元2024 4月 オーストラリア
痛みは脳卒中後の回復において重要な問題の一つであり、多くの患者が継続的な不快感と機能障害を経験する。
特に、感覚障害は脳卒中患者において一般的であり、これが痛みの認識にどのように影響を与えるかは、完全には理解されていない。
そこで、体性感覚障害(触覚検出、触覚識別、固有感覚識別)と、脳卒中患者において報告された身体の痛みの有無および認識との関係をくわしくくらべてみたそうな。
体性感覚障害を有する脳卒中生存者(N=45)が、両手の体性感覚を定量化するためのWeinstein Enhanced Sensory Test(WEST)、触覚識別テスト、手首の位置感覚テストを行い、
痛みの有無と認識のアンケートMcGill Pain Questionnaire、visual analog scale、Neuropathic Pain Symptom Inventory(NPSI)への回答を行った。
次のことがわかった。
・麻痺手の体性感覚障害の触覚検出、触覚識別、固有感覚識別と、痛みの有無や知覚との間に関係は認められなかった。・しかし、麻痺手の触覚検出と痛みの強さ知覚との間には、弱から中等度の負の関係が認められた。つまり触覚検出の体性感覚障害が軽度の脳卒中生存者は、より強い痛みを経験する可能性が高いことが示唆された。・さらに、特定の刺激や条件によって引き起こされる「誘発痛」と麻痺手の触覚検出との間に、中程度の負の関係が認められた。
脳卒中のあと、感覚障害が軽度の場合に全体的な痛みの感覚が強くなり、感覚検出能力が低下している状態では誘発痛が発生しやすいことが示された、
というおはなし。
感想:
脳が血を吹いたすぐのころ、左手の触覚がほとんどゼロの状態だった。
けれど、水や金属に触れたときだけ、とても強い痛みを感じた。
「誘発痛」はそのことかな、、といまさらながらにおもった。