左半身の皮膚感覚が麻痺している。
手足が触れた物の質感や温度はさっぱりわからない。
そのせいか、しばしば現実への没入感に乏しい時がある。
没入感はテレビゲームなどで仮想現実の世界に自分自身が
どっぷりと浸かる状態を言う。
それと同じく、現実というゲームに浸かりきれない自分がいる。
頭の上に、カエルの目のように自分の目があって、
自分自身の動きを見下ろしている。
あたかもテレビゲームの主人公を操っている気分がするときがある。
このゲームにもっと感覚が豊かであるならば、
主人公と一体化することができるのであろうが、
この片麻痺を経験するようになってから、
その一体感が欠けるのである。
じつはこの状態を歓迎している自分が居る。