出血の拡大と関連しているという報告がなされるようになった。

これはカルシムやマグネシウムが血小板機能や凝固カスケードに関与していることが理由と考えられている。

脳動脈瘤の破裂との関連についての報告はないのでしらべてみたそうな。


脳動脈瘤患者1275人の医療記録から、血清カルシウム マグネシウム アルブミン濃度と破裂の有無との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・このうち70.6%の患者の脳動脈瘤が破裂していた。

・血清カルシウムとマグネシウム濃度は脳動脈瘤の破裂とあきらかな逆相関にあり、オッズ比はそれぞれ0.33, 0.40 だった。

血清カルシウム マグネシウム濃度が低いとあきらかに脳動脈瘤が破裂しやすかった、


というおはなし。
図:カルシウム マグネシウムと脳動脈瘤破裂

感想:

カルシウムはともかくマグネシウムってどう摂ればいいかわかりにくい。

そこで「まぐねしお」↓ ツカッタコトナイケド
脳卒中が回復する食塩の条件がわかった!

2018年6月2日

慢性期脳卒中での日中の眠気の正体 Sci Rep.


Post-stroke insomnia in community-dwelling patients with chronic motor stroke: Physiological evidence and implications for stroke care
2018  5月  ドイツ

脳卒中患者の睡眠呼吸障害についての報告はおおい。しかし慢性期の脳卒中経験者について1日をとおした睡眠の質を測定した研究はとてもすくない。

そこで夜間の睡眠ポリグラフィー検査と日中の眠気をしらべる睡眠潜時反復検査(Multiple Sleep Latency Test)でくわしくしらべてみたそうな。


発症から1年以上経つ脳卒中経験者22人と年齢性別などが一致する一般の22人について調査したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中経験者は夜 眠りにつくまでの時間が長く、ベッドの中で眠っている時間の比率(睡眠効率)も低かった。

・日中は脳卒中経験者のほうが覚醒効率は高く、夜間の睡眠不足を取り戻そうとする傾向はみられなかったが、

・代わりに日中の注意力スコアがあきらかに低かった。

慢性期の脳卒中経験者は睡眠効率がひくく不眠傾向がみられた。日中の覚醒効率は高いいっぽう注意力は低かった、


というおはなし。
図:脳卒中患者の日中の覚醒効率

感想:

日中ウトウトとしているのではなく、ボーッとしているってこと。

2018年6月1日

復職後 なん年間仕事を続けられるのか 日本で


Employment sustainability after return to work among Japanese stroke survivors
2018  5月  日本

生存率の改善と高齢化から こんご日本では労働可能な脳卒中経験者が増加すると考えられる。

彼らが職場復帰したのち どれくらいのあいだ仕事を継続していられるものか よくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。


大企業勤務で2000-2011に復職をはたした脳卒中経験者284人をフォローしたところ、


次のことがわかった。

・仕事継続率は復職後1年時点で78.8%、5年では59.0% だった。

・復職後、平均7.0年間 仕事を続けていた。

・また 30.3%は復職後に医師の診断つきのなんらかの病気休業を経験していた。

・病気休業の原因は、脳卒中の再発が57.0%、精神障害が20.9%、骨折が10.5% だった。

・21人は復職してから自主的に退職した。退職率は1年で4.9%、5年で7.6%だった。

・年齢が50以上だと仕事が継続できなくなるリスクが2倍以上だった。

復職後の脳卒中経験者には労働衛生の専門家のサポートが求められている。特に脳卒中の再発や精神障害 骨折には注意が必要である、


というおはなし。
図:脳卒中からの復職後の仕事継続率

感想:

大企業でこの数字だからな、、、

2018年5月31日

Stroke誌:抗血小板薬で微小脳出血そして脳内出血


Antiplatelet Therapy, Cerebral Microbleeds, and Intracerebral Hemorrhage
2018  5月  中国

MRIの普及により微小脳出血が確認できるようになった。微小脳出血は小血管病を反映し、その存在は脳内出血につながると考えられている。

これまで抗血小板薬と微小脳出血の関連をしめす研究がいくつもなされ、2つのメタアナリシスが報告されたがいずれも規模が小さかった。

それらを上回る規模のメタアナリシスで抗血小板薬と微小脳出血との関連を確認してみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者20988人を含む37の研究がみつかった。

・微小脳出血は抗血小板薬使用者におおかった。

・抗血小板療法は深部よりも皮質での微小脳出血とあきらかな関連があった。

・さらに脳内出血の発生率は微小脳出血のある者で高かった。

抗血小板薬使用者は皮質の微小脳出血リスクが高く、微小脳出血があると脳内出血になりやすかった、


というおおはなし。
図:抗血小板療法と微小脳出血

感想:

血液サラサラのおくすりを飲んでいると、高次脳機能を司る皮質にいくつもの穴が空き やがてドバっと出血するかもよ、、、

ってことなんだけど いまさら感がある。

[抗血小板薬]の関連記事

2018年5月30日

日本人の仮面高血圧と脳卒中 JAMA Cardiol.


Association of Cardiovascular Outcomes With Masked Hypertension Defined by Home Blood Pressure Monitoring in a Japanese General Practice Population
2018  5月  日本

血圧は1日のうち 職場 自宅 睡眠中など環境次第で変動し、病院で測定した結果とかならずしも一致しない。

高血圧患者のうち30-50%は病院では血圧が正常値を示すものの そとでは高値をしめす。これを「仮面高血圧」という。

仮面高血圧を見つける方法の1つとして家庭での血圧測定がある。

そこで、「日本人における家庭血圧の心血管予後推定能に関する研究」(J-HOP研究:Japan Morning Surge-Home Blood Pressure study)をつかって仮面高血圧と脳卒中リスクとの関連をしらべてみたそうな。


平均年齢65の日本人男女4261人を4年ほどフォローした。

仮面高血圧(masked hypertension)は、
自宅で135/85以上、病院で140/90未満

白衣高血圧(white-coathypertension)は、
自宅で135/85未満、病院で140/90以上、

持続性高血圧(sustained hypertension)は、
自宅と病院ともに140/90以上、
とした。


次のことがわかった。

・この間に74の脳卒中と77の冠動脈疾患があった。

・正常血圧にくらべ仮面高血圧では脳卒中リスクが2.77倍であきらかに高かった。

・いっぽう仮面高血圧は冠動脈疾患とはなんの関連もなかった。

家庭用血圧計でみつかる仮面高血圧患者はあきらかに脳卒中になりやすかった、


というおはなし。
図:仮面高血圧と脳卒中リスク

感想:

当時わたしは その「仮面をかぶる方法」を編み出し自在に操っていたのだが、、↓↓↓
一時的に大きく血圧を下げる方法

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