元1989 9月 日本
くも膜下出血の発生率は年間15人/10万人程度とされてきた。
しかし脳内出血や原因不明の突然死に分類されてしまう可能性があり、発生率の正確さには議論の余地があった。
日本の久山町で1961年から行われている研究では、死亡者の80%以上が剖検されその死因があきらかにされている。
この記録を用いてほんとうのくも膜下出血の発生率をしらべてみたそうな。
40歳以上の久山町の住民1621人を22年間フォローした結果から、
次のことがわかった。
・この間に、26人にくも膜下出血が認められた。このうち22人がフォロー期間中に亡くなった。・このときのくも膜下出血の発生率は年間96.1人/10万人 に相当し、従来考えられていた値の3-13倍高かった。・女性が男性よりも2.3倍おおかった。・とくに8時間以内に亡くなった9人のうち、死亡診断書でくも膜下出血とされた者はなく、4人は脳内出血に間違われ、1人は急性の心臓死とされていた。
久山町での剖検調査では、くも膜下出血の発生率は想定の何倍も高く、突然死といえるケースが非常におおくふくまれていた、
というおはなし。
感想:
くも膜下出血は、なかなか認識されないだけではるかに高頻度におきている、ってことはわかった。