元2021 12月 カナダ
神経学的に、左右の脳半球は脳梁を介して互いの働きを抑制しあってバランスしていると考えられている。
脳卒中によりいっぽうの脳半球がダメージを負うとこのバランスが崩れる。
このとき、たとえば非麻痺手の運動を促すと対側脳半球の活動が高まり損傷脳半球への抑制がさらに強まる。その結果、損傷脳半球の可塑性の機会が抑えられてしまうため非麻痺手の運動は禁忌であるとする考え方がある。
そのいっぽうで、非麻痺手の運動が両側の脳半球の活動を高めるとする「クロスエデュケーション」の考え方もある。
そこで、脳卒中患者の非麻痺手で高強度の握り運動をおこなったときの脳活動をMRIで観察してみたそうな。
脳卒中で片麻痺の患者11人と健常者13人について、
最大握力の25%、50%、75%で握り動作をしたときのfMRI測定をおこない比較した。
次のことがわかった。
・非麻痺手またはいっぽうの手の、つよい握り動作により、その手と同じ側の脳半球の活動も高まった。・この高まりの程度は、脳卒中患者と健常者とであきらかな差は認められなかった。