元2023 4月 中国
高血圧の診断基準やその治療目標値については臨床上の矛盾や問題点が指摘されている。
2017年のSPRINT試験の結果にもとづき、130/80mmHgを目標とするべきと複数の学会が主張している。
この集中的血圧目標値についていくつかのメタアナリシスがおこなわれてきたが、ほとんどは高齢者にフォーカスしていなかったので、
60歳以上に限定してメタアナリシスをこころみたそうな。
SPRINT、STEP、ACCORD BP試験から60歳以上のデータと、主要心血管イベント（脳卒中や心不全）と有害事象（低血圧や失神）のデータを抽出して、
収縮期血圧130未満を目指す集中的治療を、140未満を目標とする標準的治療と比較 解析した。
次のことがわかった。
・18806人が対象となった。・集中的治療では全死亡率と心血管死亡率は低下しなかった。・しかし、主要心血管イベントの発生率は17％低下した。・冠動脈疾患や心不全への効果はなかった。・集中的治療により低血圧と失神のリスクが43-46％増加した。・腎機能障害のリスクは上がらなかった。
高齢者の収縮期血圧130を目標とする降圧治療では、死亡率や腎臓におおきな影響を与えることなく脳卒中などのリスクを下げることができたが、低血圧で失神するリスクがおおきく上がった、
というおはなし。
感想：
退院してまもないころ、製薬会社が絡む論文不正事件でのちに有名になったディオバンという降圧薬をだされて、飲んだその日に最高血圧が80までさがり眼の前が真っ白になって膝からくずれおちたことがある。
あんまり怖かったのでまもなく降圧薬からきっぱりと足を洗った。
高齢者は血圧さげるとボケる↓。