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2023年11月6日

脳卒中後も止まない「激痛」:その有病率と経過について

2023  11月  イギリス


脳卒中後の疼痛は依然として過小診断されており、管理も不十分である。

介入を開始する最適な時期を知るために、脳卒中後疼痛に関連する有病率、経過、患者の特徴についてくわしくしらべてみたそうな。

2023年10月16日

痛みを訴える43%:脳卒中後の隠れた問題

2023  10月  アメリカ


痛みは脳卒中の後遺症として見過ごされている。

脳卒中後の持続的な疼痛はあまり注目されていない経験であり、生存者の機能、リハビリテーションへの参加能力、QOLに大きく影響する。

そこで、脳卒中での急性期入院期間における疼痛の発生率を調べ、退院時に疼痛を報告した人の特徴をくわしくしらべてみたそうな。

2022年8月31日

脳卒中の中枢性疼痛にいちばん効く薬は

2022  8月  中国


脳卒中後の中枢性疼痛(CPSP)の有病率は11%ほどで珍しくなく、QoLを損ないリハビリテーションの妨げになると考えられる。

治療は薬によるものが第一選択ではあるが、どの薬が適しているかは報告により異なる。

そこで、ネットワークメタアナリシスで薬剤間の効果の比較をこころみたそうな。

2022年5月11日

中枢性疼痛でよくある痛みの種類

2022  4月  ブラジル


脳卒中後の神経障害性の疼痛いわゆる中枢性疼痛は、脳卒中患者の最大で12%が経験し、その治療は困難である。

しかし脳卒中患者には非神経障害性の痛み、たとえば筋骨格系、炎症性、複合局所性の痛みを持つ者もおおいので、

神経障害性の痛みを区別してさらにくわしくしらべてみたそうな。

2020年8月31日

脳深部刺激で中枢性疼痛をいやす

2020  8月  オランダ


慢性疼痛に対する視床への脳深部刺激 (Deep brain stimulation:DBS)は成功率にばらつきがあるものの用いられている。

脳卒中後の中枢性疼痛ではその原因箇所として視床の腹尾側核が考えられていて、非常に小さく構造が複雑である。

従来型DBSではリング状の電極による球状の刺激範囲であったが、

指向性をもたせることのできる電極をもった directional DBS が利用できるようになり成果がみられた例があったそうな。

2020年5月28日

中枢性疼痛のメタアナリシス

2020  5月  イギリス


脳卒中後の中枢性疼痛(CPSP)は、脳血管イベントの急性期または慢性期に発生する神経障害性疼痛と定義され、体性感覚路中枢部の病変によるものである。

そこで、CPSPの有病率とその特徴についてメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年12月22日

脳卒中の慢性疼痛の特徴


Novel insights into stroke pain beliefs and perceptions
2019  12月  オーストラリア

脳卒中経験者で3ヶ月以上 慢性的な疼痛が続くケースは40-65%に見られ、一般人の19-30%よりもずっとおおい。

この疼痛について脳卒中経験者のおおくが発症まえには経験したことのない痛みであると報告している。

これらの疼痛は神経が障害されることによるものと考えられ、たとえば「肩の痛み」や「中枢性疼痛」については投薬もふくめ有効な治療法はほとんどない。

そこで脳卒中経験者が慢性疼痛をどう考え、どのように感じているのかを脳卒中以外のケースとでくらべてみたそうな。

2018年3月27日

脳卒中のあとの中枢性疼痛の仕組みがわかった


How central is central post-stroke pain? The role of afferent input in post-stroke neuropathic pain: a prospective open-label pilot study.
2018  3月  アメリカ

脳卒中患者の39-55%は頭痛や肩の痛み、痙縮、中枢性疼痛などのなんらかの痛みを経験する。

しかしこれら痛みケースの4分の1を占める中枢性疼痛のメカニズムはよくわかっていない。

中枢性疼痛は損傷脳と反対側におき、特に上肢や下肢で痛むことがおおい。

通常 慢性的な痛みで、感覚過敏、痛覚や温覚の異常を伴うこともおおく有効な治療法がない。

これまで 中枢神経にある痛みを受容する部分とくに視床のニューロンが脳損傷により過活動になり抑制が効かなくなってしまうことが痛みの原因であると考えられてきた。

今回、中枢性疼痛の原因が「末梢から中枢へ向かう神経シグナルが中枢で誤解釈されるため」という仮説を立てた。そこで途中の神経をブロックすることでこの痛みが消えるものか検証してみたそうな。


脳卒中で中枢性疼痛のある8人の患者について、

疼痛のある部位から中枢へ向かう神経の正確な途上位置に局所麻酔薬リドカインを打ち神経をブロックした。


次のようになった。

・8人中7人で30分以内に痛みが完全に消失した。残りの1人も痛みが50%以上緩和した。

・このとき痛みスケールの中央値は 6.5→0に下がった。

・他の感覚異常も神経ブロックにより消えた。

中枢性疼痛は中枢神経システムの中で自律的に発生するというよりも、末梢からの求心性の感覚刺激に依存し おそらくはその誤解釈によるものと考えられる、


というおはなし。

図:中枢性疼痛

感想:

比較対照群のない実験だけど、この説は支持したい。

でも誤解釈は痛みについてだけなんだろうか? じぶんの世界認識も誤ってはいないだろうか、、、って心配になるよ。

2018年1月28日

読者レポート:中枢性疼痛を解決する方法

脳卒中後の中枢性疼痛では体験者にしか理解できないほどの非常にはげしい痛みを感じる。これに耐えかねて自殺する者もいるという。
脳卒中後の痛みで自殺してしまう患者がいる
しかも中枢性疼痛にはいまだ有効な治療法がほとんどない。
中枢性疼痛の治療法と効果について
こんかい、中枢性疼痛が自然に治ってしまったという報告があったので紹介する。


脳卒中後の中枢性疼痛体験についておそらく日本でいちばんたくさん語っているブログがあります。

これ↓
1963年1月1日生まれ中途身障者の岡下俊介ブログ

先日、このブログを実名で運営している岡下俊介さんからメールをもらいました。

許可を得て引用します。

-------------------------------------------ここから

今回、貴殿が運営されておられる
「サバイバのゼンデラ」という
脳卒中に関する情報サイトに役立つのではないかと私の症状緩和の経験を
一方的ではありますがお伝えさせて頂きます。

その症状とは視床痛いわゆる中枢性疼痛の症状ですが、ご存知かどうか分かりませんが、私は脳出血を発症後、半年程度経過してから視床痛いわゆる中枢性疼痛に5年程悩まされ続けました。上記の情報サイトでも紹介されていた疎経活血湯も試してみたり、抗うつ剤なども試してみたりしていました。ところが約9年耐え続けた結果、現在では症状がほとんどなくなっていることに気付きました。

あれ程根治が難しいと言われている視床痛がなんと自然治癒?したようなのです。当時は曇天や雨の日や低気圧が近づくだけで症状が悪化していたのですが、現在ではそんな天気にも左右されず、緩和したままなのです!

私は最近、ベストセラーになったと言われる「大往生したけりゃ医療とかかわるな」の著者の中村仁一先生がその著書に書かれているように、人間は医療と一切関わらずにいれば、たとえ癌でも、眠るように「自然死」できるというように、視床痛も無理に医療を施す事なく、「放置(自然のまま)にしておけば、自然治癒するのではないかと自分自身の前述のような体験からも感じている次第です。


中枢性疼痛緩和についてもう一点だけお伝えしたい事があります。

実はあの疼痛で苦しんでいた当時、確かに何をしても和らぐ事はありませんでした。ただひとつだけ明らかに和らぐと確信した事があるのです。

それは、何と、涙する程感動することでした。例えば私はあのロッキーの映画が好きなんですが、ロッキーを観ると、何度観ても涙してしまうのです。
ところがそんな風に涙した瞬間から少なくとも数時間は疼痛がなくなっているんです。

これは確信に近いものがあります。
理由は分かりませんが、感動というものが脳になんらかの影響を及ぼすのではないかと勝手に考えています。
その事に確信をしてから、できるだけ涙するような映画を観ようと

「最後の忠臣蔵」「永遠のゼロ」を観たり、NHK の「ハゲタカ」というドラマの最終回なんかは何度も観ましたよ(笑)

それによって疼痛緩和できるからです


ここまで-------------------------------------------


自殺したくなるほどの激しい痛みが何年も消えなかったとしても、必ずしも一生つづくわけではないことを岡下さんの事例があきらかにしています。

図:中枢性疼痛

感想:

感動して痛みが消える、はとても興味深い。

ブログ主の岡下さんとはふしぎと共通点があって、

・生まれ年が1年差。
・脳内出血発症日が同じ年の2週間ちがい。
・ブログ開始日もほんのひと月のズレ。
・いまだにアクティブに更新が続いている。
...

2017年2月16日

一次運動野刺激療法は中枢性疼痛にどのくらい効くのか


The Effect of Motor Cortex Stimulation on Central Poststroke Pain in a Series of 16 Patients With a Mean Follow-Up of 28 Months.
2017  1月  中国

中枢性疼痛の治療法で 脳表に電極を貼り付け運動野を電気刺激する "一次運動野刺激療法"(MCS)は1991年に日本人が初めて報告した。

どのくらい効くものなのか脳卒中患者で確かめてみたそうな。


MCS手術を受けた脳卒中で中枢性疼痛の患者16人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・手術前の痛みスコアは最大10点中 8.0、手術後1ヶ月で3.8、約28ヶ月時点では5.3 だった。

・脳出血または脳梗塞、脳の損傷位置、電極の硬膜上下のちがいは除痛効果に影響しなかった。

・事前のrTMS検査でMCSが効果的な患者を識別できた。

一次運動野刺激療法で脳卒中後の中枢性疼痛をいちじるしく和らげることができた。その効果は脳卒中の種類、損傷位置に依らなかった


というおはなし。
図:一次運動野刺激療法 中枢性疼痛の

感想:

なぜ効くのかはよくわかっていないんだって。

そもそも なんでこういうことをやろうと思ったんだろうね。

2016年10月20日

脳卒中で中枢性疼痛 感覚ふつうなのに、、、


Central Poststroke Pain Can Occur With Normal Sensation.
2016  10月 インド

脳卒中で中枢神経系にダメージを受けると知覚異常や痛みを感じることがある。これを中枢性疼痛という。
これまで視床と関係があると考えられてきたが 必ずしもそうでもなさそうである。

そこで中枢性疼痛の頻度、期間、部位、特徴を調べてみたそうな。


25-80歳 319人の脳卒中患者について調べたところ、


次のことがわかった。

・20.7%の患者で中枢性疼痛がおきた。

・中枢性疼痛患者の平均年齢は55、31.8%は女性、

・疼痛が始まる時期、期間はさまざまで、

・焼けるような痛みが56%、他に ヒリヒリ感、刺すような痛みなどがあった。

・疼痛の強さと脳のダメージ部位に関連はなかった。

・42.3%で脊髄視床路にもとずく感覚(温覚、痛覚、触覚)が正常だった。

・プレガバリン(商品名リリカ)が半数の患者に有効だった。

脳卒中患者の20.7%に中枢性疼痛が確認できた。中枢性疼痛に脊髄視床路の障害は必須ではなかった。脳の損傷位置も中枢性疼痛の重症度に関係しなかった、


というおはなし。
図:中枢性疼痛の脳卒中患者

感想:

ますます原因不明ってことなんだね。

最初のころは金属が痛かった。水に触れてもショックを感じた。

2016年6月4日

脳卒中のあとの下肢の痛みの種類


The impact of lower extremity pain conditions on clinical variables and health-related quality of life in patients with stroke.
2016  5月  トルコ

脳卒中のあとの下肢の痛みの種類について調べてみたそうな。


下肢の疼痛を訴える脳卒中患者185人について調べたところ、


次のことがわかった。

・関節炎が51%、

・中枢性疼痛が29%、

・複数の種類の痛みが混ざったもの10%、

・下肢痛からくる腰痛、大転子痛、股関節骨折、異所性骨化症、股関節脱臼、外反母趾、、、
と続いた。

・下肢疼痛の強さ長さ は日常生活動作やうつ HRQoLと関連があった。

下肢の疼痛は脳卒中経験者の生活の質に影響する、


というおはなし。

図:下肢疼痛の種類

感想:

いまも 歩き出しに左足の裏が痛くてびっこを引くことがある。これは中枢性に分類されるのかな?

2016年1月31日

脳卒中後の痛みの種類と時期について


Prevalence and Time Course of Post-Stroke Pain: A Multicenter Prospective Hospital-Based Study.
2015  12月  イタリア

脳卒中後の疼痛を時期別、種類別に調べてみたそうな。


443人の脳卒中患者について、
急性期、亜急性期、慢性期 の各時期に、
中枢性疼痛、骨格筋痛、肩の痛み、痙縮の痛み、頭痛の有無を調査した結果、


次のことがわかった。

・全体の疼痛経験率は29.56%だった。

・14.06%が急性期、42.73%が亜急性期、31.90%が慢性期に起きた。

・痛みの起きる時期は痛みの種類により異なり、

・骨格筋や肩の痛みは急性期よりも亜急性期、慢性期に多かった。

・痙縮の痛みは慢性期に多く、

・頭痛は急性期に現れた。

・中枢性疼痛は急性期よりも亜急性期、慢性期に多く、

・投薬治療を受けている者は25%未満だった。

脳卒中後の痛みは急性期よりも亜急性期、慢性期に多く、治療対象にないことが多かった、


というおはなし。

図:脳卒中後の痛み

感想:

いまだに、ウォーミングアップができていないと 足の裏が痛むことがある。すぐ気にならなくなるけどね。

2016年1月3日

中枢性疼痛の割合と効いた薬


Central Post Stroke Pain Can Occur with Normal Sensation.
2015  12月  インド

脳卒中後の中枢性疼痛の特徴を調べてみたそうな。


319人の脳卒中患者について調査したところ、


次のことがわかった。

・20.7%が中枢性疼痛だった。

・彼らの年齢中央値は55歳、31.8%が女性だった。

・中枢性疼痛の発症時期、期間、部位は共通していなかった。

・中枢性疼痛の重症度と脳の損傷位置との関連はなかった。

・42.3%の患者は温度感覚や痛覚が正常だった。

・プレガバリン(商品名リリカ)が半数の患者の疼痛レベルを50%以上緩和した。

中枢性疼痛は脳卒中患者の20.7%に見られた。温痛覚が正常な患者も多くいたことから 脊髄視床路の損傷が条件ではないかもしれない。脳の損傷位置と疼痛の重症度との関連はなかった、


というおはなし。

図:中枢性疼痛


感想:

感覚が少し戻りかけたころだろうか、車いすの金属フレームに触れるたびに痛くて、静電気のせいだと思っていた。水に触れても痛いことがわかって、おやおや?と思った。

2015年11月19日

ミラー療法が脳卒中後の痛みに効くは本当か?


The efficacy of movement representation techniques for treating limb pain - a systematic review and metaanalysis.
2015  11月  ドイツ

脳に運動している様子を提示するテクニック、たとえばミラー療法や運動イメージ訓練、動作観察訓練などに ある種の四肢の痛み緩和効果があるという報告がいくつもある。

信用できるものかどうか、いままでの研究をまとめて検証してみたそうな。


ミラー療法や運動イメージ訓練、動作観察訓練と

複合性局所疼痛症候群(CRPS)、幻肢痛、脳卒中後疼痛、その他急性疼痛に関する15件の研究を厳選し 再解析したところ、


次のことがわかった。

・これらの方法は疼痛や障害の軽減に 概ね有効だった。

・QOLの若干の改善効果もあったが 有意ではなかった。

・ミラー療法と運動イメージ訓練はCRPSに適していると考えられた。

・運動イメージ訓練は外傷や手術の痛みに適していると考えられた。

しかしCRPS以外に いずれの方法も 幻肢痛、脳卒中後疼痛への効果は確認できなかった。


というおはなし。

図:movement representation

感想:

ミラー療法は幻肢痛に効くってことで有名になったんじゃないのかな? まぼろしだったのか、、

2015年9月12日

中枢性疼痛の治療法と効果について


Management of Central Poststroke PainSystematic Review of Randomized Controlled Trials
2015  9月  カナダ

脳卒中患者の中枢性疼痛は慢性的に続く神経障害である。

その数ある治療法の効果を総括してみたそうな。


関連する過去の研究から信頼性の高いものを厳選して、データを統合、再解析したところ、


次のことがわかった。

・計459人の被検者を含む8件の研究成果が見つかった。

・それらは、抗けいれん薬、抗うつ薬、オピオイド系鎮痛薬、rTMS、鍼についての研究だった。

・いずれの治療法も 痛みに対しほとんど効果がないか何の影響ももたらさなかった。

・治療の確からさはきわめて低いレベルにあった。


これまでの研究を精査したところ、中枢性疼痛の治療ガイドラインに沿わない結論になってしまったが、実際に治療効果を示せないのだからしょうがない、


というおはなし。



感想:

rTMSと鍼はともかく、薬物系も役に立たないのは別の意味でつらい。

2015年1月15日

脳卒中後の「痛み」と精神的苦痛、社会参加について


Pain among institutionalized stroke patients and its relation to emotional distress and social engagement.
2015  1月  オランダ

脳卒中後の疼痛と精神的苦痛、社会参加の問題との関連を調べてみたそうな。


介護施設に入所中の慢性期脳卒中患者274人について調査した結果、


次のことがわかった。

・28%の入所者がかなりの痛みを感じていて、その68%は身体の麻痺側の痛みだった。

・この疼痛が精神的苦痛スコアの60%に関連していて、

・妄想、興奮、攻撃、抑うつ、不安といった臨床症状とも関連していた。

・疼痛は社会参加度の低さとも関連していたが、精神的苦痛スコアを考慮に入れるとその関連は消えた。


脳卒中後の疼痛は精神的苦痛の元であり、社会参加を妨げる原因にもなる、


というおはなし。


感想:

「痛み」を語る脳卒中ブログは滅多にみない。

痛みは外から見てわからないので説明がつらい。同病者ですら共感がむつかしい。

しぜんと内向きになり表現を諦めるんだろうな、、

2014年10月10日

脳卒中で中枢性疼痛になった患者へのrTMSの効果について


Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation of the Left Premotor /Dorsolateral Prefrontal Cortex does not have Analgesic Effect on Central Post-Stroke Pain.
2014  9月  ブラジル

脳の前運動皮質・背外側前頭前野への磁気刺激(rTMS)は、健常者の熱痛閾値を上げたり、術後疼痛や線維筋痛症を緩和する効果があるという。

そこで脳卒中患者の中枢性疼痛へのrTMSの効果を調べてみたそうな。


患者をリアル刺激グループと偽刺激グループに分けて、毎日磁気刺激治療をおこなった。


次のようになった。

・予定患者数の半分である21人の実験が済んだ時点で中間解析を行ったところ、リアル刺激グループでの効果があまりにも無かったので実験を中断した。


前運動皮質・背外側前頭前野への磁気刺激は中枢性疼痛の緩和には効果がなかった、


というおはなし。


ココ↓
背外側前頭前野


感想:

万能ではないんだな。

2014年8月19日

中枢性疼痛になる若年脳卒中経験者の割合


Central poststroke pain in young ischemic stroke survivors in the Helsinki Young Stroke Registry.
2014  8月  フィンランド

若年脳卒中患者が経験する中枢性疼痛の特徴を調べてみたそうな。


824人の若年脳卒中患者について8年半前後追跡調査したところ、


次のことがわかった。

・5.9%が中枢性疼痛、29.9%が知覚障害、64.2%はいずれでもなかった。

・中枢性疼痛があると知覚障害以上に生活の質が損なわれた。

・中枢性疼痛患者の82%は他の種類の疼痛も抱えていた。

・中枢性疼痛は脳卒中症状と関連があり、発症年齢や脳卒中の種類に依らなかった。

・脳卒中の発症部位と中枢性疼痛との関連は見られなかった。


若年脳卒中経験者の5.9%は長期にわたり中枢性疼痛を経験していた、


というおはなし。

中枢性疼痛


感想:

発症直後に多少の経験はあるのでなんとなく想像がつくけど、これで悩んでる人のブログみてるとその想像の10倍くらい痛いみたいだ。

2013年10月7日

中枢性疼痛なのに治療を受けていない脳卒中経験者の割合は…


Population-based study of central post-stroke pain in Rimini district, Italy.
2013  9月  イタリア

脳卒中後の中枢性疼痛は依然、過小評価されることが多い。放って置くと生活の質が下がり、リハビリを妨げ、ウツや不眠といった気分障害をもたらすとも言われている。

これがどのくらいの割合で見られるものなのか、調べてみたそうな。


イタリアのリミニ住民約33万人のうち、2008-2010に脳卒中になった1494人について調査した結果、


次のようになった。

・このうち660人と面談に成功した。

・中枢性疼痛経験者の割合は66人、11%だった。

・症状は触覚や温覚の知覚過敏で、針で刺すような痛み、腫れなどを伴うものだった。

・中枢性疼痛経験者の58%は脳卒中の直後に発症し、37%は断続的に起きた。

・これら患者は運動機能に障害を持ち、この疼痛が日常生活にも影響していた。

・痛みが強いわりに、30%はなんの治療も受けていなかった。


脳卒中後の中枢性疼痛はもっと注目されるべきである、


というおはなし。


写真:リミニ
リミニ


感想:

そこで疎経活血湯の出番。使ったことないけど…
なんと 漢方のちからで あのしつこい視床痛が消えた


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