元2023 3月 ドイツ
ターソン症候群(Terson Syndrome)はくも膜下出血後によくみられる合併症で、10-46%の割合でおきると報告されている。
頭蓋内圧の上昇により眼球内の静脈が破綻、出血した状態を指す。自然治癒しない場合には手術により大幅に症状改善できるという。
ターソン症候群の発生率の高さにもかかわらず、その認知度は低いので、予測因子についてくわしくしらべてみたそうな。
2010-2020年までの動脈瘤性くも膜下出血患者の全記録を解析した。
次のことがわかった。
・617人のくも膜下出血患者のうち、59.5%367人がターソン症候群の有無についての眼科検査を受けていた。・ターソン症候群は、21.3%78人に確認された。・ターソン症候群の患者では、くも膜下出血の重症度目安であるFisherおよびWFNSグレードが有意に高かった。・WFNSグレードとけいれん発作がターソン症候群の独立した予測因子だった。・手術が必要になった12例では、すべての患者で視力が平均で0.03→0.76に改善した。