元2024 8月 アメリカ
脳卒中後の回復には、多くの要素が影響を与える。食料不安もその一つである。
食料不安があると、栄養バランスが崩れやすく、安価でカロリーが高い加工食品への依存や、食べ物が手に入るときに過剰に食べる『どか食い』が起こりやすい。
このような食習慣は、血圧や血糖値のコントロールを困難にし、心血管リスクを高める可能性がある。
特に、収入が減少したり、身体的な障害が残ったりする脳卒中経験者にとって、食料を安定して手に入れることは大きな課題となる。
そこで、脳卒中外来クリニックに通院する患者を対象に、食料不安の有病率とその特性をくわしくしらべてみたそうな。
2021年2月1日から7月31日の期間に、脳卒中外来クリニックに訪れた患者を対象に、電子版または紙ベースの質問票を用いて食料不安のスクリーニングを行った。
電子版の質問票は、事前にメールで送付された。
一方、紙ベースの質問票は、クリニックに来院した患者に対して提供された。
食料不安は、「Hunger Vital Sign」という簡易質問を用いた。また、患者の年齢、性別、教育水準、雇用、住居状況などの社会経済的背景も収集され、食料不安とこれらの要因との関連性も分析された。
次のことがわかった。
・406人の脳卒中患者のうち、89.9%(365人)が食料不安スクリーニングを完了し、そのうち14.3%が食料不安を経験していることが明らかになった。・興味深いことに、食料不安の割合は紙ベースの質問票を使用した患者(21.4%)の方が、電子版を使用した患者(10.2%)よりも高かった。・また、紙ベースの質問票を利用する傾向は、ヒスパニック系の患者や、高校卒業以下の教育水準を持つ患者に多く見られた。
脳卒中経験者における食料不安は7人に1人にみられた。調査結果は、紙ベースのスクリーニングの方がより多くの食料不安を検出する可能性があることを示しており、脳卒中経験者に対する支援策の見直しが必要であることを示唆している、
というおはなし。
感想:
数日前、近所のヤオコーというスーパーにいったら米コーナーの棚には米の袋が一切なく、代わりに1個178円のペヤングソース焼きそばが山積みにされていた。
そのときはっきりと「食料不安」をおぼえた。
