2019年4月18日

HALリハビリ 期待外れだった


A Randomized and Controlled Crossover Study Investigating the Improvement of Walking and Posture Functions in Chronic Stroke Patients Using HAL Exoskeleton - The HALESTRO Study (HAL-Exoskeleton STROke Study)
2019  3月  ドイツ

脳卒中慢性期の下肢リハビリとして外骨格ロボットを着けた歩行訓練が期待されている。

とくにHAL( hybrid assistive limb)では患者の筋電シグナルをトリガーとして動作することから神経の可塑性をうながす効果が考えられる。

そこで、前時代的な考えかた(ボバースコンセプトや促通)にもとずく通常の理学療法とHALをつかったリハビリの効果を比較してみたそうな。



慢性期脳卒中で中レベル以上に歩行困難な片麻痺患者18人について、

通常の理学療法もしくは体重支持付きHALトレッドミルを各6週間、30分間x30セッションおこなった。

じっさいには患者を2グループにわけて理学療法とHALリハビリの両方をグループごとに1週間の間をあけて理学療法とHALリハの順番を換えて(Crossover Study)おこなった。

10m歩行タイム、タイムアップアンドゴー、6分間歩行距離、歩行自立度FAC、バランス能力を評価 比較したところ、



次のようになった。

・両リハビリ方法ともにいくつかの指標で有意な改善はみられたものの、

・いずれもあきらかな差は確認できなかった。

HALリハビリが理学療法よりも効果的であるとは言えなかった、


というおはなし。
図:体重支持つきHAL


感想:

実はこの種のロボット下肢リハビリを肯定する質の高いエビデンスはほとんど存在していない。↓
下肢ウェアラブルロボットのリハビリ効果

脳卒中患者が歩行困難な理由は 脚にちからがはいらないからではなく、感覚麻痺によりちからをいれるタイミングがわからないがゆえにバランスをとれないからである。↓
慢性期の下肢感覚麻痺の割合と転倒

だからパワーだけをアシストされたところで患者は立っていることすらままならない。これでいったいなにをリハビリするというのか?

どうかHALを着けた患者を天井から吊るす「滑稽さ」に思い至ってほしい。

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