リハビリ病院に転院したてのころ、
療法士に付き添われて階段を登ったり
降りたりしている患者を見て
なんというすごい回復ぶり、
果たして自分があのようなレベルにまで到達できるのだろうか…
と真剣に思った。
訓練用の3段くらいしかない階段を登ろうとして
よろよろと崩れてしまった時にはその先が
果てしなく遠いことのように思えた。
登るときには健側側から、
降りる時には麻痺側から、
一歩ずつ、ゆっくりと、
いま思うと階段で杖を使うというのはとてもムツカシイことである。
手すりが右側にくるように立ち、
イザという時には右手で手すりをがっちりとつかめるよう準備
しておく方が安心できる。
降りるのは登りの2倍の難しさを感じた。
階段のステップがあんなにも狭いと感じたこともなかった。
いつかエスカレーターにも乗れるようになるのだろうか…と思った。
何度も何度も頭のなかでイメージトレーニングをした。