元2024 12月 中国
片頭痛、特に前兆を伴う片頭痛(migraine with aura)は、以前から脳卒中リスクとの関連が指摘されてきた。しかし、これまでの研究は観察研究が中心であり、片頭痛と脳卒中リスクの因果関係を明確に示したものは少なかった。
特に、若い世代で発症する早期脳梗塞(early-onset ischemic stroke)との関連については十分に解明されていなかったので、遺伝的データを活用し、片頭痛が早期脳梗塞に及ぼす因果的影響をくわしくしらべてみたそうな。
大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS)から片頭痛(前兆あり、前兆なし、全体)に関連する遺伝的変異(SNP)を取得した。
次に、18歳から59歳を対象とした早期脳梗塞の遺伝データと統合し、Mendelian Randomization(MR)解析を実施した。この手法は、遺伝的変異が片頭痛を通じて早期脳梗塞にどのように影響を与えるかを解析するものである。主要な解析手法として、逆分散重み付き法を使用し、遺伝的相関を評価するためにLinkage Disequilibrium Score Regression(LDSC)も併用した。
次のようになった。
・前兆を伴う片頭痛が早期脳梗塞のリスクを有意に増加させることが示された(オッズ比1.074、95%信頼区間1.022–1.130)。・一方で、前兆を伴わない片頭痛および片頭痛全般では、脳梗塞リスクとの有意な関連は認められなかった。・また、遺伝的相関の解析においても、前兆を伴う片頭痛と早期脳梗塞の間に正の遺伝的相関が確認された。これは、両者が共通する遺伝的要因を持ち、片頭痛が脳梗塞リスクに影響を与える可能性を示唆している。
この研究は、前兆を伴う片頭痛が早期脳梗塞の原因である可能性が示された初の大規模な遺伝解析である。特に、若い片頭痛患者において脳梗塞予防のための早期介入の重要性が示唆された、
というおはなし。
感想:
身近に前兆付き片頭痛もちがいるので関心がある。
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