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2018年7月14日

軽い脳梗塞にはアルテプラーゼよりもアスピリン


Effect of Alteplase vs Aspirin on Functional Outcome for Patients With Acute Ischemic Stroke and Minor Nondisabling Neurologic Deficits
2018  7月  アメリカ

脳梗塞患者が4.5時間以内に入院できたとしても、その神経症状が軽微な場合には血栓溶解療法のアルテプラーゼ薬は使用しないことになっている。

しかしそれら患者のうち30%は 90日後になんらかの機能障害が残ることがわかっている。この問題を回避するために症状の軽い脳梗塞であってもアルテプラーゼを使うことが最近のトレンドとなっている。

そこで症状の軽い脳梗塞患者へのアルテプラーゼの効果と安全性を、アスピリンのそれと比べてみたそうな。




全米75の病院で3時間以内の軽症(NIHSS 0-5)の脳梗塞患者948人をアルテプラーゼとアスピリングループに分ける計画を立てた。

90日後の回復良好(mRS 0-1)の患者と頭蓋内出血を起こした患者をしらべたところ、


次のことがわかった。

・調査は313人の患者で終了した。(途中打ち切りのため)

・90日後、アルテプラーゼグループの78.2%、アスピリングループの81.5%が回復良好だった。

・アルテプラーゼの3.2%、アスピリンの0件が36時間以内に頭蓋内出血を起こした。

軽症の脳梗塞患者について、アルテプラーゼを使ったところでアスピリンよりも回復がよくなるわけではなかった。
研究途中だったのでこれ以上のことは言えません、、、(;_;)



というおはなし。
図:アルテプラーゼ vs アスピリン

感想:

この研究はとつぜん資金供給が絶たれ 早期に打ち切られてしまった。

その理由は、脳梗塞の大部分を占める軽症患者について
「4.5時間以内とかむつかしいこと言ってないで、てきとうにアスピリン飲ませておけばいいんだよ 安全だし」
という身も蓋もない結論がでるのを恐れた業界団体からの圧力があったのだとおもう。
4分の1が血栓溶解治療で悪化

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