元2025 1月 中国
脳卒中は中高年に多い深刻な健康問題であり、その予防には生活環境が大きく関わるとされている。しかし、緑地面積と脳卒中リスクの関係についてはこれまで明確な結論が出ていなかった。
そこで、中国の中高年を対象に、生活地域の緑地面積が新たな脳卒中の発症リスクにどのように影響するかをくわしくしらべてみたそうな。
中国健康退職縦断研究(CHARLS)から45歳以上の13,696人のデータを用いた。2011年の基準データを元に、2020年まで追跡調査を実施し、新たな脳卒中の発症を記録した。
生活地域の1人あたりの公園緑地面積を計算し、それが脳卒中リスクに与える影響を多変量Cox回帰モデルを使って解析した。年齢、性別、喫煙歴、飲酒歴、教育水準などの交絡因子も考慮された。
次のことがわかった。
・平均6.32年間の追跡期間中に728件の新たな脳卒中が発生した。・1人あたりの緑地面積が10.61平方メートル未満では脳卒中リスクが著しく増加し、この値に近づくにつれてリスクが減少した。・一方で、10.61平方メートル以上の緑地ではリスク低下の効果がほぼ飽和することが分かった(HR: 0.89, 95% CI: 0.84–0.94)。
この研究は、生活地域の緑地面積が脳卒中の予防に重要であることを示している。特に、1人あたり10.61平方メートル以上の緑地面積が確保される環境がリスク低下に有効と考えられる。この結果は、個人の日常生活での緑地利用や地域の都市計画において、緑地の確保を優先することの重要性を示唆している、
というおはなし。
感想:
一時的にでも、六畳一間ほどのグリーンスペースを独占できれば脳卒中予防になる、ってこと。
