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2025年2月13日

その脳卒中リハビリ、やるだけ無駄?効果が薄い方法と有効な方法をコクランが公開!

2025  2月  イギリス


脳卒中後のリハビリテーションにはさまざまな方法があるが、どれが本当に効果的なのかは議論の的となっている。

特に、歩行やバランス能力の回復に焦点を当てた研究は多く、その中でも有効なアプローチとそうでないアプローチがある。

そこで、Cochraneが最新研究からどのリハビリ方法が効果的なのかをくわしくレビューしてみたそうな。



脳卒中後の機能回復と移動能力向上を目的としたリハビリテーションを対象に、267件のランダム化比較試験(RCT)、合計21,838人のデータが分析された。研究対象には、以下のような具体的なリハビリテーション法が含まれる。

機能的課題訓練(Functional Task Training, FTT) - 立ち上がりや歩行など、実際の日常生活動作を繰り返し練習する。

神経生理学的アプローチ(Neurophysiological Approaches) - ボバース法、PNF(固有受容性神経筋促通法)など、神経系の働きを調整する。

追加リハビリ(Additional Rehabilitation) - 通常のリハビリに加えて、リハビリ時間や頻度を増やしたり、新たなリハビリ技術を組み合わせる。
例: ロボット歩行補助、電気刺激療法(FES)、バーチャルリアリティ(VR)リハビリ、自主トレーニングの強化など。

CIMT(Constraint-Induced Movement Therapy, 制約誘導運動療法) - 健側を制限し、麻痺側を積極的に使用させる。



次のことがわかった。

効果が高いリハビリ方法
・機能的課題訓練(FTT)は、ADLや運動機能の回復に有効であることが示唆されている。
・ADLの改善効果(SMD 0.58, 95%CI 0.29–0.87)
・運動機能の向上(SMD 0.72, 95%CI 0.21–1.22)

・追加リハビリ は、リハビリ時間を増やすことで機能回復が促進される。
・ADLの向上(SMD 1.26, 95%CI 0.82–1.71)
・歩行速度やバランスの改善も期待できる

・CIMT(上肢リハビリに特化したものが主流だが、一部下肢にも応用される)は、歩行訓練としての効果が示唆されているが、エビデンスの確実性は低い。

効果が薄いリハビリ方法
・神経生理学的アプローチ(ボバース法、PNFなど)は、ADLの改善効果が他の方法より小さい可能性があるが、一部の症例では有効である可能性もある。
・ADLの改善効果が低い(SMD -0.34, 95%CI -0.63 to -0.06)
・運動機能、バランス、歩行速度の向上効果は不確実


脳卒中後のリハビリでは、機能的課題訓練(FTT)が最も効果的であり、追加リハビリの導入も推奨される。追加リハビリでは、リハビリ時間の延長や新たな技術(ロボット補助、電気刺激、VR)を活用することで、より高い効果が期待できる。一方、神経生理学的アプローチ(ボバース法、PNFなど)は、従来の理論に基づいているが、実際の回復効果は限定的であることが示唆される、


というおはなし。

脳卒中の移動リハビリテーション



感想:

どれも確実なエビデンスはないけれど、精一杯好意的に解釈すると上のような内容ってこと。



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