2018年9月24日

脳内出血で亡くなる患者が欠かさないこと


Functional outcome and survival following spontaneous intracerebral hemorrhage- A retrospective population-based study
2018  9月  ノルウェー

脳内出血は脳卒中全体の10-15%を占め脳梗塞よりも死亡リスクが高い。

脳内出血の予後悪化の要因として血腫体積や脳室内出血などが指摘されているがどの調査もサンプルサイズがおおきくない。

そこで比較的大規模に脳内出血の予後悪化につながる要因をしらべてみたそうな。


平均年齢75、452人の脳内出血患者の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・1週間後の死亡率は22.1%、3ヶ月後では39.2%、12ヶ月後 44.9%で、

・生活自立度mRSスコアの中央値は、発症前は1、3ヶ月後に5、12ヶ月後は3だった。

・mRS 5-6に相当する重度の障害や死亡に関連する予測因子は抗血栓薬の使用、血腫体積60mL以上、脳室内出血などだった。

脳内出血は死亡率が高く 3ヶ月後に3分の1以上の患者が死亡または重度の障害を負っていた。彼らには抗血栓(antithrombotic)薬を使っていたという共通点があった、


というおはなし。
図:抗血栓薬と脳内出血死亡率

感想:

脳内出血に占める抗血栓薬使用者は4割以上で、かれらは出血が止まらずに亡くなる↓。
血液サラサラのおくすりで脳内出血が急成長する

2週間ほどまえ、世界でもっとも権威ある医学誌でもその危険性があきらかにされた↓。
NEJM誌:アスピリンは予防効果ないうえにとても危険

ホントみんな勇気あるとおもう。じぶんは降圧薬ですら続けられなかったよ。

2018年9月23日

高血圧と認知症の関係


Hypertension and High Blood Pressure Are Associated With Dementia Among Chinese Dwelling Elderly- The Shanghai Aging Study
2018  9月  中国
高血圧症の罹患率は世界的に高く、成人の3分の1、65歳以上の3分の2に及ぶ。

いっぽう血圧が低いと認知症リスクが高まるとする報告もあり、高血圧と認知症との関連については結論がでていない。

そこで中国人を対象に血圧と認知機能との関連を大規模にしらべてみたそうな。


60-85歳の上海住民3327人について医療記録から高血圧症の診断の有無をしらべ、さらに早朝の血圧測定を行い、
認知機能テストの結果(正常、認知障害、認知症)との関連を解析したところ、


次のようになった。

・認知症患者に占める高血圧症の割合は76.5%とあきらかに高く、次いで認知障害の59.3%、認知正常の51.1%だった。

・年齢、性別、教育歴、一人暮らしなどの関連要因を考慮にいれてなお、高血圧歴、高血圧の期間、高血圧の重症度が認知症リスクと正の相関を示した。

・これらは早朝測定の収縮期/拡張期血圧についても同様の関連を示した。

高血圧だと認知症になりやすいのかも、、


というおはなし。

図:高血圧と認知症リスク


感想:

高すぎても低すぎてもいけないんだろね↓きっと。
脳梗塞のあと認知障害をふせぐ血圧がわかった

2018年9月22日

脳卒中患者の糖尿病率


The prevalence of Diabetes and its effects on Stroke Outcomes; a meta-analysis and literature review
2018  9月  オーストラリア
糖尿病は世界的に増加傾向にある。

しかも神経血管疾患のリスク要因であり 少なからぬ脳卒中患者が糖尿病であると考えられる。

そこで、これまでの研究から脳卒中患者に占める糖尿病の率と予後との関連についてメタ解析してみたそうな。


2004-2017の関連する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・39の研究がみつかり、脳卒中患者に占める糖尿病の率は28%となった。

・脳卒中の種類別では、脳梗塞の33% 脳出血の26%が糖尿病だった。

・高血糖または糖尿病の患者のほとんどは、死亡率や神経症状、機能回復、入院日数、再入院率、再発率の点で 糖尿病でない脳卒中患者よりもよくなかった。

・研究ごとに糖尿病の判定基準(血糖値とHbA1cの組み合わせ)にばらつきがあった。

脳卒中患者のおよそ3人に1人が糖尿病だった、


というおはなし。
図:糖尿病

感想:

たとえ脳卒中でなくてもおよそ5人に1人は糖尿病判定にひっかかるんだよね。だからたいしておどろかない。

2018年9月21日

ひんぱんな座位の中断は血糖値を改善するか


Breaking up sitting time after stroke (BUST-stroke)
2018  9月  オーストラリア

脳卒中経験者のおおくは目覚めている時間の75%を座った状態ですごしているという。

いっぽう食事のあとの血糖値の急激な上昇は血管内膜への酸化ストレスを高め動脈硬化の原因となる。

そこで、脳卒中経験者が座っているときに小休止をはさみ軽い運動をさせて血糖値の改善をしらべてみたそうな。


発症から3ヶ月-10年で症状のかるい脳卒中経験者19人について、
つぎの3パターンの実験を日をわけてランダムに行った。

1)8:00-16:00まで8時間とおして座り続ける。
2)座り続ける時間の30分ごとに3分間のブレイクを入れて立位での軽い運動をする。
3)座り続ける時間の30分ごとに3分間のブレイクを入れて軽いウォーキングをする。

この間、食事を摂り、30分~1時間おきに血液を採取した。


次のようになった。

・血糖値変動曲線下の面積に、座位、立位、歩行での有意な差はなかった。

・インスリンについても同様だった。

脳卒中経験者が座り続ける時間に頻回に軽い運動の時間をはさんではみたものの血糖やインスリンにあきらかな変化はなかった、


というおはなし。
図:脳卒中経験者の血糖値変動 座位 立位 歩行

感想:

この調査にはつづきがあって、収縮期血圧を下げることには成功したそうである。

以前は食事のあと失神するくらい眠くなった。たぶん血糖の問題。
ご飯をよそう際に毎回きっちりと計量する習慣をつけてからは眠くなることが激減した。

2018年9月20日

脳外科医のつぶやきはフェイクニュース


#Fake news- a systematic review of mechanical thrombectomy results among neurointerventional stroke surgeons on Twitter
2018  9月  カナダ

ツイッターやブログ、フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス SNSを用いて情報発信する医師が増えた。

彼らのうち、特に脳外科医は脳梗塞の血栓をかき出す機械的血栓除去術(mechanical thrombectomy)の事例をしばしばSNS上で得意げに報告している。

彼らがうまくいったケースだけを報告している傾向、いわゆる出版バイアス(publication bias)がどの程度のものなのかくわしくしらべてみたそうな。


2006-2018のツイッター上で 発信者自身がおこなった急性脳梗塞患者への機械的血栓除去術の事例を複数のレビュアーがまとめあげて、

この分野のゴールドスタンダードであるHERMESトライアルの結果(文献値)と比較したところ、


次のことがわかった。

・ツイッター事例の再灌流成功率は 94% vs 71%で文献値よりもあきらかに高く、

・その回復良好率は 81% vs 21% で非常に高かった。

・合併症や対応すべき脳出血事例の報告はまったくなかった。

・文献値では15.3%ある致命率もツイッターでは 0%だった。

脳外科医がSNSに流す情報は現実とかけはなれていた。信用してはいけない、


というおはなし。
図:機械的血栓除去の成果 ツイッター情報と文献値との乖離


感想:

この種のバイアスが自然に生じてしまうことや自身のもつ社会的影響力の大きさを理解できているほとんどのお医者さんは、そもそもSNSで仕事のことを話さない。

それよりも、21世紀にもなってひとの脳血管を下水管掃除のように扱う治療法?があることに驚きを禁じ得ない。

2018年9月19日

NEJM誌:アスピリンは予防効果ないうえにとても危険


Effect of Aspirin on Cardiovascular Events and Bleeding in the Healthy Elderly
2018  9月  オーストラリア

アスピリンの脳卒中など心血管イベントの1次予防効果についてはいまだ結論がなく、その恩恵をもっとも受けるであろう高齢者で命にかかわるような出血がおきているという報告がいくつもある。

しかしこれらの報告はサンプル数がじゅうぶんでなかったので、大規模にきっちりと確かめてみたそうな。


70歳以上で心血管疾患の経験のない19114人を2グループにわけて、いっぽうには低用量アスピリン100mgを与えた。

心血管疾患の発生および重大な出血の有無を4.7年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・心血管イベントの発生率は、年間1000人あたり アスピリングループ10.7件、偽薬グループ11.3件で有意な差はなかった。

・命にかかわる重大な出血は、 8.6件 vs. 6.2件でアスピリングループがあきらかに多かった。

高齢者への低用量アスピリンは重大な出血を起こすリスクが非常に高いうえに心血管疾患を予防する効果はまったくなかった、


というおはなし。
図:アスピリンの脳卒中予防効果


感想:

これには続きがあって、アスピリングループでがんで死ぬ高齢者が増えたんだって。

でも急にこんなこと言われても、飲み続けてきたひとは困っちゃうとおもう。

抗血栓薬の市場は数兆円規模だからNEJM誌といえどすぐには影響ないだろね。
Stroke誌:抗血小板薬で微小脳出血そして脳内出血

退院のあと抗血栓薬で大出血の頻度と特徴

アスピリンの重大出血リスクはワルファリンと同じ

アスピリンを長く使うとワルファリンよりも出血する

Stroke誌:抗血小板薬を複数使っていると脳内出血で死ぬ

2018年9月18日

自身の機能評価が他人とズレる理由


Association between incongruence about survivor function and outcomes among stroke survivors and family caregivers
2018  9月  アメリカ

脳卒中患者が自宅へ退院したのち、患者の29% 介護者の41%にうつ症状があらわれるという報告がある。

患者の身体や認知機能 社会参加についての自身の評価と介護者による評価のズレがこれまでもおおく指摘されてきた。

そこで、患者と介護者のこれら不一致を 各機能的側面と時間経過についてくわしくしらべてみたそうな。


脳卒中患者とその家族介護者の32組を選び、
患者の記憶と思考能力、コミュニーケーション、移動能力、日常生活動作、社会参加、の各項目について、
患者自身によるスコアと介護者によるスコアの両方をしらべた。

この調査を発症から3ヶ月後 7ヶ月後に実施して経過比較した。


次のようになった。

・脳卒中患者は自身の記憶 思考能力を、介護者による評価よりもはるかに高く考えていた。

・3-7ヶ月後、患者は自身のコミュニーケーション能力の進歩を介護者よりもとても高く評価していた。

・記憶と思考能力についての患者と介護者の不一致は両者が感じる苦痛(distress)と関連があり、

・日常生活動作評価での不一致および社会参加評価の不一致は、いずれも介護者の苦痛と関連があった。

脳卒中患者の各種機能に関する自己評価と介護者による評価の不一致はめずらくなかった。これらの食い違いはすぐに解決するものではなく 両者の苦痛の原因になりえた、


というおはなし。
図:脳卒中患者の機能の自己評価と介護者による評価の食い違い


感想:

ズレの原因には脳卒中患者による過大評価と 介護者による過小評価の2つの可能性があるけど、
経験的に あきらかに患者自身の過大評価がもんだい。

これは自動車運転にたいする姿勢によくあらわれる。

健康なひとが細心に注意してさえ事故を起こすのに、脳が破壊されて手足にしびれの残る状態でなお「自分なら運転はだいじょうぶ!」と考えられる "異常さ" にいまごろになって思い至るようになったよ。

2018年9月17日

アルコール常習者の脳内出血


Brain Magnetic Resonance Imaging of Intracerebral Hemorrhagic Rats after Alcohol Consumption
2018  8月  台湾

アルコール摂取量がおおいほど脳内出血になりやすいことはわかっている。

いっぽう脳内出血がおきたあとへの影響については動物実験があって、
急性アルコール中毒後の脳内出血では血腫と脳浮腫の増大が報告されている。

常習的にアルコールを摂っていた場合の脳内出血後の影響についてはわかっていないので実験してみたそうな。


ネズミ16匹を2グループにわけて、
いっぽうにはアルコール度数10%の水を与え、もういっぽうには普通の水を与えた。

4週間後にコラゲナーゼ注入による脳内出血を起こし、その後の経過をMRIでフォローしたところ、


次のようになった。

・血腫体積はアルコール水グループであきらかに大きかった。

・しかし脳浮腫の進行、神経症状については両グループで差がなかった。

常習的なアルコール摂取のグループでは脳内出血後の血腫がおおきかった、


というおはなし。
図:長期アルコール摂取後の脳内出血の経過

感想:

さいきん、サッポロビールが99.99(フォーナイン)というアルコール飲料を出した。この実験とおなじ度数約10%の水。売れているのかやたら目にする。

死亡した際には脳を解剖させてくれるという条件でフォーナインの生涯無料オファーをすれば、献体ボランティアがたくさん集まって良いデータが取れると思うんだ。

2018年9月16日

脳卒中の統計学習 繰り返し訓練が効かないわけ


Statistical Learning Impairments as a Consequence of Stroke
2018  8月  スイス

視覚や聴覚などからの周期性のある刺激パターンを無意識のうちに覚えてしまう脳の働きを統計学習(statistical learning)とよぶ。これは幼児期から現れ 言語学習での選択的注意力に関係すると考えられている。

「統計学習」は最近のアイデアであるため、脳のどの部位が司るかなどよくわかっていない。

そこで、統計学習が年齢や脳損傷によりどう影響をうけるものか実験してみたそうな。


若年健常者25人、高齢健常者10人、脳卒中で右脳損傷+半側空間無視の4人、右脳損傷で半側空間無視なしの5人について、

音声による単語列の連続呈示をくりかえし学習させた。

これらの単語列は一定確率で音節が入れ替わるようになっている。それを識別できる精度をもって統計学習能力とした。


次のようになった。

・若いほうが統計学習能力は高く 加齢にしたがい低下した。

・右脳損傷と左脳損傷のいずれも統計学習能力の低下を示し、半側空間無視の有無にはよらなかった。

・統計学習能力の低下は、脳卒中による言語能力や認知機能の低下とも関連がなかった。

脳卒中患者では統計学習能力が低下していた。彼らへの繰り返し訓練で成果があがらない理由はこのあたりにあるのかも、、


というおはなし。
図:統計学習の実験

感想:

「繰り返し訓練で成果があがらない」の例↓
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

コクランレビュー:反復課題訓練 エビデンスない

訓練繰り返すほど良くなると思ってたら そうでもなかった

JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

2018年9月15日

内臓脂肪がおおい運動嫌いが再発する


Moderate-to-vigorous physical activity and the risk of stroke recurrence in patients with a history of minor ischemic stroke in Japan
2018  9月  日本

脳卒中のあきらかなリスク要因として運動不足があげられる。

しかし脳梗塞の再発と運動不足との関連については研究例が限られていて、しかも運動強度が自己申告による主観指標を用いているものがおおかった。

そこで脳卒中患者に加速度計を着けての正確な運動強度測定と 再発の有無との関連をくわしくしらべてみたそうな。


平均年齢67、過去6年ほどの間に心原性でない軽い脳梗塞を経験した45人について、加速度計を10日間着けて運動状況をモニターし、内臓脂肪レベルも測定した。

医療記録からこれまでの再発の有無との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・9人が再発を経験していた。

・かれらはいずれも内臓脂肪レベルが高く、中レベル(3METS)以上の運動があきらかにすくなかった。

・他の要因を考慮にいれてなお内臓脂肪のおおさと中レベル以上の運動習慣が再発のあきらかなリスク要因だった。

軽い脳卒中を経験した 内臓脂肪がおおく中レベル以上の運動をあまりしない者は再発しやすい、


というおはなし。
図:運動量と内臓脂肪量と脳卒中再発

感想:

上のグラフがわかりやすくて気に入った。
「内臓脂肪のおおい運動嫌い」に再発が集中している。

2018年9月14日

脳卒中を検索する季節と地域


Seasonal and Geographic Patterns in Seeking Cardiovascular Health Information- An Analysis of the Online Search Trends
2018  9月  アメリカ

脳卒中など心血管疾患の住民レベルの大規模調査から 時間的 地域的変化を読み取ろうとしたばあい 結果が得られるまでにどうしても数年の遅れが生じてしまう。

いっぽうこの10年間のインターネット人口の指数関数的増加は国民のほとんどをカバーするまでになった。

そこでGoogle Trendsサービスで一瞬で得られる過去から現在までの相対的検索ボリューム(Relative search volumes :RSVs)の変化と実際の調査データとの関連を確認してみたそうな。


アメリカとオーストラリアについて、2004-2014の心血管疾患に関する相対検索ボリュームのGoogle Trendsの結果と、
CDCが公開している実測データとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・夏に比べて冬のRSVsはアメリカで15%高く、オーストラリアでは45%高かった。

・アメリカでは8月に比べて2月のRSVsは36%高く、オーストラリアでは1月に比べ8月のRSVsは75%高かった。

・アメリカとオーストラリアいずれも、RSVsは冬がピークで夏が谷となるはっきありとしたパターンを示した。

・地域(州)ごとのRSVsと心血管疾患、心臓病、冠動脈疾患、心不全、脳卒中の各死亡率とのあきらかな関連がみられた。

心血管疾患に関するグーグル検索の相対ボリュームは冬に最大で夏に最小となるはっきりとした変化を示した。また地域ごとの相対検索ボリュームと心血管疾患死亡率とのあきらかな関連も確認できた、


というおはなし。
図:相対検索ボリュームの季節変化

感想:

「片麻痺」の相対検索ボリューム県別ランキング↓ なぜなのか?

2018年9月13日

慢性期の上肢麻痺対策はこれ↓


Repetitive Peripheral Sensory Stimulation and Upper Limb Performance in Stroke- A Systematic Review and Meta-analysis
2018  9月  ブラジル

脳卒中患者の上肢麻痺を改善するために 末梢神経に繰り返し求心性の刺激をあたえると良いとする考え方があって、これまで繰り返し運動による刺激や電気刺激、振動刺激などが試みられているがその効果についていまだ結論はでていない。

そこで これまでの研究成果をメタアナリシスするべく刺激条件を限定して、反復末梢感覚電気刺激(repetitive peripheral sensory stimulation:RPSS)の研究にしぼって解析してみたそうな。


RPSSの典型条件である 皮膚のうえから筋収縮を起こさせない程度の電気刺激(1msパルスを10Hzで500ms間隔でon/offを2時間繰り返す)を用いた脳卒中患者を対象とした研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・1948-2017 に5つの研究がみつかった。

・RPSSグループに統計学的有意な改善効果がみられた。

・とくに慢性期患者に限定して解析したばあいに、ばらつきの少ない顕著な効果を確認できた。

・有害事象の報告はなかった。

慢性期脳卒中患者の麻痺上肢への反復末梢感覚電気刺激は 安全でかつ期待のできるリハビリ方法である、


というおはなし。
図:RPSSの慢性期脳卒中の上肢麻痺患者への応用

感想:

繰り返し訓練は「まったく効果がない」からこっちに期待しちゃう。

nature.com:上肢麻痺を改善する電気刺激のやりかた

2時間で指の動きがよくなる電気刺激方法とは

2018年9月12日

感情失禁と男性ホルモン


Low Testosterone Level as a Predictor of Poststroke Emotional Disturbances- Anger Proneness and Emotional Incontinence
2018  9月  韓国

脳卒中患者は衝動的で怒りっぽい状態(Anger Proneness:AP)になったり感情をコントロールできなくなったりする(Emotional Incontinence:EI)ことがある。

いっぽう一般人では、男性ホルモンの一種で血液脳関門を通過できるテストステロンが不安やうつを抑える効果が示されている。

そこで脳卒中患者についてAPやEIの有無とテストステロンレベルとの関連をくわしくしらべてみたそうな。


脳梗塞から3ヶ月以内の患者40人についてホルモンレベルおよびAP/EIの有無を面談でしらべ関連を解析したところ、


次のようになった。

・患者の40%にAP/EIがあった。

・AP/EIは脳卒中の重症度や病巣位置によらなかった。

・しかしテストステロンレベルは 2.1 vs. 3.9ng/ml であきらかにAP/EI有りのグループが低かった。

・テストステロンレベルが高いとAP/EIになるリスクが0.68倍だった。

・テストステロンの合成に影響すると考えられるスタチンの使用の有無はAP/EIと関連しなかった。

脳卒中のあと怒りっぽく感情コントロールに障害のある患者とテストステロンレベルの低さは関連していた、


というおはなし。
図:男性の割合

感想:

女性が感情的な理由のひとつもこのあたりにあるんだって。

[感情失禁]の関連記事

2018年9月11日

いびきと頸動脈の狭窄


Snoring and carotid artery disease- A new risk factor emerges
2018  9月  アメリカ

単純いびき(primary snoring)は呼吸停止を伴わない たいした害のないものと考えられてきた。しかしさいきん単純いびきと頸動脈厚との関連が指摘されるようになった。

そこで、いびきと頸動脈狭窄との関連をくわしくしらべてみたそうな。


頸動脈厚の超音波検査に訪れた501人について、いびきや睡眠時無呼吸症の有無をしらべ狭窄との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・243人に頸動脈閉塞症がみられた。

・327人は単純いびきと判定された。

・特にいびき音が大きく頻繁である(snorer)と両側性の頸動脈狭窄になるリスクが2倍だった。

・この関連は喫煙、高血圧、心臓病、糖尿病、脳卒中、高コレステロール血症を考慮にいれても変わらなかった。

いつもおおきないびきをかく人には両側の頸動脈に狭窄があるかもしれない、


というおはなし。
図:いびきと頸動脈狭窄


感想:

スマホ持っているだけで位置情報はグーグルに筒抜け。そのうち いびき情報も取られるかも知れんね。

2018年9月10日

疲労体験がもっともキツイ年齢層がわかった


Investigating post-stroke fatigue- An individual participant data meta-analysis
2018  9月  オーストラリア

脳卒中のあとに疲労を訴える患者はおおくこれまでたくさんの調査がなされてきた。

いくつものメタアナリシスもあったが、疲労の重症度として Fatigue Severity Scaleが共通して用いられてきたにもかかわらず結果のばらつきは非常におおきかった。

そこでメタアナリシスの精度向上のために個人ごとの生のデータ(Individual Participants Data)を利用した解析をやってみたそうな。


個人ごとの生データを取得できる関連研究を厳選してデータを統合 再解析した。

個人データには、FSSスコア、年齢、性別、脳卒中後の期間、うつ症状、脳卒中重症度、身体障害、脳卒中の種類、をもたせた。


次のようになった。

・被験者2102人を含む12の研究がみつかった。

・高レベルの疲労は、女性、うつ症状、脳卒中からのより長い期間、と強く関連していた。

・疲労と年齢は直線関係ではなく3次関数に近似でき、中年期と最高齢域でピークを示した。

個人データレベルで統合したメタアナリシスにより、疲労が脳卒中からの期間が長いほど強く、年齢とは非線型の関係にあることがあらたにわかった、


というおはなし。
図:脳卒中後の疲労スケールと年齢

感想:

上図をみると40代はピーク。なっとくしてしまうよ。

脳卒中からの期間については調査の上限が12ヶ月間だからあまり参考にならないな。

2018年9月9日

朝に血圧測定をするべき理由 日本人高齢者のばあい


Morning Home Blood Pressure and Cardiovascular Events in a Japanese General Practice Population Over 80 Years Old- The J-HOP Study
2018  9月  日本

いまや家庭での血圧測定はその再現性と心血管予後推定能で病院での血圧測定に匹敵すると考えられている。

しかし80歳以上の高齢者で家庭血圧と脳卒中など心血管疾患との関連についての調査はほとんどないので、「日本人における家庭血圧の心血管予後推定能に関する研究」(Japan Morning Surge-Home Blood Pressure study)のデータをつかってくわしくしらべてみたそうな。


心血管疾患歴またはリスク要因をもつ80歳以上の349人について、脳卒中など心血管疾患の発生を3年間フォローした。

また 家庭で朝と夜の血圧を14日間測定し 関連を解析した。


次のことがわかった。

・この間に32の心血管疾患があり、そのうち13は脳卒中だった。

・朝の収縮期血圧が10mmHg高いと脳卒中リスクは1.47倍になった。

・拡張期血圧についても同様だった。

・これらの関連は夜測定の血圧や病院での血圧には見られなかった。

朝の家庭血圧は脳卒中の発生と正の相関を示した。これは病院や夜の測定ではわからないことだった。高齢アジア人には朝の血圧測定がとても大事、


というおはなし。
図:起床時血圧と脳卒中リスク

感想:

その日のスタートに一喜一憂したくないので朝はめったに測定しない。

スマートウォッチでいつの間にか測ってもらいたいものだ。

2018年9月8日

脳卒中について患者が知っているべきこと


Acute stroke patients' knowledge of stroke at discharge in China- a cross-sectional study
2018  9月  中国

脳卒中について知ることは健康維持と再発予防の観点から重要である。入院患者への教育効果の調査はおおくはなく主に欧米のものである。

そこで中国の脳卒中患者について脳卒中に関する知識レベルをたしかめてみたそうな。


2014の湖北省の急性脳梗塞患者で認知機能に問題のない1531人について、退院時にアンケート調査をおこなった。


次のことがわかった。

・31.2%の患者が、脳卒中が脳の血管が詰まったり破れたりすることで起きると知らなかった。

・20.3%は 症状があらわれたらすぐに病院へゆく必要を理解していなかった。

・およそ50%は突然の目のかすみ、めまい、頭痛、失神が脳卒中の前兆とはおもっていなかった。

・40%以上が高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、肥満が脳卒中のリスク要因とは考えていなかった。

・20%以上が血圧、脂質、血糖の 薬による長期コントロールの必要を理解していなかった。

・彼らの知識レベルは居住地域、社会経済的地位、脳卒中歴の有無、脳卒中経験のある近親者の有無と関連がつよかった。

中国の急性脳梗塞患者のおおくは退院時点で脳卒中に関する知識がほとんどなかった。まずは田舎住まいの低所得の患者への院内教育にちからをいれるべきだろう、


というおはなし。
図:脳卒中の知識 in china


感想:

早く病院へ行けとか長く薬を飲めとか 業界バイアスのかかった知識ばかりだな。

たとえばこういう情報↓をこそ 知ってもらいたい。
Stroke誌:抗血小板薬で微小脳出血そして脳内出血

退院のあと抗血栓薬で大出血の頻度と特徴

アスピリンの重大出血リスクはワルファリンと同じ

アスピリンを長く使うとワルファリンよりも出血する

Stroke誌:抗血小板薬を複数使っていると脳内出血で死ぬ

2018年9月7日

うつと失語 足をひっぱるのはどっち?


The Association Between Post-stroke Depression, Aphasia, and Physical Independence in Stroke Patients at 3-Month Follow-Up
2018  8月  中国

脳卒中後のうつは患者の20-65%が経験し、失語症は3人に1人が経験するという。

これらはいずれも生活の質や日常生活動作にネガティブな影響をおよぼすと考えられている。

そこで脳卒中後のうつや失語症の身体自立度との関連をくわしくしらべてみたそうな。


脳梗塞の発症から14日後の患者248人について うつ、失語症などと3ヶ月後の身体自立度をフォローして関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・3ヶ月後、患者の48%が身体的に要介助(mRS>2)と判定された。

・これに関連する要因トップ3は順に、女性>入院時の重症度>3ヶ月時点のうつ度 だった。

・失語症と身体自立度との関連は統計学的に有意なほどではなかった。

うつの強さと入院時の重症度が3ヶ月後の身体自立度におおきく影響した、


というおはなし。
図:脳卒中からの回復関連要因

感想:

つまり脳卒中からの回復は患者の「気分」次第ってこと。

だから評判のいい療法士さんはおだて上手だったりする。

2018年9月6日

緑茶と紅茶の神経保護効果


Green Tea and Red Tea from Camellia sinensis Partially Prevented the Motor Deficits and Striatal Oxidative Damage Induced by Hemorrhagic Stroke in Rats
2018  8月  ブラジル

緑茶が脳内出血後の酸化ストレスから神経を保護するとする報告がある。

おなじチャノキ(Camellia sinensis)から作られる紅茶もまた同様の効果が期待されるが確かめられていないので動物実験してみたそうな。


ネズミを人為的に脳内出血にする10日まえから緑茶または紅茶をあたえた。

脳内出血の1、3、7日後、茶は継続しながら 歩行、バランス、神経症状の測定を行い、最後に脳線条体の酸化物質の分析をした。


次のようになった。

・脳内出血により生じた障害のうち、紅茶グループでのみ歩行障害が小さかった。

・バランス障害は緑茶と紅茶グループでともに小さかった。

・線条体由来の運動障害は紅茶よりも緑茶グループでよく抑えられていた。

・脳内出血により活性酸素と脂質過酸化レベルが上昇していたが緑茶と紅茶グループで脂質過酸化レベルが低下していた。

緑茶または紅茶が脳内出血後の線条体での酸化ダメージによる運動障害を抑えるはたらきをみせた、


というおはなし。
図:緑茶と紅茶の脳卒中後の転倒防止効果

感想:

緑茶は脳卒中予防にいいけどそのあとにも良い。
緑茶を飲めば慢性期でも脳が再生するという根拠について

緑茶が脳卒中の記憶障害を防ぐ

2018年9月5日

脳卒中と認知症リスクのメタアナリシス


Stroke and dementia risk- A systematic review and meta-analysis
2018  8月  イギリス

脳卒中は認知障害や認知症のリスク要因である。

2009年のメタアナリシスでは脳卒中の前後で認知症の罹患率が2倍になり、再発後では3人に1人以上が認知症という結果がでた。

また2013年のメタアナリシスでは脳卒中はアルツハイマー病の中強度のリスク要因であることが示されている。

血管リスクとしてではなく脳卒中それ自体とすべての種類の認知症との関連をしらべたメタアナリシスはこれまでにないので やってみたそうな。


関連する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・脳卒中歴のある190万人を含む36の研究と、あらたに脳卒中を起こした130万人を含む12の研究がみつかった。

・脳卒中経験があると なんらかの認知症になるリスクは70%アップし、

・あらたに脳卒中になったばあいには、認知症のなりやすさはおよそ2倍になった。

脳卒中はそれ自体がなんらかの種類の認知症に関連する強いリスク要因だった、


というおはなし。
図:脳卒中後の認知症なりやすさ

感想:

いきなり認知症になるよりは脳卒中やってからのほうが本人も周囲もなっとくしやすいのでは?

2018年9月4日

ハズ○ルーペで上肢機能が改善する可能性について


Magnifying vision improves motor performance in individuals with stroke
2018  8月  アメリカ

レンズを使って手元の視野を拡大すると触覚の2点分別能が改善するという報告が2001にあり、その後 2011に疼痛緩和効果、2017に運動機能改善効果が健常者での実験で報告されている。

背景メカニズムとして多感覚統合効果が考えられているが脳卒中患者の上肢麻痺への応用はないので実験してみたそうな。


慢性期脳卒中で上肢麻痺のある25人について、1.8倍の拡大鏡つきバイザーを付けたときとそうでない状態での上肢運動機能(リーチ速度、握力、指タップ回数、指認識反応速度など)を比べたところ、


次のようになった。

・バイザー装着直後、28%の被験者にすべての検査項目で改善がみられた。

・その10分後、バイザーをはずした状態でおなじ検査をしたところ32%で同様の改善がみられた。

脳卒中で上肢麻痺の手元をレンズで拡大するだけで少なからぬ患者で上肢機能パフォーマンスが改善し、レンズを外したあともその効果が持続した。これは期待できる、


というおはなし。
図:拡大鏡つきバイザー

感想:

上の写真の拡大鏡つきバイザーは日本の通販で5000円くらいで手に入る。

おすすめは渡辺謙と菊川怜が広告モデルのハズ○ルーペ 1万円。拡大率は1.85倍 デザイン性はバイザー型の比ではない。広告費に100億円をかけるほどに売れていると最近話題になった。

欲しくなってきた。

2018年9月3日

低酸素コンディショニングの治療効果


Low Oxygen Post Conditioning as an Efficient Non-pharmacological Strategy to Promote Motor Function After Stroke
2018  8月  オーストラリア

ここ数年、低酸素状態におく(Low oxygen post conditioning)ことの心筋梗塞の再生効果や神経再生、血管再生、認知機能改善効果がつぎつぎと報告され、薬を必要としないシンプルな治療法として期待されている。

そこで脳梗塞にたいする低酸素コンディショニングの効果を動物でしらべてみたそうな。


ネズミを人為的に脳梗塞にした48時間後から1日8時間 酸素濃度11%の環境におき、これを2週間続けた。

運動機能と脳組織の状態を4週間後までフォローしたところ、


次のようになった。

・運動障害は低酸素コンディショニング2週間でほぼ元のレベルに戻った。

・この機能改善は脳の毛細血管密度の増加とBDNFレベルの上昇、脳実質欠損の低下およびミクログリア活動の低下と関連していた。

・これらの効果は低酸素コンディショニングのさらに2週間後も持続していた。
低酸素コンディショニングの脳卒中後の運動機能改善と神経保護効果を確認できた。臨床試験が待ち遠しい、


というおはなし。

図:低酸素療法の脳保護効果

感想:

虚血コンディショニングよりももっと直接的だな。

wikipediaみると↓ 11%って意識飛ぶ寸前でマフィアの拷問なみか。
* 酸素濃度16%: 呼吸脈拍増、頭痛悪心、はきけ、集中力の低下
* 酸素濃度12%: 筋力低下、めまい、はきけ、体温上昇
* 酸素濃度10%: 顔面蒼白、意識不明、嘔吐、チアノーゼ
* 酸素濃度 8%: 昏睡
* 酸素濃度 6%: けいれん、呼吸停止

2018年9月2日

脳梗塞のあと認知障害をふせぐ血圧がわかった


Effects of Blood Pressure in the Early Phase of Ischemic Stroke and Stroke Subtype on Poststroke Cognitive Impairment
2018  7月  中国

脳卒中患者の24-58%は3ヶ月時点で認知障害を示すという。そのリスク要因として高血圧がいちばんにあげられるいっぽう、低血圧も認知機能の低下に影響するとかんがえられている。

そこで、急性期の脳梗塞で認知障害予防にてきした血圧と脳梗塞の種類との関連をくわしくしらべてみたそうな。


発症から24時間以内の脳梗塞患者796人について血圧と認知機能を3ヶ月後までフォローしたところ、


次のことがわかった。

・収縮期血圧が143-158mmHgのグループにくらべて、低い102-127mmHg のグループと、高い171-215mmHgのグループで3ヶ月後の認知障害リスクはいずれも約2倍だった。

・同様の関連が拡張期血圧でもみられた。

・このリスクはアテローム血栓性梗塞と完全前循環梗塞でとくに高かった。

急性期脳梗塞の血圧は低くても高くても認知障害リスクが高かった。認知障害を防ぐには143-158/93-102mmHgが適していると考えられた。


図:脳梗塞早期の血圧と認知障害リスク


感想:

お医者さんにほめられるからもっとがんばって血圧を下げよう!と考えてしまうけれど、
120を下回ってはいかんと思うよ。
脳内出血で血圧を下げ過ぎてはいけない理由

2018年9月1日

やる気があるから回復するの?


Stroke Patients Motivation Influence on the Effectiveness of Occupational Therapy
2018  7月  リトアニア

脳卒中患者のおおくは無気力で無関心なアパシー状態になる。それはリハビリ結果にもおおきく影響することが予想される。

脳卒中患者の「回復への動機」の種類と関連要因についてしらべてみたそうな。


30人の脳卒中患者について Multidimensional Health Locus of Control (MHLC) スケールを用いて
*自分のちからで病気から回復しようとする「内的な動機(Internal Motivation)」と、
*周囲の人たちがなんとかしてくれるとする「外的な動機(External Motivation)」をスコア化し、
作業療法後の機能的自立度FIMとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・リハビリの開始時には外的な動機が強かった。

・リハビリの終盤には内的動機が1.8ポイント増加し、外的動機は2.4ポイント減少した。

・リハビリ開始時のFIMは70.0で、終了時には96.9に達した。

・リハビリ開始時の内的動機スコアはFIM改善度とあきらかに関連していた。

・高齢患者は若年者よりも内的動機スコアが低かった。
患者は当初、外的な動機がつよかったが これはやがて低下した。リハビリ当初から内的な動機が強い患者は日常生活動作の改善度もおおきかった、


というおはなし。

図:内的動機と機能的自立度

感想:

彼らは当初から意欲があってリハビリを頑張ったから報われた、というストーリーはリトアニアではまだ通用しているようだ。

さいきんはこの↓見方がメイン。
脳卒中患者のほとんどは軽症で、かれらの機能低下ぶんの7割以上は "比例回復則" によりリハビリせずとも 数ヶ月間で自然に回復することがあきらかになっている。
だから動機のつよさと回復度に相関はあっても因果関係はない。

2018年8月31日

同名半盲のビデオ鑑賞能力


Measuring the Difficulty Watching Video With Hemianopia and an Initial Test of a Rehabilitation Approach
2018  8月  アメリカ

同名半盲では両目の視野の片側が欠ける。脳卒中患者の8-16%は同名半盲を経験するという。

同名半盲は読書や自動車運転などの日常生活動作におおきな影響があり、テレビやビデオの内容理解に困難をきたすとの報告もある。

そこでビデオ内容をどれくらい理解できないのか、またそれを矯正する方法について実験をしてみたそうな。


脳卒中などの脳損傷により同名半盲になった患者60人と健常者24人について、30秒のビデオを見せ内容を口述させ、その正答度を IA(Information Acquisition)スコアとして比較した。

また健常者の視線データをもとに注意を促すグラフィックガイドを重ねたときのIAスコアの改善度も別の患者21人で評価した。


次のようになった。

・IAスコアは2.8 vs. 4.3 で同名半盲グループがあきらかに低かった。

・ガイド表示があるとIAスコアが0.5ポイント改善した。

同名半盲患者はビデオを観て情報を取得する能力が劣っていた。ガイドになる表示を加えることで若干の改善がみられた、


というおはなし。
図:同名半盲のビデオ理解力

感想:

よく同名半盲と半側空間無視は異なるメカニズムとして説明されているけど、実際はごちゃまぜになっていて おそらく区別はできないとおもうよ。

2018年8月30日

上肢の運動イメージ訓練とネットワーク変化


Motor imagery training induces changes in brain neural networks in stroke patients
2018  8月  中国
運動イメージ訓練では実際の運動はせずに心の中だけで動作訓練をする。

脳卒中で上肢麻痺患者での運動イメージ訓練の効果と神経ネットワークのはたらきはよくわかっていないので実験してみたそうな。


脳卒中で上肢が中等度以上に麻痺した男女20人を2グループに分けた。

両グループとも通常のリハビリを行い、
そのあといっぽうのグループには運動イメージ訓練をほどこした。

運動イメージ訓練は、椅子にすわりテーブル上に両手を置いて目を閉じ、指示にしたがって指や手首を動かす様子を一人称視点でくりかえし心に思い描く。

1回45分間x4週間の訓練を続けたのち、
上肢機能(ARAT,FMA)と運動誘発電位、拡散テンソル画像(DTI)から背側腹側経路の異方性変化をくらべた。


次のようになった。

・運動イメージグループで上肢機能の回復があきらかにすぐれていて、

・短母指外転筋への運動誘発電位の強度はおおきくなり、

・背側経路の異方性がおおきくなっていた。

通常のリハビリに運動イメージ訓練を加えることで上肢機能が改善し、背側経路が強化された、


というおはなし。
図:運動イメージ訓練と背側経路

感想:

DTIは機能や働きを見ているわけではないのと、処理の仕方でどうとでも表現できることから刺身のツマのようなものとしての認識がじぶんの中にはある。

2018年8月29日

軽度なのに認知障害→睡眠が短かった


Cognitive impairment and sleep disturbances after minor ischemic stroke
2018  8月  中国

脳卒中患者の25-81%は たとえ軽症であったとしても認知障害を示すという。

また睡眠時無呼吸症は脳卒中の発生要因の1つと考えられているが、脳卒中後の認知障害との関連についてはほとんど知られていない。

そこで、軽症脳卒中患者の認知障害および睡眠パラメータとの関連をくわしくしらべてみたそうな。


軽症(NIHSS 5以下)の脳梗塞から14日後の患者84人と健常者36人について、

複数の認知機能検査と睡眠ポリグラフ検査を行い関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者の81.4%に認知障害、74.4%に睡眠時無呼吸症がみられた。

・脳卒中患者はとくに注意力、作業記憶、実行機能が劣っていた。

・睡眠時無呼吸症は 50.0 vs. 80.0% で認知障害のある患者におおかった。

・またトータルの睡眠時間は 435 vs. 347分 で認知障害患者が短かった。

・教育期間、睡眠時間、血中酸素飽和度の最低値 が認知障害のリスク要因だった。
軽症脳卒中患者の認知障害は珍しくなかった。おもに注意力、作業記憶、実行機能が低下した。そのリスク要因として短い睡眠時間と低酸素症の可能性が示された、


というおはなし。
図:軽症脳卒中の認知障害

感想:

今朝「理研が遺伝子操作でレム睡眠のないネズミを作ったら記憶力が悪かった」というニュースがあったので関心をもった。

2018年8月28日

アンフェタミンの脳卒中リハビリ効果


Effect of Dextroamphetamine on Poststroke Motor Recovery
2018  8月  アメリカ

動物実験では脳卒中のあと数週間以内のアンフェタミン投与と課題訓練により運動機能の回復が促されるとする報告がある。

しかし人に応用したいくつかの調査では相反する結果が得られている。

そこでくわしい臨床実験(The Amphetamine-Enhanced Stroke Recovery Trial)をやってみたそうな。


発症から10-30日以内の脳梗塞患者1665人から64人を厳選して2グループにわけた。

一方には10mgのアンフェタミンをあたえ、もう一方のグループには偽薬をあたえた。

その1時間後に理学療法をおこなった。これを6セッションつづけ、3ヶ月後の回復度を比較したところ、


次のようになった。

・運動機能評価(Fugl-Meyer motor assessment)および

・神経症状(NIHSS)、上肢機能( Action Research Arm Test)、機能障害度(modified Rankin Scale score)、機能的自立度(Functional Independence Measure)、歩行スピードと距離、認知機能 等 いずれも両グループ間で差はなかった。

通常のリハビリにアンフェタミンを加えても脳梗塞患者の運動機能に特別な変化はもたらさなかった、


というおはなし。
図:アンフェタミンと脳卒中機能回復

感想:

薬のんだ直後はとてもハッピーなはずで、きっと何度でも受けたくなるリハビリにちがいない。

[アンフェタミン]の関連記事

2018年8月27日

上肢麻痺でこの筋肉が短くなる


Motor Impairment-Related Alterations in Biceps and Triceps Brachii Fascicle Lengths in Chronic Hemiparetic Stroke
2018  8月  アメリカ

脳卒中の上肢麻痺がながく続くことにより骨格筋に変化が生じうる。これまで上腕筋肉の長さを評価した調査は非常にすくないのでくわしくしらべてみたそうな。


慢性期脳卒中で上肢が中等度以上に麻痺した患者11人と健常者11人について

肘を曲げる上腕二頭筋と肘を伸ばす上腕三頭筋の長さを超音波断層画像上で測定し比較した。


次のことがわかった。

・筋肉を弛緩した状態で、麻痺上肢の二頭筋と三頭筋の長さは非麻痺手に比べてあきらかに短かった。肘の角度を変えても同じだった。平均でそれぞれ2.23cm、0.98cm短かった。

・筋収縮させた状態では、二頭筋長は非麻痺手よりもあきらかに短かったものの、三頭筋ではそうはならなかった。

・両腕での筋肉長の差は上肢麻痺レベルと関連していて、特に重度麻痺の患者では上腕二頭筋長のおおきな縮小がみられた。

脳卒中による上肢麻痺の程度と、上腕二頭筋 三頭筋の縮小度が関連していた、


というおはなし。

図:上腕二頭筋の長さと麻痺手

感想:

こうならないようにするのがリハビリなんだろな。

2018年8月26日

母乳栄養した母親は晩年脳卒中になりにくい


Breastfeeding History and Risk of Stroke Among Parous Postmenopausal Women in the Women's Health Initiative
2018  8月  アメリカ

母乳でこどもを育てた(母乳栄養)経験があると乳がんや卵巣がん、高血圧 高脂血症 糖尿病になりにくいことがわかっている。

母乳栄養と脳卒中との関連についての調査はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。


女性の健康イニシアティブ観察的研究(Women's Health Initiative Observational Study)のデータをもちいて、

平均年齢64、出産経験のある80191人について脳卒中の発生を12.6年間フォローし 授乳期間や人種との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・3.4%に脳卒中がおきた。58%に母乳栄養の経験があった。

・母乳栄養経験のない者にくらべると、母乳栄養経験により脳卒中リスクは0.77倍になった。

・この関連は黒人で強く、脳卒中リスクは0.52倍だった。

・母乳による授乳期間が長いほど脳卒中リスクは低かった。

母乳栄養の経験が長いほど晩年の脳卒中リスクは低かった、


というおはなし。
図:授乳の脳卒中予防効果


感想:

母乳栄養をえらぶ女性のヘルシーライフスタイルを考慮にいれても同じ結果なんだって。

いっぽう人種の差は、黒人で母乳栄養できる女性は生活に余裕があるからではないかって言ってる。

2018年8月25日

BEFAST vs. FAST の脳卒中判定力


Prognostic Value of BEFAST vs. FAST to Identify Stroke in a Prehospital Setting
2018  8月  アメリカ

難しい訓練を経ずとも脳卒中を判定できる方法として Face-Arms-Speech-Time のFASTスケールがある。

しかしこの方法では5人に1人以上の脳卒中を見逃してしまう。さらに後方循環系の脳卒中の場合には その見逃し率は38%に達するという。

そこでFASTに 共調運動(Balance)と複視(Eyes)を加えた 「BEFASTスケール」が提唱されているのでその脳卒中判定能をFASTスケールとくらべてみたそうな。


2015年のカルフォルニア サンタクララの救急救命センターに運び込まれた発症から6時間以内の脳卒中を疑われる患者359人について、

BEFASTスケールを適用してスコアリングを行い最終診断結果との関連を解析したところ、


次のようになった。

・159人が脳卒中で、200人は脳卒中でなかった。

・脳卒中患者と非脳卒中患者のNIHSSスコアの比は 7 vs. 2、BEFASTでは 3 vs. 1、FASTでは 2 vs. 1 だった。

・顔の垂れ下がり率が 52% vs. 24%、腕の脱力率が 55% vs. 20% であきらかに脳卒中患者に顕著で、BEFASTのBalanceとEyesによってもたらされる違いをおおきくうわまわっていた。

・BEFASTとFASTのROC曲線下の面積はそれぞれ0.70, 0.69で脳卒中検出精度に差はみられなかった。

FASTスケールにBalanceとEyesを加えても脳卒中判定能は改善しなかった、



というおはなし。
図:BEFAST NIHSS

感想:

当日をおもいだすに、最初に脚にきてフラついていた。けど気合が足りないだけだとおもっていた。
脳卒中を見逃さない BE-FAST とは

2018年8月24日

失語症のtDCS JAMA Neurology


Transcranial Direct Current Stimulation vs Sham Stimulation to Treat Aphasia After Stroke- A Randomized Clinical Trial
2018  8月  アメリカ

この10年間、脳卒中後の失語症治療にtDCS(経頭蓋直流電気刺激)が有望であるとする報告がいくつもあがってきている。

この効果をたしかめるべく(二重盲検の)ランダム化比較試験をおこなってみたそうな。


脳卒中でブローカ失語になって数年経つ患者74人についてリアルtCDSと偽tDCSの2グループに分けた。

1回45分間の失語症訓練セッションの最初の20分間を通電した状態でおこなった。

各人fMRIで確認した側頭部の言語中枢位置にプラス電極を貼った。

偽刺激では20分間のうちの最初の30秒間だけ通電した。

これを3週間、計15セッション繰り返したのち、呼称テストで効果を評価 比較した。


次のようになった。

・呼称テストの正答数は、リアルtDCSで13.9、偽tDCSは8.2、

・その差5.7は70%の改善を示しており、すくなくともtDCSが「無効」ではないことを示していた。

・有害事象はなかった。
脳卒中で失語症患者へのtDCSに可能性を感じる、さらなる研究をすすめるべき、


というおはなし。
図:tDCSで失語症治療

感想:

tDCSは通電中に電極部位がチクチクする。ということは
リアル刺激は20分間チクチクするいっぽう、偽刺激は最初の30秒だけしかチクチクしない。
これではとても盲検とはいえない。

この疑問にたいする答えが「チクチク感は はじめの数十秒で麻痺するから大丈夫なんです!」とのこと。 ほんとかよ?

Stroke誌:tDCSは失語症治療に効果なし

2018年8月23日

ランセット誌:食塩は13gまでオッケー 脳卒中的に


Urinary sodium excretion, blood pressure, cardiovascular disease, and mortality- a community-level prospective epidemiological cohort study
2018  8月  カナダ

現在、WHOが勧める1日のナトリウム摂取量 の上限2g(食塩5g相当)を達成できている国はなく、しかもその目標数値が血圧を下げ心血管疾患を減らすとする信頼できる研究成果は じつは世に存在していない。

それどころか最近の調査ではナトリウム摂取量が少ないとかえって心血管イベントが増えることがあきらかになってきている。

そこで5大陸18カ国で実施されたPURE研究(Prospective Urban Rural Epidemiology study)をつかってこの関連をたしかめてみたそうな。


健康な35-70歳の17万人について心血管疾患を8年間ほどフォローした。

1日のナトリウム摂取量は採集した尿から推定した。


次のことがわかった。

・中国80%の地域では1日の平均ナトリウム摂取量は5gよりおおく、他の国々の84%は3-5gの範囲にあった。

・全体としてナトリウムが1gふえるごとに血圧が2.86mmHgあがった。ただしナトリウムのトータル量がおおいグループでのみの傾向だった。

・ナトリウム摂取量と心血管イベント(脳卒中など)の関連は単なる比例ではなく、ナトリウムが少ないグループ(4.43g未満)では逆相関で、おおいグループ(5.08g以上)でのみ正に相関する傾向がみられた。

・特に脳卒中との関連が 中国(平均摂取量5.58g)で他の国々(4.49g)より強かった。

・これら心血管イベントはカリウム摂取量がふえるにつれ減少した。
一日のナトリウム摂取量が5gを超える地域でのみ脳卒中など心血管疾患がおおかった。減塩政策はこれらの地域だけでなされるべきであろう、


というおはなし。
図:塩分と脳卒中 中国人

感想:

ナトリウム5gは2.54倍すると食塩で13g相当。日本の国民栄養調査をみると平成27年に男11.0g 女9.2gだからまだ余裕がある。

塩をいっぱいまぶしたおにぎりはうまいからね。
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる

2018年8月22日

80歳からのくも膜下出血


Long-term outcomes among octogenarians with aneurysmal subarachnoid hemorrhage
2018  8月  アメリカ

80歳超えのくも膜下出血患者を対象とした長期の予後調査はひじょうにすくない。

そこでメディケア・メディケイドサービスセンターの全国レベルのデータベースをつかってくわしくしらべてみたそうな。


2008-2011の80歳以上でくも膜下出血になりクリップもしくはコイル治療を受けた患者1298人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・1年以内に患者の56%が死亡またはホスピス送りになった。さらに8%が介護施設へゆき、36%が自宅へ退院できた。

・クリップよりもコイル治療で自宅へ退院できる率が高かった。

80歳代くも膜下出血患者は1年以内に56%が亡くなり、36%が自宅へ戻れた。この年代にはコイル治療が向いているかも、


というおはなし。
図:80歳超えのくも膜下出血の予後

感想:

これだけ高齢になると手術しない機会もおおいにあるはずなんだけど、それは評価の対象にはならず記録にないんだって。

2018年8月21日

脳卒中の再入院率さいきんのトレンド


Estimates and Temporal Trend for US Nationwide 30-Day Hospital Readmission Among Patients With Ischemic and Hemorrhagic Stroke
2018  8月  アメリカ
再入院率は病院ケアの質を反映していると考えられる。

脳卒中について全国レベルでの再入院率の傾向調査はまだないのでくわしくしらべてみたそうな。


アメリカ患者の半数をカバーする
医療費および利用状況に関する調査プロジェクト(Healthcare Cost and Utilization Project)
のデータベースをもちいて 2010-2015の脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血の再入院率の推移および病院の教育研究機関としてのステータスとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢70、2078854人の患者を対象とした。

・30日再入院率は、脳内出血13.70%、脳梗塞12.44%、くも膜下出血11.48%の順に高かった。

・2010-2014に年率3.3%で再入院率が低下した。

・教育研究の機能を持たない病院をでた患者は再入院率があきらかに高く、病院が扱う患者数が増えるほど再入院率は上昇した。

・再入院の理由は再発、敗血症の順におおかった。

脳卒中患者で年間3.3%の再入院率の改善がおきている。患者数のおおい非教育研究病院の医療の質にさらなる改善の余地がありそうである、、


というおはなし。
図:脳卒中の再入院率と教育研究

感想:

大学病院のなっとくの安定感↑。

2018年8月20日

nature.com:喫煙と高血圧はくも膜下出血患者に良い


Impact of Comorbidities and Smoking on the Outcome in Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage
2018  8月  ドイツ

くも膜下出血は脳卒中の5%を占め女性におおい。その発生率はこの10年間で低下していて、喫煙や高血圧、飲酒習慣の改善によると考えられている。

くも膜下出血の予後にたいする喫煙や高血圧の影響についてはこれまで相反する結果がえられているため、くわしくしらべてみたそうな。


くも膜下出血で脳動脈瘤治療ずみの患者203人について12ヶ月後までフォローした結果、


次のことがわかった。

・55.7%が回復良好(mRS 0-2)で、42.4%は回復不良(mRS 3-6)だった。

・1年後の回復不良リスクは喫煙習慣があると0.21倍、高血圧では0.18倍になり、いずれも保護効果を示した。

・1年後の死亡リスクについても同様で、喫煙と高血圧があきらかな予防因子だった。

・糖尿病や高コレステロール血症ではこのような保護効果はみられなかった。
くも膜下出血の発生要因である喫煙と高血圧が、回復良好の予測因子でもあった、


というおはなし。
図:喫煙 高血圧 くも膜下出血の予後悪化リスク


感想:

rt-PAが喫煙患者によく効くパラドックスと似ている。

喫煙や動脈硬化で日頃から虚血気味な脳は、くも膜下出血のあとの血管攣縮のえいきょうに鈍感になっているのではないか、、

[喫煙パラドックス]の関連記事

2018年8月19日

つぎの脳動脈瘤がみつかってしまったら


Impact of Aneurysm Multiplicity on Treatment and Outcome After Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage
2018  8月  スイス

脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者の20-33%は複数の脳動脈瘤(多発脳動脈瘤:MIA)を持つという。単発の脳動脈瘤(SIA)とくらべたときのMIAの予後や治療方針については未だあきらかになっていない。

そこでスイスのくも膜下出血患者データベース(Swiss Study of Subarachnoid Hemorrhage:SOS)を使ってくわしくしらべてみたそうな。


2009-2014のくも膜下出血で初日に死亡しなかった動脈瘤を手術済みの1689人について
MIAまたはSIAでの
あらたな脳卒中の発生、機能回復度、死亡率との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・26.4%がMIAの患者だった。

・あらたな脳卒中の発生は 19.3% vs 15.1でMIAグループにおおかった。

・局所的な神経障害もMIAグループであきらかにおおかったが、

・機能回復度、生存率の点でMIAとSIAでグループ間の差はなかった。

多発脳動脈瘤のくも膜下出血患者では短期的にあらたな脳卒中を起こす率は高かったものの、機能回復度や生存率に悪影響をおよぼすことはなかった、


というおはなし。
図:多発脳動脈瘤の死亡リスク

感想:

読むと あらたにみつかった未破裂の脳動脈瘤(bystander aneurysms)のほぼ8割が追加の手術でクリップかコイルをしている。

未破裂だから放置しておいてもいいはずなのに手術率が高い。おそらくはこういう↓こと。

患者は最初の動脈瘤で手術への心理的ハードルが低くなっているので追加の手術を受け入れやすい。しかも未破裂とはいっても もはや健常者ではないので手術に失敗しても言い訳がたつ。
これらの状況が手術経験の少ない医師への練習台需要とマッチするため、高率で手術がなされるのだと考える。

脳に動脈瘤がいくつもできる人の特徴

脳動脈瘤は次から次へとできてしまうの?

2018年8月18日

水分とる日本人は脳卒中で死なない


Water intake from foods and beverages and risk of mortality from CVD- the Japan Collaborative Cohort (JACC) Study
2018  8月  日本

WHOの勧める一日の水分摂取量は男性2.9リットル、女性2.2リットルである。

体内の水分は血液量や血圧 心拍数と関係する。水分をおおく摂ることで心血管疾患死亡率が低下するという報告があるいっぽう、なんの関連もないとする報告もある。

そこで日本の大規模研究JACCのデータをつかってたしかめてみたそうな。


40-79歳の男性22939人と女性35362人について死因を19.1年間フォローした。

水分摂取量は食事アンケートから推定し 関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に男性1637人、女性1707人が心血管疾患で死亡した。

・水分摂取量と心血管疾患リスクは男女ともに逆相関にあった。

・水分をもっともおおく摂っているグループの心血管疾患死亡リスクは男性で0.88倍、女性0.79倍だった。

・同様に脳梗塞死亡リスクについて女性で0.70倍、男性では関連を確認できなかった。

・脳出血死亡リスクと水分摂取量との関連はなかった。

食事や飲料からの水分摂取量がおおいと男女ともに心血管疾患死亡リスクが低かった。脳梗塞死亡リスクでも女性で同様の関連を確認した


というおはなし。
図:水分摂取量と脳梗塞死亡リスク

感想:

夏は水分足りなくなると左半身のしびれが強くなるからすぐわかる。
水をたくさん飲むと脳卒中にならない、はホントだった

努めて水を飲んでいれば脳卒中で死なないのか?

2018年8月17日

電気けいれん療法と脳卒中


Electroconvulsive therapy and later stroke in patients with affective disorders
2018  8月  デンマーク

電気けいれん療法(Electroconvulsive therapy:ECT)は気分障害に用いられることがあり、抗うつ薬が効かない患者や脳卒中後うつにも使えると考えられる。

ECTの副作用として健忘症、頭痛、失見当などがある。心血管パラメータや脳循環系への影響から理論的には脳卒中の引き金になりうるがそのエビデンスはみつかっていない。

そこでECTと脳卒中との長期的関連をくわしくしらべてみたそうな。


2005-2016の情動障害の患者174534人の記録から、

脳卒中歴のない162595人と
脳卒中歴のある11939人についてECTとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中歴のないグループでは3.6%がECTをうけ、3665件の脳卒中がありこのうち165人がECTをうけていた。

・このとき50歳未満に限定するとECTと脳卒中の関連はなく、50歳以上ではECTにより脳卒中リスクが0.69倍に下がった。

・脳卒中歴のあるグループでは1.9%がECTをうけ、2330人が脳卒中を再発してこのうち26人がECTをうけていた。

・このときECTと脳卒中の関連は確認できなかった。

電気けいれん療法は脳卒中やその再発リスクとあきらかな関連はなかった、


というおはなし。
図:電気けいれん療法

感想:

電気けいれん療法は家畜を屠殺する際に効率よく意識を飛ばすために洗練されてきた方法なのだという。

21世紀なんだからもうすこしましなやりかたはないのかね。

2018年8月16日

体重が少ないひとの心原性脳塞栓


Low Body Mass Index is a Poor Prognosis Factor in Cardioembolic Stroke Patients with NonValvular Atrial Fibrillation
2018  8月  日本

ボディマス指数BMIと脳卒中との関連については数多くの研究があって、BMIが高いほど脳梗塞になりやすく、日本人ではBMIが低いとその予後はよくないとされている。

さらに日本では高齢化がすすみ心房細動由来の心原性脳塞栓がふえている。また欧米にくらべ肥満はすくなく低体重がおおい。

そこで心房細動で心原性脳塞栓の患者の予後とBMIとの関連をしらべてみたそうな。


心臓弁に異常のない心房細動で心原性脳塞栓の患者419人について、BMIで 低(<18.5)、標準(18.5-25.0)、肥満(>25.0)の3グループにわけて、

入院時の重症度、退院時の回復度をくらべたところ、


次のようになった。

・入院時の重症度NIHSSは、低>標準>肥満の順に高く、低体重グループがもっとも重かった。

・退院時の回復度mRSも、低>標準>肥満の順に高く、低体重グループがもっとも悪かった。

・低体重は重症かつ予後不良のあきらかな要因だった。

・肥満は重症度や回復度に影響しなかった。

低体重で心房細動の心原性脳塞栓になった患者は 重症でかつ回復が良くなかった、


というおはなし。
図:心原性脳塞栓の予後と肥満度

感想:

スリムで健康そうに見えるひとがじつはいちばん酷かった、という意味での肥満パラドックスか。

2018年8月15日

脳内出血で血圧を下げ過ぎてはいけない理由


Cerebral ischemia and deterioration with lower blood pressure target in intracerebral hemorrhage
2018  8月  アメリカ

脳内出血患者のおおくは血圧が上昇した状態で入院してくる。急性期の彼らへの降圧治療の目標血圧値にこれまであきらかな根拠はなかった。

また彼らには出血部位から離れた位置で梗塞が起こることがあり 降圧治療との関連が指摘されてきた。

脳出血患者への降圧治療の臨床試験INTERACT-2の結果をうけ、2014年に目標収縮期血圧をこれまでの160から140mmHgに変更した。

この前後1年間の治療結果から急性期の脳内出血患者への降圧目標値とあらたな梗塞の発生との関連をしらべてみたそうな。


2013Jan.-2014Dec.の脳内出血患者119人について目標収縮期血圧べつに、
グループ1:160mmHgの62人
グループ2:140mmHgの57人
にわけた。
24-72時間の血圧とディフュージョンMRIによる急性梗塞検査との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・24時間の平均血圧は134 vs143 mm Hgでグループ2が低かった。

・72時間の最低血圧も106 vs 112 mm Hgでグループ2が低かった。

・急性脳梗塞は32% vs 16%でグループ2におおく、

・急性の神経機能低下も19% vs 5%でグループ2におおかった。

・72時間内の最低収縮期血圧が120以下になった患者で急性脳梗塞とあきらかな相関があり、

・130以上あった場合には脳梗塞は起きなかった。

・急性脳梗塞が起きると目標血圧にかかわらず退院時の神経症状はかなり悪かった。

急性期脳内出血患者の収縮期血圧を140mmHgを目標に下げる場合、勢い余って120未満にしてしまうと脳梗塞をおこしやすくなることがわかった、


というおはなし。
図:脳内出血と血圧降下からの脳梗塞

感想:

これは急性期のはなしだけど、慢性期でも背景はおなじとおもう。

脳のすみずみに血を巡らすために高めの血圧が必要なひとたちがいる。
彼らが薬で血圧を下げるほど 頭は働かなくなりやがて脳は壊死する。

2018年8月14日

脳内出血 20年間のトレンド


The impact of risk factor trends on intracerebral hemorrhage incidence over the last two decades-The Tromsø Study
2018  7月  ノルウェー

脳内出血は脳卒中全体の10-15%を占め 脳梗塞にくらべて症状は重く回復は悪い。

脳内出血の発生率とリスク要因について過去20年間の傾向をくわしくしらべてみたそうな。


ノルウェーのトロムソ住民28167人について脳内出血の発生を1994年からフォローしたところ、


次のことがわかった。

・219人が脳内出血になった。

・高齢、男性、高血圧が脳内出血の関連要因だった。

・特に高血圧は非脳葉型出血との関連がつよかった。

・女性の脳内出血罹患率は非脳葉型の減少にともないおおきく低下した。男性のそれはかわらなかった。

・血圧は男性よりも女性でおおきく低下していた。

・高血圧のおおくは未治療で、治療していても十分に下がっていなかった。

この20年間で脳内出血の罹患率のあきらかな低下が女性で確認できた。男性は変わらなかった。この理由として女性の血圧がおおきく低下したことが考えられる、


というおはなし。
図:女性 非脳葉性出血 20年トレンド

感想:

なぜ女性の血圧がさがったのか?

2018年8月13日

高血圧の新ガイドラインで脳卒中経験者はどうなる?


Nationwide Impact of the 2017 American College of Cardiology-American Heart Association Blood Pressure Guidelines on Stroke Survivors
2018  8月  アメリカ

14のランダム化比較試験のメタアナリシスから 脳卒中経験者は降圧薬治療により再発リスクが30%ちかく低下することが示されている。

いっぽう 高血圧にかんするこれまでのガイドラインは、
高血圧の予防,発見,診断および治療に関する米国合同委員会の第7次報告 seventh report of the Joint National Committee on Prevention, Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Pressure(JNC7)
にもとずくもので、
140/90 mmHg以上を高血圧としていた。

2017年、あらたにアメリカ心臓病学会/アメリカ心臓協会のガイドライン American College of Cardiology/American Heart Association hypertension guidelines (ACC/AHA)
ができて、130/80 mmHg以上を高血圧とするようになった。
さらにこのガイドラインでは130/80未満であっても降圧薬を始めるよう勧めている。

この変更により脳卒中経験者にしめる高血圧の割合がどのくらい増えるのか しらべてみたそうな。


2003-2014の米国国民健康栄養調査の記録をもちいて解析したところ、


次のことがわかった。

・ACC/AHA基準では脳卒中経験者の49.8%が、JNC7基準では29.9%が高血圧に相当した。

・目標血圧に達していない脳卒中経験者はACC/AHAで56%、JNC7では36.3%だった。

・2003-2010に、130/80未満の脳卒中経験者の死亡率は5.55%、140/90未満のそれは8.25%であり 新基準により死亡率の32.72%の低下が期待できた。

高血圧治療にかんするACC/AHAの新基準を採用することでこれまでのJNC7の場合よりも脳卒中経験者にしめる高血圧患者が67%増加することになる、


というおはなし。
図:ACC/AHA JNC7 Hypertension


感想:

最終的にどの基準を採るかは製薬会社が決めることではなくて薬を飲む自分自身だかんね。

2018年8月12日

植物性たんぱく質が脳卒中を防ぐ


Vegetable Protein Intake was Inversely Associated with Cardiovascular Mortality in A 15-Year Follow-Up Study of A General Japanese Population
2018  8月  日本

これまで食事から摂るたんぱく質の量が血圧と逆相関にあるという報告がいくつかある。

しかしたんぱく質の種類が植物性と動物性のどちらが血圧や脳卒中など心血管疾患と関連するかについては 結論がでていないのでくわしくしらべてみたそうな。


日本全国300箇所の住民で30歳以上 7744人の健康な男女について食事アンケートを行い、心血管疾患の発生を13.9年間フォローし関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・1213人が死亡し、そのうち29.2%が心血管疾患が原因だった。

・植物性たんぱく質が総カロリー比で1%増えるごとに脳出血死亡リスクが0.58倍になり、

・とくに高血圧でないグループに限定するとこの脳卒中死亡リスクは0.50倍だった。

植物性たんぱく質をおおく摂ると脳卒中など心血管疾患の予防になった、


というおはなし。

図:とうふたんぱく質図:納豆たんぱく質

感想:

脳出血にいいみたいだ。豆腐と納豆を努めてたべて、植物性ゆえに足りない必須アミノ酸は他の食材から自然に補われるからよしとしよう。

2018年8月11日

桜島大根が脳卒中を予防する?


Elucidating the Improvement in Vascular Endothelial Function from Sakurajima Daikon and Its Mechanism of Action- A ComparativeStudy with Raphanus sativus
2018  8月  日本

血管は外膜 中膜 内膜の3層構造になっていて内膜にある血管内皮細胞が一酸化窒素NOを介して血管の収縮 拡張をコントロールしている。

つよい酸化ストレスが加わると血管内皮細胞のNO産生能力が弱くなり脳卒中などにつながると考えられている。

大根には抗酸化 抗高血圧 抗血栓作用が報告されていることから、世界最大としてギネス記録にある「桜島大根」について血管に作用するそれらの効果とメカニズムをしらべてみたそうな。


人とブタの血管内皮細胞を桜島大根の抽出液に曝し、青首大根のそれと比較したところ、


次のことがわかった。

・桜島大根では一酸化窒素の産生が青首大根よりも大きくなった。

・このはたらきにはトリゴネリン (trigonelline)という成分が関わっていた。

桜島大根には血管内皮細胞の一酸化窒素産生能力を改善する効果が他の大根よりも強く、そこにはトリゴネリンが関わっていた、


というおはなし。
図:桜島大根の血管作用メカニズム

感想:

ニュース記事がいくつかでてたので関心をもった。

鹿児島県民はさぞ脳卒中フリーかとおもいきや、

厚労省のページみると、脳卒中率は3位、高血圧は1位、、、\(^o^)/

2018年8月10日

性機能不全 脳卒中とほかの神経疾患


Everything you always wanted to know about sex and Neurology- neurological disability and sexuality
2018  7月  アルゼンチン

慢性的な神経疾患は性機能不全をもたらすことがある。

性機能不全の理由として、脳皮質や神経路への直接のダメージ、筋萎縮や痙縮といった体の変化、うつ 自尊心の低下といった心理社会的要因、が考えられる。

そこで脳卒中のほか いくつかの代表的な神経疾患について性機能不全の割合と重症度をしらべてみたそうな。


発症から1年以上経つ患者で 筋萎縮性側索硬化症(ALS)9人、多発性硬化症(MS)12人、パーキンソン病(PD)13人、脳卒中(CVDs)9人と健常者29人について、

男性は国際勃起機能スコア(International Index of Erectile Function)
女性は 女性性機能指数(Female Sexual Function Index)
をもちいて評価 比較したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢は54で、性機能不全は患者の77.5%に、健常者の22.5%にみられた。

・身体障害と性機能不全にあきらかな関連がみられた。

・パーキンソン病では全員が性機能不全で、多発性硬化症はほぼ健常者レベル、

・脳卒中患者では併存疾患とその治療内容が性機能不全に関係していた。

性機能不全は患者の身体障害レベルと関連があった、


というおはなし。
図:神経疾患別の性機能不全重症度割合

感想:

そうそうたる難病たちとならべていただいて光栄だ。

[性機能不全]の関連記事

2018年8月9日

運動イメージ能力と半側空間無視


Motor imagery in chronic neglect- An fMRI pilot study
2018  8月  ドイツ

脳卒中患者の運動イメージ訓練が半側空間無視にも有効であるとする報告がいくつかある。

このときの脳の働きをくわしくしらべてみたそうな。


右脳損傷の脳卒中で半側空間無視の慢性期患者9人について、

親指と他の指をタップする課題(finger opposition task)を心のなかで行わせた。

このときの脳のはたらきを脳機能MRIで観察したところ、


次のことがわかった。

・非麻痺手の運動イメージは、左脳の1次体性感覚野、運動前野および補足運動野が活動し、

・麻痺手の運動イメージでは、左脳の運動前野、補足運動野および背外側前頭前野の働きがあった。

・発症からの時間と視覚的にイメージ操作する能力がおおきいほど麻痺手イメージ中の補足運動野の活動が小さかった。

・半側空間無視が重症であるほど麻痺手イメージ中の補足運動野の活動はおおきかった。
麻痺手の運動イメージ中の補足運動野の活動をとおして運動イメージ能力が無視症状にたいして代償的に働くことを示せた、


というおはなし。
図:運動イメージと無視

感想:

なるほど、イメージができていないものはたとえ目の前にあっても見えないってことか。

2018年8月8日

若年者の脳卒中入院率 最近の傾向


Stroke hospitalization trends of the working-aged in Finland
2018  8月  フィンランド

脳卒中の発生率は低下傾向にあるといわれているが、若年層に限定すると必ずしもそうはならず調査によりおおきく異なる。

これをフィンランドの全患者についてたしかめてみたそうな。


2005と2014に18-64歳だった脳卒中患者記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・10万人あたりの入院率は、この間に脳内出血で15.2%低下、くも膜下出血は26.5%低下していた。この傾向は男女で共通していた。

・脳梗塞については入院率の低下は男性のみで女性にはみられなかった。

・しかし男性の35-44歳に限定すると脳梗塞入院率は37.5%高くなった。

・全体として脳梗塞患者の入院期間は減少したが、

・脳内出血とくも膜下出血の入院期間は変わらなかった。

・院内死亡率は脳梗塞で42.8%低下したが、脳内出血とくも膜下出血では変わらなかった。

フィンランドでは労働年齢層の脳卒中入院率が低下傾向にあったが、35-44歳男性の脳梗塞についてはその限りではなかった。脳梗塞の入院期間と院内死亡率の低下は重症な患者の減少と治療技術の向上を意味するのかも、


というおはなし。
図:血栓溶解療法の適用率変化2004-2014

感想:

脳内出血とくも膜下出血の入院率低下は血圧や喫煙コントロールの成果なんだろうけど、一旦なっちゃうと結果は相変わらずってことか。

2018年8月7日

死にたい想い 男女のちがい


Gender-specific factors related to suicidal ideation among community-dwelling stroke survivors- The 2013 Korean Community Health Survey
2018  8月  韓国

脳卒中経験者の自殺リスクは高い。

死にたいと思いを巡らす「自殺念慮」のある脳卒中経験者について男性と女性とでどのような特徴があるものか大規模にしらべてみたそうな。


2013年の20万人以上の韓国人を対象とした地域健康調査の記録から4322人の脳卒中経験者を抽出し、過去1年間に自殺念慮をもった者の特徴を解析したところ、


次のことがわかった。

・男性で自殺念慮のおきやすい特徴は、配偶者と死別している、隣人と接触のない、現在喫煙者、飲酒頻回、だった。。

・女性での特徴は、高齢、低世帯収入、無職、主婦や学生、友人との接触がない、糖尿病、だった。

・男女に共通する特徴として、持続的な高レベルのストレス、憂鬱気分、低自己評価健康状態、うつ病、が挙げられた。

脳卒中経験者で自殺を考える者の特徴は性別で異なっていた。男性では妻を亡くし隣人と交流のない者、女性では高齢 無職で収入の少ない者に自殺念慮リスクが高かった、


というおはなし。
図:リストカット

感想:

まだそういう気持ちになったことはないけど、そのときがきたら「絶食」で臨むつもり。

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