元2025 4月 アメリカ
葉酸は、胎児の先天性異常である神経管閉鎖障害を防ぐために重要な栄養素とされ、アメリカなど多くの国で穀物への添加(強化)が行われている。また、葉酸は脳卒中のリスクを下げる働きがあるとも言われ、ホモシステインという血液中の物質を減らす役割もある。
しかし最近では、葉酸を摂りすぎると逆に体に悪影響をおよぼす可能性があるという報告が出てきている。そこで、葉酸の過剰摂取が脳卒中の発症や回復にどう影響するかをまとめてみたそうな。
PubMedやGoogle Scholarなどの論文検索サイトで、「葉酸」「低酸素」「脳卒中」「心血管疾患」などのキーワードを使って文献を探した。ヒトの研究に限らず、動物実験や細胞実験なども参考にしながら、葉酸が体にどのように作用するか、またその限界や注意点について幅広く調べた。
次のことがわかった。
・ 葉酸はホモシステインという物質を減らすことで脳卒中の予防に役立つが、摂りすぎると「未代謝葉酸(UMFA)」が体にたまりやすくなる。・ UMFAが体にたまると、免疫が弱くなったり、記憶力が落ちたり、神経に悪い影響をおよぼす可能性がある。・ 特にビタミンB12が不足している人や、体質的に葉酸の代謝がうまくできない人(遺伝的要因がある場合)は注意が必要である。・ 葉酸は炎症をおさえる働きもあるが、高い濃度になると逆に悪い炎症を引き起こす可能性もある。・ 脳卒中でおこる低酸素の状態では、葉酸が血管の新しい成長(血管新生)を妨げることもある。・ 葉酸は神経細胞の元になる幹細胞を増やす働きもあるが、代謝の途中でできる物質が神経に毒になることもある。・ 葉酸とビタミンB12のバランスがくずれると、ホモシステインが減らなくなり、脳の病気や認知症のリスクが高まる。
葉酸は、適切な量であれば脳卒中の予防や回復に役立つ栄養素である。しかし、摂りすぎると逆に健康をそこなうおそれがある。特に、未代謝葉酸の体内での蓄積や、ビタミンB12不足との組み合わせ、体質的な違いなどに気をつける必要がある。これからは、「みんな同じ量を摂る」時代から、「その人に合った量を考える」時代へと進むべきである。脳卒中を防ぐためにも、葉酸の摂取は“多ければよい”ではなく、“ちょうどよい量を見極める”ことが大切である、
というおはなし。
感想:
『穀物に葉酸強化をしている国がありますが、その良い効果はあきらかになっているのですか?』
以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓
はい、穀物への葉酸強化(フォートフィケーション)政策には、確立された“良い効果”がいくつかあります。
特に「妊婦の葉酸不足を防ぎ、神経管閉鎖障害(NTD)を大幅に減らす」という目的では、効果は極めて明確かつエビデンスに裏付けられているといえる。
以下に、その“良い効果”を整理する。
✅ 穀物の葉酸強化によって明らかになった良い効果
① 神経管閉鎖障害(NTD)の予防効果
- NTD(例:二分脊椎や無脳症)の発症率が25~70%も減少。
- たとえばアメリカやカナダでは1998年の導入以降、出生時NTDの大幅減少が確認されている。
- WHOやCDCなど国際機関もこの効果を認めており、「公衆衛生上もっとも成功した予防戦略のひとつ」と位置づけている。
② ホモシステイン低下による心血管疾患リスクの抑制
- 葉酸がホモシステインをメチオニンに変換することにより、動脈硬化や脳卒中のリスクを下げる可能性がある。
- 中国の大規模研究(CSPPT試験)では、葉酸を追加した群で脳卒中リスクが約21%減少。
③ 社会的に平等な効果
- サプリを買わない人、情報を持たない人、妊娠に気づいていない女性にも等しく栄養を届けられる。
- これは「行動に依存しない予防策」として非常に価値が高い。
🔍 ただし「効果があるのは誰にとってか?」が重要
| グループ | 効果の明確さ |
|---|---|
| 妊婦・妊娠可能女性 | ✅ 明確(NTD予防) |
| 高齢者 | ⚠️ 効果不明/むしろリスクあり(UMFA、B12欠乏など) |
| 健常成人全般 | ⚪ 効果ありうるが個人差大 |
🧠 結論
穀物への葉酸強化政策は、「妊婦と胎児に対するNTD予防」という一点においては、科学的にも政策的にも成功している。
ただし、それ以外の層(高齢者、遺伝的リスク保持者)にとっては効果が不明瞭または逆効果の可能性があり、今後の再評価が求められる。
