2019年10月23日

コイル塞栓術中にコブを破ってしまったケースの予後


Long-term Outcomes Following Intraprocedural Aneurysm Rupture During Coil Embolization of Unruptured Intracranial Aneurysms
2019  10月  日本

脳動脈瘤のコイル塞栓術はクリッピングの代わりに広く受け入れられるようになった。

最近のメタアナリシスではコイル塞栓術の合併症率は4.96%、致命率は0.30%とされている。

コイル塞栓術中に脳動脈瘤を破ってしまうIPR(intraprocedural aneurysm rupture)はもっとも深刻な合併症の1つである。

未破裂脳動脈瘤でのIPRの予後についての報告は限られ、長期にフォローしたものはさらに少ないのでくわしくしらべてみたそうな。



2013-2018の未破裂脳動脈瘤患者284人の312の脳動脈瘤についての記録を解析したところ、



次のことがわかった。

・平均フォロー期間は25.6ヶ月だった。

・12人(3.8%)でIPRが起きた。

・IPRグループの瘤のサイズは非IPRグループよりもあきらかにちいさかった。

・IPRグループには別の脳動脈瘤のくも膜下出血経験者がおおかった。

・3人に神経症状の悪化がみられた。

・合併症率は25%、死亡率は8.3%(1人)だった。

・AComAの瘤のIPRでは神経症状の悪化はなく、BA瘤のIPRの2/3で神経症状悪化がみられた。

・最終フォロー時点での回復良好者(mRS 0-2)の率はIPRの有無で差はなかった。

コイル塞栓術中に瘤を破ってしまっても患者の長期予後には差がなかった。ただし脳底動脈の瘤は前交通動脈のそれにくらべ影響がおおきかった、


というおはなし。

図:術中破れ動脈瘤の回復良好者率



感想:

「コブが小さくてうまく入らないな、、、んっ、んっ、んっ?破れちゃった てへぺろ☆(・ω<)」ってなってもほとんどが長期的には自然回復しちゃう。

ようするにくも膜下出血はたいしたことはない。過大評価されすぎ。
亡くなった1人は手術さえしなければ元気に生きていた。 

くも膜下出血の死亡率が高いのは、軽症者のおもな症状が頭痛だけなので彼らはがまんして病院にゆかず 超重症者のみが病院に担ぎ込まれるから。


ちなみにコイル塞栓術の致命率はクリッピングの3倍 ↓。
未破裂瘤手術の合併症率と致命率 JAMA Neurol.

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