2018年4月24日

ストレスで脳動脈瘤ができる条件とは


Stress in Patients With (Un)ruptured Intracranial Aneurysms vs Population-Based Controls.
2018  4月  オランダ

ストレスが脳卒中のリスク要因とする報告がいくつもある。

そこでストレスと脳動脈瘤の発生および破裂との関連を詳しくしらべてみたそうな。


未破裂動脈瘤患者227人と破裂脳動脈瘤患者490人、健常者775人について、

おおきなストレスイベントとして以下の4種類のテーマ
*お金、*家族との死別、*子供、*仕事
と、その時期、

継続的なストレスを自覚する場として、
自宅 または 職場
でのストレス頻度を聞き取りし、

関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・未破裂脳動脈瘤患者のほうが破裂患者よりも重大なストレスイベントの数がおおかった。

・ストレスイベントとしてはお金にまつわるものが未破裂脳動脈瘤とのみ関連が強く、子供関連ストレスや家族の死別と脳動脈瘤との関連はなかった。

・ストレスイベントの時期と脳動脈瘤との関連はなかった。

・自宅で受ける継続的なストレスの頻度は 破裂および未破裂脳動脈瘤と用量関係にあり、生涯をとおして受けるとさらに関連はつよかった。

・職場での継続的ストレスと脳動脈瘤との関連はほとんどなかった。

自宅で受けるストレスの総量が脳動脈瘤と関連していた。どういうメカニズムなのかはさらなる調査が必要、


というおはなし。
図:ストレスと脳動脈瘤

感想:

社会からの避難所であるべき自宅がストレスフルな環境の場合、もはや「あの世」を目指すしか逃げ場がないという意味の生体反応じゃないかな。

2018年4月23日

ランセット誌:脳卒中予防に適したアルコール量は


Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies
2018  4月  イギリス

アルコール摂取ガイドラインは国ごとにおおきく異なっていて、アメリカではその上限が男性196g/週 女性98g/週で、スペインはこの1.5倍、イギリスは半分である。

このような違いが生じる理由として アルコール摂取量と死亡率、心血管疾患との関係がわかっていないことが考えられる。

それをあきらかにするべく大規模な調査をおこなってみたそうな。


19の高所得国で飲酒習慣のある599912人について脳卒中などの心血管疾患、死亡の有無を長期にフォローしたところ、


次のことがわかった。

・長期フォロー中に、40310の死亡と39018の心血管疾患があった。

・総死亡率はアルコール摂取量が100g/週 で最低になった。

・脳卒中リスクはアルコール摂取量と線形関係にあった。

・心筋梗塞だけはアルコール摂取が増えるとリスクが低下した。

・100g/週にくらべ、100-200、200-350、>350g/週 の40歳時点での余命短縮度はそれぞれ、6ヶ月、1-2年、4-5年となった。

総死亡率をもっとも低くするアルコール摂取量は100g/週だった。心血管疾患についてはその種類ごとに用量関係がことなりリスク最低しきい値は決められなかった、


というおはなし。
図:アルコールと脳卒中リスク

感想:

うえのグラフから、脳卒中的にはアルコールに適量はなく 摂取量ゼロが望ましいってことと理解。

2018年4月22日

くも膜下出血のあと太らせるべき根拠


Increased Body Mass Index Associated With Reduced Risk of Delayed Cerebral Ischemia and Subsequent Infarction After Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2018  4月  アメリカ

脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血では遅発性脳虚血がおきやすい。遅発性脳虚血は可逆的ではあるもののさらに進んで梗塞になる患者もいる。

高BMI(ボディマス指数)で脳卒中の予後が良いとする肥満パラドックスはくも膜下出血でも報告されているが、BMIと遅発性脳虚血からの梗塞 との関連についての研究はないのでしらべてみたそうな。


くも膜下出血患者161人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均BMIは28.9、遅発性脳虚血は31.1%で起き、つづいて梗塞が9.3%で起きた。

・BMIが29.4以上だとあきらかに遅発性脳虚血と梗塞が少なかった。

・BMIが29.4以上でも生活自立度が不良(mRS>2)というわけではなかった。

・超音波装置で測定した最大脳血流速が高いほど遅発性脳虚血と梗塞が起きやすかったがBMIとの関連は確認できなかった。

BMIが高いくも膜下出血患者には遅発性脳虚血や梗塞がおきにくかった。積極的に患者を太らせたほうがいいのかも、


というおはなし。
図:BMIと脳内血流速

感想:

BMIが29.4っていったら じぶんはあと30キロ以上体重ふやさないといかん。

2018年4月21日

若い男性の喫煙本数と脳梗塞の関係


Smoking and Risk of Ischemic Stroke in Young Men
2018  4月  アメリカ

喫煙本数と脳梗塞リスクは、中高年では弱い関連があって 若年成人女性では強い関連があることがわかっている。

若年成人男性についてはわかっていないので、喫煙量と脳梗塞リスクについて詳しくしらべてみたそうな。


2003-2007の15-49歳の男性脳梗塞患者615人と同じ地域に住む同年齢の健常者530人について喫煙調査をおこなった。

生涯喫煙本数が100本未満を「非喫煙者」
生涯100本以上で発症30日以内の非喫煙者を「喫煙経験者」
発症30日以内の喫煙者を「現在喫煙者」とした。


次のようになった。

・非喫煙者に対する現在喫煙者の脳梗塞のオッズ比は1.88、

・本数別では1日11本未満はオッズ比 1.46、

・40本以上だとオッズ比 5.66になった。

若年成人男性の1日の喫煙本数と脳梗塞のなりやすさには強い用量関係が確認できた。だから本数をへらすだけでも脳梗塞リスクを下げられるだろう、


というおはなし。
図:喫煙本数と脳梗塞リスク

感想:

すこしまえのメタアナリシスで、「1本でも吸ったら20本時の半分近い脳卒中リスクあり」って話があったのを思い出した。↓
Low cigarette consumption and risk of coronary heart disease and stroke: meta-analysis of 141 cohort studies in 55 study reports

2018年4月20日

tPA治療に間に合うとどれくらいラッキーなのか


Long-Term Survival After Intravenous Thrombolysis for Ischemic Stroke
2018  2月  イギリス

急性脳梗塞のほぼ唯一の治療法である静脈内血栓溶解治療(tPAアルテプラーゼ)の長期的な影響については脳内出血の問題もありじつはよくわかっていない。

そこでアルテプラーゼ治療による10年間の生存率と機能回復について詳しくしらべてみたそうな。


2005-2015の脳梗塞患者2052人から、アルテプラーゼ治療を受けた246人と 条件の近い492人についてフォローしたところ、


次のことがわかった。

・生存年数の中央値は 5.72 vs. 4.98年 で治療グループが長かった。

・治療により10年時の死亡リスクが37-42%低下した。

・10年間を平均すると、治療を受けた患者は1年長く生存できた。

・5年時点での生活自立度は治療グループがあきらかにすぐれていた。

脳梗塞のt-PAアルテプラーゼ治療は長期の生存率と身体機能の改善に効果がありそうだった、


というおはなし。
図:tPA治療での10年間の生存率

感想:

発症から数時間以内に入院できるというまれにみる幸運の結果が 「たった1年間の余命延長」という事実を知って 深いむなしさを感じた。

2018年4月19日

くも膜下出血の超早期手術はじっさいどうなの?


Ultra-early treatment for poor-grade aneurysmal subarachnoid hemorrhage: a systematic review and meta-analysis.
2018  4月  中国

脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血患者のうちグレードがⅣ Ⅴに相当する重症患者は18-24%を占め、その60%は死亡または重度の障害が残る。

くも膜下出血の再出血率は重症患者で20% 軽症患者は5%、12時間以内の再出血が特におおい。

これまでクリッピングやコイリングといった手術は発症から数日間患者の様子をみてから実施されてきた。

しかし最近では24時間以内の超早期に手術を行うことで再出血や血管攣縮を防ぐことができるとする考え方が流行してきている。

この超早期手術が重症患者にも有効なのか?メタアナリシスで検証してみたそうな。


関係する研究論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・患者1111人を含む14の研究がみつかった。

・回復良好患者は47%で、

・死亡率は26%、再出血率10%、手術困難率20% だった。

・従来のやり方にくらべ超早期手術には予後改善と死亡率低下の効果は認められなかった。

重症くも膜下出血患者への超早期手術に機能回復や死亡率を下げるあきらかな効果はなかった、


というおはなし。
図:クリッピングとコイリング

感想:

1) 再出血予防手術の有効性のRCTは存在しない。(by ガイドライン

2) 入院が遅れるほど死亡率は下がる。

3) そして今回の結果。

これらの事実から、じぶんがくも膜下出血になったときには手術をお断りするつもり。

2018年4月18日

脳梗塞になったらたんぱく質をがっつり摂るべき理由


Impact of Early High-protein Diet on Neurofunctional Recovery in Rats with Ischemic Stroke.
2018  4月  中国

脳卒中のあとの栄養不良状態が患者の予後を悪化させるという報告は数多くあるが、高たんぱく質食をあたえた場合の影響についてはいまだ結論がでていない。

そこで脳梗塞の直後から高たんぱく質食をあたえたときの梗塞の大きさ、発現分子、酸化ストレスについて動物で詳しくしらべてみたそうな。


ネズミ48匹に脳梗塞にする手術をおこない次の4グループにわけた。

手術で脳梗塞+高たんぱく質食
手術で脳梗塞+通常たんぱく質食
手術行為だけ+高たんぱく質食
手術行為だけ+通常たんぱく質食

7日間フォローしたところ、


次のようになった。

・脳梗塞ネズミでは高たんぱく質食で 体重増加が著しく、神経症状スコアは低く、運動バランス能力の回復がとても良く、

・さらに梗塞の大きさが小さかった。

・また活性酸素分解酵素が増加し、複数の酸化ストレス物質が減少していた。

・手術行為のみで脳梗塞にしなかったネズミでは食事の違いの影響はほとんどなかった。

脳梗塞直後からの高たんぱく質食により体重、神経症状、梗塞エリアが改善し、酸化ストレスによるダメージも緩和された、


というおはなし。
図:脳卒中後の高タンパク質食の効果

感想:

たしかに 食事たんぱく質のはなしは「予防」ばかりで、
脳卒中の「あと」の影響についての報告は数件しか記憶にない。
プロテインを飲んでリハビリを加速

脳卒中になったら豆腐、がんも、油揚げ

2018年4月17日

消化性潰瘍を経験した脳梗塞患者の再発率


The Impacts of Peptic Ulcer on Stroke Recurrence.
2018  4月  中国

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの「消化性潰瘍」が脳梗塞のリスクであるとする報告がさいきん増えている。

そこで、消化性潰瘍が脳梗塞の再発リスクにもなりうるものなのかしらべてみたそうな。


脳梗塞で入院した患者に、過去5年間に内視鏡検査で消化性潰瘍と診断されたことがあるか を聞き取りした。

さらに1年間フォローして脳梗塞の再発との関連を解析したところ、


次のようになった。

・脳梗塞患者2577人の5.0%に消化性潰瘍歴があった。

・1年間内に脳梗塞の再発があった率は、12.4 vs 7.2% で消化性潰瘍歴グループに高かった。

・消化性潰瘍歴がある場合の脳梗塞再発リスクは1.85倍だった。

消化性潰瘍を経験した脳梗塞患者は再発リスクが高かった。消化性潰瘍の治療が再発予防になるかも、、


というおはなし。
図:消化性潰瘍と脳卒中再発リスク

感想:

どうやらピロリ菌があるとアテローム性動脈硬化がすすんでどうのこうのというメカニズムがありうるようだ。

[ピロリ菌]の関連記事

2018年4月16日

周期性四肢運動は脳卒中患者におおいのか?


Periodic limb movements during sleep in stroke/TIA: Prevalence, course, and cardiovascular burden.
2018  4月  スイス

睡眠中に手や脚が何秒かおきにビクビクとうごく周期性四肢運動(PLMS)は、健康な成人でも28%が1時間に15回以上うごくという。

これまでPLMSが脳卒中患者でおおいという報告があるので、確かめるべく詳しくしらべてみたそうな。


脳梗塞またはTIAの患者の急性期と3ヶ月後に睡眠ポリグラフ検査および24時間の血圧モニターをおこない、PLMSの有無との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・255人の患者にたいし 急性期に169人分、3ヶ月後に191人分のポリグラフ検査を行い、162人の健常者と比較した。

・脳梗塞患者のPLMSの1時間あたりの回数は健常者とほとんどおなじだった。

・脳梗塞患者のPLMS指数は急性期と慢性期で変わらなかった。

・PLMSの関連要因は年齢、BMI、高血圧歴だった。

・PLMSの有無で血圧変動と脳血管損傷の程度に差はなかった。

周期性四肢運動の頻度は脳卒中患者と一般人で差がなかった。しかし高血圧との関連はつよく、降圧薬治療をうけていた患者に周期性四肢運動がおおい傾向がみられた、


というおはなし。
図:周期性四肢運動と降圧薬

感想:

ビクビクうごいても病気の症状ってわけじゃぁ ないんだな。

[周期性四肢運動 OR むずむず脚症候群]の関連記事

2018年4月15日

泣き笑いを制御できない脳梗塞患者の認知能的特徴


Correlation between cognitive impairment during the acute phase of first cerebral infarction and development of long-term pseudobulbar affect.
2018  3月  中国

とくに理由もないのに 場にふさわしくない大笑いや号泣をしてしまう感情をコントロールできない症状をスードバルバーアフェクト(Pseudobulbar affect : PBA)とよぶ。

PBAは中枢神経系の病気にみられとくに脳卒中患者でおおく、経験者は52%におよび12ヶ月後でも11%に症状がつづくとする報告もある。

またPBAは男性よりも女性で、脳出血よりも脳梗塞で、笑いよりも泣くケースがおおいことが知られている。

そこでPBAになりやすい脳梗塞患者が急性期の認知障害テストに反映されているものか確かめてみたそうな。


脳梗塞の急性期に認知障害を示し 6ヶ月後前後のあいだにPBAと判定された26人と、
PBAでない他の条件がおなじ26人を比較したところ、


次のことがわかった。

・PBAの有無は認知障害検査MoCAスコアに反映されていた。

・とくに 数唱テスト、ストループテスト、時計描画テストのスコアがPBAに関連する要因だった。

脳梗塞の急性期に認知障害を示す患者はPBAの長期リスクが高かった。遂行機能、注意力、視空間能力の障害がPBAに関係していると考えられた、


というおはなし。
図:スードバルバーアフェクトに関連する認知機能

感想:

笑いが止まらない自分を観察する さめた自分がいたことを思い出す。

時計描画能力とどう関係するのか興味ある。

[スードバルバーアフェクト OR 感情失禁]の関連記事

2018年4月14日

心身運動の脳卒中リハビリ効果


Effects of Mind-Body Exercises for Mood and Functional Capabilities in Patients with Stroke: An Analytical Review of Randomized Controlled Trials.
2018  4月  中国

脳卒中患者のおよそ3分の1は日常生活動作に困難を生じる。

理学療法などいくつものリハビリ方法が提案されてはいるがコストや時間を浪費するばかりで成果があがらない。

さらに脳卒中患者はうつ 不安 睡眠障害といったメンタルヘルスの問題も抱えがちである。

きんねん太極拳や気功 ヨガといった "心身運動"(Mental Body exercise)が ゆっくりとした動作と筋肉ストレッチ リラクゼーション 呼吸法 集中力 の訓練を低コストかつ楽に実践することができるものとして とても人気がでてきている。

そこで脳卒中リハビリでの心身運動の効果を検証するべくメタアナリシスをおこなったそうな。


データベースからこれまでの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・16のランダム化比較試験がみつかった。

・心身運動で日常生活動作と移動能力があきらかに改善し、うつレベルも低下した。

心身運動をリハビリメニューに加えることで脳卒中患者のうつ 日常生活動作 移動能力を改善できそうである、、


というおはなし。
図:心身運動の脳卒中ADL改善効果

感想:

太極拳とかヨガにはながい伝統があるぶん情報が豊富で、あるべき状況をイメージしやすい。

いっぽう、、
日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?

2018年4月13日

脳卒中患者の前頭前野ががんばっている理由とは


Prefrontal over-activation during walking in people with mobility deficits: Interpretation and functional implications.
2018  3月  アメリカ

歩行機能を自動制御している中枢神経系に脳卒中などでダメージがおよんだ場合、足りなくなった注意や運動制御に要するリソースを他の領域に求め補うという考え方がある。

このあたりを確かめるべく歩行課題を複雑にしていったときの前頭前野の活動を 異なる被験者グループで測定してみたそうな。


若い健常者9人と
歩行困難のある高齢者15人、
片麻痺の脳卒中患者24人について

*通常歩行、
*障害物ありの歩行、
*言語課題(与えた文字で始まる単語を多く言わせる課題)中の歩行、

の各状況下での課題直後とさらに30秒後の前頭前野の酸化ヘモグロビンの量を近赤外線分光器で測定した。

また歩行スピードをもって歩行機能とした


次のようになった。

・通常歩行時とくらべたときの障害物歩行時の前頭前野の活動レベルはグループごとにあきらかに異なり、若者がもっとも低く 次いで高齢者<脳卒中患者 の順だった。

・同様に歩行スピードの低下度も 脳卒中患者>高齢者>若者 の順でおおきかった。

・若者の場合、通常歩行時の活動レベルが言語課題歩行時にくらべ非常に低いことから前頭前野の処理リソースがとてもおおきいことが伺える。

・高齢者と脳卒中患者では歩行課題の複雑さを上げると歩行機能が低下したことから、CRUNCH(Compensation-Related Utilization of Neural Circuits Hypothesis)仮説に則っていると考えられた。

高齢者や脳卒中患者の前頭前野は歩行の複雑さを増すと過活動になりその働きは限界に達し歩行機能が低下した、


というおはなし。
図:脳卒中患者の二重課題時の前頭前野の活動量

感想:

まだまだ若いとおもっていたけど、期せずして脳みそだけ高齢者の仲間入りをしてしまったようだ。

さいきん自動車運転中に同乗者と天気についての会話ができるようになってきたけど、記憶をたどる必要のあるやや複雑な話題になると とたんに返事ができなくなってしまう。

[二重課題]の関連記事

2018年4月12日

温鍼灸療法が痙縮に効くは本当か?


Warm-needle moxibustion for spasticity after stroke: A systematic review of randomized controlled trials.
2018  3月  中国

「温鍼灸療法」はツボに刺した針の末端にモグサを据えて燃やし 針をとおして熱を伝える治療法であり、近年とくに脳卒中の痙縮治療効果で注目があつまっている。

これを検証するべくこれまでの研究をシステマチックレビューしてみたそうな。


世界中のデータベースから関係する信頼度の高い研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者878人を含む12のランダム化比較試験がみつかった。

・痙縮をやわらげ運動機能の回復を促す点で温鍼灸療法は電気鍼や通常の鍼よりすぐれていた。

・日常生活動作への影響は 温鍼灸療法が電気鍼よりもすぐれていたが、

・通常の鍼との差はなかった。

温鍼灸療法は脳卒中患者の痙縮をやわらげ運動機能や日常生活動作を改善する点で他の鍼灸より期待できるかも、、


というおはなし。
図:温鍼灸療法

感想:

不用意に動くと針からモグサが落ちて とても熱い思いをすることになりそう、
とおもったけどこぼれないようになってるんだな。

2018年4月11日

脳梗塞が夏におおいは間違いだった


Seasonal Variations in Neurological Severity and Outcomes of Ischemic Stroke - 5-Year Single-Center Observational Study.
2018  3月  日本

脳卒中と季節についての研究は数おおくおこなわれていて、脳内出血にかんしては冬におおいということで概ね一致している。

しかし脳梗塞については季節変動なしとするものも含め研究ごとでばらばらである。

結果の一致をみない理由として脳梗塞の種類を考慮していない点やサンプル数の少なさが考えられる。

そこで、国立循環器病センターの脳卒中データベースを用いて大規模に詳しくしらべてみたそうな。


急性脳梗塞患者2965人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・全体として脳梗塞の発生数に季節による違いはなかった。

・しかし 75歳以上または中程度レベル以上の神経症状、心原性に限ると冬に有意におおかった。

・非心原性の患者1934人に限ると、脳卒中の発生数に季節変動はなく、

・中程度レベル以上の神経症状は冬と春におおく、

・寝たきりになるような患者に季節の違いはなかった。
脳梗塞は全体として季節ごとの変動はなかったが、心原性に限ると冬におおかった。非心原性の患者では中レベル以上の症状は冬と春におおかった。予後の悪い患者に季節の違いはなかった、


というおはなし。
図:脳梗塞の種類 季節ごとの内訳

感想:

意外性をあおるためか「脳梗塞は夏におおい」という記事ばかりがこれまでは目についていたよ。

上の図みるとぜんぜん夏おおくない。

2018年4月10日

脳内出血アジア人の心的外傷後ストレス障害PTSD


Posttraumatic stress disorder after a first-ever intracerebral hemorrhage in the Chinese population: A pilot study.
2018  4月  中国

これまでの研究から脳卒中やTIAのあと10-25%の患者がPTSD(心的外傷後ストレス障害)になることがわかっている。

またPTSDの有病率は西洋人で3-6%のいっぽう、アジア人では1%未満であるという。

そこで、中国人を対象に脳内出血患者に限定してPTSDの頻度と特徴をしらべてみたそうな。


脳内出血患者64人を12ヶ月後までフォローした結果、


次のことがわかった。

・3ヶ月後、23.4%の脳内出血患者がPTSDと診断された。

・PTSDになった患者は 67 vs. 29% で女性がおおく、

・47 vs. 18% でなんらかの手術を受けた患者がおおかった。

・PTSDになった患者は "改訂出来事インパクト尺度" IES-R (Impact of Event Scale-Revised)のスコアが高く、不安やうつが強く、不適応な対処行動をとりがちで、

・QoLが低く、脳卒中による障害が重かった。

・12ヶ月後、PTSDになった患者の43%が自然に回復していた。

脳内出血はアジア人患者のPTSDリスクを上げる要因だった。特に女性、手術あり、障害の重い患者で顕著だった、


というおはなし。
図:心的外傷後ストレス障害

感想:

重い障害が残っているときにPTSDと診断されたとして、なにか救いになるのかね?

[PTSD]の関連記事

2018年4月9日

退院のあと抗血栓薬で大出血の頻度と特徴


Serious hemorrhages after ischemic stroke or TIA - Incidence, mortality, and predictors.
2018  4月  スウェーデン

脳梗塞やTIAになるとほとんどの患者が退院時に再発予防のための抗血栓薬を処方される。

しかし抗血栓薬には出血の副作用があり、命にかかわるような重大な出血を起こす頻度は抗凝固薬で年間2-5%、抗血小板薬で1-2%とされている。

しかしこれら重大な出血による死亡率への影響や関連要因についてはよくわかっていないのでしらべてみたそうな。


2010-2013の脳梗塞やTIAの患者1528人(平均年齢75)を退院後フォローしたところ、


次のことがわかった。

・退院後、113人が重大な出血を起こした。これは年率2.48%に相当し、内訳は頭蓋内出血が45人、消化管出血が41人、27人は尿管出血など だった。

・重大な出血患者の30日死亡率は15.9%で、そのうち脳内出血が致命率42.1%でもっとも高かった。

・障害の重い(mRS3-5)患者の年間死亡率は31.0%、障害の軽い(mRS0-2)患者の年間死亡率は4.2%だった。

・重大な出血は障害の重い患者の死亡率に影響しなかった。

・しかし障害の軽い患者の死亡リスクを上げた。

・高血圧は重大な出血リスクと関連していた。
脳梗塞やTIAの患者は退院後 年率2.5%で命にかかわるような重大な出血をおこしていた。この重大な出血は障害が重い患者よりも軽かった患者の死亡率を上げた。高血圧治療が出血リスクを下げると考えられた、


というおはなし。
図:抗血栓薬のんで大出血した患者の生存率

感想:

「脳梗塞やったけど障害が残らなくてラッキー」と思っていたら抗血栓薬のおかげで大出血で死亡。しかし「脳梗塞は再発しなかったのだから治療は成功」ってことか。

2018年4月8日

脳卒中患者に楽器を演奏させてわかったこと


Music-supported therapy in the rehabilitation of subacute stroke patients: a randomized controlled trial.
2018  4月  スペイン

楽器の演奏訓練をとおして上肢リハビリをおこなう 音楽サポート療法 "music supported therapy" は脳卒中患者の運動機能の回復に期待できるとする報告がいつくかあるが、レベルの高い研究はほとんどない。

そこで、音楽サポート療法の効果を確かめるべくランダム化比較試験をおこなってみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者を20人ずつ
音楽サポート療法(+従来型リハビリ)と
従来型リハビリのみのグループ、にわけた。

両グループともトータルの訓練時間が同じになるようにした。

4週間の訓練ののち、運動機能、認知機能、心理状態、QoLを 3ヶ月間フォローしたところ、


次のようになった。

・両グループともに運動機能があきらかに改善したが、

・グループ間の違いはまったく見られなかった。

・QoL評価の言語ドメインにのみ差がみられた。

・しかし 音楽にたいして喜びを感じる能力調査(Barcelona Music Reward Questionnair)の結果と3ヶ月後の運動機能との相関がみられた。

従来型リハビリに音楽サポート療法を付け加えても運動機能の回復にすぐれた効果はなかった。しかし音楽活動に喜びをみいだす患者は運動機能の回復もよかった、


というおはなし。

図:音楽サポート療法の効果

感想:

ようするに演奏させるかどうかにかかわらず、音楽センスのある患者ほど運動機能が回復しやすい、ってことなんだな。

2018年4月7日

リハビリ病院に入ってもちっとも良くならない理由


Excessive sedentary time during in-patient stroke rehabilitation.
2018  4月  カナダ

リハビリ病院に入院している脳卒中患者が ほとんどの時間を座って過ごしているという報告が相次いでいる。

そこで、この事実確認とセラピー中の活動状況および関連要因についてしらべてみたそうな。


第三次医療機関にリハビリ入院している脳卒中患者19人について、
心拍計と加速度計を装着して24時間x計2週間 測定をおこなった。

安静時代謝当量(MET)の1.5倍未満の運動強度のときを座位状態と判断した。
患者の障害度、精神状態、社会サポートもしらべ関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者は1日に10時間眠り4時間休憩し、目覚めている時間の86.9%は座っていた。

・平均して週に8.5回のセラピーセッションがあったが、週に15時間以上とするガイドラインレベルをおおきく下回っていた。

・理学療法時の61.6%および作業療法時の76.8%を座った状態で過ごしていた。

・心拍数は理学療法時に15ビート、作業療法時に8ビート上がった。

・患者の障害度や精神状態と座っている時間および活動時間との関連はなかった。

十分なリハビリ訓練量のニーズがあるにもかかわらず、患者はほとんどの時間を座ってすごし セラピー時間でさえなにもしていないも同然だった。これは患者要因によるものではなく 組織の問題だった、


というおはなし。
図:リハビリ病院での活動内容

感想:

リハビリ病院は、急な出来事で混乱している家族の気持ちが落ち着くまでのあいだ患者を預けておくための一時的な介護サービス施設なんだよ。

それ以上のことを期待しちゃダメ。
病院のリハビリで患者の訓練時間がとても短いわけ

リハビリ病院ってほとんど動く時間がなくて笑った

日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?

2018年4月6日

サイエンス誌:脳卒中リハによく効く薬を日本が開発


CRMP2-binding compound, edonerpic maleate, accelerates motor function recovery from brain damage
2018  4月  日本

脳卒中からのリハビリ訓練による回復過程で シナプス変化の中心的役割を司るAMPA受容体の一連のプロセスにCRPM2というタンパク質が関わっている。

日本企業が開発したアルツハイマー病治療に期待のかかる "edonerpic maleate" という化合物がCRPM2に作用することから脳卒中リハビリにも役立つものか動物実験してみたそうな。


脳卒中のネズミとサルについて edonerpic maleate投与後の上肢機能改善度をしらべたところ、


次のようになった。

・ネズミもサルも edonerpic maleate投与後リハビリ訓練を行った場合に上肢機能がはげしく改善した。

・とくにサルの指使い能力が著しい改善を遂げた。

化合物 edonerpic maleate が脳の可塑性を促した。脳卒中患者での臨床試験が楽しみだ、


というおはなし。
図:edonerpic maleateの脳卒中回復効果

感想:

今朝のNHKニュースで報道されてたので関心をもった。

どの結果も出来すぎていて かえって気持ちが冷めてしまった。

たとえば上の図で、edonerpic maleateだけではまったく回復しなくてリハビリ訓練を加えたときのみおおきく回復するってところ。

まともな研究でこれほどあからさまな図はいままでみたことがない。

2018年4月5日

両手が一緒にうごいちゃう患者は遂行機能が弱い


Mirror movements are linked to executive control in healthy and brain-injured adults.
2018  3月  フランス

いっぽうの上肢の動きにつられて反対側の上肢が対称的に動いてしまうことを 鏡像運動 (mirror movement)という。

鏡像運動は幼少期によく現れ、成長にしたがい消える。しかし脳卒中の片麻痺患者で起きやすく、健康な者でも特定の条件下で発生させることができる。

脳損傷患者の鏡像運動には注意 抑制機能の問題がかかわっているという報告がいくつかあるので、その関連を詳しくしらべてみたそうな。


健常者24人と脳損傷患者8人について、鏡像運動の頻度と強度、および注意 抑制機能をそれぞれ複数のテストで評価したところ、


次のことがわかった。

・健常者とくらべて脳損傷患者では鏡像運動の頻度と強度がおおきく、注意力に欠陥がみられた。

・さらにすべての被験者で、Trail Making Test に反映される「遂行機能」から鏡像運動の頻度と強度を予測することができた。

鏡像運動と被験者の遂行機能に関連がみられた。脳損傷患者については 注意欠陥のリハビリで鏡像運動を減らすことができるかも、、


というおはなし。

←鏡像運動ビデオ

感想:

鏡像運動は記憶にないけど、手と脚が一緒に動くことはよくあった。

遂行機能」をさいきんよく目にするので関心をもった。

2018年4月4日

「心房細動?なにそれ」率日本一は○○県民


Awareness of atrial fibrillation in Japan: A large-scale, nationwide Internet survey of 50 000 Japanese adults.
2018  3月  日本

心房細動は心原性の脳塞栓症の原因の1つであり、症状はなく脳卒中をおこすまで気づかないことがおおい。

早期発見のため、まずは日本人の心房細動にたいする認識レベルを確認してみたそうな。


調査会社にモニター登録している17万人の日本人から、
50歳以上の医療関係者でない人物にインターネット経由でアンケート調査し、
さらに回答者から関連病歴のある者も除去して解析した結果、


次のことがわかった。

・50万人あまりの回答が集まった。

・27.5%は心房細動について何も知識がなかった。

・3.8%のみがよく理解しており、57.3%は名称だけ知っていた。

・まったく知識のない人は高知県でおおく(36%)、理解者は京都府におおかった(5.1%)。

・若年、男性、田舎住まい、が知識のない者の特徴だった。

日本の成人の3.8%のみが心房細動についてよく理解できていた。この数字はかなり低いと考えられる、


というおはなし。
図:心房細動に無知ナンバーワンは高知県民

感想:

数週間まえに ためしてガッテンで心房細動の恐怖を煽りまくっていたのを観て「これはたいした問題じゃぁないな」、と確信した。

2018年4月3日

脳卒中後の肩の痛み患者が減少している理由


Post-stroke spasticity and shoulder pain prevalence decrease over the last 15 years.
2018  3月  フランス

さいきんひどい痙縮や肩の痛みを訴える脳卒中患者が減少してきているように見えるので、きっちりとしらべてみたそうな。


フランスのフェルナンデ・ヴィダル病院のリハビリ部 2000-2015の患者記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢58、786人(脳梗塞68%、脳出血32%)の記録がみつかった。

・関節可動域に影響するようなひどい痙縮の患者は2006まで増えたのち減少に転じた。

・肩の痛みの患者は13%→8%に減少した。

・ひどい痙縮患者の26%は肩の痛みもあった。

・歩ける入院患者や退院時に手が動く患者が増えていた。

・認知障害は24%→63%に増えていた。

この15年間でひどい痙縮や肩の痛みを訴える脳卒中患者の割合が低下してきている。マルチセンタースタディを期待する、


というおはなし。
図:脳卒中後の肩の痛みのトレンド

感想:

よく読むと患者の重症度が載っていない。

なにか治療上の進歩があったのかとおもったけど、どうやら軽症のお客様の獲得に成功するようになっただけのようだ。

これ↓思い出したよ。
Stroke誌:これ エビデンス? 早期リハビリの...

2018年4月2日

抜けた歯の本数と脳卒中リスクの関係


Tooth loss and risk of cardiovascular disease and stroke: A dose-response meta analysis of prospective cohort studies.
2018  3月  中国

歯周病と歯の脱落は口腔衛生の指標としてよく用いられており、脳卒中など心血管疾患との関連もおおく報告されている。

しかし歯の脱落本数との用量関係についての研究はほとんどないのでしらべてみたそうな。


関係するこれまでの研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者879084 心血管疾患43750を含む17の研究が見つかった。

・歯の脱落本数と心血管疾患リスクとはあきらかな用量関係があり、

・特に歯が2本抜けるごとに冠動脈疾患と脳卒中のリスクは3%上昇した。

歯の脱落本数と脳卒中など心血管疾患リスクはあきらかな用量関係があった、


というおはなし。
図:歯が抜けた本数と脳卒中リスク

感想:

脳卒中は老化病みたいなものだから相関するのは不思議じゃないんだけど、抜けた本数すくなくてもきっちりリスク上がるんだね。

[歯 本数]の関連記事

2018年4月1日

孤独感と社会的孤立、脳卒中で死ぬのはどっちだ


Social isolation and loneliness as risk factors for myocardial infarction, stroke and mortality: UK Biobank cohort study of 479 054 men and women.
2018  3月  フィンランド

孤独感や社会的孤立にさらされていると心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなるとする報告がおおくある。

しかしこれらの調査はいずれもサンプル数がすくなく、心筋梗塞や脳卒中のあとの死亡率までしらべていない。

そこで、孤独感や社会的孤立が心筋梗塞や脳卒中、その後の死亡率にたいして独立したリスク要因であるのかを大規模に調べてみたそうな。


イギリスのBiobank研究の47万人あまりの調査データを使用して解析した。

「孤独感」は 頻繁な主観的孤独 と親しい人に悩みを打ち明ける頻度から、

「社会的孤立」は 世帯人数 友人や家族との交流頻度と社会参加の頻度から評価した。


次のことがわかった。

・平均7.1年間のフォロー中に5731件の急性心筋梗塞と3471件の脳卒中があった。

・社会的孤立は急性心筋梗塞と脳卒中のリスクと相関していたが、他のリスク要因を考慮にいれるとこの相関はほとんど消えた。

・孤独感も急性心筋梗塞と脳卒中のリスクと相関していたが、他のリスク要因を考慮にいれるとこの相関はほとんんど消えた。

・しかし孤独感ではなく社会的孤立だけは他の要因をすべて考慮にいれても死亡リスクとあきらかな相関があり、急性心筋梗塞死亡リスクが1.25倍、脳卒中死亡リスクは1.32倍だった。

孤独感と社会的孤立は急性心筋梗塞や脳卒中リスクと相関をしめしたが、大部分が他の心血管リスクで説明がついた。しかし社会的孤立だけはそれ自体が急性心筋梗塞や脳卒中の死亡リスクと相関があった、


というおはなし。

図:社会的孤立と脳卒中死亡リスク



感想:

他人と心からわかりあえるはずなどないから 人生に孤独感はつきもの。

社会生活を営むのはそのフィールドで生き残るためだから 孤立したら死はとうぜん。

[社会的孤立]の関連記事

2018年3月31日

脳梗塞で影響をうける健康関連領域トップ3


The most affected health domains after ischemic stroke
2018  3月  アメリカ

脳卒中が軽くすんで日常生活動作が自立できていたとしても、目につかない隠れた障害を抱えて生活の質が低下している患者はすくなくない。

これら健康に関係する複数の領域(身体機能、社会参加、遂行機能、疼痛、疲労、不安、うつ、睡眠 の8領域)が一般人とくらべてどのていど影響をうけているものなのか調べてみたそうな。


脳梗塞患者1195人(平均年齢62、白人81%)について、被験者の主観的な健康度をPROMIS (Patient-Reported Outcomes Measurement Information Syste)という指標を用いて評価したところ、


次のことがわかった。

・一般人にくらべあきらかなスコア低下の患者の割合は、睡眠の28%から身体機能63%におよんだ。

・もっとも影響をうけた領域は、身体機能>社会参加>遂行機能の順だった。

・身体障害、低収入、女性、が低スコアの関連要因だった。

・年齢は身体機能の低下と関連していたが、不安 うつ 睡眠障害との関連は低かった。

脳梗塞患者は複数の領域におよぶ健康問題をうったえていた。身体機能、社会参加、遂行機能がもっとも影響をうけた、


というおはなし。
図:脳梗塞で影響を受けるヘルスドメイン

感想:

うつや疲労 疼痛よりも遂行機能への影響がおおきいところが新鮮だ。

[遂行機能]の関連記事

2018年3月30日

病院のリハビリで患者の訓練時間がとても短いわけ


Why do stroke survivors not receive recommended amounts of active therapy? Findings from the ReAcT study, a mixed-methods case-study evaluation in eight stroke units.
2018  3月  イギリス

脳卒中の上肢リハビリ訓練量と回復度には用量関係がないことがさいきん次々とあきらかになってきてはいるが、 a b

イギリスの脳卒中リハビリ・ガイドラインでは 1日あたり少なくとも通算45分間の実訓練が必要である とされている。

しかし患者のおおくが必要な訓練量に達しておらず問題となっている。

その原因をくわしくしらべてみたそうな。


異なる地域のリハビリ関連病院 8施設での脳卒中患者77人、介護者53人、医療スタッフ197人の活動内容を第三者視点で詳細に観察し、その多くに面談も行ったところ、


次のことがわかった。

・433回のセッションを含む計1000時間あまりの観察をおこなった。

・セラピーで患者の実動時間に影響するもっともおおきな要因は、療法士の患者以外の関係者との情報交換に要する時間だった。

・疲労や遅刻などの患者要因も訓練量に影響していた。

・患者ごとに作成した予定表が院内でうまく機能していなかった。

・療法士の専門資格や経験レベルのちがいがセラピー内容に反映していなかった。

・適切な訓練強度や頻度についてエビデンスを理解できている療法士がほとんどいなかった。

セラピーの時間が療法士自身の情報交換作業に使われていた。準備の効率化や他部署との連携および療法士の再教育が必要だろう、

というおはなし。
図:リハビリ訓練量に与える要因

感想:

日本とおなじなんだな、、、

これ↓思い出したよ。
日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?

2018年3月29日

脳卒中患者のアルツハイマー病率 さいきんの傾向


Time Trends and Characteristics of Prevalent Dementia among Patients Hospitalized for Stroke in the United States.
2018  3月  アメリカ

脳卒中患者が認知障害を示すことはよく知られている。

また 血管性認知症とアルツハイマー型認知症には共通したリスク要因がおおい。

そこで、脳卒中で入院時に認知症とされた患者の割合と その種類について最近のトレンドを大規模に調べてみたそうな。


1999-2012のアメリカ人脳卒中患者117万人あまりの記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中で入院時、5.7%が認知症と診断された。

・女性はアルツハイマー病と関連がつよく、血管性認知症やその他認知症とは関連しなかった。

・アルツハイマー病および血管性認知症は白人よりも黒人でおおかった。

・同様に、ヒスパニックはアルツハイマー病がおおかった。

最近の10年あまりで脳卒中患者の認知症率はあがった。その有病率は性別や人種 民族で異なった、


というおはなし。
図:アルツハイマー病の脳卒中患者10年間

感想:

脳卒中やるような人はてっきり血管性認知症だとおもってたけど上のグラフみるとアルツハイマー病が倍。

アメリカはBSE検査がずさんだから、、かもしれんね。

[アルツハイマー]の関連記事

2018年3月28日

脳卒中の種類別10年トレンド in 中国


Trends in stroke subtypes and vascular risk factors in a stroke center in China over 10 years.
2018  3月  中国

中国ではこの10年間に急激な経済成長を遂げ、人々のライフスタイルや医療技術もおおきく変化した。

そこで、この間に脳卒中の種類とリスク要因がどのように変化してきたかを詳しくしらべてみたそうな。



2006-2015に北京大学病院に入院した脳卒中患者5521人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の内訳は脳梗塞82.1%、脳内出血14.7%、くも膜下出血3.2% だった。

・脳梗塞の比率は増加傾向にあり、脳内出血とくも膜下出血は低下傾向にあった。

・発症時の年齢と血圧におおきな変化はなかった。

・脳梗塞ではアテローム血栓性が17.0→30.8%に増加した後24.1%まで低下し、

・ラクナ梗塞は15.5%→39.6%に増加した。

・原因未定の脳梗塞は52.7%→26.0%に減少した。

・これらの傾向は頭蓋内血管検査数の増加を調整しても変わらなかった。

・LDLコレステロール値はあきらかに減少した。

・心原性脳梗塞の比率に有意な変化はなかった。

中国ではこの10年間で脳卒中の種類の比率があきらかに変わった。高血圧治療で脳内出血やくも膜下出血、ラクナ梗塞の予防が期待できる。脳梗塞の原因を特定する能力は高くなった。脂質降下薬治療は有効だった、



というおはなし。
図:中国の脳梗塞の内訳トレンド

感想:

MRI普及のおかげでラクナ梗塞が量産されて、脳内出血とくも膜下出血の比率を押し下げているってことはないかな。

2018年3月27日

脳卒中のあとの中枢性疼痛の仕組みがわかった


How central is central post-stroke pain? The role of afferent input in post-stroke neuropathic pain: a prospective open-label pilot study.
2018  3月  アメリカ

脳卒中患者の39-55%は頭痛や肩の痛み、痙縮、中枢性疼痛などのなんらかの痛みを経験する。

しかしこれら痛みケースの4分の1を占める中枢性疼痛のメカニズムはよくわかっていない。

中枢性疼痛は損傷脳と反対側におき、特に上肢や下肢で痛むことがおおい。

通常 慢性的な痛みで、感覚過敏、痛覚や温覚の異常を伴うこともおおく有効な治療法がない。

これまで 中枢神経にある痛みを受容する部分とくに視床のニューロンが脳損傷により過活動になり抑制が効かなくなってしまうことが痛みの原因であると考えられてきた。

今回、中枢性疼痛の原因が「末梢から中枢へ向かう神経シグナルが中枢で誤解釈されるため」という仮説を立てた。そこで途中の神経をブロックすることでこの痛みが消えるものか検証してみたそうな。


脳卒中で中枢性疼痛のある8人の患者について、

疼痛のある部位から中枢へ向かう神経の正確な途上位置に局所麻酔薬リドカインを打ち神経をブロックした。


次のようになった。

・8人中7人で30分以内に痛みが完全に消失した。残りの1人も痛みが50%以上緩和した。

・このとき痛みスケールの中央値は 6.5→0に下がった。

・他の感覚異常も神経ブロックにより消えた。

中枢性疼痛は中枢神経システムの中で自律的に発生するというよりも、末梢からの求心性の感覚刺激に依存し おそらくはその誤解釈によるものと考えられる、


というおはなし。

図:中枢性疼痛

感想:

比較対照群のない実験だけど、この説は支持したい。

でも誤解釈は痛みについてだけなんだろうか? じぶんの世界認識も誤ってはいないだろうか、、、って心配になるよ。

2018年3月26日

nature.com : 脳萎縮があると脳内出血が軽い


Impact of brain atrophy on 90-day functional outcome after moderate-volume basal ganglia hemorrhage.
2018  3月  韓国

脳内出血は脳卒中の10-15%を占め、大脳基底核の出血がもっともおおく死亡率や障害が残る率も高い。

さいきん脳萎縮への関心が高まっていて、おおきな脳梗塞の患者では頭蓋内に空間的余裕があるおかげで内圧の上昇が起こりにくいという報告がいくつかでてきている。

そこで、脳内出血について脳萎縮が機能回復に与える影響をしらべてみたそうな。


特発性脳内出血患者1003人から中レベルの出血(20-50cc)のケース124人を選び脳萎縮の程度を調べた。

90日後の機能回復度を Glasgow Outcome Scaleで評価して回復良好と不良グループにわけた。

脳萎縮の程度は intercaudate distance (尾状核間距離:ICD) と sylvian fissure ratio (脳の幅対シルビウス裂間の比:SFR)で評価した。

機能回復度と脳萎縮度との関連を解析したところ、


次のようになった。

・中レベルの出血患者のうち59.7%が回復良好だった。

・回復良好グループの脳萎縮度ICDとSFRは回復不良グループに比べ明らかに高かった。

大脳基底核に中程度の出血をした患者にとって、脳萎縮が保護効果を示した。脳萎縮は機能回復予測の重要な因子である、


というおはなし。
図:脳萎縮で基底核出血患者の正中線シフト

感想:

そういえば自分はあたまの鉢がでかくて中のスペースがけっこうあるので 「出血」と知ったとき その点でのアドバンテージを直感した。

2018年3月25日

片麻痺に心のなかで歌いながら歩かせてみた


Immediate Effects of Mental Singing While Walking on Gait Disturbance in Hemiplegic Stroke Patients: A Feasibility Study.
2018  3月  韓国

脳卒中で片麻痺患者の歩行の乱れは外部からのリズム音刺激で改善することが報告されている。

しかしリズム音刺激にはメトロノームなどの装置が必要であり、また患者自身が聴こえてくるリズムと歩行スピードを同時に認識して 歩くペースを合わせるなどおおくの認知リソースを必要とする。

日本人が考案したメンタルシンギング(mental singing)はこころのなかで歌いながら動作を行う方法で、パーキンソン病患者の歩行の乱れの改善に効果的とされている。

これを脳卒中患者にも応用できるものかためしてみたそうな。


脳卒中の片麻痺でなんとか10m歩ける患者20人について、7日間の音楽療法を含むメンタルシンギング訓練を行い、その前後での歩行評価を比較したところ、


次のようになった。

・10mウォークテストおよびタイムアップアンドゴーテストのスコアが明らかに改善した。

・歩調や歩幅、歩行スピードにも有意な改善がみられた。

メンタルシンギングは脳卒中片麻痺の歩行改善に効果的かも、、


というおはなし。
図:mental singing stroke

感想:

Google Play Musicを契約してるんだけど、膨大な量の音楽にスマホからAI支援で簡単にアクセスできる環境になれてしまうと鼻歌でさえ選曲や歌詞を思い出す行為がおっくうに感じるよ。

2018年3月24日

スマートウォッチとAIで心房細動が見つかる精度


Passive Detection of Atrial Fibrillation Using a Commercially Available Smartwatch.
2018  3月  アメリカ

心房細動のおおくは無症状で塞栓症をおこすまで気づかない。しかし心房細動をみつけるには長期の心電活動のモニターが必要と考えられている。

スマートウォッチを使った心拍数モニターと機械学習をくみあわせた心房細動検出方法の精度をしらべてみたそうな。


アップルウォッチのアプリケーションを開発して
心房細動347人を含む被験者9750人から取得した心拍データ(1億3900万測定)を用いてディープニューラルネットワークに学習させた。

このアルゴリズムをもちいて、心房細動の電気治療カルディオバージョンを行う患者51人について 治療に並行してアップルウォッチをつけて安静時での心房細動判定能の検証をおこなった。

さらに自己申告の心房細動患者64人を含む1617人の歩行動作中を含む測定データでも判定能を検証した。


次のようになった。

・スマートウォッチ+ディープニューラルネットワークの心房細動診断精度は、12電極の心電図で診断する場合にくらべ、C統計量で0.97、感度98.0%、特異度90.2% で、

・歩行動作中患者の場合は、C統計量0.72、感度67.7%、特異度67.6%だった。

スマートウォッチの脈波センサーとディープニューラルネットワークの組み合わせで心房細動を自動的に検出できる可能性を十分に実証できた、


というおはなし。
図:スマートウォッチで心房細動判定

感想:

そのうち健康診断のまえにスマートウォッチが貸出配布されるようになるんだろうな。

そして何度も呼び出しを喰らっては最終的に抗凝固薬をだされて、床屋の顔そりで血が止まらなくなるまでがセット。

2018年3月23日

中性脂肪は脳梗塞と因果関係になかった


Role of Blood Lipids in the Development of Ischemic Stroke and its Subtypes
2018  3月  スウェーデン

スタチン療法で脳梗塞リスクが低下することからLDLコレステロールが脳梗塞の原因であることがわかる。

しかしLDLコレステロールが脳梗塞の種類すべての原因であるかはわかっていない。

そこでLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪について脳梗塞の各種類との因果関係をしらべてみたそうな。


185種類の脂質関連一塩基多型についてのゲノムワイド関連解析データベースをつかって、メンデルランダム化解析を駆使したところ、


次のことがわかった。

・18万人あまりのデータから16851の脳梗塞と、アテローム血管性2410、小動脈閉塞3186、心原性3427 の脳梗塞がみつかった。

・LDLコレステロールの増加は脳梗塞全体のリスク上昇と相関していて、

・種類別にはアテローム血栓性で、小動脈閉塞と心原性とは相関しなかった。

・HDLコレステロールの増加は小動脈閉塞リスクの減少と相関していた。

・中性脂肪の増加は脳梗塞全体といずれの種類にも相関しなかった。
LDLコレステロールを下げるとアテローム血栓性脳梗塞の予防になる。HDLコレステロールを増やすとラクナ梗塞予防になる。しかし中性脂肪をさげても脳梗塞に影響はない、


というおはなし。
図:中性脂肪と脳梗塞の種類

感想:

中性脂肪は脳梗塞の原因になっていないってところが新鮮だ。

2018年3月22日

失語症患者へ歌うように語りかける効果


Sung melody enhances verbal learning and recall after stroke.
2018  3月  フィンランド

失語症の言語訓練にリズムを重ねる有効性はリズミックイントネーションセラピーとしていくつか報告があるが、これらはおもに発話能力に重点をおいている。

リズムに乗せて語りかけられたときの失語症患者の学習記憶能力についてはよくわかっていないので実験してみたそうな。


脳卒中で失語症の患者14人と失語症でない脳卒中患者17人について、

急性期と6ヶ月後に学習記憶力テストをおこなった。

テストのまえに40-50秒ほどの短い物語を聴かせた。
このとき普通に話すばあいと、メロディーに乗せて歌うように語る場合とにわけた。
その内容について 聴かせた直後の学習能力と30分後の記憶力をしらべた。


次のようになった。
・急性期ではメロディーの有無でテストスコアに違いはなかった。

・しかし6ヶ月時点ではメロディーグループでテストスコアがあきらかにすぐれていた。

・特に この効果は軽症の失語症患者で顕著で、

・彼らの急性期から6ヶ月後までのスコア改善ぶんは非失語症患者よりもおおきかった。

脳卒中からしばらく経った軽症の失語症患者へは歌うように語りかけると、その内容をより憶えてもらえることがわかった、


というおはなし。
図:リズム読み聞かせの記憶能力改善効果

感想:

失語症状が少しでてるくらいの患者のほうが、反発的におおきく回復するってことなのかね。

2018年3月21日

Stroke誌 : 脳卒中後の認知機能低下の特徴


Risk Factors for Poststroke Cognitive Decline
2018  3月  アメリカ

脳卒中をきっかけに認知機能の低下スピードが速くなることがわかっている。どういった特徴をもった脳卒中患者がそうなりやすいのかしらべてみたそうな。


45歳以上の22875人を8年間ほどフォローした結果、


次のことがわかった。
・この間に694人が脳卒中になった。

・認知機能全般、新規学習、言語記憶、遂行機能は脳卒中直後に急激に低下した。

・認知機能全般の急激な低下は黒人、男性、心原性またはアテローム血栓性脳梗塞でおおきかった。

・遂行機能の急激な低下は教育歴の短い者でおおきかった。

・脳卒中あと認知機能の長期の低下スピードは、認知機能全般と遂行機能で速く、新規学習、言語記憶では脳卒中前と変わらなかった。

・高齢、脳卒中ベルト(多発地帯)以外の住人、心原性脳梗塞 で認知機能全般の長期の低下スピードがおおきかった。

・遂行機能の長期の低下スピードは高齢、高血圧でない患者でおおきかった。

脳卒中は認知機能の経年劣化過程におおきなインパクトがあった。とくに高齢、心原性脳梗塞で顕著に低下した、


というおはなし。
図:脳卒中による認知機能低下モデル

感想:

上の認知機能モデルで 脳卒中をきっかけに崖のように落ち込んでいるところが「急激な低下」で、その後のスロープの傾きを「長期の低下スピード」と解釈した。

高血圧のほうが遂行機能の低下スピードがゆるいってとこがおもしろい。脳卒中やった人が血圧をがんばって下げるとボケが加速するんじゃないかな。
血圧が低いと死にたくなることが明らかに

2018年3月20日

脳梗塞の原因別ワールドトレンド


Distribution and Temporal Trends From 1993 to 2015 of Ischemic Stroke Subtypes
2018  3月  イタリア

脳梗塞は脳卒中のなかでもっともおおいタイプで その発生率と死亡率は高所得国では低下傾向、低中所得国では上昇傾向にある。

脳梗塞には原因別にアテローム血栓性、心原性、小血管病(ラクナ梗塞)がある。これら種類別の世界的トレンドを過去の研究からまとめてみたそうな。


1993-2015の世界中の関連研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・65の研究がみつかった。

・脳梗塞の種類別内訳は、心原性22%、アテローム血栓性23%、ラクナ梗塞22%、その他3%、原因未定26%で、

・人種別では白人で心原性が、アジア人にはアテローム血栓性がもっとも多かった。

・白人の心原性脳梗塞が占める比率は年間2.4%増加し、ラクナ梗塞は4.7%減少していた。

・アジア人のアテローム血栓性脳梗塞は年間5.7%増加していた。

さいきんの20年間で脳梗塞の原因は 白人では心原性、アジア人ではアテローム血栓性が主になってきている、


というおはなし。
図:脳梗塞の原因別トレンド 白人とアジア人

感想:

「原因未定」っていうのは複数の要因がからんでいて 時間の限られた救急シーンで原因の特定が間に合わなかった、という意味らしい。

どうせはっきりとはわからないんだから言ったもん勝ちとおもう。

2018年3月19日

脳内出血のあと再入院する割合と理由


Thirty-day readmission after spontaneous intracerebral hemorrhage.
2018  2月  ノルウェー

脳内出血は死亡率が高く合併症もおおい。院内死亡率の低下とともに再入院も増えていると考えられるが最近の調査はすくない。

そこで脳内出血患者の退院後30日内の再入院率と原因、患者の特徴についてしらべてみたそうな。


2007-2013の脳内出血患者226人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・31.0%は退院前に死亡または緩和ケア施設へ転院した。

・退院できた患者のうち18.0%が30日以内に再入院した。

・再入院患者のほとんどは肺炎などの感染症で、

・脳卒中の再発患者はまったくいなかった。

・年齢のみが唯一の予測因子だった。

退院した脳内出血患者のおよそ5人に1人が30日以内に再入院していた。主な理由は感染症だった、


というおはなし。
図:脳内出血の再入院理由

感想:

いがいと再発しないんだね、、、

2018年3月18日

高速道路にちかい住人の脳梗塞リスク


Residential Proximity to Major Roadways and Risk of Incident Ischemic Stroke in NOMAS (The Northern Manhattan Study)
2018  3月  アメリカ
高速道路に近い住民の健康被害はおおく報告されているものの、脳卒中との関連はまだよくわかっていないのでしらべてみたそうな。


ノースマンハッタンの住民3287人について住所から高速道路との距離をしらべ、脳卒中の発生を15年間フォローして関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に11%の被験者が脳梗塞になった。

・高速道路から400mよりはなれている者にくらべ、100m未満の住人の脳梗塞発生率は42%高かった。

・この関連は非喫煙者ほど顕著で、

・現在喫煙者でははっきりしなかった。

・心筋梗塞や総死亡率との関連は確認できなかった。

高速道路に近い住人は脳梗塞リスクがあきらかに高かった。この関連はとくに非喫煙者で顕著だった、


というおはなし。
図:高速道路からの距離と脳卒中リスクと喫煙ステイタス

感想:

うえのグラフだと現在喫煙者はむしろリスクが大幅に低下して見える。

たばこを吸うことでなにかの耐性を身に着けたかのようだ。

2018年3月17日

子供の脳梗塞の再発率は


Rates and Risk Factors for Arterial Ischemic Stroke Recurrence in Children
2018  3月  イギリス

子供(出生後28日~18歳未満)の脳梗塞はおもに動脈性虚血性脳卒中(arterial ischemic stroke:AIS)によるものでその再発率はよくわかっていないのでしらべてみたそうな。


子供の脳梗塞患者84人について再発の有無をフォローしたところ、


次のことがわかった。
・1,3,6,12,60ヶ月後の再発率はそれぞれ、5%,10%,12%,12%,15%だった。

・すでに複数の梗塞があるばあいや、動脈の形態異常が両側にみられるときに再発率が高かった。

・再発しても必ずしも予後は悪くなかった。

子供の脳梗塞の再発率は抗血栓薬を飲んでいてもかなり高かった、


というおはなし。
図:子供の脳梗塞再発率

感想:

こどもはアテロームや動脈硬化 不整脈と縁遠いから もやもや病みたいな血管異常がおもな原因なんだな。

2018年3月16日

慢性期でも脳卒中後うつはあるのか


Post stroke depression, a long term problem for stroke survivors.
2018  3月  オランダ
脳卒中後のうつはめずらしくなく、数おおくの報告がある。しかしそのほとんどは発症から1年内の調査で、長期にフォローした研究はほとんどない。

慢性期脳卒中患者についてうつの割合と患者の特徴をしらべてみたそうな。


発症から2-5年の脳卒中患者についてうつ度の指標検査(Hospital Anxiety and Depression Scale; HADS)をおこなったところ、


次のことがわかった。

・207人で調査協力の同意が得られた。平均フォロー期間は36.3ヶ月だった。

・このうち34%が HADSスコア8以上でうつがうたがわれた。

・年齢、性別、重症度を考慮にいれると、男性 海外生まれであることがうつとつよく関連していた。

・うつの患者は不安レベルも高く、物事に対し回避型で、日々の活動が少なく、QoLも低く介護者の負担がおおきかった。

脳卒中の慢性期であってもかなりの割合の患者がうつ症状を示していた、



というおはなし。
図:脳卒中後うつ

感想:

"depress" とはよく言ったもので、椅子ごと全身が地殻の中にずぶずぶとおちこんでゆく感覚を心ゆくまで味わった思い出。

2018年3月15日

脳卒中やったら赤ちゃん産めないの?


Increased Risk of Pregnancy Complications After Stroke
2018  3月  オランダ

妊娠や産褥期に脳血管障害がおきやすいことはよく知られている。

逆に、若くして脳卒中を経験する女性が妊娠合併症をおこしやすいものか しらべてみたそうな。


18-50歳で脳梗塞またはTIAを経験した女性223人を約10年フォローして
脳卒中まえもふくめた妊娠合併症について聞き取りをしたところ、


次のことがわかった。

・彼女たちは一般人とくらべて、流産が35.3 vs. 13.5%、胎児死亡が6.2 vs.0.9% と高く、

・とくに出産未経験者は脳卒中ののち、妊娠高血圧が 33.3 vs 12.2%、溶血 肝酵素上昇 血小板低下は9.5 vs 0.5%、32週未満の早期産も9.0 vs 1.4% と高かった。

・また出産経験者の脳卒中再発率は35.2%だった。

若くして脳卒中を経験する女性の生涯での妊娠損失率は一般人よりも高く、特に脳卒中後の出産未経験者の妊娠合併症は深刻だった、


というおはなし。
図:妊婦

感想:

異常なくらいおおきな差に思える。

脳卒中と妊娠合併症には共通の血管要因がありそうってことらしいんだけど、降圧薬とか抗凝固薬なんかの影響を考えてしまうよ。
その種の記述は見つからなかったが、、

2018年3月14日

nature.com : 脳卒中の遺伝領域が32みつかった


Multiancestry genome-wide association study of 520,000 subjects identifies 32 loci associated with stroke and stroke subtypes
2018  3月  アメリカ

脳卒中には脳梗塞と脳出血があり、脳梗塞にはさらにアテローム血栓性、心原性、小血管性のものがある。
これらにどのような遺伝的要因があるのかはよくわかっていない。

それを調べるべく国際的な共同事業 MEGASTROKE をたちあげ、これまでの世界中の研究成果をまとめてみたそうな。


日本をふくむ世界20カ国 52万人ぶんの遺伝情報をふくむ関連研究についてメタアナリシスをおこなったところ、


次のことがわかった。

・ゲノム中の脳卒中に関連する遺伝領域がそれぞれ、アテローム血栓性が6箇所、心原性が4箇所、小血管性が2箇所みつかり、

・また 血圧や冠動脈疾患、心房細動、血栓塞栓症、LDLコレステロール、頸動脈プラーク、白質高信号域等に関連するものなど計32の遺伝領域を特定することができた。

これまで世界中でおこなわれた脳卒中にかんする遺伝研究を解析した結果、32の関連する遺伝領域を特定することができた。将来のオーダーメイド医療にいかすことができるだろう、


というおはなし。
図:脳卒中に関連する32の遺伝領域

感想:

はやくまともな医療が普及してほしいよ。

病院で2時間以上まち「いい薬があるよ」と1分でARB降圧薬を処方され、翌日血圧が下がりすぎて失神する、、みたいなことがなくなると思うんだ。

2018年3月13日

Stroke誌:tDCSは失語症治療に効果なし


Transcranial Direct Current Stimulation Does Not Improve Language Outcome in Subacute Poststroke Aphasia
2018  3月  オランダ

かつて経頭蓋直流電気刺激 tDCSは失語症の治療に有効であると考えられていた時期があった。

その後、慢性期や亜急性期でも効果がないという報告が相次いだ。

それらの研究は tDCSと言語訓練を別々におこなうものだった(オフラインtDCS)ので、同時におこなったら(オンラインtDCS)どうなるものか、もっとも改善著しい亜急性期での多施設間二重盲検のランダム化比較試験でたしかめてみたそうな。


4つのリハビリ施設にいる 発症から3ヶ月未満の脳卒中で失語症の患者58人について、

左脳のブローカ野付近にプラス電極を貼り、1回45分間の言語訓練中に直流電流をながした。

本刺激の26人には電流を20分継続し、偽刺激の32人には電流は始めの30秒だけながした。

5日間の訓練後、写真を見せて物の名称を言わせるテスト等をおこなったところ、


次のようになった。

・両グループともにテストスコアは改善したが、

・グループ間のあきらかな差はまったくみられなかった。

脳卒中後の失語症治療にtDCSはなんの効果ももたらさなかった、


というおはなし。
図:tDCSの失語症治療効果

感想:

tDCSやってる人 もういないと思ってたよ。

[tDCS]の関連記事

2018年3月12日

心房細動だけで認知症になることがあきらかに


Association of Atrial Fibrillation With Cognitive Decline and Dementia Over 20 Years: The ARIC-NCS (Atherosclerosis Risk in Communities Neurocognitive Study).
2018  3月  アメリカ

さいきん心房細動が認知機能の低下や認知症そのものと関連するという報告がふえてきている。しかしそれらのおおくはサンプル数が少なかったりフォロー期間が短いなどのもんだいをかかえている。

そこで、これを大規模かつ長期にしらべてみたそうな。


12515人を20年間フォローした調査記録(ARICスタディ)を解析したところ、


次のことがわかった。

・20年間に2106人が心房細動に、1157人が認知症になった。

・脳卒中などの関連要因を考慮にいれても、心房細動があるだけで認知機能低下スピードが大きく、

・認知症になるリスクは1.23倍だった。

脳卒中の有無にかかわらず 心房細動があるだけで認知機能の低下スピードはおおきく、認知症リスクも高かった、


というおはなし。
図:心房細動と認知症リスク

感想:

先週ガッテンみてたら心房細動の恐怖をあおりまくったあげく、最後にカテーテル手術を強く推してた テレビならではの手法で。

NHKがこんな映像をながしていいのか、、?と思ったよ。

2018年3月11日

5年生存率、再発率、障害者率 in ブラジル


Five-year survival, disability, and recurrence after first-ever stroke in a middle-income country: A population-based study in Joinvile, Brazil.
2018  3月  ブラジル

これまで先進国では脳卒中患者を長期にフォローするおおきな研究が数多くおこなわれ、5年間で半数が死亡 3分の1が障害者 という結果がえられている。

そこで、途上国ではおそらく初のくわしい調査をおこなってみたそうな。


ブラジルの都市ジョインヴィレの2010-2015の脳卒中患者記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢64、399人の5年後について、生存率は52%で、

・なんらかの障害が残っているmRS>2 は20%、これらのうち半数以上が要介護施設に入っていた。

・年間の死亡率はおよそ7%で、生存率はくも膜下出血と脳内出血が脳梗塞よりもずっと低かった。

・5年再発率は12%で、最初の脳卒中が死因の4分の3を占めていた。

5年後、脳卒中患者の68%(48%死亡+20%障害)は死亡または障害者となっていた。患者年齢こそ低いものの この比率は先進国のそれと同じだった、


というおはなし。
図:脳卒中の種類と5年生存率

感想:

5年で半分が死ぬといっても、ほとんどが最初の数ヶ月間のはなし。とくに脳内出血とくも膜下出血はそれを乗り越えると超安定(上のグラフ)。

2018年3月10日

心房細動患者のデフォルトモードネットワークに異常


Default Mode Network Disruption in Stroke-Free Patients with Atrial Fibrillation.
2018  3月  ブラジル

歳をかさねると心房細動がおきやすくなり脳卒中のリスクが高まる。たとえ脳卒中にならなくても心房細動が認知障害のリスクを上げるという報告が増えている。しかしそのメカニズムはよくわかっていない。

いっぽう安静時の脳活動パターンである "デフォルトモードネットワーク"(DMN)がアルツハイマー病やパーキンソン病、てんかんの患者で異常をしめすことがわかっている。

そこで脳卒中でない心房細動患者にDMNの異常がないかしらべてみたそうな。


脳卒中や認知症でない心房細動患者21人と同年齢の健常者21人について、
安静時のfMRI検査をおこないDMNを評価した。


次のことがわかった。

・健常者にくらべ心房細動患者のDMNは、前頭葉(左中前頭回、左上前頭回、前帯状皮質)と左角回、両側楔前部のコネクティビティ(接続性)が減少していた。

脳卒中でない心房細動患者のデフォルトモードネットワークの接続性はふつうではなかった。これをみれば将来の認知障害を予測できるかも、、


というおはなし。
図:脳卒中のデフォルトモードネットワーク

感想:

高度なIT技術を脳科学に活かしたかのようなネーミングと、目を閉じて寝ているだけでデータ取得できるシンプルさがウケているんだとおもう。

なにを意味しているのかはよくわからないけど、、

[デフォルトモードネットワーク]の関連記事

2018年3月9日

脳に動脈瘤がいくつもできる人の特徴


Risk Factors for and Clinical Consequences of Multiple Intracranial Aneurysms
2018  3月  ドイツ

脳動脈瘤は健康な成人の3.2%にみられ そのほとんどは症状がない。

このうち脳動脈瘤が複数個ある者の割合は 調査によりおおきくことなり 2-45%のひらきがある。

彼らの特徴をあきらかにするべく、これまでの研究をまとめてみたそうな。


複数脳動脈瘤に関係する論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・脳動脈瘤患者86989人をふくむ174の論文がみつかった。

・これら全体で複数の脳動脈瘤がある者の割合は20.1%だった。

・複数脳動脈瘤の関連要因として、女性、高齢、高血圧、喫煙、脳動脈瘤の家族歴 があげられ、

・彼らは新規の脳動脈瘤ができやすく、そのサイズが大きくなりやすかった。

・複数脳動脈瘤が出血するリスクは日本と韓国でのみ高かった。

女性、高齢、高血圧、喫煙、家族歴が複数脳動脈瘤のおもなリスク要因で、しかも彼らの脳動脈瘤は大きくなりやすかった、


というおはなし。
図:脳動脈瘤家族歴と複数脳動脈瘤リスク

感想:

やっぱファミリーの問題なんだな。↑

脳動脈瘤は次から次へとできてしまうの?

2018年3月8日

再発予防にベストなLDLコレステロール値は


Desirable Low-Density Lipoprotein Cholesterol Levels for Preventing Stroke Recurrence
2018  3月  日本

脂質異常の薬物治療による脳卒中の再発予防効果についてはよくわかっていない。

そこで、"スタチンによる脳卒中の再発予防研究"(J-STARS)のデータをつかって、LDLコレステロール値に着目して脳卒中の種類別に再発リスクをしらべてみたそうな。


2004-2009の脳梗塞患者1578人をフォローした記録(スタチン使用793人と非使用785人)について解析したところ、


次のことがわかった。
・LDLコレステロールレベルの平均はスタチングループで104mg/dL,比較グループで126mg/dLだった。

・脳卒中とTIAはLDLコレステロールが80-100mg/dL の範囲のときリスクが低下した。

・アテローム血栓性脳梗塞でのみスタチン使用グループであきらかなリスクの低下があった。

・脳内出血リスクはアテローム血栓性脳梗塞と同パターンで、スタチン使用でリスクが高くなるわけではなかった。

・ラクナ梗塞は100-120mg/dL の範囲でリスクが低かった。

脳卒中の再発予防にはLDLコレステロールは80-100mg/dLの範囲を目指すとよいだろう、


というおはなし。

図:LDLコレステロールと脳卒中再発リスク

感想:

もともと脂質コントロールに脳卒中再発の予防効果がほとんどないなかで、強いていえばこの辺りかな、、という結果と理解した。

じぶんはスタチンには縁がないけど、筋肉が溶けるとか副作用の評判はひどい、、
脳卒中患者が医師のアドバイスを無視するとき

2018年3月7日

脳卒中で薬が増えた患者の末路


The association of increased drugs use with activities of daily living and discharge outcome among elderly stroke patients.
2018  3月  日本

脳卒中で入院する患者のほとんどは高齢者で 複数の薬を飲んでいることがおおい。

入院してから増えたくすりの量と回復度にかんする研究はほとんどないのでしらべてみたそうな。


65歳以上の脳卒中でリハビリ病院に入院した患者417人の記録について、

入院中にあらたに増えた薬の種類と
機能的自立度FIM、退院先、
との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢は78.8、自宅へ退院が226人 自宅以外が191人で、FIM中央値は77だった。

・入院中ふえた薬の種類とFIMの増分は逆相関にあった。

・また 薬の種類が増えると自宅へ退院できる可能性が低下した。

・抗凝固薬は入退院時いずれでも もっともおおく使われ、睡眠薬 抗精神病薬 抗うつ薬 便秘薬が入院中あきらかに増加していた。

脳卒中でリハビリ入院中にあらたに薬の種類がふえた患者ほど回復が悪く自宅へ戻れなかった、


というおはなし。
図:脳卒中の退院までにふえた薬の種類

感想:

「なら 出された薬を飲まなければいいんだ!」
   ↑
これが冗談に思えない。

2018年3月6日

脳梗塞とくも膜下出血の運転能力のちがい


A Case-Control Study Investigating Simulated Driving Errors in Ischemic Stroke and Subarachnoid Hemorrhage.
2018  2月  カナダ

自動車の運転には認知 知覚 運動といった機能が要求される。しかし脳卒中を経験するとそれら能力はおおきく影響を受ける。

これまでの研究では脳卒中経験者の運転能力評価は患者によりおおきく異なっている。そこで脳卒中の種類ごとの特徴をしらべてみたそうな。


慢性期患者のうち、脳梗塞の15人とくも膜下出血の15人および同年齢の健常者20人について運転シミュレータをもちいた能力評価を行った。


次のことがわかった。

・全体の30%、脳梗塞の26.7%およびくも膜下出血の33.3%で健常者にくらべ運転パフォーマンスが低かった。

・脳梗塞とくも膜下出血の患者はいずれも車線維持能力が低かった。

・さらに脳梗塞ではスピード維持が、くも膜下出血では右左折能力に困難を示した。

・梗塞の左右脳半球やくも膜下出血の影響領域(中大脳動脈か前交通動脈)の違いは結果に反映しなかった。

・Trail Making Test (TMT)とUseful Field of View test(UFOV)は脳梗塞の車線維持能力と関連し、くも膜下出血は認知機能テストとの関連はみられなかった。

脳梗塞も くも膜下出血も車線維持能力が低かった。とくに脳梗塞ではスピード維持、くも膜下出血では右左折に問題がみられた。運転能力評価は脳卒中の種類を考慮にいれたほうがよいかも、、


というおはなし。
図:脳卒中経験者の自動車運転事故

感想:

ようするに まっすぐ走れない、曲がれないってこと。

自動運転はやくきてくれー

2018年3月5日

血圧が低いと死にたくなることが明らかに


Association of low blood pressure with suicidal ideation: a cross-sectional study of 10,708 adults with normal or low blood pressure in Korea.
2018  3月  韓国

血圧にかんする研究は高血圧についてのものがおおい。そのため血圧は低いほどよいと考えられ、低血圧によるうつや疲労のもんだいは見過ごされがちになっている。

そこで、低血圧と死んでしまいたいという考え(自殺念慮)との関連についてくわしくしらべてみたそうな。


韓国の健康栄養調査2010-2013の23163人ぶんの記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・標準血圧にくらべ収縮期血圧が100mmHg未満では血圧が低いほど自殺念慮リスクが高かった。

・年齢 性別 収入等を調整した自殺念慮のオッズ比は、収縮期血圧100mmHg未満で1.29、95mmHg未満で1.44、90mmHg未満で1.71 だった。

・これに糖尿病や心筋梗塞、脳卒中、うつなどの病気歴をくわえて調整してもオッズ比はほとんど変わらなかった。

収縮期血圧が低いことと自殺念慮は相関していた。特に収縮期血圧が100mmHgを下回るとあきらかに危険だった、


というおはなし。
図:血圧が低いことと自殺念慮


感想:

なるほど
脳卒中患者の自殺率が高いのは 脳のダメージと
経験したことのないレベルまで血圧を下げることによる相乗効果なんだろうな。

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