元2024 6月 日本
入浴中の脳梗塞(BIS)は時に致命的となる。
しかし、そのメカニズムやリスク要因は依然として不明である。
そこで、BISにおける脳梗塞の種類別発生率を特定し、とくに画像診断が容易な脳小血管疾患(CSVD:ラクナ梗塞や脳微小出血など)がBISに与える影響をくわしくしらべてみたそうな。
2012年10月から2022年2月までに脳梗塞を発症した患者の記録を対象とした。
対象基準は、1)発症から入院までの期間が7日以内であること、2)入院中にCSVDのMRI評価結果があること、とした。
BISは入浴中または入浴直後に発症した脳梗塞と定義した。
次のことがわかった。
・1,753人の脳梗塞患者(71%が男性、年齢中央値69歳)が対象となった。このうち57人(3%)がBIS群に組み入れられた。・大血管アテローム性硬化(LAA)の頻度が高く、心原性脳塞栓症 (CES)の頻度が低いことが確認された。・さらに、BIS症例では、脳室周囲の高信号(PVH)の重症度が低いこと、および脳深部領域の微小出血(CMB)の少なさがBIS症例と関連していた。
入浴中に脳梗塞になった患者群では、大血管アテローム性硬化の確率が高く、心原性脳塞栓症の確率は低かった。脳小血管疾患との関連は認められなかった、
というおはなし。
入浴関連の脳梗塞は、動脈硬化で血管が狭窄しているようなひとだけが心配すればよいってこと。
