元2022 2月 オーストラリア
体の片側での運動トレーニングのあとに、トレーニングしていないもういっぽうの側の筋力やスキルが向上することを、「クロスエデュケーション」と呼ぶ。
これは1回の運動刺激によっても観察されるので、筋肉量の増加ではなく中枢神経系に由来する効果と考えられている。
クロスエデュケーションのエビデンスのおおくは、随意運動によるものであるが、末梢神経の電気刺激や振動刺激、鍼刺激によってもクロスエデュケーション効果が報告されている。
そこで、これら3種類の末梢神経刺激によるクロスエデュケーション研究の量や規模をしらべるべく、スコーピングレビューをこころみたそうな。
次のようになった。
・2020年までの関係する研究が83みつかった。・そのうち53が電気刺激、18が振動刺激、12が鍼刺激についてだった。・対側に現れる効果はあきらかであったが、クロスエデュケーションに言及する研究は31に過ぎなかった。・脳卒中などの中枢神経系疾患の患者についての研究が12あった。・これら末梢神経への刺激によるクロスエデュケーション効果のメカニズムはわかっていない。
というおはなし。
感想:
たとえば左手が麻痺してうごかせない患者が、右手の運動トレーニングで左側に効果がでるから脳卒中へのクロスエデュケーションが注目されてきた。
けれど、電気、振動、鍼の刺激は腕が動かなくても与えられるから反対側を刺激する意義はなんぞや?と思った。
すくなくとも鍼灸の世界では古くから、具合の悪いほうと反対側に鍼をうつ「巨刺(こし)」という考え方があって、
これがまさに末梢神経刺激のクロスエデュケーション効果であった。
つまり反対側を刺激することにこそ意味がある、ってこと。