元2024 7月 フランス
上肢の二重課題干渉に関する研究は、脳卒中患者のリハビリテーションにおいて重要な洞察を提供する。
二重課題干渉とは、同時に行われる運動課題と認知課題の両方に対するパフォーマンスの低下を指し、日常生活の多くの場面で発生する。
そこで、脳卒中患者の上肢運動中の二重課題干渉が加齢による影響を超えるかどうかをくわしくしらべてみたそうな。
MEDLINE、CINAHL、Google Scholar、PEDroデータベースを用いて、脳卒中患者と健康な高齢者の上肢二重課題に関する研究を系統的にレビューした。
脳卒中患者を対象とした11件の研究と、健康な高齢者を対象とした11件の研究が選定され、そのうち7件の脳卒中研究と5件の高齢者研究がメタアナリシスに含まれた。
上肢運動課題としては、主に近位運動(肩や肘の動き)が使用され、認知課題としては、記憶負荷や注意分散を伴うタスクが含まれている。
次のことがわかった。
・メタアナリシスの結果、脳卒中患者は年齢を一致させた健康な対照群と比較して、平均19%(95% CI = 1.0-37.3)の二重課題干渉の増加を示した(Z = 2.06, p = 0.04)。・一方で、健康な高齢者は若年者と比較して19%(95% CI = 6.5-31.2)の増加を示した(Z = 2.98, p = 0.003)。
脳卒中患者と加齢による二重課題干渉が同程度の増加を示すことを示していた。脳卒中による二重課題干渉の増加は、脳損傷による認知機能の低下が主な原因である、
というおはなし。
感想:
両手にアイスを持ち、2人の人物にそれぞれ同時に渡そうとしたとき、うごきのよくない左手をリリースすることに集中するあまり、右手をいつまでも握りしめたままで相手を困らせてしまった。
ついさっきの出来事。
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