元2025 4月 アメリカ
脳卒中後の尿失禁は、患者の生活の質を大きく損なうにもかかわらず、その神経メカニズムは十分に解明されていない。
従来、膀胱の勝手な収縮(抑制不能な排尿)が原因とされてきたが、脳がどのようにこの現象に関与しているのかは不明な点が多かった。
そこで、意識的な排尿と無意識的な排尿における脳活動の違いを明らかにすることで、尿失禁の背景にある神経回路をくわしくしらべてみたそうな。
尿失禁のある脳卒中経験者15名と健常者9名を対象に、fMRIと尿流動態検査を同時に行いながら、排尿中の脳活動を記録した。
被験者はMRI装置の中に横たわり、尿道カテーテルを通じて膀胱に生理食塩水を注入されることで尿意を再現し、実際にMRI撮像中に排尿を行った。
合計で、脳卒中患者における25回の無意識的排尿、23回の意識的排尿、健常者における35回の意識的排尿が観察された。データ解析には一般線形モデル(GLM)を用い、排尿中および排尿直前の脳活動パターンを比較した。統計学的有意水準はp<0.005、最小クラスタサイズ25ボクセルとした。
次のようになった。
・意識的排尿の際には、健常者・脳卒中患者ともに、脳幹、帯状回、前頭前野、運動野などの領域が活性化した。これは排尿に向けた感覚・運動制御や意思決定が関与していることを示唆する。
・一方、無意識的排尿では、脳活動の変化が非常に少なく、皮質の関与が乏しいことが明らかとなった。
・特に注目されたのは、意識的排尿の直前に活性化する"サリエンスネットワーク"(前部島皮質・前部帯状回)が、無意識的排尿ではまったく活性化しなかった点である。
本研究は、サリエンスネットワークが尿意という内的感覚に注意を向け、排尿行動に切り替える「スイッチ」の役割を果たしていることを示した。脳卒中後の尿失禁は、このネットワークの機能不全により、尿意に気づかず無意識的に排尿してしまうことに起因する可能性がある。したがって、今後の治療や介入では、サリエンスネットワークの機能回復を促すようなリハビリテーションや神経調節技術が有望となるであろう、
というおはなし。
感想:
『サリエンスネットワークの特徴を、ほかのネットワークたとえばDMNと比較しながらやさしく説明してください。』
以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓
ここでは脳の主要ネットワークのうち、「サリエンスネットワーク(SN)」と「デフォルトモードネットワーク(DMN)」を中心に、キャラで例えるようにしてやさしく説明します。
🧠 脳のネットワークは「役割分担チーム」
脳の中には、いくつかの「常に一緒に働くチーム(ネットワーク)」があります。
それぞれ得意分野があり、タイミングに応じて切り替わりながら働いています。
🌟 サリエンスネットワーク(SN)
=「センサー係」+「司令塔」
● 主な仕事:
- 「いま、何が大事?」を判断する
- 注意を切り替える(たとえば、ぼーっとしてたら地震が来たときにパッと目覚める)
● 使っている脳の部位:
- 前部島皮質(insula)
- 前部帯状回(ACC)
● たとえるなら…
常に周囲を見張ってる「警備隊」+「現場監督」
「あっ、尿意!危険かも!」「いまはそれに集中しよう!」と、他のチームを呼び出す
😴 デフォルトモードネットワーク(DMN)
=「内省係」+「ぼんやり係」
● 主な仕事:
- 自分の過去・未来を考える
- 想像、空想、自己意識の整理
- 休憩中に働く
● 使っている脳の部位:
- 後部帯状回(PCC)
- 内側前頭前野(mPFC)など
● たとえるなら…
「哲学者チーム」「夢見る自分担当」
一人でぼーっとしてるとき、記憶や感情を反芻しているときに活躍
🔁 両者の関係(切り替えのダイナミズム)
| 状況 | SNの動き | DMNの動き |
|---|---|---|
| トイレに行きたくなる | 「おっ、尿意!」→DMNをオフ、行動開始! | スリープ状態に |
| ぼーっとしている時 | 刺激がない → SNは休憩 | 自動的にON(過去のことを考えるなど) |
| 痛み、不安、強い感情 | SNが即座に反応、DMNを遮断 | 一時的にオフになる |
サリエンスネットワークは「司令塔」なので、DMNや行動ネットワークを切り替えるスイッチ役でもある。
💡 やさしくまとめると:
- サリエンスネットワーク(SN):
「いま大事なことに気づく」係。注意を切り替える司令塔。 - デフォルトモードネットワーク(DMN):
「過去や未来、空想にひたる」係。ぼーっとしてるときの背景回路。
両者はシーソーのように交互に働いていて、SNが壊れると「切り替え」ができず、尿意にも気づけなくなる可能性がある。
