2014年6月1日

患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様


Structural changes induced by daily music listening in the recovering brain after middle cerebral artery stroke: a voxel-based morphometry study.
2014  4月  フィンランド

音楽は脳内の様々な箇所に影響を与えることができる。

音楽刺激による脳卒中患者の認知機能や気分の改善効果は報告されている。
そこで脳の構造にも変化が起きるものかどうか調べてみたそうな。


急性期の脳卒中患者49人について(左脳損傷24人、右脳損傷25人)、

*好きな音楽(ポップ、ジャズ、クラシックなど)
*自分で選んだオーディオブック
*なにも薦めない

の3グループに分けた。

各々 毎日1時間以上聴くように薦め、日記をつけさせて聴いた頻度を確認した。

すべてのグループに通常のリハビリを併行した。


6ヶ月後、介入前後に撮影したMRIデータをボクセル単位形態計測(Voxel-based morphometry)という客観性の高い方法で解析した。


次のことがわかった。
・6ヶ月間ですべてのグループで灰白質体積の著しい増加箇所が認められた。

・体積増加箇所は側頭葉、前頭葉、辺縁系、小脳に局在していた。

・特に、音楽グループの健常側で体積増加が著しかった。

・他の2グループに比べ灰白質の体積が著しく増加した箇所を抽出したところ、左脳損傷患者の音楽刺激グループでのみ前頭葉に3箇所、辺縁系で2箇所見つかった。

・右脳損傷患者では音楽グループの左の島皮質にのみ灰白質増加箇所が見られた。

・体積増加箇所と行動検査結果との関連を解析したところ、左脳損傷患者の前頭葉の体積増加箇所は記憶、言語、スキル、注意力の改善に関連し、辺縁系のそれはウツ、緊張、疲労、イライラ感の減少と関連があった。

・一方右脳損傷患者の島皮質の体積増加箇所は言語スキルの改善と関連があった。

・白質体積の明らかな変化はなかった。


脳卒中患者に音楽を聴かせることは 行動面での改善のみならず、回復途上にある脳に神経解剖学的な変化をもたらす ことが確認できた、


というおはなし。
図:音楽療法で脳が増える

感想:

この報告では右脳損傷患者への影響が小さい。

自分の右脳出血経験では、発症後すぐに聴いた音楽のいくつかは、空き缶をデタラメにたたいているように聞こえた。

右脳がダメージを受けていてもOKな音刺激があるはずで、 音楽の種類がとても大切な気がした。
→ 脳の中に音刺激を創り出す

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