元2024 4月 中国
脳梗塞(IS)における代謝特性の影響は、おおくの研究によって調査されてきた。
しかしこれらの研究のおおくはヨーロッパ人を対象としたものがほとんどで、使用された方法も限られていた。
そこで、東アジア(日本人)とヨーロッパの両集団において、メンデルランダム化(MR)解析を用いて、代謝特性と脳梗塞との「因果関係」をくわしくしらべてみたそうな。
日本人のデータは、BioBank Japan から取得した。
各代謝特性と操作変数としての一塩基多型(SNP)の数は、
血糖(BG): 38個
収縮期血圧(SBP): 324個
拡張期血圧(DBP): 319個
総コレステロール(TC): 34個
トリグリセリド(TG): 45個
低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C): 33個
高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C): 68個
であり、それぞれ脳梗塞との関連を解析した。
次のようになった。
・収縮期血圧(SBP)は、ヨーロッパ人集団および日本人集団の両方において、脳梗塞のリスク増加と関連しており、これはさらに他のMR解析方法によっても確認された。・ヨーロッパ人集団とは異なり、日本人集団では拡張期血圧(DBP)と脳梗塞との有意な関連は認められなかった。・他の代謝特性(血糖やコレステロール、中性脂肪)と脳梗塞との有意な関連(因果関係)は両人種ともに認められなかった。
収縮期血圧と脳梗塞との間には日本人とヨーロッパ人とで因果関係が認められたが、拡張期血圧との関連はヨーロッパ人にだけで日本人には認められなかった、
というおはなし。
感想:
日本人は拡張期血圧のことをヨーロッパ人ほど気にしなくてもよい、ってこと。
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