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2023年3月25日

くも膜下出血の「ターソン症候群」の頻度ときっかけ

2023  3月  ドイツ


ターソン症候群(Terson Syndrome)はくも膜下出血後によくみられる合併症で、10-46%の割合でおきると報告されている。

頭蓋内圧の上昇により眼球内の静脈が破綻、出血した状態を指す。自然治癒しない場合には手術により大幅に症状改善できるという。

ターソン症候群の発生率の高さにもかかわらず、その認知度は低いので、予測因子についてくわしくしらべてみたそうな。



2010-2020年までの動脈瘤性くも膜下出血患者の全記録を解析した。



次のことがわかった。

・617人のくも膜下出血患者のうち、59.5%367人がターソン症候群の有無についての眼科検査を受けていた。

・ターソン症候群は、21.3%78人に確認された。

・ターソン症候群の患者では、くも膜下出血の重症度目安であるFisherおよびWFNSグレードが有意に高かった。

・WFNSグレードとけいれん発作がターソン症候群の独立した予測因子だった。

・手術が必要になった12例では、すべての患者で視力が平均で0.03→0.76に改善した。


ターソン症候群はくも膜下出血患者によくみられる合併症であり、5人に1人が罹る。重症度が高く、けいれん発作がある場合にはターソン症候群に注意が必要である、


というおはなし。
ターソン症候群


感想:

ターソン症候群、初耳だった。

ためしにターソン症候群について無料の人工知能AIに尋ねるとまったく別の病気(ピーターソン症候群)の答えが返ってきたけど、

有料版ではめっちゃ詳しい回答があって性能の違いに感心した。

脳内出血でも10人に1人の頻度でターソン症候群があるようで、医者がやたら目の中を覗いていたのを思いだした。

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