元2021 12月 スイス
脳卒中経験者の50%には上肢に障害が残るという。
リハビリトレーニングの効果は限定的で、たとえばロボット支援療法のランダム化比較試験では、トレーニング時間がおなじ場合では従来型のリハビリと効果に差がないことがあきらかになった。
治療可能性を高めるための要素として、「報酬」が考えられる。
そこで、金銭報酬を取り入れた場合の上肢トレーニング効果を実験してみたそうな。
37人の亜急性期脳卒中患者について、金銭報酬群19人と対照群18人に分けた。
VRリハビリシステムを用いて上肢リーチ動作トレーニングを3週間行った。
金銭報酬群にはVRゲームのスコアに応じた金額を銀行振込する約束をした。
対照群はゲームスコアのみをフィードバックした。
次のようになった。
・介入期間中に金銭報酬群は中央値で131スイスフラン(16240円相当)を獲得した。・手の及ぶ可動域の改善はあったが、群間の差はなかった。・しかし、3ヶ月後の Box and Block Test および Fugl-Meyer上肢 のスコアが、金銭報酬群でのみ有意な改善を示した。